ゼンディカーに再び帰ってきた!
ついに、最新セット『ゼンディカーの夜明け』が発売されました!
今回新たに登場した両面カードは、今までのマジックの概念を覆すのでしょうか!?また、「キッカー」や「上陸」が再び登場しただけでなく、新しいキーワード能力として「パーティー」が登場しています!
魅力的なカードばかりの『ゼンディカーの夜明け』を見ると、どのカードやデッキが強いのか、どのカードを買えばいいのか、悩んでしまう方も多いでしょう。
そこで、各構築フォーマットを代表する実力者である「神」のみなさんに、「『ゼンディカーの夜明け』で注目するカード トップ3!」を聞いてみました!
■ 「神」とは?
晴れる屋が主催している、「神決定戦」という大会の暫定王者。
スタンダード・パイオニア・モダン・ヴィンテージ・レガシー・リミテッドの6フォーマットそれぞれで行われており、予選大会(挑戦者決定戦)と決勝大会(神決定戦)を勝ち抜いた者だけが「神」になることができる。
各フォーマットを熟知した者ならではの視点から、鋭い意見が飛び交いました。「神」の目にはなにが映り、彼らはなにを考えたのでしょうか。
(※都合によりモダン神の掲載はありません)
◆第16期スタンダード神:江原 洸太
『ゼンディカーの夜明け』カードセット全体の印象
ローテーション後のスタンダード最初のセットであり、多くのカードが落ちたあとなので今回のセットにはとても期待をしています!「上陸」や「キッカー」といった懐かしの能力のほかに、「パーティー」や裏面が土地のカードなど新しいシステムもありとても楽しめそうですね。
特に両面カードは、構築にとても影響を与えそうです。土地の枚数を減らしつつ多くのスペルを積めるだけではなく、フラッド受けにもなってくれるのはとても魅力的ですね。どちらで使っていくかなどプレイの幅がより広がりました。
『ゼンディカーの夜明け』スタンダード注目カードトップ3!
1位:《創造の座、オムナス》
今セット1番の目玉カードですね!白が追加され4色になって帰ってきました。色拘束は厳しいですが、同じセットに入ってる《水蓮のコブラ》を使えばストレスなく使えると思います。場に出たときに1枚引けるので損をせず、上陸1回目で回復能力がありアグロ耐性がつきます。2回目では4色もマナを出し、3回目で4点のダメージを飛ばせたりと隙がなく使える1枚になっていますね。
2回以上の上陸を狙うために《寓話の小道》や《イリーシア木立のドライアド》などを使って狙っていくのが良さそうです。ランプデッキの新たなカードとして今後も注目されていきそうですね。
2位:《フェリダーの撤退》
土地を置くだけでトークンを出してくれる個人的にとても使いたいカードです。出てくるトークンも2/2サイズと悪くなく、《死者の原野》を思い出させてくれますね。もうひとつの能力も強力で、全体に+1/1カウンターをばら撒き、そのターンだけ警戒を付与と隙を作らず攻めに転じれるので、一気にライフを減らしにいけます。
エンチャントなので盤面に干渉してくるカードに少し弱く、《精霊龍、ウギン》のマイナスで自身を巻き込みやすいのは残念な点ですね。
3位:《影さす太枝のニッサ》
初の黒絡みのニッサの登場ですね。4コストで初期忠誠度も4と高く、常在型能力で土地を置くだけで忠誠度を上げれるのでかなり落としにくいです。
[+1]では、土地を起こせるだけではなく3/3の速攻を作れる点は強いと思います。注目は[-5]で土地の枚数以下のクリーチャーをリアニメイトもしくは手札から出す能力で、+1/+1カウンターのおまけ付きと嬉しいですね。《長老ガーガロス》や《野生の魂、アシャヤ》などを出すと一気にプレッシャーをかけていけます。
◆第2期パイオニア神:眞流 壮太郎
『ゼンディカーの夜明け』カードセット全体の印象
歴代でも大人気の次元『ゼンディカー』に再び戻ってきました。私自身も『戦乱のゼンディカー』発売を機に別のカードゲームからMTGに移行いたしましたので、『ゼンディカー』は僕の故郷でもあります。友人から《包囲サイ》を4枚譲り受け、スタンダードを始めたことも懐かしく、当時はまさか神になれるとは想像もしておりませんでした(笑)。
本カードセットで一番注目しているギミックは両面カードです。プレイ時にスペルか土地かを状況に合わせて選べるため、マナフラッド・マナスクリューを両方受けられる画期的なギミックです。選択肢が増え、数ターン先を見越したプレイが要求されるので、今後はより腕の差が出てくるゲームになるのではないでしょうか。
『ゼンディカーの夜明け』パイオニア注目カードトップ3!
1位:《スカイクレイブの亡霊》
私が神決定戦で使用したスピリットデッキを大幅に強化するカードが登場しました。
《拘留代理人》のような能力を持っているスピリットクリーチャーですが、一番の注目点は追放したパーマネントが《スカイクレイブの亡霊》が場を離れたときに戻ってこないということです。代わりに生成されるトークンはスピリットデッキの飛行を軸とした攻撃を受けることができず、非常にかみ合っているカードだと思います。バントスピリットに採用する場合は、白マナの量を増加する必要がありますね。
2位:両面土地レアサイクル
ファストランド(《植物の聖域》など)が対抗色にしか存在しないので、パイオニアの友好色マナベースは土地の選択肢が狭い現状です。その関係もあり、アグロデッキに対しては致命的になってしまう《マナの合流点》を採用しているデッキもありました。
今回の両面土地サイクルは友好色/対抗色という区域では分かれていないですが、友好色マナベースの救世主になります。 既存デッキではナヤウィノータが大きく改善され(《枝重なる小道》 《針縁の小道》の2種を使用できる)、これまでの負け筋でもあった色事故が軽減されることになるでしょう。
3位:《創造の座、オムナス》
スタンダードにてすでに話題となっている本セットの目玉カードですが、パイオニアにおいても非常に注目しております。
環境上位のアーキタイプである5色《ニヴ=ミゼット再誕》デッキとのかみ合いは素晴らしく、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》と共にライフゲイン・高タフネスでアグロデッキシャットアウトし、マナ生成能力で《ニヴ=ミゼット再誕》や《白日の下に》を展開していく動きは非常に強力です。5色《ニヴ=ミゼット再誕》デッキは新環境でも間違いなく、主力デッキの一角を担うでしょう。
◆第16期レガシー神:鈴池 史康
『ゼンディカーの夜明け』カードセット全体の印象
3回目のゼンディカーへの来訪ですね。1、2回目と違いエルドラージは存在せずほんわかとしか世界の話です。今回も軽くて盤面に影響するカードや相手の行動を制限するカードが複数ありレガシーにも影響がありそうです。
『ゼンディカーの夜明け』レガシー注目カードトップ3!
1位:裏面土地神話サイクル
今回の目玉です。《ゴブリンの放火砲》とスパイのおもちゃです。《金属モックス》に「刻印」できマナもだせて各ピッチスペルのコストになる。一部のコンボデッキが求めていたすべてが詰まっていると言っても過言ではないです。それくらい衝撃ですね。
スパイ+ベルチャーデッキを組んで遊んでるのでぜひ~
2位:《スカイクレイブの亡霊》
致命的なパーマネントをほぼすべて触ることができます。しかも、場を離れたときにでるトークンはバニラです。コストの低いパーマネントを多用するレガシーでは、よく見かけるクリーチャーになるのではないのでしょうか。
《突然の衰微》に近い万能除去で、処理しにくい《王冠泥棒、オーコ》や《大いなる創造者、カーン》を触る手段が増えたのはいいことですね。
3位:《当惑させる難題》
フェッチランドを多用するレガシーで刺さりそうなエンチャントがきました。土地を並べるスノーオーコなどのウーロデッキ。《踏査》が絡む土地単などに置いてみたいですね。相手がフェッチランドを使用しないデッキでも、《パララクスの潮流》を使うことで5枚の土地を一時的に追放し、5枚の土地をバウンスさせることもできます。
◆第16期ヴィンテージ神:高橋 優太
『ゼンディカーの夜明け』カードセット全体の印象
ここ最近のセットは『灯争大戦』に始まり『モダンホライゾン』、『基本セット2020』、『エルドレインの王権』と強いセットが多く、《死の国からの脱出》《夢の巣のルールス》はレガシーやヴィンテージでも大きな影響がありました。ただその反動か、『基本セット2021』や『ゼンディカーの夜明け』はカードパワーが少し抑えられている印象です。
下の環境ほど低コストのカードが求められますが、1-2マナのカードは少なく重くて派手な効果が多いですね。両面土地はマジックのルールを根本的に変えるカードなので、モダン/レガシー/ヴィンテージでもチャンスがあると思います。
『ゼンディカーの夜明け』ヴィンテージ注目カードトップ3!
1位:《海門修復》
ヴィンテージで良く見る《逆説的な結果》コンボデッキでの採用候補になりそう。ドロー呪文かつアンタップインの青マナの選択肢として使えて、マナベースでありながら《意志の力》のコストにもなる。
各種Moxや《魔力の墓所》などマナ加速が大量に入ったデッキなのであれば7マナでのプレイも現実的、《トレイリアのアカデミー》があれば簡単に7マナ出ます。
2位:《無限の構築物》
ヴィンテージではアーティファクト専用に3マナを生み出す《Mishra’s Workshop》が4枚使えるので、新セットが出る度にアーティファクトは欠かさずチェックしています。《無限の構築物》は《Mishra’s Workshop》とMoxにより1ターン目に出すことも可能。呪文の対象になったときに分裂してトークンになるので《剣を鍬に》《破壊放題》などの除去に耐性があります。
またヴィンテージは特殊地形の採用率が高いため、「キッカー」で出すと7/7や8/8になることも容易。しかし《ダク・フェイデン》は能力なため、分裂できずに奪われてしまうので注意。
3位:《大群への給餌》
マジック20年の歴史の中で初となる、黒のエンチャント破壊!ヴィンテージはほかのフォーマットと比較して《虚空の力線》のサイド採用率が高いため、ホガーグなどの墓地デッキがサイドボードに入れる候補になるでしょう。
比較対象は《暗殺者の戦利品》ですが、《大群への給餌》の場合は色マナが薄いため、《不毛の大地》や色の合わないMoxからも払いやすい、相手に土地を渡さないと言った利点があります。
「神」ならではの柔軟な発想と鋭い着眼点から、各フォーマットの『ゼンディカーの夜明け』の注目カードをレビューしてもらいました。
目を引くような強いカードが多く、どんなデッキを組むか考えるのが楽しいですね!彼らの意見を参考に新たな戦力と共に新環境へと踏み出してみましょう!