Round 3: 斉田 逸寛(東京) vs. 大井 雅貴(神奈川)

晴れる屋

By Kouhei Yamashita

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 本大会PWCチャンピオンシップでは、昨年1年間の功績を称えるようにPWCポイントランキング上位者に不戦勝(bye)が与えられている。

 ポイントランキング5位の斉田にとっては2bye明けとなる本マッチ。

 一方大井はポイントランキング9位で、8位までに与えられる2byeには若干届かなかった形。

 そんな言わば“PWC常連”の2人マッチをお届けしよう。

 なお使用デッキはそれぞれ、

斉田:アブザンアグロ
大井:ダークジェスカイ

 となっている。



Game 1


 先手の大井は7枚で即キープ。斉田はマリガン後の初手にもあまり満足できていない様子だが、悩んだ末にキープ。

 ゲームは瞬く間に決した。

 大井が流れるように《ヴリンの神童、ジェイス》《カマキリの乗り手》《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》と展開する間に、斉田は唯一《森の代言者》をプレイするのみだったのだ。


ヴリンの神童、ジェイスカマキリの乗り手ゼンディカーの同盟者、ギデオン


 せめて3ターン目にアンタップの土地から《先頭に立つもの、アナフェンザ》をプレイできていればまだ違った展開になったかもしれないが、これではいかんとも。

 《はじける破滅》《先頭に立つもの、アナフェンザ》が除去されると斉田は即座に投了。

 5ターンキル!


斉田 0-1 大井



Game 2


 斉田の初動は3ターン目、《先頭に立つもの、アナフェンザ》を出すか、《究極の価格》で大井の《ヴリンの神童、ジェイス》を除去するか。若干悩み、後者を選択。するとこのルーターを退けたことが吉と出たか、大井は2枚で土地が止まってしまう。

 ただノーアクションというわけでもなく、《精神背信》《包囲サイ》を抜くとともに、斉田の手札が《先頭に立つもの、アナフェンザ》《絹包み》であることを確認し今後の糧とする。

 斉田が予定調和的に《先頭に立つもの、アナフェンザ》をプレイした返しで、大井は《苦い真理》で手札を補充。攻勢の斉田に対して、大井がいかに受けるかという展開になってきた。



大井 雅貴


 斉田の次なる一手は「変異」=《棲み家の防御者》。手札を減らすことなく用意できるクロックとして素晴らしい。《焙り焼き》された《先頭に立つもの、アナフェンザ》を再びプレイし、大井にプレッシャーをかける。

 だが大井も1対2交換のできる呪文、《影響力の行使》をプレイすると、大井の支配下に寝返った《先頭に立つもの、アナフェンザ》が除去できない斉田は足踏み。

 パーマネント、手札ともにもはやわずかとなった両者の間に緊張感が走り、さらにここからトップデッキ合戦が始まりゲームはクライマックスへと加速する。

 斉田の《精神背信》で致命的な《炎呼び、チャンドラ》が取り除かれるも、大井はすぐさま《カマキリの乗り手》というクロックを用意する。これには《絹包み》が合わせられるが、大井の《焦熱の衝動》《棲み家の防御者》が除去されると、場の均衡が大井に傾く。

 壮絶なトップデッキ合戦だが、大井がプレイできない《苦い真理》を引き小休止。

 だが結末はあっけなく。

 《苦い真理》がプレイできないほどまで減った大井のライフ。

 それを摘み取ったのは斉田の最後のトップデッキ、《包囲サイ》


包囲サイ


 思わずギャラリー共々場が和む。


斉田 1-1 大井



Game 3


 大井は三度7枚キープ、斉田は三度1マリガンで6枚。

 三度2ターン目に《ヴリンの神童、ジェイス》を展開する大井に対して、斉田は《始まりの木の管理人》というクロックをあらかじめ用意している。先の2ゲームとは異なる展開だ。



斉田 逸寛



 まずは斉田の《精神背信》によって大井の強力な手札が晒される。

 《影響力の行使》《焙り焼き》《苦い真理》《精神背信》。おそらくこのゲームも自分が大井を攻め切れるがどうかという展開になるだろう。そう考えた斉田はじっくり悩んで《影響力の行使》を取り除く。

 対する大井の《精神背信》は迷わず斉田の《包囲サイ》を抜き、残る斉田の手札を《アブザンの魔除け》のみとする。そして《焙り焼き》の対象が他にないことを確認したので、前のターンには見逃した《始まりの木の管理人》をきっちり除去するという手堅いプレイを見せる。

 斉田は《アブザンの魔除け》、大井は《苦い真理》を2発重ねて、お互い次なる手を探る。斉田は《棲み家の防御者》《始まりの木の管理人》を回収し、《乱脈な気孔》とともに大井を攻めたてる。

 だがそれを受ける大井からのリアクションは芳しくない。土地を引きすぎているのだ。

 盤面に対処できるカードを用意できない大井に対して、強烈なアブザンアグロの攻め手は多くの時間を与えない。斉田がそのまま大井のライフを削り切った。


斉田 2-1 大井



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