こんにちは。Hareruya Prosの原根です。
転職・上京・初めての一人暮らしとドタバタ続きでご無沙汰となりました。
久方ぶりに記事らしい記事をお届けすることになりますが、今回は「マジックの始め方」というテーマについてお話させていただきたいと思います。
先日Twitterでも告知させていただきましたが、5/22(日)に晴れる屋成田店にて初心者向け講習会の実施が決まりました。
【イベント情報】5/22(日)の『原根"J-SPEED"健太が教える!MTG初心者体験会』特設ページが公開されました!有名プロプレイヤーにマジックを教わる滅多にないチャンス!詳しくは→https://t.co/BYFy8Nxps6 pic.twitter.com/JBmR2mDkEt
— 晴れる屋 成田店 (@Hareruya_Narita) 2016年5月11日
いろいろなTCGのプレイを経て現在の立場へと行きついた経験から、これからマジックを始めようと考えている皆様にお伝えできることがあると考えています。
また個人的に以前から思うところがあり、今回の取り組みがその解決に結び付けばとの思いもあります。
これは僕がマジックを始める際に感じたことなのですが、このゲームは少々「始め方」というものが難しいです。
僕自身がこのゲームに本格参入する以前、再開と断念を繰り返した経験がありました。要因は色々ありますが、その最たるは「これから先どうして行けば良いのか分からなかったこと」です。
マジックには長い歴史があり、その中でたくさんのカードが作られ、多くのプレイヤーが存在し、年中・世界中にイベントが用意されています。
それら一つ一つはマジックの魅力であり、素晴らしさです。
ただこの巨大さが、歩き始めた自分の求めているものを見えづらくしてしまっているようにも思いました。
マジックに身を投じるようになってから、同じような相談をたくさん受けています。
「マジックを始めてみたいんだけど、イマイチどうしたらいいのか分からない」
自分自身がそうであったように、戸惑い躊躇してしまう方は決して少なくないと感じました。
今回はそうした初心者や、そのさらに手前の未体験者の方々に送る、マジックへのイントロダクションです。興味はあるがイマイチ踏み出せない、そんな方々の一助となれば幸いです。
1. マジックをプレイするために
漠然とマジックに対する興味を持った時、何をその入口とすれば良いでしょうか。
現在時点での理解度や周辺環境、やる気の度合いに依存しますが、ひとまずは全くの知識が無い状態からのスタートを仮定してみましょう。
順を追って進めていきます。
■ ルールを覚えよう
多くに違わず、最初はルール理解に努める必要があります。
公式サイトに【スターティングガイド】が掲載されています。
公式主催の【ティーチングキャラバン】や、晴れる屋トーナメントセンターにて毎週金曜日に開催されている【初心者講習会】では、もっと直感的にマジックに触れることができ、初心者向けのティーチングイベントは定期的に開催されています。
もしご都合のつく方は、上記の成田店講習会にぜひいらしてください。僕が精一杯マジックの基礎をお伝えさせていただきます。
もちろんマジックをすでにプレイしている友人が近くにいるならば、彼らに声をかけ、教えを乞うと良いでしょう。
仲間内であれば疑問点も気軽に質問できるでしょうし、初めからコミュニティを持てているということは明確な強みです。一緒に楽しめる人間は多いに越したことはありませんし、きっと歓迎してくれますよ。
■ 対戦してみよう
ルールを覚えたら、対戦イベントに参加してみましょう。
公式が用意しているイベントにはいくつか種類がありますので、まずはその【一覧】をチェックします。
リンク先のサイトには各イベントの概要が記載されていますが、知識が無い状態で見るには少しばかり分かりづらい構成です。僕も初めはちんぷんかんぷんでした。区分けして少しずつお話しします。
1-1. カジュアル寄りのイベント
まず最初にご紹介するプレリリース、フライデーナイトマジック、ゲームデーは、カジュアル色が強く、誰でも気軽に参加可能なイベントで、初心者がマジックに親しむにはもってこいのイベントといえます。
●「プレリリース」
発売前の新セットを一足先に遊べる先行体験会のようなもので、新セット発売前週の週末に開催されるのですが、毎回たくさんのプレイヤーが足を運び、人気を博しています。
僕もここ最近のプレリリースには毎回参加しています。
出たばかりのセットなので知識にほとんど差がありませんし、新セットを使いあれこれ話しながらの対戦は毎度の楽しみです。
●「フライデーナイトマジック/Friday Night Magic(通称:FNM)」
その名の通り、毎週金曜夜に開催されるイベントです。
週末に先立ち盛り上がりを見せるこのイベントでは、店舗毎に設定された条件を満たすことで限定のプロモカードを獲得できます。
週末夜のタイミングは社会人プレイヤーにとってもありがたい時間帯で、スーツ姿での参戦などもよく見受けられる光景です。
●「ゲームデー」
新セット発売から3週間後、全世界で同日に開催されるイベントで、「店舗のチャンピオンを決める」という名目のもとその座を競い合います。
上位入賞者にはテキストボックスレスのプロモカードやプレイマットといった、ここだけの限定アイテムが配布されます。
1-2. プレミアイベント
次にご紹介するグランプリ、プロツアー、ワールド・マジック・カップ、世界選手権およびそれらの各予選はプレミアイベントと呼ばれるワンランク上のイベントです。
大会の様子が動画配信されたり、イベントレポートが掲載されたり、上位入賞者には賞金が与えられたりと、非常に大規模なイベントになっています。
●「グランプリ/Grand Prix(通称:GP)」
参加自体はどなたでも可能です。
メインの対戦イベントの他、アーティストサイン会やステージイベントなど活気に溢れ、いわばマジックのお祭りですね。
近年では開催数も参加人数も飛躍的に増加しています。国内に限っても4度の開催があり、直近の【グランプリ・東京2016】では3000人を超える参加者を記録しました。
メインイベントの優勝者には1万ドル(約110万円)の賞金が出ます。
●「グランプリトライアル/Grand Prix Trial(通称:GPT)」
上記グランプリ前に開催される前哨戦のような位置付けで、このイベントの勝者には本番のグランプリで「bye(不戦勝)」のボーナスが与えられます。
本番に向けての練習にもなりますし、腕試しの場として活用するのも良いでしょう。このイベントにもどなたでも参加できます。
●「プロツアー/Pro Tour(通称:PT)」
これまでのイベントと異なり、プロツアーの出場には参加資格が必要です。
他TCGでいう所の「世界大会」に位置するイベントであり、いくつか存在する参加資格を手にする手段はいずれも困難な道。多くのトーナメントプレイヤーはこのイベントへの出場、そして勝利を目標に切磋琢磨しています。
優勝者に与えられる賞金はグランプリの4倍、4万ドル(約430万円)。賞金総額は25万ドル(約2700万円)にも上ります。
●「プロツアー地域予選/Regional Pro Tour Qualifier(通称:RPTQ)」
上記プロツアーに参加するための条件の一つが、このイベントにおける勝利です。
しかしこのイベントにも参加資格が必要で、下記プロツアー予備予選を勝ち抜く必要があります。
そうして集ったツワモノ達によって、数少ないプロツアーへの出場権が争われる訳です。
●「プロツアー予備予選/Preliminary Pro Tour Qualifier(通称:PPTQ)」
プロツアーの予選である「プロツアー地域予選」に出場するための予選…とややこしいですが、平たく言えば予選の予選です。
プロツアーへの道は果てしなく、極めて困難な道のりで、皆未来の活躍を夢見、この第一歩からスタートを切っています。ここへの参加はどなたでも可能です。
●「ワールドマジックカップ/World Magic Cup(通称:WMC)」
年に一度世界各国で代表チームを結成し、世界No.1マジック国を決めるイベント、それがワールドマジックカップです。
各国で最も活躍しているプレイヤーをリーダーに据え、そこに下記ワールドマジックカップ予選を勝ち抜いた3名を加えた、計4名のメンバーで結成されます。
マジックにおける団体戦は珍しい部類で、自国の代表が世界を相手に戦う様は大いに盛り上がります。
優勝賞金はチーム全体に1万2千ドル(約130万円)です。
●「ワールドマジックカップ予選/World Magic Cup Qualifiers(通称:WMCQ)」
上記WMCの参加資格を獲得するための予選です。
日本では東京・名古屋・大阪の3か所で予選が開催され、それぞれの優勝者が代表に選出されます。
●「世界選手権/World Championships」
こちらも参加資格が必要なイベントとなりますが、これまでとは別格となります。
出場可能なプレイヤーはなんとたったの24人。
マジックのプレイヤー人口は2000万人ともされており、世界中から選び抜かれたトップ中のトップだけが出場を許されることになります。
名立たるオールスター達が居並ぶ、見ているだけでも大興奮のイベントですが、その場に立ちプレイすることは人生においても格別な体験となることでしょう。
優勝賞金は7万ドル(約760万円)で、来年には10万ドル(約1100万円)への増額も発表されています。
1-3. その他のイベント
その他、各企業が独自に主催しているイベントも存在します。当晴れる屋主催の【神決定戦】、【The Last Sun】、BIGMAGIC様主催の【BIG MAGIC OPEN】、カードゲームショップばぶるす様主催の【BABURUSU CHAMPION SHIP】などは、上位入賞者への賞金もある本格的なトーナメントです。
初心者(ビギナー)のみ参加可能なビギワン、女性の方のみ参加可能なレディワンなど、立場の近いプレイヤー同士の交流に繋がるイベントも。
年間を通してイベントには事欠きませんので、自らのニーズに合ったものを選択して参加してみましょう。
ファーストステップとしては、「プレリリース」「フライデーナイトマジック」「ゲームデー」のような、お近くの店舗で出場可能なカジュアルチックのイベントに足を運ぶと良いでしょう。公式が【イベントロケーター】と呼ばれるイベント検索システムを用意してくれているので、ぜひ活用したいですね。詳しい使い方は【こちら】で解説されています。
プレミアイベントはトーナメント色が強いイベントなので、いくつかのイベントをこなしマジックやイベントの雰囲気に慣れてから選択すると良いでしょう。
かといって、あまり身構え過ぎる必要もありません。ルールや空気というものは数を重ねて馴染んでいくものでもあります。挑戦してみたい気持ちが生まれたのならば、その気持ちを大事にしてください。
2. 情報を集めよう
冒頭でも述べたように、マジックは規模の大きなゲームゆえ無数の情報に取り囲まれています。自分の求める情報を探し出すだけでもなかなか難しいことです。
いつどこでどんなイベントがあるのか、新セットや新商品の発売日、流行のカードやデッキリストなどなど、しっかりとアンテナを張っておく必要があります。
僕が普段情報収集に使っているサイトをいくつか紹介します。ぜひ役立ててください。
■ 公式サイト
米国の公式サイトは【こちら】
マジックの公式サイトは非常に情報量に富んでおり、頼りになる存在です。
イベント情報やイベントカバレージ、画像付きカードリストなど今も常日頃お世話になっています。
■ MTG Wiki
マジック版Wikiです。カード1枚1枚から専門用語の1つ1つまで丁寧に解説されています。マジックに取り組んで行く上で何か分からない単語が出てきたら検索してみましょう。
カード項目に関しては各々詳細に渡る解説があり、相性の良いカードや対策手段、そのカードが使われた経緯など、読み物としてもとても楽しめます。
■ Wisdom Guild
【カードの条件検索】が便利で、デッキの要件にマッチした1枚を探すのに有用です。
付加情報として、そのカードの価格相場や値段推移、購入可能ショップの一覧出力など、驚くほど便利な機能が詰まっています。
■ イゼ速。:Izzet MTG News Flash
マジックに関する最新ニュースを取りまとめたキュレーションサイト。新カードの情報から小型~大型イベントの結果まで幅広く紹介しています。
各所に散らばる情報を一括で確認できるので大変便利。
■ マジック関連記事(日本語)
【晴れる屋】
【Dig.cards】
【カードショップ遊々亭】
【Bigweb】
著名人による有用な記事が多く、ためになるのはもちろん、読んでいて楽しいです。
こうした文献が多く残されていて、直近でもドンドン増えてきているのがマジックの良いところです。
■ マジック関連記事(英語)
【Channelfireball】
【StarCityGames.com】
【TCG Players】
海外プロプレイヤーの記事がドシドシリリースされており、英語ですが大変有用です。
英語が苦手な方には厳しいかも知れませんが、頑張って読むだけの価値はありますし、サイドボーディングガイドなんかは画像で解説が行われているので、流し見るだけでも全然違ってきます。
アンテナは高く持とうと思えばいくらでも、という一例です。
■ デッキ検索サイト
【晴れる屋】
【MTG Goldfish】
全フォーマットに跨って膨大な量のデッキ情報を保持しています。
検索オプションも備わっており、デッキタイプ毎に抽出したり、特定の1枚を使ったデッキの一覧を出力したり、お望みのデッキリ ストやアイデアを見つけ出すのにきっと役立つことでしょう。
マジック界隈にもTwitterは広く普及しています。米国・日本の公式アカウント、国内外のプレイヤー、店舗などなど主要アカウントはしっかりとフォローし、最新情報をキャッチしましょう。
また、自身と同じ地域のプレイヤーや、同じイベントに参加するプレイヤーを見つけてコミュニケーションを図ることで、マジックをプレイする仲間の輪を広げていくことも可能です。
実際僕もマジックを始めたばかりの頃は公式のオンライン対戦ツール【Magic Online】の利用が主だったため現実コミュニティとの繋がりが弱く、twitterで知り合った同地域のプレイヤーとの出会いが、地元コミュニティと繋がるキッカケになりました。
上記サイト群の運用例ですが、僕の場合ですと……
(1)まずは【日本公式サイト】のイベント情報ページや【Twitter】でキャッチした情報を元に出場するイベントを見つけます。
(2)出場するイベントが決まれば、同公式サイトや【米国公式サイト】、【イゼ速。:Izzet MTG News Flash】で直近のイベント結果を参照し、トレンドをチェック。
(3)使ってみたいデッキを見つけ、【晴れる屋】、【MTG Goldfish】などのデッキ検索が可能なサイトでたくさんのリストを参照、コピーしたりアレンジしたりして試運転です。
(4)プレイする内、何か新しい1枚を試したかったり、別のデッキを考えたりしたい場合は再度デッキ検索サイトを見回ったり、【Wisdom Guild】の【カード検索】を用い、今自分が求めている条件にマッチした1枚を見つけ出します。
(5)その他空き時間、たとえば電車の移動時間だとか夜寝る前だとか、そういったタイミングではマジック関連記事をチェックします。これらの更新通知はTwitterでキャッチできることも多いので、Twitterのお気に入り機能を使ってストックを持っておいたりしますね。
(6)記事を読んで行く上で不明な用語やカードが出てくれば【MTG Wiki】へ。(カードに関しては、効果を知るだけならカードリストで構わないのですが、【MTG Wiki】には前述の通り相性の良いカードなど情報量があり、副次的な知識が得られるので有用です。)
(2)出場するイベントが決まれば、同公式サイトや【米国公式サイト】、【イゼ速。:Izzet MTG News Flash】で直近のイベント結果を参照し、トレンドをチェック。
(3)使ってみたいデッキを見つけ、【晴れる屋】、【MTG Goldfish】などのデッキ検索が可能なサイトでたくさんのリストを参照、コピーしたりアレンジしたりして試運転です。
(4)プレイする内、何か新しい1枚を試したかったり、別のデッキを考えたりしたい場合は再度デッキ検索サイトを見回ったり、【Wisdom Guild】の【カード検索】を用い、今自分が求めている条件にマッチした1枚を見つけ出します。
(5)その他空き時間、たとえば電車の移動時間だとか夜寝る前だとか、そういったタイミングではマジック関連記事をチェックします。これらの更新通知はTwitterでキャッチできることも多いので、Twitterのお気に入り機能を使ってストックを持っておいたりしますね。
(6)記事を読んで行く上で不明な用語やカードが出てくれば【MTG Wiki】へ。(カードに関しては、効果を知るだけならカードリストで構わないのですが、【MTG Wiki】には前述の通り相性の良いカードなど情報量があり、副次的な知識が得られるので有用です。)
3. マジックをプレイし続けるために
ここまではマジックをプレイするためのお話をさせていただきましたが、次にお話ししたいのはマジックをプレイし続けるためのお話です。
継続性は大事なテーマです。マジックに限らず、一つ趣味を始めるのであれば長く楽しみたいですよね。
そこで、TCGにおいて僕が考える、継続的な取り組みを支える3つのポイント「モチベーション」「コスト」「コミュニティ」についてお話します。
■ 「モチベーション」
やる気。全ての原動力。やる気は情熱!
モチベーションを高く保つことが積極的かつ楽しい取り組みに繋がります。
■ 「コスト」
主に金銭的なもの。趣味にかけられるお金。
許容値は人それぞれですが、生活バランスを考慮し計画的かつ健全な消費を。
■ 「コミュニティ」
活動を共にする仲間の輪。
大会に向けての練習相手であり、目標を共にし競い合うライバルであり、普段からゲームを楽しむグループ。
この「モチベーション」「コスト」「コミュニティ」の3つの要素は密接に関係していて、どこかが崩れるとプレイの存続が困難な事態に陥る可能性もあります。
●モチベーション⇔コスト
カードの購入に際し、ピンキリではあるもののやはり高価なものも存在しますから、時には思い切りも必要です。高いモチベーションの上ではそれも後押しされます。
また新カードの入手、デッキ構築はモチベーション向上に繋がる相互関係を持ちます。
●コスト⇔コミュニティ
コミュニティの充実は内部でのカード流通に影響し、トレードや貸借によりコスト削減に繋がります。
大会直前で新しいカードが必要になったりしたとき、頼りになるのは仲間達です。
逆も然り。自分自身の余力もコミュニティへの貢献に繋がります。
●コミュニティ⇔モチベーション
仲間とのプレイはモチベーションの持続に大きく影響します。
仲間内で何かを共有し、楽しみ、刺激し合うことでモチベーションが向上します。
また自らの高いモチベーションはコミュニティの活性化を促し、ここでも相互関係が見られます。
次に、各ポイントを上手くサイクルさせていくためのコツについて。
■ モチベーション保持
モチベーションの保ち方は個々人で千差万別です。
誰かの言う方法が自分にとってのベストとは限らないので、適した方法を見つけ出して継続的な取り組みに努めましょう。
例えば僕の場合は、比較的自分に鞭打つ方ですが「プロツアーで活躍したい」という将来的希望が原動力となっているので、カバレージを読んだり動画を見たり、その先の自分をイメージして奮い立たせるようにしています。
モチベーション持続の面で共通して言えるのは「楽しむ心を忘れないこと」だと思います。
何か目標があったとして、それに向けて努力すること自体は素晴らしいことですが、それが苦痛を伴うものであったり、趣味の存続自体を脅かすものであっては元も子もありません。
趣味は続いてなんぼです。継続は力なりで、1か月2か月でどうこうしていくものではありませんから、長期的な目でもって、無理をし過ぎないようにしましょう。
■ コミュニティ拡大
マジックを楽しむ仲間の輪を広げる…要は友達作りですが、一般的な社会生活のそれよりもずっとイージーです。
なぜなら、ここで関わり合う全ての人々は『マジック』という共通の趣味を持っているからです。共通の趣味というのはコミュニケーションにおける最強クラスの武器で、話題に困りませんし、コミュニケーションの基礎「会話」のための材料が初めから用意されています。臆せず行きましょう。
ただし、相手側が望んでいないケースもありますので、反応を伺いながら一方的な押し付けとならないように注意は必要です。
一緒に始められそうな友達が近くにいない方も、まずは店舗やイベントに足を運んでみてください。
コミュニティの拡大を見て行く上では、最初の1人が肝心です。
初めの1人と結び付けば、その方から知り合いへ、知り合いからその知り合いへといった具合で、連鎖的に人間関係が広がっていきます。
自分一人の力で一つ巨大な輪を作ろうとするのはものすごく大変なことですが、人づてに繋がり合えば、自ずと広がりを見せていきます。また、積極的なコミュニケーションが苦手な方の場合は、紳士な振る舞いや愛想の良さを大切にし、相手側のコミュニケーションに対しオープンな状態であることを心掛けると良いです。
一番大切なのは、「繋がり合い関わりを持とうとする意志」です。
■ コスト問題
MTGへの参入を果たす上でよく障害となっているのがコストの問題です。
有名なのは「デュアルランド」、《タルモゴイフ》といった高価なカードたち。
マジックは非常に人気の高いゲームであり、中には高価なカードも存在します。
上記はマジックをプレイしていない人間の間でも知名度が高く、敷居の高さを感じさせる一因です。
まず初めにお伝えしたいのは、上記カード群はマジックをプレイする上で必ずしも必要という訳ではありません。マジックをプレイしている人間の中でも、上記のカードを保有しているのはマジックプレイヤー全体の中で見ればごく一部です。
グランプリ優勝者クラスのプレイヤーでもこれらを所持していないことは珍しいことではなく、プレイしたことも手に取ったこともない方もいらっしゃるぐらいです。
これはマジックが定める「フォーマット」のルールに起因します。
フォーマットとは、平たく言えば「デッキ構築のルール」です。マジックではこのルールの取り決め方に変化を付けることで、様々な遊び方が提供されています。
フォーマットの一例としては、直近1年半のカードのみでデッキを構築する「スタンダード」や、約10年分で構築する「モダン」、発売から20余年の丸々が使用可能な「レガシー」があります。(厳密にはもう少し具体的な取り決めがありますが、ここでは割愛します)
自分がどのフォーマットでマジックをプレイするかで必要なコストは上下し、例えば十数年も前の強力なカード、それこそ上記に挙げたデュアルランドや《タルモゴイフ》を使用できるフォーマットは全体の予算も高くなりがちですが、スタンダードは遥かに割安です。
僕はレガシーやモダンをプレイするためのカードも持っていますが、ここ1年近くはほとんど触っておらず、埃を被ってしまっています。一般的なトーナメントではスタンダードや後述のリミテッドが主流となり、あまりプレイする機会がなかったからです。
そして今しがた触れたように、マジックには開封したパックをそのままゲームに使える「リミテッド」という遊び方も用意されており、大きな人気を博しています。
他のTCGでは実装されていることが少ないためあまり実感が沸かないかもしれませんが、未開封のパックをその場で開封し、そのカードだけでデッキを構築する遊び方です。
6パックを開封し、その中でデッキ構築を行う「シールドデッキ」。
各自が開封したパックの中から1枚を選んで隣のプレイヤーに渡す。この手順を3パック分繰り返すことでデッキ構築を行う「ブースタードラフト」。
こちらの遊び方であれば、費用は1回あたり必要なパック代のみ。1パック350円(晴れる屋なら300円!)ですので、シールドデッキなら2100円、ブースタードラフトなら1050円。
これで大体3時間ぐらいは遊べますから、カラオケやボーリングに近い感覚ではないでしょうか。
もっと言えばカードが残りますし、良いカードを引き当てることができればさらに安く、上手くいけばプラスの状態でエンジョイ可能です。
リミテッドは初心者にもおススメで、手軽で楽しく、カード資産に悩まされることもありません。
ゲームとしても純粋におもしろく、僕がマジックを始めてからの約4か月はリミテッドばかりをプレイしていました。
マジックには色々な取り組み方があります。
継続的なプレイを見る上で大切なのは、楽しいと感じる状態を探し促進すること。
自分にとってのベストな付き合い方を見つけて行きましょう。
■ マジックをプレイしよう
あれやこれやと記してきましたが、何よりも伝えたいのは「まずスタートを切ってみてほしい」ということです。
興味を持ったその気持ちを大事にしてください。モチベーションは大抵の壁を打ち破ります。
冒頭に記した通り、僕はこれまで何度かマジックのプレイを断念してきた過去がありますが、その内訳のほとんどは不安からくる躊躇でした。
同じような理由で踏み止まっている方々には、ぜひこの最初の一歩を踏み出していただきたいのです。本格参入を果たしてからはあっという間の僕でしたが、現状を心底楽しんでいます。より多くの方々とマジックのおもしろさを共有できればと思い、今回の執筆に至りました。
皆様の参入を心待ちにしています。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
※文中でも取り上げさせていただきましたが、成田店の講習会では僕が直接相談に乗りますので、ご都合のつく方はぜひいらしてください。
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