はじめに
先日の禁止改訂によりスタンダードで《成長のらせん》《荒野の再生》が禁止に、ヒストリックでは《荒野の再生》が一時停止となりました。過去、数回に渡ってティムール再生、原野再生のガイドをお届けしてきましたが、これらのデッキは完全に消滅してしまいました。
「《荒野の再生》がなくってはもう当分は出番がないだろう……」と思っていたところ、縁あってふたたびみなさんに記事をお届けする機会をいただけました。この貴重な機会に感謝しつつ、最後までお付き合いいただければ幸いです。
今回は迫るミシックインビテーショナル前の環境解説になります。「ミシックインビテーショナルの放送は観たいけど、ヒストリックは今までやったことがないのでどんな環境なのか、どんなデッキがあるのかよく分からない……」といった方向けの記事です。また、最後に私からのオススメデッキについても簡単に紹介しますので、「特に使いたいデッキがない……」という方の参考になれば幸いです。
ヒストリックがどんなフォーマットか詳しく知りたい方は、下記のヒストリック・フォーマット概要をクリックしてください。
環境を定義するカード
はじめにヒストリックを定義するカードを紹介します。
ヒストリックはスタンダードとパイオニアの中間フォーマットで、スタンダードの延長という認識が正しいです。しかし、『ヒストリック・アンソロジー』や『Jumpstart』、『アモンケットリマスター』によって、パイオニア以下でも活躍する現役の強力なカードが何枚か存在します。それらの存在を把握しなければどんなデッキがなぜ流行っているのか、なぜ強いのかを理解できないため、まずはそれらを紹介します。
S級
環境最強のカードです。イメージとしてはレガシーでも活躍できるレベルです。
《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
スタンダードでもお馴染みの最強クリーチャーです。フォーマットを問わず大活躍中のこのカード、ヒストリックであっても例に漏れず強力なカードです。スタンダードと比べると《思考囲い》や《検閲》、《成長のらせん》といった軽くて強力な呪文が揃っているため、より強く使えます。
《上流階級のゴブリン、マクサス》
ヒストリック最強と謳われるゴブリンのキーカードです。戦場に出るだけで最大6体のゴブリンが並ぶこの能力は、唱えて通る=勝ちとほとんど同義です。これだけでもデッキを寄せる価値がありますが、それだけに留まらないのがゴブリンの強さです。ゴブリン自体の解説は後述します。
A級
S級には劣るものの、環境を定義するレベルの強力なカードです。イメージとしてはモダンでも活躍できるレベルです。
《コーの精霊の踊り手》
アゾリウスオーラのキーカードです。オーラを唱える度にドローする能力と自身についているオーラを参照して強化される能力によって、爆発的なスピードで成長していきます。ヒストリックの除去はスタンダードと大差がないため、対処が難しいのもこのカードの強さに拍車をかけています。
《思考囲い》
モダン以下ではお馴染みの万能手札破壊です。ほかのカードに比べると地味に感じるかもしれませんが、ヒストリックでは今まで2マナ相当で行っていた手札破壊を1マナで行えるようになっただけでも天地の差です。重ねて引いたときやほかのカードと同一ターンでプレイする場合など、その軽さ=強さを実感するタイミングは多いです。アグロ/ミッドレンジ/コントロールのメイン/サイド問わず活躍する、黒いデッキのお供です。
《ドミナリアの英雄、テフェリー》
過去のスタンダードを支配した最強クラスのプレインズウォーカーです。ターン終了時に土地を起こす能力で除去や《サメ台風》を構えられるため、退かすのが非常に困難です。対峙したときの絶望感がすさまじく、私自身、久々にこのカードをプレイされたときに「いや、強すぎないか?」と驚きました。。。
しかし、受けきるために必要な軽量の除去や打ち消し(《流刑への道》《マナ漏出》など)といった脇を固めるカードが不足しているため、その強さを活かしきれていない印象を受けます。
《虚空の力線》《安らかなる眠り》《墓掘りの檻》
モダン以下でもお馴染みの対策パーマネントです。
黒単王神、ラクドスミッドレンジのような墓地利用デッキ、城塞カンパニーのような踏み倒しデッキなどが一発で機能不全に陥るレベルの威力を持っています。これらの存在そのものが特定のデッキの価値を大幅に下げているため、そういった意味でこれらもまた環境を定義するカードです。
B級カード
影響力はあるものの、状況やデッキを選ぶためA級よりも劣るカードです。イメージとしてはパイオニアでも活躍できるレベルです。
《ボーラスの城塞》
城塞カンパニーのキーカードです。典型的な“通れば勝ち”の重量アーティファクトで、《悲哀の徘徊者》との組み合わせでライフさえあればほとんど山札を掘り進められるため、《波乱の悪魔》《血の芸術家》が絡めば一瞬で20点を削りきれます。しかし、ライフを詰められていると役に立たないため、アグロ相手に苦しい展開も目立ちます。
《集合した中隊》
パイオニア以下のクリーチャーデッキのお供として活躍するインスタントです。4マナで最大3マナ×2のクリーチャーをインスタントタイミングで踏み倒してプレイできるため、その奇襲性もさることながらアドバンテージ面でも優位に立てます。デッキ構築に大きく制限が掛かりますが、それに見合ったリターンがあるので寄せる価値があります。
しかし、出てくるクリーチャーのカードパワーはヒストリック(スタンダードの延長)なため、多少の物足りなさを感じます。
主要アーキタイプ紹介
アグロ
ゴブリン
4 《エンバレス城》
2 《ファイレクシアの塔》
-土地 (24)- 4 《スカークの探鉱者》
4 《人目を引く詮索者》
4 《ゴブリンの扇動者》
4 《ずる賢いゴブリン》
4 《ゴブリンの酋長》
4 《ゴブリンの戦長》
2 《ゴブリンの女看守》
1 《宝石の手の焼却者》
4 《群衆の親分、クレンコ》
1 《ゴブリンの首謀者》
4 《上流階級のゴブリン、マクサス》
-クリーチャー (36)-
《上流階級のゴブリン、マクサス》を出す = WIN!!
《スカークの探鉱者》《ずる賢いゴブリン》《ゴブリンの戦長》《アイレンクラッグの妙技》《ファイレクシアの塔》を経由して、最速3ターンで《上流階級のゴブリン、マクサス》をプレイできる爆発力を持っています。
《墓掘りの檻》などの対策で《上流階級のゴブリン、マクサス》を封じても、《ゴブリンの酋長》《群衆の親分、クレンコ》によるビートダウンプランも並のクリーチャーデッキを上回る威力で非常に強烈です。
それらを除去して時間を稼ごうとしても、《人目を引く詮索者》《ゴブリンの女看守》《ゴブリンの首謀者》によって素早く戦線を立て直します。
サイド後も《ゴブリンのクレーター掘り》《ゴブリンの損壊名手》といったアーティファクト対策で《墓掘りの檻》を突破しやすく、相手のビートダウンプランに対しても《ゴブリンの鎖回し》《宝石の手の焼却者》といった優秀な除去で妨害が可能です。
基本は赤単色(タッチ黒の場合は《思考囲い》が加わります)かつゴブリンという部族限定でありながら対策への耐性も高く、対処が難しい強力なデッキです。 その強さゆえに、現環境最強との呼び声も高いです。
アゾリウスオーラ
4 《島》
4 《神聖なる泉》
4 《氷河の城砦》
2 《啓蒙の神殿》
-土地 (22)- 2 《羽ばたき飛行機械》
4 《命の恵みのアルセイド》
4 《無私の救助犬》
2 《不屈の護衛》
4 《コーの精霊の踊り手》
2 《アダントの先兵》
-クリーチャー (18)-
《コーの精霊の踊り手》を出す→引く→殴る = WIN!!
《執着的探訪》《好奇心》のようなドローエンジンからのハメパターンに対応できないデッキに対しては滅法強く、《コーの精霊の踊り手》が絡まずとも勝てる展開も多いです。また、《静寂をもたらすもの》がゴブリンに、《安らかなる眠り》がラクドスミッドレンジ、黒単王神に対して最強クラスの対策カードで、これを無理なく使える点もポイントです。
《ケイラメトラの恩恵》《命の恵みのアルセイド》《無私の救助犬》《アダントの先兵》など、オーラ戦略の癌となるクリーチャー除去をかわす方法が豊富で、《夢の巣のルールス》《歩哨の目》によるリカバリーによって戦線が途切れることがないので粘り強く、意外と対策が難しいデッキです。
赤単バーン
4 《ラムナプの遺跡》
-土地 (18)- 4 《ギトゥの溶岩走り》
4 《損魂魔道士》
2 《渋面の溶岩使い》
4 《熱錬金術師》
4 《ヴィーアシーノの紅蓮術師》
2 《砕骨の巨人》
-クリーチャー (20)-
どんな環境にも存在するのが赤単です。sandydogmtgを信じましょう(※どんな環境でも赤単を使うことで有名なプレイヤー)。
金太郎飴的な構成をしているため、これといったキーカードがあるわけではないですが、とりわけ《渋面の溶岩使い》はモダン以下でも活躍する強力なクリーチャーです。墓地が続く限り《ショック》を撃ち込めるため、青単アグロのような小型のクリーチャーが主体のデッキは単体で完封されかねません。
また、《渋面の溶岩使い》はウィザードなので《魔術師の稲妻》が使いやすくなるのもポイントです。弱点は除去…と言いたいところですが、《実験の狂乱》によってリソース勝負もお手の物。単に時間を稼ぐだけでは勝てないため、これもまた意外と対策が難しいデッキです。
ランプ/コントロール
シミックランプ
2 《島》
4 《繁殖池》
4 《内陸の湾港》
3 《神秘の神殿》
2 《ギャレンブリグ城》
1 《オラーズカの拱門》
1 《爆発域》
-土地 (28)- 3 《樹上の草食獣》
4 《ハイドロイド混成体》
4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
2 《ムル・ダヤの巫女》
1 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》
-クリーチャー (14)-
《探検》《成長のらせん》《自然の怒りのタイタン、ウーロ》《耕作》《ムル・ダヤの巫女》でリソースを減らすことなく土地を伸ばし続け、最終的には《精霊龍、ウギン》や《絶え間ない飢餓、ウラモグ》といったモダン級の強力なフィニッシャーを叩き付けます。
対ミッドレンジには無類の強さを発揮し、適正ターンよりも早く唱えられる《精霊龍、ウギン》や《絶え間ない飢餓、ウラモグ》に対処できるデッキはほとんど存在しません。反面、除去が薄いことから序盤から攻勢を掛けるアグロを苦手とし、《探検》や《耕作》を唱えているだけでライフを0にされたときには残念な気持ちになります。得意な相手をボコボコにし、苦手な相手にボコボコされる。非常に漢らしいデッキです。
スゥルタイコントロール
2 《森》
1 《沼》
4 《寓話の小道》
4 《ゼイゴスのトライオーム》
4 《繁殖池》
4 《草むした墓》
3 《湿った墓》
2 《内陸の湾港》
1 《森林の墓地》
2 《ヴァントレス城》
-土地 (29)- 4 《ハイドロイド混成体》
4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
-クリーチャー (8)-
スタンダードで猛威を振るうスゥルタイコントロールは、ヒストリックでも活躍中です。スタンダードでは先日禁止指定された《成長のらせん》をはじめ、《検閲》《思考囲い》《探検》などの序盤を支えるアクションが充実しており、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》をより強く使えます。
《世界を揺るがす者、ニッサ》+《否定の契約》のような必殺技も持ち合わせており、《世界を揺るがす者、ニッサ》を出したターンに立てた土地から撃てる呪文と同時に構えられるため、隙がありません。契約の支払いも《世界を揺るがす者、ニッサ》の常在型能力で楽々支払えるため、非常に相性が良いのです。
コントロールデッキにありがちな攻守の切り替えのタイミングが難しく、ゴブリンやアゾリウスオーラのような一貫した戦略というよりは相手のデッキや状況に合わせたプレイが求められるため、見た目以上に難易度の高いデッキです。
バントコントロール
4 《神聖なる泉》
4 《寺院の庭》
2 《灌漑農地》
2 《まばらな木立ち》
4 《内陸の湾港》
2 《氷河の城砦》
2 《陽花弁の木立ち》
2 《アーデンベイル城》
2 《ヴァントレス城》
-土地 (28)- 4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
1 《厚かましい借り手》
-クリーチャー (5)-
4 《成長のらせん》
4 《中和》
1 《神秘の論争》
4 《神の怒り》
1 《アズカンタの探索》
3 《サメ台風》
2 《覆いを割く者、ナーセット》
4 《ドミナリアの英雄、テフェリー》
-呪文 (27)-
2 《ドビンの拒否権》
2 《神秘の論争》
2 《機を見た援軍》
2 《不可解な終焉》
2 《安らかなる眠り》
1 《厚かましい借り手》
1 《サメ台風》
1 《覆いを割く者、ナーセット》
-サイドボード (15)-
ほぼほぼアゾリウスコントロールタッチ《自然の怒りのタイタン、ウーロ》です。スゥルタイコントロールにはない《神の怒り》《ドミナリアの英雄、テフェリー》《安らかなる眠り》といった白い強力なカードによる制圧力がウリです。
しかし、《時を解す者、テフェリー》が一時停止で使用できない点がネックで、スゥルタイコントロールと比べて《思考囲い》分だけ序盤を埋めるアクションが少なく、除去に関しても《封じ込め》のようにイマイチ使いづらさを感じるため、スゥルタイコントロールには一歩劣る印象です。差別化を図るのためか《覆いを割く者、ナーセット》+《暗記/記憶》コンボを内蔵しているリストが多いです。
ミッドレンジ
ラクドスミッドレンジ
5 《山》
4 《血の墓所》
2 《泥濘の峡谷》
4 《竜髑髏の山頂》
2 《ロークスワイン城》
-土地 (22)- 4 《魔王の器》
4 《縫い師への供給者》
4 《戦慄衆の秘儀術師》
4 《死の飢えのタイタン、クロクサ》
-クリーチャー (16)-
2 《群れネズミ》
2 《塵へのしがみつき》
2 《リリアナの敗北》
2 《レッドキャップの乱闘》
2 《削剥》
1 《軍団の最期》
1 《夢の巣のルールス》
-サイドボード (15)-
ラクドスらしい墓地利用&生け贄デッキです。
《思考囲い》+《戦慄衆の秘儀術師》や《初子さらい》+《村の儀式》、《魔王の器》+《死住まいの呼び声》といったシナジーが豊富で、頭を使いながらプレイするのが楽しいデッキです。
基本的には除去&手札破壊でアドバンテージを稼ぐミッドレンジですが、「《死の飢えのタイタン、クロクサ》を脱出→《立身/出世》」や「《立身/出世》で《戦慄衆の秘儀術師》を蘇生→《立身/出世》で速攻付与→攻撃して《死住まいの呼び声》を唱えて《魔王の器》を蘇生」といった横と縦の奇襲性も持ち合わせています。
また、アゾリウスオーラ同様に《夢の巣のルールス》を上手く使える点もポイントで、《死の飢えのタイタン、クロクサ》の「脱出」も含めると見た目に反して長期戦にも強い構成です。反面、対策には滅法弱く、特に《虚空の力線》《安らかなる眠り》でデッキの大半が機能不全に陥ります。
ジャンドサクリファイス/城塞カンパニー
2 《森》
1 《山》
3 《寓話の小道》
4 《草むした墓》
4 《踏み鳴らされる地》
2 《血の墓所》
3 《竜髑髏の山頂》
1 《森林の墓地》
2 《ファイレクシアの塔》
1 《ロークスワイン城》
-土地 (25)- 4 《金のガチョウ》
4 《大釜の使い魔》
4 《波乱の悪魔》
4 《悲哀の徘徊者》
1 《残忍な騎士》
3 《フェイに呪われた王、コルヴォルド》
-クリーチャー (20)-
生け贄シナジーをフルに活用したミッドレンジです。
《戦慄衆の解体者》《波乱の悪魔》を絡めたビートダウンプラン、《大釜の使い魔》《魔女のかまど》《パンくずの道標》《金のガチョウ》を絡めたコントロールプラン、《悲哀の徘徊者》+《ボーラスの城塞》(+《波乱の悪魔》《血の芸術家》)を絡めたコンボプランなど、多彩なゲームプランを持っています。
そのため、ビートダウンプランに対応しようとして除去を増やすと《パンくずの道標》ですかされたり、コンボプランに対応しようとして打ち消しを増やすと《戦慄衆の解体者》に一方的に殴りきられたりと、対応するのが非常に難しいデッキです。
逆にジャンドサクリファイス側は相手に合わせて、例えばアグロ相手には《ボーラスの城塞》を抜いたりと器用にサイドボーディングができるため、常に主導権があるのも強みです。しかし、クリーチャー以外への干渉手段に乏しく、相手の押し付ける動きに対応しづらいのが弱点です。
プレイも難解で、「この盤面からは何点ダメージを出せるのか」といった計算がややこしく、使いこなすには相当な練習が必要です。《集合した中隊》《ボーラスの城塞》に寄せたコンボチックな構成だと《墓掘りの檻》に対して弱すぎることから、最近では《フェイに呪われた王、コルヴォルド》のような対策をかわせる別のフィニッシャーを採用する傾向にあるようです。
コンボ
黒単王神
3 《ロークスワイン城》
4 《ファイレクシアの塔》
-土地 (22)- 4 《墓所破り》
4 《縫い師への供給者》
4 《悪魔の職工》
4 《ラゾテプの肉裂き》
4 《忘れられた神々の僧侶》
3 《ぬかるみのトリトン》
1 《脳蛆》
4 《悲哀の徘徊者》
1 《貪欲なチュパカブラ》
1 《夜の騎兵》
2 《虐殺のワーム》
-クリーチャー (32)-
《王神の贈り物》にフィーチャーしたコンボデッキです。
《ファイレクシアの塔》《忘れられた神々の僧侶》による生け贄&マナブーストで《来世への門》をサポートし、高速で《王神の贈り物》に繋げます。《墓所破り》《悲哀の徘徊者》《悪魔の職工》によるドロー&デッキ操作でキーカードへも辿り着きやすく、コンボデッキとしての完成度は非常に高いです。
ラクドスミッドレンジと同様に墓地対策には滅法弱く、デッキに大量のゴミを抱えることになります。《虚空の力線》を使う側のマリガンを逆手に取った、《脳蛆》《ファイレクシアの抹消者》《破滅を囁くもの》のように墓地を利用しないサイドプランが求められます。
オススメデッキ紹介
最後に私のオススメデッキを紹介いたします。
スゥルタイコントロール
2 《森》
1 《沼》
4 《寓話の小道》
4 《ゼイゴスのトライオーム》
4 《繁殖池》
4 《草むした墓》
4 《水没した地下墓地》
1 《内陸の湾港》
1 《森林の墓地》
1 《ロークスワイン城》
-土地 (28)- 4 《ハイドロイド混成体》
4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
-クリーチャー (8)-
デッキ概要
現在、スタンダードでも猛威を振るっているデッキですので、お馴染みの方も多いかと思われます。手っ取り早くこれからヒストリックを始めるという方にオススメです。
主要カード解説
《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
いつ禁止になるか分かりません、使えるうちに使い倒しましょう。このカードを使わないことは“ハンデ”です。
《否定の契約》
すでに紹介済みですが、《世界を揺るがす者、ニッサ》や《ハイドロイド混成体》との相性は抜群です。このカードをスゥルタイコントロールに最初に入れた人は間違いなく天才です。
《無垢の血》
『ヒストリック・アンソロジー』で追加された軽量除去です。《致命的な一押し》があればベストですが、対象を取らないので呪禁を突破できるというメリットはあります。
《魔女の復讐》
ヒストリックならではのサイドカードです。ゴブリン対策の除去で、わずか3マナで《上流階級のゴブリン、マクサス》以外のすべてのクリーチャーを落とせます。これだけでゴブリンに勝てるわけではないですが、切り替えしのためにもどうしても全体除去は必要です。
ティムールコントロール
4 《ケトリアのトライオーム》
4 《繁殖池》
4 《蒸気孔》
4 《踏み鳴らされる地》
3 《隠れた茂み》
4 《内陸の湾港》
4 《硫黄の滝》
-土地 (28)- 4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
4 《パルン、ニヴ=ミゼット》
-クリーチャー (8)-
デッキ概要
往年の“《宝物の地図》ミゼット”を彷彿とさせる《パルン、ニヴ=ミゼット》+《否定の契約》のコンボを内蔵したコントロールデッキです。シミックベースのランプカードが中心ですが、《溶岩震》をフル投入することでゴブリンをはじめとするアグロデッキへの耐性を上げています。
主要カード解説
《パルン、ニヴ=ミゼット》
戦場に出た際の制圧力はMTG史上でも最強クラスのクリーチャーです。打ち消されないので必ず戦場に出る→除去を《否定の契約》弾く、という流れが非常に美しいです。《暗記/記憶》や《アショクの消去》のような打ち消さずにキャストを妨害してくるカードや、《排斥》や《野望の試練》といった《パルン、ニヴ=ミゼット》の能力が反応しない除去が苦手です。
《否定の契約》
スゥルタイコントロールでは《世界を揺るがす者、ニッサ》との組み合わせを紹介しましたが、ティムールコントロールでの《パルン、ニヴ=ミゼット》との組み合わせも強力です。余談ですが、このカードが手札にあると相手の唱えたすべての呪文に対して優先権のパスを確認される=相手にすぐばれるため、フルコントロールモードでのプレイを推奨します。
《溶岩震》
ゴブリンに対して強烈な1枚で、前環境では《溶岩震》をメインからフル投入していた原野再生の存在がゴブリンを抑えつけていました。現環境では採用できるデッキがほとんどないため、《溶岩震》をメインから採用できるだけでも大きなメリットになります。
対アグロに強いのはもちろんのこと、対シミックランプの《世界を揺るがす者、ニッサ》や対バントコントロールの《覆いを割く者、ナーセット》《ドミナリアの英雄、テフェリー》などのプレインズウォーカーにも当たるため、完全に腐ることはほとんどありません。
おわりに
ヒストリック環境解説は以上になります。
ヒストリックは未開拓なフォーマットで、私自身も手探りでアレコレ試している最中です。その過程で執筆させていただいた本記事が、これから始める方のために少しでも参考になったのなら幸いです。
増田 勝仁 (Twitter)