学生選手権・春優勝者インタビュー: 重田 惟純(千葉)

晴れる屋

By Daisuke Kawasaki







 白単人間を見事にあやつり、「学生選手権・春」を全勝優勝した重田 惟純(千葉)。

 全体的に高年齢のプレイヤーが多いマジックコミュニティにおいて、10代のプレイヤーと会話する機会もほとんどないだけに、うれしく飛び出してきてしまったわけだ。

 というわけで、高校3年生のマジックプレイヤーの横顔に迫ろう。

--「本日は優勝おめでとうございます」

重田 「ありがとうございます」

--「まずは……マジックをはじめたきっかけを聞かせていただいていいですか?多分、人生ではじめてのTCGがマジック、ってわけではないかと思うのですが……」

重田 「そうですね。小学校に入る前くらいからTCGを始めて、中学2年生くらいに一度離れるまで、様々なTCGを遊んでますね。多分、そのくらいまでに発売されていたほとんどのTCGは触ったことがあるかもしれないです」

--「なるほど。中2で一度TCGから離れたということですが、その後、また、マジックをはじめたというわけですね?」

重田 「はい。高1の終わりごろなので、1年ちょっと前ですかね。『タルキール龍紀伝』から始めました」

--「1年!!そのキャリアでタイトル獲得となったわけですね。ちなみに、それまではまったくマジックに触れてなかったと」

重田 「あ、でも、《Black Lotus》の名前は知ってましたよ!」

--「他のTCGでも高額カードの話題になると、出てきますもんね。そんな中でマジックを始めようと考えたのはなんでですか?」

重田 「自分はTCGに向いてるなと思ってましたし、TCGが大好きだったんですよね。で、TCG好きとして、やはり教養として、というかなんというかで触っておかなきゃと思って始めました。それと、競技性が高いっていうのも魅力でしたね」

--「競技性というと?」

重田 「やはり、他のゲームに比べるとルールがしっかりしていて、競技として楽しめそうだって思ったのが大きいです。ルールが、読めばちゃんとわかるというか、そういう意味でシンプルなのが良いなと思って。ルールの簡潔さってのは、他のTCGを遊んだ人からすると、マジックの大きな魅力と言えるんじゃないでしょうか」

--「複雑そうに見える、っていう意見もありますが、実際はプレイが複雑になることが多いだけで、ルール自体は解釈の幅がほとんど無いシンプルなものですもんね。高1の終わりにマジックをはじめるにあたって、やはり周りの友だちとかとはじめたのですか?」

重田 「いや、今もほとんど同年代はいないです。マジックをはじめる時も、『タルキール龍紀伝』の発売日に、いきなりカードショップに行って、イベントデッキをふたつかって、そのままFNMに参加しました」

--「いきなり!?すごいですね。ちょうど新しいセットもでるし、やってみようかな……くらいならありそうな気もしますけど、いきなりイベントデッキを買って、っていうのはすごいですね」

重田 「ネットで情報とかを見ていたら、『タルキール龍紀伝』のイベントデッキは強いっていう情報があったので、始めるにはちょうどいいかなって」

--「ちなみに、初参戦の戦績はどうだったんですか?」

重田 「第1部と第2部で、2回でたんですけど……たしか両方共0-3だったような」

--「そこから1年で4連勝なんですから、すごいですね。……というか、始めるときにいきなりイベントデッキを買ってFNMってことは、ルールとかはどうやって覚えたんですか?」

重田 「ネットで見たのと、あと、あの無料でも遊べるゲーム……『Duels of the Planeswalkers』ですか。あれで先制攻撃とか二段攻撃の仕組みは理解しました。スタックとかはともかく、戦闘はアニメーションとかが出てきてわかりやすかったです」

--「それから、そのカードショップでマジックを続けていったって感じですか」

重田 「はい!知り合いが増えていって、どんどんマジックにはまっていきました」

--「ちなみに、どこのお店か教えていただいていいですか?」

重田 「ホビーステーション千葉駅前店です。最高の店ですよ!なんせ、学生選手権王者を輩出した店ですから!」

--「同年代が少ないという話でしたが、まわりが年上ばかりだと緊張しませんか?」

重田 「そうですねぇ……基本的にすごいかわいがってもらえてるので。あと、自分が年上と会うのが好きってのもありますね。なんというか……自分が一番馬鹿でも許される空気というか、年下だから気楽というのが、よりマジックが楽しくなった理由かもしれません。デッキを作ってくれたりもしますしね」

--「いい大人が多いコミュニティなんですね」

重田 「だから、最高の店だって言ってるじゃないですか!」





--「今回、本戦では白単人間を使用してましたが、その理由を教えてもらっていいですか?」

重田 「安くて強いからです!学生はお金がないんです!」

--「そういう意味で、今回の商品は大きいですね」

重田 「助かります。ただ、それだけじゃなくて、今のメタゲームを見ると、混沌としていて、ある意味どんなデッキを持ち込んでもそこまで有利不利では変わらないかなと思いました。だったらば、ブン周りのパターンがあって、相性差を無視してなんにでも勝てる可能性のあるデッキを使おうと考えました」

--「なるほど。かなり競技マジックにハマっているようにも感じられるのですが、グランプリ・東京本戦へ参加したいとは考えなかったのですか?」

重田 「周りの人には本戦も誘われたのですが、ちょうど受験に向けて一度マジックを離れようと思っていたので、高校3年生までしかでられない学生選手権にでるには最後のチャンスだなと思って。グランプリ本戦は大人になってからでもでれるかなって」

--「マジックは逃げないですけど、若さは取り戻せないですもんねぇ……受験に向けてマジックを離れるということですが……」

重田 「僕はマジックは出会えてよかった趣味だと思ってますし、やめるつもりはないんですが、趣味としてしっかり楽しむためには、やはり生活を安定させないとツラくなるかなぁと思って……なので、まずはキッチリと大学を目指して、それから安定してからマジックに戻ってこれたらなと。スタンダードや、モダン、EDHみたいにそのタイミングの自分に合わせて戻りやすいんじゃないかなぁとも感じますし」

--「社会人になってから戻ってくるプレイヤーはリミテッドだけやってるって人も多いと思うんですが、リミテッドはあまりやらないんですか?」

重田 「学生はお金がないんで、やはりパック代が……」

--「そうですよね。ちなみに、うまくマジックを続けつつ受験という選択肢はなかったんですか?」

重田 「マジックと出会ってからのこの1年間、マジックのことばかり考えてしまっていたので、無理だと思って、一度離れようと決めました」

--「なるほど。最後に、重田さんと同年代のプレイヤーや年下のプレイヤーには、マジックはお金がかかりそうだったり、大人ばかりだったりで敷居が高く感じて、興味があるけど踏み出せない人も多いと思うのですが、そんな人々へのアドバイスはありますか?」

重田 「うーん…マジックプレイヤーは新規のプレイヤーにカードをあげたがりますから、大丈夫です、とか?」

--「あぁ、たしかに、マジックプレイヤーはコミュニティを広げることの大事さを理解している人が多いから、そういう傾向はありますね。あとは、そういう人々に囲まれるコミュニティにであれば問題無いですね」

重田 「あ、でも、そういう中で、周りのほとんどの人が一緒にマジックをやる『仲間』であると同時に、年上の人達だということを忘れずに礼節を持って接するのは大事だと思います。逆に、そこをきちんとしていれば、年上の人と一緒に馬鹿なこともできる最高のゲームです」

--「本当に素晴らしいコミュニティにであったんですね」

重田 「ホビーステーション千葉駅前店は最高の店です!」






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