クイックインタビュー: 『イニストラードを覆う影』の注目カードは?

晴れる屋

By Hiroshi Okubo

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 続々と公開される『イニストラードを覆う影』の新カードたち。


 『第6期スタンダード神挑戦者決定戦』に参加するプロプレイヤーたちに、現時点で公開されている新カードとメカニズムの所感を伺った。



松本 友樹 BIGMAGIC所属プロ/【RPTQ『イニストラードを覆う影』東京大会】権利獲得



松本 「やっぱり現時点で一番の目玉は《大天使アヴァシン》じゃないですかね。このカードはすごいです。他には《氷の中の存在》とかもおもしろいですね。スタンダードよりも下の環境で強そうな印象を受けます。タフネス4なので《稲妻》で対処されないのもいいですね」




松本 「メカニズムだと『調査』ですかね。モダンで今《新たな造形》デッキが話題ですけど、今後インスタントの『調査』呪文が出てきたら、それをプレイして《新たな造形》に繋げる第二の『双子コンボ』のようなデッキが組めるかもしれませんね」


新たな造形




高尾 翔太 BIGMAGICユニホーム契約プレイヤー/【グランプリ・神戸2016】トップ4



高尾 《大天使アヴァシン》ですね。いくらなんでも《セラの天使》強くしすぎでしょ(笑) 伝説のクリーチャーだけど4枚使われそうですね……ほかには《石の宣告》でしょうか。評価が分かれるところですが、《流刑への道》などと比較しても序盤にプレイしやすいですし、テンポアドバンテージが取りやすい優良除去だと思います」




高尾 「あとは《ファルケンラスの後継者》とかもよさそうです。2マナでパワー3のフライヤーはさすがに強いと思いますよ。これと《無情な死者》とかを入れた黒ウィニーデッキが生まれることに期待しています。『マッドネス』があるので、手札を捨てる能力はメリット能力として機能しそうですしね」




高尾 「メカニズムとしては、フェッチランドが落ちる中で『昂揚』がどれくらい満たせるのかは気になりますね。構築もバランスを考えなきゃいけないから難しくなりそうですし……でも、『昂揚』能力を持ったクリーチャーの中では《倒し霊》なんかおもしろそうです。こういう軽い回避能力持ちのクリーチャーを展開して『支援』していく支援デッキみたいなものも考えられますね。リミテッドでも強かった戦略なので、構築でも可能性がありそうです」






高橋 優太 Hareruya Pros所属/【The Last Sun 2015】トップ4



高橋 《大天使アヴァシン》は誰がどう見ても強いからわざわざ語るまでもないけど、《氷の中の存在》はレガシー級のクリーチャーだと思うよ。「変身」したときの誘発型能力が《僧院の導師》に強いからヴィンテージでも活躍できるんじゃないかな。スタンダードだと《内陸の木こり》とか地味に活躍するかも。対処を迫るターンが早いよね」




高橋 「あとは1マナの『マッドネス』呪文がどれくらいあるのかも気になるね。《堂々巡り》が再録されたらベスト。帰ってこないかな……」


堂々巡り




市川 ユウキ Team Cygames所属プロ/【グランプリ・メルボルン2016】トップ4



市川 「いやーっ《大天使アヴァシン》しか見てないからな……あっ!《氷の中の存在》、これおもしろいんじゃないですか? みんな《反射魔道士》に弱いっていうけど、逆に言えば相手からしたら大体いつでも最優先でこいつを除去しなきゃいけないわけだから、十分だと思う。0/4ってサイズも固いし、イチオシ!」




市川 「あと僕、『マッドネス』使ったことないんで使ってみたいんですよ。《ヴリンの神童、ジェイス》と『マッドネス』の組み合わせが板!


ヴリンの神童、ジェイス






 《大天使アヴァシン》が強い、というのは全てのプレイヤーの共通認識だった。「4枚使われそう」という高尾の言葉も、ここまですべてのプレイヤーが称賛しているのを見ると大いにありえそうだ。




 また、次点で多くのプレイヤーに評価されていたのが《氷の中の存在》だ。




 特に軽いスペルが多いモダン以下の環境でも強そうだという意見が多く見受けられた。また、市川はスタンダードでも放置できない2マナクリーチャーとして十分なカードパワーを持っているのではないかと評価している。


 メカニズムとしては「マッドネス」の期待度が最も高かった。他にも「調査」能力がモダン以下のコンボデッキで活躍する可能性があることや、「昂揚」は達成できるかどうか? など、まだまだ公開されているカードは少ないが、各々さまざまな視点で新環境について考察しているようだ。

 みなさんが今後『イニストラードを覆う影』の新たなカードを評価していくうえで、本記事が指針となれば幸いである。



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