Translated by Kohei Kido
(掲載日 2021/03/01)
1. なぜグルールを使うべきなのか
スタンダードのメタゲームは『カルドハイム』発売以来めまぐるしく移り変わっています。どのタイミングでも環境上位には複数のデッキが存在していました。直近では氷雪赤単を頂点として、他のアグロデッキがそれに続くというメタゲームになっています。
ある意味で、このスタンダードのメタゲームの土台となっているのはビートダウンだと言えるでしょう。私たちがデッキを研究する中で、環境で新しく使われるカードがしばしば出現していて、それは「新たなる《エンバレスの宝剣》」というあだ名で呼ばれていました。以下のようなカードです。
マジック・プロリーグ/ライバルズリーグのリーグ・ウィークエンドの調整チームでは氷雪赤単に有利になりながら、私たちと志を同じくしてそれを標的にしているデッキとも戦いやすいサイドボードを備えたグルールを構築しました。
2. デッキリスト
以前はグルールがスタンダード最強のデッキで、環境に合わせて流行のデッキ対策に何枚かカードを調整するだけで十分でした。グルールはもはやそういうデッキではありません。
グルールのメインデッキはヨーリオンデッキでもアグロデッキでも片方を倒せるように構築することができます。しかし両方となると難しいのです。両方を倒すためにはデッキリスト公開制の大会で相手のデッキリストを利用して積極的にマリガンするか、そうでなければサイドボードをしっかり活用する必要があります。
(デッキリスト非公開制の大会で戦っているなら相手の「相棒」情報を利用して着実にマリガンできることは覚えておいてください。《空を放浪するもの、ヨーリオン》ならコントロールデッキです。《空を放浪するもの、ヨーリオン》でなければアグロかアドベンチャーデッキ、まれにラクドスです。《夢の巣のルールス》は予想が難しいですがローグかサイクリングデッキでしょう。)
グルールの特定のデッキリストはメタゲームに合っているという条件付きで強いですが、支配的なデッキではなくなったと言えそうです。それでもいいのです。たとえ相性が悪くても積極的に攻められる手札の強さを活かせば勝ててしまうこともあります。
グルールは赤単をより重くしたデッキだと言えるかもしれません。両方とも《エンバレスの宝剣》が入っていて、マナカーブ通りに展開していくデッキです。赤単のタップインしない土地の多さと《不詳の安息地》、そして低いマナカーブは遅いデッキに対してより強い構成となっています。一方でグルールは他のアグロデッキに強いのです。
アドベンチャーを使う上でもっとも悩ましいのは赤と緑だけに留めるか3色目を足すかです。デッキ調整の結果、3色にしたアドベンチャーデッキがそこまでアグロに強くなるということはなかったので、より安定したマナ基盤の2色にすることにしました。しかしながら、選択肢の中ではティムールカラーのアドベンチャーデッキが最もアグロに強く、もっと研究を進めればバランスのいいデッキを組むことができるかもしれません。
3. グルールを使わない方がいいタイミングは?
上記のグルールのデッキリストは赤単が流行っているならいいデッキです。スタンダードのメタが進行していけば、もう1つ上手く使えるデッキがあるといいでしょう。メタゲームの変化に合わせて選べるようになります。私の2つ目の選択肢はローグです。相性のいいデッキが上記のグルールとは真逆ですからね。
ローグにとって最大の障壁となるのは赤の「脱出」カードです。《アゴナスの雄牛》と《灰のフェニックス》ですね。攻略するために《トリックスター、ザレス・サン》の4積みや《風化したルーン石》採用を含めて、いろいろと試行錯誤しましたがいまひとつでした。でもローグは赤の「脱出」カードを使う相手以外に対してはすばらしいデッキで、氷雪白単や他の《巨人落とし》を使うデッキも楽々倒せます。
4. 採用カード解説
グルールに話を戻してデッキの採用カードを見てみましょう。
《焦熱の竜火》4枚 /《アクロス戦争》2枚
赤単に対してやるべきことは《エンバレスの宝剣》や《朱地洞の族長、トーブラン》で勝てるような盤面を作らせないことです。フルタップになってクリーチャーを出したときに、上記のシナリオになると負けるなら除去を構えているというブラフを張るのも1つの手です(これが必ず正しいプレイングというわけではないことは忘れないでください。続く行動で十分挽回できないならフルタップしてリスクを取った方がマシです)
《エンバレスの宝剣》を利用した攻撃を受けるのも、それによって敗北しないなら問題ないことが多いでしょう。こちらは大型クリーチャーや速攻クリーチャーを十分採用しているので、返しに自らの《エンバレスの宝剣》で相手を倒すこともできるからです。
《焦熱の竜火》と《アクロス戦争》が強い理由は《鍛冶で鍛えられしアナックス》にきれいに解答できて、相手は《鍛冶で鍛えられしアナックス》がないと《エンバレスの宝剣》や《朱地洞の族長、トーブラン》をうまく活用するのに苦労するからです。対戦相手の他のクリーチャーはブロッカーや《砕骨の巨人》の「出来事」で対処できますからね。
《火の予言》採用や除去を減らすのも試してみましたが、除去一式をしっかりと採用することこそ、赤単との相性を「やや有利」から「とても有利」にするカギなのです。
《黄金架のドラゴン》0枚
《黄金架のドラゴン》は宝物トークンから出るマナを使ってインスタントタイミングで動けるならいいカードです。サイドボードに《焦熱の竜火》4枚と他の軽いインスタントが採用されていることを考えると検討には値します。
しかし、アグロと対戦しているときに5マナは重すぎます。手札に抱えたまま何もできずにターンを渡している姿が脳裏によぎります。代わりに採用したいカードが次に解説するカードです。
《探索する獣》3枚
これがグルールでもっとも意見の分かれるカードで、プレイヤーによって枚数が違います。
私の意見としては、グルールで《エンバレスの宝剣》を最大限強く使おうとするときに《探索する獣》はとても重要です。装備すれば強い、というのは当たり前ですがプレイパターンも増えるのです。序盤からダメージを与え続けられるなら、《エンバレスの宝剣》を装備したどのようなクリーチャーでもどうせ一撃で相手を倒せるでしょう。
《探索する獣》には環境に合っているさまざまな要素があります。赤単が除去を2枚使わないと除去できず、《影の評決》は刺さらず、《絶滅の契機》も使い勝手が悪くなり、《予言された壊滅》を置かれたあとに猛攻撃をしかけることもできます。
《探索する獣》の抱える弱点は《巨人落とし》と《アクロス戦争》ですが、これらは仕方のないものです。
《巨人落とし》はそうでなくてもグルールアドベンチャーに対して強いカードです。《巨人落とし》の対象となるクリーチャーを出さずに展開することはできないので選択肢になりません。そうであれば次点でいい対策は対象となるクリーチャーを大量に出して対処しきれないようにすることでしょう。そういったプレイングをするのであれば、《探索する獣》は速攻が付いているので逆に《巨人落とし》に対して有効なカードだとすら言えます。
相手がフルタップの状況で《探索する獣》を使うと、相手は《巨人落とし》の「出来事」をすぐに使わないといけなくなります。そうなると他のクリーチャーでさらにダメージをねじ込んだり、《エンバレスの宝剣》を《探索する獣》以外に使ったりできますよね。あるいは相手が3マナのクリーチャーを除去するために3マナ立ててターンを渡してきたとしましょう。《探索する獣》を出せばそのターンダメージを与えられるという事実は変わらず、将来の《エンバレスの宝剣》につなげられるのです。
分かりやすく言えば、相手に無限の時間とマナがあるなら《巨人落とし》とその「出来事」はグルールを手玉に取れます。でも相手に除去を打たれながらもダメージを毎ターン与えているなら、相手が先に倒れるかもしれませんよね。だから《エンバレスの宝剣》を4枚入れて、速攻持ちクリーチャーを最大限採用して、あとは運を天に任せるのです。
これを実際に成功させるコツは相手の土地がタップされているタイミングで大型クリーチャーを出して、相手の土地が立っているときには除去と小型クリーチャーを唱えることです。ときには《カザンドゥのマンモス》の上陸を達成せずに3/3のまま攻撃させた方がダメージを狙えることもあります。
《アクロス戦争》は《探索する獣》に対して効果てきめんです。それは間違いないのですが、現在のアドベンチャーデッキではメインデッキに《アクロス戦争》を入れずに《スカルドの決戦》や《黄金架のドラゴン》を採用するのが流行です。
《探索する獣》は4色サイクリングデッキに対しても重要な役割を演じます。メインゲームではトークンで行く手を阻み、サイドボード後は全体除去で対処しようとしてくるデッキで、《探索する獣》はどちらにも強いのです。
《レッドキャップの乱闘》3枚
サイドボードに《レッドキャップの乱闘》を採用する余地があることに気づいたのは私たちの調整チームで起きたひとつの発見でした。赤単に対して自明に優れた除去で、これがなければ対処しづらい《朱地洞の族長、トーブラン》と《黄金架のドラゴン》に対処できるカードです。また序盤から使えるカードでもあります。
以前のグルールでは白単やローグ、そしてミラーマッチを想定してサイドボードに取れる除去の枠を構成しなければいけないので枠がカツカツでした。
しかし今のデッキリストはメインデッキに《焦熱の竜火》が4枚入っていることでそれらのマッチアップを見ることができます。白単に対してはそこまで除去がたくさん必要なく、《エンバレスの宝剣》を4枚採用して殴り返せばいいということにも気づきました。
《萎れ》3枚
これもアグロ対策として重要なカードです。《鍛冶で鍛えられしアナックス》や彼らの切り札である《エンバレスの宝剣》と《アクロス戦争》に対処できるので赤単に対して大活躍します。したがってミラーマッチでも使えます。
白単に対してもインスタントタイミングで動けることが重要で、こちらのブロッカーをどかす手段として、大型クリーチャーを《ガラスの棺》したり、装備品を利用して攻撃したりするという行為が危険な行為となります。《萎れ》を4枚採用してもいいとすら考えています。白単に対してとてもいい感触だからです。
《運命の神、クローティス》2枚
おもにラクドスとローグの対策カードではありますが、ヨーリオンデッキに対しても機能します。相手が全体除去を打とうとしている直前のターンでも戦場に追加できる脅威としての役割を持てるからです。
驚くべきことにサイクリングデッキに対して強いカードでもあります。このデッキも全体除去をサイドインするデッキで、相手の《天頂の閃光》もゆっくりとではありますが弱められるからです。赤単の一部のデッキリストに対しても1枚サイドインできます。
多くの場合、赤単は除去を大量にサイドインします。土地を立てておいて3ターン目にこちらの《カザンドゥのマンモス》や《砕骨の巨人》を除去しようとしてくる場合があるのです。《運命の神、クローティス》をデッキに入れることでそういった相手のプレイパターンを咎められます。でも相手が受け身なサイドボードの使い方をしていない場合はデッキ内で使いづらいカードとなります。
《傷頭のアーニ》 1枚 / 《灰のフェニックス》 1枚
サイドボードにあるこの2種のカードは理論上の役割が似ていますが、《傷頭のアーニ》はヨーリオンデッキに対して優れたカードで、《灰のフェニックス》はローグに対する対策として機能します。私たちはそうしましたが、《灰のフェニックス》を2枚未満にするとローグに対する相性が確実に悪化します。
《怪物の代言者、ビビアン》 2枚
これは見慣れたカードだとは思いますが、《巨人落とし》や《黄金架のドラゴン》を多く採用する型のアドベンチャーデッキに対して非常に使いやすい脅威であることは特筆に値するでしょう。再び環境に合ったカードになったということですね。ラクドスに対しても強いカードです。私は何度もデッキリストから取り除いてみましたが、採用しないと《巨人落とし》を使うデッキに弱くなるという事実にマルシオ・カルヴァリョ/Marcio Carvalhoがすぐに気づきました。
《解き放たれた者、ガラク》 1枚
《解き放たれた者、ガラク》はサイドボード後にこまごまとした役割を果たします。全体除去に対する解答になるのはもちろんのこと、サイクリングや白単のようにライフレースをするためにはチャンプブロックしなければいけないデッキにも強いカードです。
5. 各マッチアップの解説とサイドボードプラン
赤単
対 赤単
ランク戦では、あまり対策していないグルールのデッキリストでも赤単に対して圧倒的な勝率を出せていました。何十回も勝利してミシックランクの低いパーセント帯からトップ10まで上り詰めたのです。それらの結果から圧倒的有利なのだと結論づけたくなりましたね。
ただ身内での研究の結果、どういうマッチアップなのか理解しているプレイヤーとの試合で勝つためには、いいカードをしっかり引けていないと勝てないことが判明しました。チームメンバーのトラルフ・セヴラン/Thoralf Severinには感謝したいですね。
《鍛冶で鍛えられしアナックス》を追放し、タフネス4のクリーチャーに対するきれいな解答を用意しておくことが重要だということが結果から読み取れました。その一方で除去を大量にサイドインして受動的に試合を戦おうとする赤単のデッキリストに負けないためには《探索する獣》と《運命の神、クローティス》をデッキに残す必要があるのです。
《運命の神、クローティス》はややリスクの高いカードです。相手が序盤に土地を立ててターンを渡してきたときに使いたいので、対戦相手が過度に受動的なプレイングをしている場合に欲しいカードです。一方で相手がとても攻撃的な手札を持っていたら出すことにリスクがともなうので、後手よりは先手で強いカードでしょうね。
総じていえば赤単が流行っていると想定しているから今はこのグルールを使っています。でも圧勝する試合ばかりではなく、しばらくして赤単を使っている側のプレイングが良くなれば相性は今ほど有利ではなくなるでしょう。
白単
対 白単
正直に言えばもう1枚くらい使えるカードがサイドボードにあった方がいいです。たとえば《アクロス戦争》《魂焦がし》《萎れ》のような。《アゴナスの雄牛》は《探索する獣》をサイドアウトする代わりにサイドインしてもいいカードです。対戦相手が除去を多く引いたときに強いカードだからで、そのような試合展開は多くなくてもその価値があります。
《解き放たれた者、ガラク》も似たような役割のカードですが、ライフレースになるとガラクに軍配が上がります。相手がよく行うプレイングに《命の恵みのアルセイド》/《無私の救助犬》でブロックしてから生け贄にして他のブロッカーにプロテクション/破壊不能を付けるという行動があって、トランプルが強く使えるからです。
《探索する獣》と《砕骨の巨人》の「出来事」が持つ、ダメージを軽減できないという秘められた能力で相手を殲滅できる機会は逃さないでください。《命の恵みのアルセイド》と《守護者の盾、ヴァルクミラ》の能力を台無しにしましょう。
特に嫌な相手ではありませんが、どちら側からも一方的な試合になることがあるので相性の判断は難しいですね。
ディミーアローグ
対 ディミーアローグ
《探索する獣》の主な裏目は《盗賊ギルドの処罰者》で、軽いマナ・コストのカードと交換を強いられます。強いというよりは気が利いているだけですが、使えるプレイングがひとつあります。
《砕骨の巨人》が手札にないのに《探索する獣》が手札にあるときには、戦闘前メインフェイズでマナを使ってから《探索する獣》ほど重要ではないクリーチャーで攻撃してみましょう。たとえば《山火事の精霊》とかですね。こうすることで相手は《砕骨の巨人》の「出来事」で除去される心配がないので《盗賊ギルドの処罰者》を出してブロックするかもしれず、そうなれば《探索する獣》の生存率は向上します。
すでに《砕骨の巨人》を持っているなら《探索する獣》を出して土地をタップしたあとに、《探索する獣》ではそのターンアタックしないというプレイングも選択肢のひとつです。
サイドボード後は赤マナが2マナ出る手札を持つことはとても重要だと考えてください。このデッキリストだと「脱出」クリーチャーは3枚しかないので赤2マナが出ないからと言って毎回マリガンすべきだとは思いません。でも私は赤が1マナしか出ない上に弱い手札や赤マナが出ない手札なら間違いなくマリガンしますね。
私たちのデッキリストは「脱出」クリーチャーの枚数を減らすというリスクは取っていますが、《運命の神、クローティス》と《怪物の代言者、ビビアン》でカバーしているので、まだまだ有利な相手だと思います。
ヨーリオンデッキ
対 ヨーリオンデッキ
エスパースタックス戦の後手では、《エンバレスの宝剣》と《アゴナスの雄牛》を1~2枚入れ替えます。
《エンバレスの宝剣》は根本原理を使うデッキに強い一方で、《予言された壊滅》のように除去の塊となっているデッキに対しては《アゴナスの雄牛》の方が強いカードです。《エンバレスの宝剣》は後手よりも先手の方が強いカードなので、適宜調節してください。たとえば先手で《エンバレスの宝剣》を4枚デッキに残すこともあります。相手の手札が完璧だったときに勝とうとするよりも、相手が順調でないことを期待して、その間にビートダウンしてしまった方がいいですからね。
私たちのメインデッキはヨーリオンデッキに対して最適な構成ではありませんが、根本原理デッキを相手にしたときに不要牌を引いていてもそこまで問題ないことがわかりました。サイドボード前のメインゲームは短期決戦になりやすく、1~2枚不要牌があってもそれが敗因になることはあまりないのです。どちらにしろ「相棒」に《空を放浪するもの、ヨーリオン》がいたら積極的にアグロできる手札を求めてマリガンすべきです。
調整中は勝ち越していますが、マッチングしたい相手ではありません。特に《予言された壊滅》デッキ(あるいは除去が大量に入っているデッキ)は特に厳しい試合になるのでマッチングしたくありません。
ティムールアドベンチャー
対 ティムールアドベンチャー
ティムールアドベンチャーに対しては低マナ域を重視して《厚かましい借り手》の「出来事」によってテンポ負けしないように気をつけています。ただ低マナ域を重視しすぎるとロングゲームになったときに負けます。
このマッチアップは言ってしまえば不利なのですが、そこまで大きく不利なわけではありません。相手が完璧な引きをしたら勝ち目はありませんが、相手はそこまで安定したデッキではありません。
《グレートヘンジ》入りグルール
対 《グレートヘンジ》入りグルール
相手のサイドボードに多くの単体除去や《アクロス戦争》が入っているなら《探索する獣》をもっとサイドアウトして《アゴナスの雄牛》をサイドインするのも選択肢です。相手が《黄金架のドラゴン》を使っていなければ《レッドキャップの乱闘》をサイドインする必要はなく、《エンバレスの宝剣》や《解き放たれた者、ガラク》を代わりにデッキに入れておきましょう。
ナヤアドベンチャー
対 ナヤアドベンチャー
相手が《スカルドの決戦》にマナを消費した隙を咎められるように《探索する獣》と《エンバレスの宝剣》は全てデッキに残すべきです。それによって動きは重たくなりますが、許容しなければならないリスクです。
自分が赤単のようにプレイしないといけないと考えればわかりやすいかもしれませんね。相手の脅威に対処することよりも攻撃することが重要なので、最小限の除去しか必要ありません。
《巨人落とし》を採用しているナヤアドベンチャーに対して、総合的に見れば不利です。しかしながら最悪の相手でもありません。メインゲームで高速ビートダウンできることはありますし、サイドボード後に相手がカードアドバンテージ源を増やしたときでも《怪物の代言者、ビビアン》の力で乗り越えられることはあります。
3色以上のアドベンチャーデッキはグルールと比べて赤単に対する勝率が下がるはずなので、多くのプレイヤーは使わないと想定していました。とはいえ、メタゲームでの立ち位置が悪くてもそれなりに使われるタイプのデッキではあります。
イゼットテンポ
対 イゼットテンポ
1ゲーム目は厳しいゲームになりますが、サイドボードが強いので対戦したいと思っている相手です。イゼットテンポは最近メタゲーム上から消えつつあるデッキですが、このサイドボードプランを記事に記述する手間を惜しまないことで、より良い記事にしようとする私の努力は評価してもらえるとうれしいですね。
ラクドスミッドレンジ
対 ラクドスミッドレンジ
ラクドスサクリファイス
対 ラクドスサクリファイス
ラクドスサクリファイスと対戦しているなら《アクロス戦争》を真正面から被弾することを避けるために《探索する獣》はデッキから抜きます。でも自分の運に自信があるならデッキに残して、どこか他のカードを抜いて《萎れ》をサイドインしてもいいですよ。
ラクドスに対する相性の悪さを改善するためにこれ以上できることはあまりないです。《グレートヘンジ》の欠如はミッドレンジ・サクリファイスの両方のデッキに対して弱みとなっていますが、《怪物の代言者、ビビアン》と《運命の神、クローティス》は助けになります。メインデッキを大幅に変えない限り、こちら側が何かできるというよりは相手がどれくらい強いプレイングをしてくるかによります。
どちらのデッキと当たっているにしろラクドスは相性が悪い相手ですが、相手が欲張って《悲哀の徘徊者》や墓地シナジー、《フェイに呪われた王、コルヴォルド》を採用しているなら高速でビートダウンできるケースも頻繁に発生します。
サイクリング
対 サイクリング
《探索する獣》と4枚採用されている《エンバレスの宝剣》が抜群に強く使える相手なので、このマッチアップは好きです。後手なら相手の《繁栄の狐》が手に負えなくなるのを避けるために《焦熱の竜火》を4枚ともデッキに残したいところです。でも先手なら2枚抜いて、代わりに《傷頭のアーニ》と《灰のフェニックス》を入れて相手の全体除去を受けても圧をかけ続けられるようにします。
6. おわりに
グルールは使っていて楽しいデッキで、メタゲームに合わせて何を調整すればいいのか理解していればまだまだ強力なデッキです。こう言うとデッキが強くないと言っているように聞こえているかもしれません。でも実のところデッキ調整の期間、赤単が強いので大会で流行るだろうという事実が日増しに明らかになっていったので非常に安心していて自信もありました。赤単中心のメタゲームはグルールにとって最高ですからね!
ルーカス・エスペル・ベルサウド (Twitter)