の特徴
パワー/タフネスが自身のコントロールしている土地の総数に等しくなる能力を持つだけではなく、トークン以外の自身のクリーチャーをすべて「森・土地」にする、派手な常在型能力を持ちます。この能力がどんなふうに働くのかみていきましょう。
①クリーチャーはすべて土地になる
のパワー/タフネスは土地、クリーチャが戦場に出れば出るほど大きくなる。パワー21も夢じゃない。自身のクリーチャーがすべてのように緑マナを出すことができる。
②クリーチャーが出るたびに「上陸」など土地が出ることで誘発する能力が発揮される
例えばは自身も土地・クリーチャーであるため、自身が戦場に出たときにもマナを生み出します。
③自身のクリーチャーは「土地でないパーマネントを破壊する」といったカードの影響を受けなくなる。
当然土地だからね。
④基本でない土地をとがめるカードの影響を受ける
、が出るとエラいコトになる。は文字通り破滅する(詳しくは後述)。
⑤特有の無限マナコンボが成立する
これぞを統率者指定する最大の理由。と、召喚酔いではない 《アルゴスの古老/Argothian Elder》 もしくはで無限緑マナに達します。あらかじめ土地一つをタップして緑マナを出しておき、の起動型能力を使い、森ひとつと、土地になっている自身をアンタップします。この繰り返しで緑マナが無限に出せるのです。
サイズの大きい統率者はそれだけで価値があります。対戦相手の40点を削れなくとも、21点をから叩きつければ敗北に追い込めるからです。さらに、もし相手もクリーチャーを並べるデッキでこちらの戦闘ダメージが通りにくいのであれば、無限マナを成立させて勝利することができます。や、に無限マナを注ぎ込み、一気に勝利することができます。緑はクリーチャーサーチが得意なのでパーツを集めるのは簡単です。実際に対戦してみると結構な確率で決まります! がいればなお安心。
こいつ土地コンボ
と同じく『ゼンディカーの夜明け』で登場したクリーチャー。このテキストをよ~く読んでみてください。重要なのは下の能力です。
土地が戦場に出たことによりあなたがコントロールしているパーマネントの誘発型能力が誘発するなら、その能力は追加でもう1回誘発する。
ふむふむ。じつにゼンディカー出身らしい能力。デザイン意図としては、同セットに収録されていた「上陸」を二回誘発させよう、ということなのでしょう。しかし、同セットに収録されていると同時に戦場に出ていると奇妙で派手なコンボが成立するのです。例を見てみましょう。
例のエレメンタルコンビが戦場に出ていて、そこにが唱えられ、無事戦場に出た。自身の能力が誘発する。
も土地として戦場に出ている。が土地になっているということは、この自身の誘発型能力は「土地が出たことによって誘発型能力が誘発した」ことになる。よっての能力での誘発型能力も追加で誘発する。
そう、このエレメンタルコンビが並ぶことで事実上「クリーチャーが戦場に出たことで誘発する能力も2回誘発する」ことになります。これは超おトク! 競技フォーマットでは5マナと6マナのクリーチャーを置いたことで得られる恩恵としてはイマイチということで日の目を見ることのないコンボですが、統率者戦なら別。で土地を6枚割ってもいいですし、で大量のドローも狙えそうです。
土地シナジーいろいろ
まずは「上陸」ですよね。統率者戦ではスタンダードのようにを出したら即焼かれた……なんてことは起こりにくいのでどんどん繰り出していきましょう。
は+1で土地ふたつ、もといクリーチャーふたつをアンタップできてブロッカーをたてるだけではなく、大きく育ったをトランプルにすることもできます。
はマナ加速としても使えそうです。
ニッサの奥義が決まったらアシャヤ軍団は完全に無敵。
《Commander Collection: Green》はマジで買いだ
《Commander Collection: Green》は昨年2020年に発売された、緑のカードの新規イラストでの再録セット。その名の通り統率者戦を意識した選出になっていて、このデッキを作成した際にも1セットをそのまま使っています。
※収録カードはいずれも英語で、新規イラストとなっています。以下に表示されているカードとはデザインが異なります。
緑の必須級カードであるこの二枚ですが、人気がありすぎてそこそこな値段になっています。晴れる屋でシングル販売で購入するよりこのセットを購入したほうがずっと安価に手に入ります。
とは非常に相性がよく、相手のターン終了に合わせて土地(アシャヤがいるならクリーチャーも!)からマナを出し、貯金ならぬ貯マナができます。自分のターンが回ってくる頃には20マナ以上たまっていることも珍しくありません。
は統率者戦なら大きなアドバンテージを稼ぎつつ、巨大なアタッカーとして頼りになります。は統率者デッキなら「むしろなぜ入れない」と言われるほどの大定番カード。もセットに入っています。単色デッキでは不要ですが、いつか必ず多色デッキを組む時に必要になるので大切にとっておきましょう。
いってつのイチオシ!
もし緑単が気に入って、もう少し高価なカードも使ってみたくなったら、こんなカードはいかがでしょうか。
はもちろん、序盤を支えたマナクリーチャーたちがとんでもないサイズになって襲い掛かります。緑のフィニッシャーといえばこれ!
対戦相手にも影響を与えますが、クリーチャーがすべて速攻を持ちます。マナクリーチャーは出てすぐマナを出せるように!コンボにもすぐに入れます。
について
このデッキのコンセプトを崩壊させかねない恐るべきカードについて言及しておきましょう。
の能力はクリーチャーに「森・土地」というカードタイプを加えるにすぎません。クリーチャーたちは基本土地ではありません。とが戦場に並ぶと、アシャヤは土地タイプ「森」を失って「山」になります。これと同時に「山」である以外の能力を失います。クリーチャーというカードタイプは失われていないため、依然としてクリーチャーでありますが、はタフネスが0になってしまい、死亡します。に+1/+1カウンターが乗っているなどして戦場に残った場合、ほかのクリーチャーも能力を失ってしまいます。もっとも、赤マナを出すことはできますが……。
の場合は、こちらのクリーチャーがまったく起き上がらなくなってしまいます。やは破壊することで解決できますが、基本でない土地すべてを破壊するはこちらにとってのようなもの。でを生贄に捧げるなどしてかわせなければかなり苦しい盤面になってしまいます。
の能力の処理は複雑怪奇。より詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
おわりに
緑単には以前紹介したや、といった有力な統率者候補がまだまだたくさんいます。そんななかでは「クリーチャーが土地になる」という奇妙なギミックで独特のマナ加速やコンボを持っているのが魅力です。
単色統率者は高価な多色土地やフェッチランドを土地を使わなくてもすみます。中でも緑はマナ加速を高価なアーティファクトに頼らなくいていい、ということもあって、安価で楽しいデッキを作りたいならおすすめの色です。相手のコンボにはなかなか介入できないですが、コンボが始まる前にビッグマナからの大量展開で相手を圧倒しちゃいましょう!
ちなみにこのデッキ、全部合わせて税込み14950円でくみ上げることができました(晴れる屋通販価格。価格は執筆時のものです)。みなさんは手元にすでにあるカードを使うことができますので、もっと安価にもっと強くてもっと面白いデッキが組めると思います!
ぜひみなさんもカジュアルにデッキを作って統率者戦を楽しんじゃってください!
                    
                    
                        
    
    
        
            いってつ        
            晴れる屋メディアライターです。最近の悩みは記事執筆と動画出演で忙しくて統率者戦が1日2回くらいしか遊べないこと。Commander Format Panel メンバー。        
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