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PWCCの予選ラウンドもいよいよ7回戦。スイスドロー8回戦のラウンド7ということもあり、上位卓ではトップ8に残るための絶対に負けられない戦いが繰り広げられている。
ミスターPWC二連覇を決め、3バイ明けに最強のライバルである中道を倒して勢いに乗っている三宅も、渦中の1人だ。
だが、そんな三宅を見守るプレイヤーがいた。4人しかこの会場にいない3バイを持っているプレイヤー、光安 祐樹(東京)である。
まさか3バイ明けに敗北を重ねてしまい、既にドロップしてしまったのだろうか?
――こんにちは。応援ですか?
光安 「こんにちは。はい、そうです。IDして三宅を応援しています」
――ということはトップ8ですか!
光安 「はい!デッキが強いんです。自信ありますよ!」
と、自信満々の光安。強プレイヤーひしめくPWCCを無敗で駆け抜け、自信アリとの一言。ともなれば気にならないはずがない。
早速光安のデッキについて根掘り葉掘り聞いてみることにした。
ジェスカイドラゴンという選択肢
――どうしてジェスカイドラゴンを使用されているのですか?
光安 「強いからです!っていうのだとアレなので……そうですね。簡単に言ってしまうと2マナのカードが強いからです」
――2マナ、ですか。
光安 「はい。スタンダードで今使われている2マナのカードって、《ヴリンの神童、ジェイス》とか《森の代言者》とかですよね。これらは場面を選ばずいつでも強い」
――そうですね。《ヴリンの神童、ジェイス》とか半端ないです。
光安 「で、その次に強いのが《龍詞の咆哮》なんですよ。最近のスタンダードはとにかくタフネス3のクリーチャーが強い!《森の代言者》、《永代巡礼者、アイリ》、《反射魔道士》ですね、主に。2マナのカードでありながら、後半も腐る可能性が低いんです。インスタントというのも大きいですね。《集合した中隊》からタフネス3のカードがたくさん出てくるわけですから」
――言われてみればそうですね。
光安 「そして、《龍詞の咆哮》の次に強いと思っているのが《シルムガルの嘲笑》です。まあ能力はカンスペ (《対抗呪文》) ですからカンスペは強い……で終わっちゃいますが、せっかくなのでもう少し掘り下げて話します。ミッドレンジがフィールドに多くいる環境では《シルムガルの嘲笑》はとても強いのですけど、何よりこのカード、裏目を引くことがないんです。《絹包み》は《ドロモカの命令》の前に無力になりますし、《究極の価格》はデッキによってはほとんど効きません。でも《シルムガルの嘲笑》はどの相手にも初手にあって腐らないですよね」
――なるほど。カンスペ強しですね。
光安 「さすがカンスペです。まあこのように、ジェスカイドラゴンに入っている2マナのカードは、どれもがめちゃくちゃ強いんです。スタンダードで最も大事なのは、2マナを強くすることだと思っています。ジェスカイドラゴンは2マナが強いからすごく気に入っているんです」
――飛行が環境的に強いから、というわけではないのですね。
光安 「そうです。確かに飛行は強いですけど、どちらかと言えば《龍詞の咆哮》が使いたいから、って感じではありますね。《龍詞の咆哮》は今とにかく強いです。ドラゴンはそのバーターみたいなものです」
ジェスカイ or ダークジェスカイ
――でも本当にジェスカイのほうがいいのですか?《はじける破滅》はいりませんか?
光安 「もちろん《はじける破滅》というカードは強いと思います。でも黒マナをきちんと出そうと思ったら《さまよう噴気孔》を抜かざるを得なくなってしまいます。黒マナを増やして事故を起こすデメリットと、《はじける破滅》のカードの強さを比較すると、少しデメリットが勝っているかな、と」
――なるほど。タップインも結果的に増えますしね。
光安 「そうなんです。さっきも言いましたけど2マナのカードが強いデッキなので、2ターン目に絶対に2マナを出したいんです。2ターン目にタップインはしたくありません」
――それで《はじける破滅》は諦めたと。
光安 「まあ《ジェスカイの魔除け》で替えもききますからね。もちろん強さは段違いですけど、《ジェスカイの魔除け》も疑似的な除去として使えることが少なからずあります。警戒せずフェッチを起動してくれますし」
――なるほど。でも完全に三色ではないのですよね。
光安 「まあフェッチをたくさん入れる関係上、黒マナは入れますからね。それなら使うべきです。一応、3ターン目に必要というわけではないので、ゆとりがあります。《龍王シルムガル》は奇跡を起こせたり大逆転できるカードなので、《時を越えた探索》が入っているなら1枚は入れておきたいです」
――黒を濃くしないということで、《苦い真理》を使えない、というデメリットもありますよね。
光安 「そこは気になりません。《苦い真理》、あんまり強くないんですよね。欲しい相手がミッドレンジとか相手なんですけど、そういう相手はかなり攻めてきますし、《包囲サイ》とかでライフが全然なくなります。《苦い真理》を打っている場合ではなくなります。欲しい相手がミッドレンジなのにミッドレンジと相対したときに打てないんじゃ意味がないんです」
――なるほど。それで多めの《時を越えた探索》3枚、なのですね。
光安 「《時を越えた探索》は強いです。サイド後に4枚目を入れていて、《カマキリの乗り手》を抜く除去コンのような相手にはジェスカイコントロールのように立ち回ります。《見えざるものの熟達》もそれ用ですね」
メタに合わせたチューン
――カウンターが多めですよね。《シルムガルの嘲笑》に加えて《軽蔑的な一撃》まで。
光安 「ミッドレンジに対してとにかく強く立ち回りたいんですよね。だからカウンターは多めに取っています。《集合した中隊》デッキがかなり隆盛しているので腐る相手が前よりもかなり少なくなったのですよね」
――《払拭》は入っていないのですか?
光安 「アブザンアグロなどに腐るのが嫌いなので入れてないんですよね。デッキを太くしたくて。後半引いて弱いカード、単体で活躍しづらいカードはなるべく入れたくないです。最初の話になりますけど、強い2マナ圏しか入れていないので、後半機能しないカードがないんです」
――なるほど。やはりかなり2マナに関しては意識されているのですね。
光安 「はい。元々は強い2マナが欲しいということで《層雲の踊り手》を入れたりもしていました。ラリーが全盛期のときはかなり強かったんですよ。でもミッドレンジが台頭してきてからは、《層雲の踊り手》の枚数は段々と減っていきましたね」
ジェスカイドラゴンの魅力
――ジェスカイドラゴンの魅力はなんでしょうか?
光安 「一つは、ゲームプランを変えられるところです。サイド後にビートダウンとして立ち回ることもできるし、数枚変えればコントロールにもなれます。相手のサイドボーディングをすかしたりして、ミスを誘いやすいんです」
――確かにそうですね。相手しづらそうです。
光安 「もう一つは、序盤のカードが非常に強いから安定感がある、ということです。2マナの強いカードをたくさん入れているので、キープがしやすく、キープしたカードが機能しないということがほとんどありません。おかげでデッキがすごく安定しているんですよ。ジェスカイドラゴン、おすすめです!」
――本日はありがとうございました。決勝ラウンドも頑張ってください。
光安 「ありがとうございました!頑張ります!」
2マナの強いカードを3種類12枚入れることで序盤の攻防で有利に立てる。
ダークジェスカイではなくジェスカイタッチ黒にすることにより、色マナとアンタップインの供給を安定させ、2ターン目に強い2マナのカードをプレイできるようにする。
安定感抜群の光安のジェスカイドラゴン、手に取ってその安定性を実感してほしい。
2 《島》 1 《山》 1 《平地》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 2 《燻る湿地》 1 《大草原の川》 1 《窪み渓谷》 4 《神秘の僧院》 2 《さまよう噴気孔》 -土地(26)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 4 《カマキリの乗り手》 4 《雷破の執政》 2 《龍王オジュタイ》 1 《龍王シルムガル》 -クリーチャー(15)- |
4 《龍詞の咆哮》 4 《シルムガルの嘲笑》 2 《焙り焼き》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《ジェスカイの魔除け》 1 《残忍な切断》 3 《時を越えた探索》 1 《龍語りのサルカン》 -呪文(19)- |
3 《払拭》 3 《光輝の炎》 2 《精神背信》 1 《勇敢な姿勢》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《影響力の行使》 1 《残忍な切断》 1 《時を越えた探索》 1 《見えざるものの熟達》 1 《炎呼び、チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
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