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そこは戦場ではなく、さながら牢獄のようだった。その赤白デッキは無数のエンチャントによって対戦相手の手足をきつく縛りあげ、ただトップデッキからもたらされる勝利を待つだけのゲームを続けていた。
《神聖の力線》《偉大なるオーラ術》《安全の領域》《金輪際》……完全無欠な障壁が対戦相手のありとあらゆる戦略を無情に阻む。
そして時が満ち、身動きが取れない対戦相手の前にあるカードを突き付ける……
摩訶不思議なエンチャントデッキ。一体どのようなデッキなのか、その使い手である高橋 哲大(東京)に話を聞いた。
--「『赤白《不朽の理想》』はかなり珍しいデッキですが、なぜこのデッキを組まれたのでしょうか?」
高橋 「置物をズラズラ並べて対戦相手を締め上げていくような戦略が好きなんですよ。レガシーでももともと『エンチャントレス』を組んでいて、モダンのこのデッキは1年半くらい前から愛用していますね」
--「カードはフルFoilですし、かなり愛着のあるデッキのようですね。ズバリ、このデッキの魅力は何ですか?」
高橋 「たくさんのパーマネントを並べる快感と、対戦相手に『それ何ですか?』と聞かれるのはローグデッキならではの醍醐味だと思います。珍しいデッキを使いたい、という人にはオススメですね」
--「このデッキはどういった戦い方をするのでしょうか?」
高橋 「序盤は《金輪際》や《斑岩の節》といった妨害系のエンチャントを並べてゲームを長引かせ、《不朽の理想》を撃って勝利します。よくあるパターンとしては《不朽の理想》→《鳩散らし》→《ファイレクシアの非生》→《ドラゴン変化》などですね」
--「状況に応じて《不朽の理想》でシルバーバレットなどもできて、便利そうですね。サーチ先のカードを引いてしまった場合はどうするのでしょうか?」
高橋 「《ニクスの祭殿、ニクソス》もあるので、一応手札に来てしまった場合でも唱えることはできますが、無理なら無理で諦めるしかないですね。今回は手札に来てしまった場合でも唱えやすいフィニッシャー枠として《軍勢の集結》を採用しています」
--「パッと見た印象だと使い回しの効かなそうなカードばかりに見えましたが、デッキ自体のカスタマイズは容易なんですね」
高橋 「確定スロットはそれほど多くないので、色ごと変えることもできますよ。青を入れて《押収》を採用したり、黒を入れて《未練ある魂》と《崇拝》を採ったり、といったこともできます」
--「今のモダン環境ではエルドラージ系のデッキが多いと思うのですが、このデッキのメタゲーム上の立ち位置はいかがですか?」
高橋 「エルドラージのようなクリーチャーデッキには《亡霊の牢獄》や《神の怒り》が刺さるので有利で、バーンにはメインから《神聖の力線》が入っているおかげでほぼ負けません。青いコントロールデッキも《謎めいた命令》にだけ気をつけていれば概ね有利です。逆に親和や感染のような極端に速いデッキは少し苦手です。トロン系のデッキにはサイド後を含めても絶対的に不利が覆らなかったのですが、最近は減ってきているのでこのデッキにとっては追い風ですね」
--「ありがとうございました。この後も頑張ってください!」
10 《冠雪の平地》 1 《聖なる鋳造所》 1 《霧覆いの平地》 3 《吹きさらしの荒野》 1 《乾燥台地》 4 《凱旋の神殿》 3 《ニクスの祭殿、ニクソス》 1 《断崖の避難所》 1 《岩だらけの大草原》 -土地(25)- -クリーチャー(0)- |
2 《神の怒り》 3 《不朽の理想》 4 《斑岩の節》 4 《ルーンの光輪》 1 《偉大なるオーラ術》 1 《未達への旅》 1 《隔離の場》 4 《亡霊の牢獄》 3 《金輪際》 1 《払拭の光》 1 《忘却の輪》 1 《ファイレクシアの非生》 4 《神聖の力線》 2 《安全の領域》 1 《軍勢の集結》 1 《鳩散らし》 1 《ドラゴン変化》 -呪文(35)- |
3 《血染めの月》 2 《紅蓮地獄》 2 《摩耗+損耗》 2 《安らかなる眠り》 2 《石のような静寂》 2 《ニクスの星原》 1 《偉大なるオーラ術》 1 《停止の場》 -サイドボード(15)- |