モダンにおいて《ウギンの目》が禁止カードに指定されたことは記憶に新しい。
1ターン目《エルドラージのミミック》、2ターン目《現実を砕くもの》からアタック10点。他のデッキの妨害をものともしない圧倒的な展開が可能なエルドラージ。
そんなデッキがモダン環境で許されるはずもなかったのだ。
だがレガシー環境となれば全く話は違ってくる。
《苦悶の触手》、《実物提示教育》、《騙し討ち》。2、3ターンキルが可能なコンボデッキが横行している。《Force of Will》、《目くらまし》、《不毛の大地》。それらに対抗する手段も豊富だ。どれもレガシーではおなじみのカードであろう。
それでもなお、先日300人のレガシートーナメントを制したのは【エルドラージ】だった。
やはり《裏切り者の都》と《古えの墳墓》の存在が大きい。《ウギンの目》、《エルドラージの寺院》と合わせて16枚の2マナ土地が、安定したエルドラージたちの召喚を支えている。
「ゲートウォッチの誓い」で登場したエルドラージたちはマジック20年の歴史において生まれたばかりの赤子のようなものだが、すでに無視できない脅威となっている。それも成長の余地を大きく残したまま。
そこでここでは「日本レガシー選手権2016 Spring」に最強のエルドラージについてのへの手がかりがあるのではないだろうかを思い探ってみようと思う。
上位テーブルを見回してみると、まさにちょうどエルドラージが勝利したところだったので話を聞いてみることにする。
--「ここまで3-0と好調ですね。」
??「あ、はい。相手の回りがあまり良くなかったのが大きいですけど。」
キクチ ユウダイ(東京)。
普段は東京で精力的にレガシーをプレイしているという。Foilで揃えられているカードたちが眩しく光っている。
--「Foilでデッキを揃えられているようですが、エルドラージをずっと使っているんですか?」
キクチ 「いえ、もともとはMUDを使っていたんです。ただエルドラージはMUDよりシンプルに、相手の妨害を気にせずプレイできるデッキなので、8回戦の長丁場に良いと思って用意してきました。アーティファクトをガチャガチャ起動するのも楽しいんですけど。」
--「メタゲーム上においてエルドラージとはどんなデッキなのでしょう。例えば青白奇跡に対しては有利だと聞きますが。」
キクチ 「確かに青白奇跡に対してはメインは有利です。ただサイド後はむしろ不利になると思います。《罠の橋》、《血染めの月》という置き物が厳しいですし、最近は《基本に帰れ》なんてのも見かけます。またそれらの置き物に限らず、土地を攻めてくる”Lands”や”アグロローム”は厳しいです。逆に有利が付くのはデルバーなどのフェアデッキですね。」
--「デッキの工夫された点があれば教えていただけますか。」
キクチ 「4枚の《忘却蒔き》ですね。青白奇跡を意識した選択です。エルドラージ系のデッキはおおよそ3つに分類できると思っています。このデッキが『重いエルドラージ』だとしたら、《水蓮の花びら》や《猿人の指導霊》で序盤の展開に特化した『軽いエルドラージ』。そして《変位エルドラージ》や《Karakas》のために白をタッチしたものがあります。」
--「プレイングは、、、マナカープ順に展開していくだけですかね……?」
キクチ 「基本的にそうですね。それがこのデッキの良いところなので。あまり参考にならなくてすみません(笑)」
--「とんでもないです、ありがとうございます。それではこの後もがんばってください」
このあとキクチは5-0するも、一歩及ばずベスト8に残ることはできなかった。
エルドラージのさらなる進化に期待しよう。
4 《古えの墳墓》 4 《魂の洞窟》 4 《裏切り者の都》 4 《エルドラージの寺院》 4 《ウギンの目》 4 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 2 《不毛の大地》 -土地 (26)- 4 《エルドラージのミミック》 4 《果てしなきもの》 4 《作り変えるもの》 4 《忘却蒔き》 4 《現実を砕くもの》 4 《難題の予見者》 1 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 -クリーチャー (25)- |
2 《歪める嘆き》 1 《全ては塵》 4 《虚空の杯》 1 《梅澤の十手》 1 《光と影の剣》 -呪文 (9)- |
4 《虚空の力線》 3 《アメジストのとげ》 2 《ファイレクシアの破棄者》 2 《歪める嘆き》 2 《漸増爆弾》 1 《終末を招くもの》 1 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 -サイドボード (15)- |
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