じわじわと人口が増えていたものの、ここにきて、急激に競技人口が増えたヴィンテージ。この東京MTG協賛「ヴィンテージ選手権2016 Spring」も63人という多くのプレイヤーが集結し、スイスラウンド5回戦が行われた。
そして、全勝同士の第6回戦。
戦うのは、青赤デルバーを使用する大倉 隆寛(東京)と、ストーム&《ゴブリンの放火砲》を使用するニコラことNicolas PUJOL(東京)。
日本ヴィンテージ界では知られたふたり、「古のマジック」であるその名に相応しい熱戦を期待しよう。
Game 1
互いにキープし、先手の大倉はフェッチを置くと、《Mox Ruby》をプレイして、ターンを終了。対するニコラは、まず《Tropical Island》をセット。
そして、ここから青マナを出すと、《Ancestral Recall》をプレイ。だが、これにスタックする形で大倉は《Volcanic Island》をフェッチすると、《Ancestral Recall》を通す。
ニコラ「深い意味はないんですけど、一応……」
と、「ストーム」をカウントし始めると、《Mox Jet》《水蓮の花びら》《太陽の指輪》をプレイし《水蓮の花びら》から赤マナを出して《煮えたぎる歌》。
大倉は、マナが残ってないことを確認すると《狼狽の嵐》をプレイする。
大倉は《Ancestral Recall》を撃ってから、《Black Lotus》をプレイし、そのまま生け贄に捧げて青マナを3つ生み出す。そして、《Volcanic Island》から生み出した赤マナで《若き紅蓮術士》を召喚、《定業》《渦まく知識》と連打して、トークンを2体生み出したあと《汚染された三角州》をセットしてターンを終了。
Nicolas PUJOL |
ニコラは、ドロー前に《有毒の蘇生》をプレイするが、これは《精神的つまづき》でカウンター。《ギタクシア派の調査》で手札を見ると、《Force of Will》と《精神的つまづき》と《稲妻》。引いてきた2枚目の《ギタクシア派の調査》をプレイすると、「微妙……」と一言語ったあとに《土地譲渡》をピッチでプレイ。
ここで公開されたのは、《巣穴からの総出》《ゴブリンの放火砲》《煮えたぎる歌》《嵐の精体》。
カードをメモった上で、これを通した大倉。《Taiga》をサーチし、ニコラはこれをセットする。そして、《巣穴からの総出》をプレイ。「ストーム」は6なので、とりあえず、この誘発を前に大倉は考えるが、手札がバレているので対処手段がないこともバレている。
いきなり追い詰められた大倉。フェッチを使用して、先ほど《渦まく知識》で積み込んだトップをリフレッシュし、ドローした2体目の《若き紅蓮術士》をプレイすると、ターンを終える。
ニコラは《Mox Sapphire》をプレイすると、3マナ残して《煮えたぎる歌》。これを《Force of Will》で大倉がカウンターすると、ニコラは、ゴブリン2体を残して全軍でアタック。対する大倉は1体に対して《稲妻》をプレイして、エレメンタルトークンをさらに2体増やし、2体の《若き紅蓮術士》を残して全部でブロック。
互いにトークンが相打ち、ニコラの場にはゴブリンが4体、大倉の場には《若き紅蓮術士》が2体という盤面となる。
手札がゼロの大倉は、ドローして、ターンを終了。
ニコラはトップデックした《Mox Ruby》をプレイ。これで7マナになったニコラは、《ゴブリンの放火砲》をプレイ。そして、あまった3マナで本体に《ゴブリンの放火砲》。
これに対して、大倉はニコラの公開された山札をすべて確認する選択をとった。
ニコラ 1-0 大倉
Game 2
Game 1とは打って変わって、互いにマリガン。そして、ニコラはさらにマリガン。
ニコラ 「5枚……これでいいでしょ」
しかし、この5枚もマリガンするニコラ。
ニコラ 「ちなみに、2枚でも1Killできるから」
大倉 「知ってる」
ニコラが4枚でキープし、互いに占術した上で、1ターン目に大倉が《島》をセット。
ニコラは《土地譲渡》をプレイし、《稲妻》《紅蓮破》《煮えたぎる歌》《残響する真実》という手札をコストとして公開するが、これは《狼狽の嵐》でカウンターされてしまい、マナソースがなくなってしまう。
しかし、ここから《Mox Jet》《Mox Ruby》と続けてドローするニコラ。これをかくしてターンを終え続ける。だが、ここで《ギタクシア派の調査》をプレイされ、手札がばれてしまう。
しばらくドローゴーが続き、互いにディスカードをするまでの均衡状態となったが、大倉が2マナを残して《秘密を掘り下げる者》をプレイしたことで、ニコラも動かなければならなくなってしまう。
大倉 隆寛 |
しかし、まずは、追加の《Mox Jet》をプレイし、ターンを終える。続く大倉のターンに《秘密を掘り下げる者》が裏返る。これに対して《稲妻》を打ち込むニコラに、大倉は《精神的つまづき》。
《昆虫の逸脱者》で殴ったところで、大倉は《若き紅蓮術士》を追加する。この1マナしか残っていない隙に《ギタクシア派の調査》をプレイするニコラ。
公開されたのは、《剣を鍬に》《若き紅蓮術士》《稲妻》《Force of Will》×3と《精神壊しの罠》。
そして、今度はニコラが《土地譲渡》で手札を公開。
《嵐の精体》《炎の儀式》《煮えたぎる歌》《紅蓮破》《Time Walk》《残響する真実》×2。この《土地譲渡》はスルーされ、《Tropical Island》がサーチされる。
ここで、ニコラは《精神壊しの罠》の能力を確認。そして、ここまで2回呪文を唱えているので、次以降は1回ただでカウンターできることを確認する。そして、《残響する真実》で《昆虫の逸脱者》を手札に戻す。そして、《Mox Ruby》から《炎の儀式》をプレイして、赤2マナを確保すると、《嵐の精体》をプレイ。これは「ストーム」が4の状態で「+1/+1」カウンターが4つのってバトルゾーンに。
ニコラはこれに《剣を鍬に》を打ち込むと、《若き紅蓮術士》からのトークンを手に入れ、自身のターンに《若き紅蓮術士》と合わせて2体でアタック。続いて、2体目の《若き紅蓮術士》を追加する。
ニコラは、2体の《若き紅蓮術士》へと《残響する真実》をプレイ。これに対応して大倉は《稲妻》をニコラへとプレイすると、トークンを2体確保して、手札に戻す。続くターンにトークン3体でニコラのライフは8。大倉は《Mox Ruby》をプレイしたあと、1マナを残して《若き紅蓮術士》を2体だしてターンを終える。
ニコラの《Time Walk》も、大倉のカウンターを釣り出せず、《稲妻》を《若き紅蓮術士》へと。追加のドローも解決に向かわない。ターンを終え、大倉が《若き紅蓮術士》とトークン3体で殴ってニコラのライフは3。
全力で「ストーム」をためての、トップデックからの《巣穴からの総出》で起死回生を目論むニコラだったが、《精神壊しの罠》がすべてのコピーを追放した。
ニコラ 1-1 大倉
Game 3
先手のニコラは《Taiga》《残響する真実》《炎の儀式》《煮えたぎる歌》《Ancestral Recall》《巣穴からの総出》《Mox Ruby》をキープ、一方の大倉はマリガン。
ここで、タイムアップするが、フィーチャリング席への移動で5分の延長が残っている。その間に、マリガンが続けられる。大倉は2回めのマリガン。そして、5枚でキープすると、占術で土地を下に。
ニコラは、《Mox Ruby》《炎の儀式》《煮えたぎる歌》とつなげて、ストーム3の《巣穴からの総出》をプレイし、トークンを8体確保してターン終了。一方の大倉は《定業》で解答を求める。
結果、《Black Lotus》から《若き紅蓮術士》を呼び出してターン終了。ニコラは8体のトークンで全力でアタックし、大倉のライフは12。
大倉のターン。まずは《汚染された三角州》をセットすると、《渦まく知識》をプレイし、トークンを1体生み出す。そして、《Tundra》をフェッチし《Ancestral Recall》で3枚ドロー。これにはニコラも「強い……」と一言。
ニコラは8体のトークンでアタック。2体がブロックされるが、フェッチのダメージと併せて大倉のライフは3。ニコラは《魔力の櫃》から《ゴブリンの放火砲》をプレイし、ここで、タイムアップし、ここから追加ターン。
ニコラの《ゴブリンの放火砲》はカウンターされず、バトルゾーンに出るが、ニコラはマナが2マナ。
大倉は《若き紅蓮術士》をプレイし、ターンを終える。
このドローが《Black Lotus》! テンションが上って、これをプレイしてしまうニコラ。
これにすかさず《Force of Will》をプレイして、トークンが2体。さらに、《剣を鍬に》でゴブリンを追放しつつ、トークンが2体追加される。
大倉は《若き紅蓮術士》を残しつつ、ニコラのトークンをすべてブロックし相打ちをすることが可能になった。その上、ライフは2残っている。
しかし、ニコラの《ゴブリンの放火砲》はまだ戦場に残っているので、次のターンにマナソースを引けば、起動して勝利が可能だ。
大倉がプレイしたのは……《石のような静寂》!!
互いに、延長ターン中にゲームを決めることは不可能となり、このマッチは引き分けとなった。
ニコラ 1-1-1 大倉
スイスラウンドが終了し、結果、《The Tabernacle at Pendrell Vale》はスタンディングで1位となったニコラの手に渡された。
だが、最後の最後に、ヴィンテージらしい白熱した勝負を見せてくれたふたりに、等しく拍手を送りたい。
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