By Atsushi Ito
いつの世もデッキビルダーというものは憧れの的だ。
【最後のThe Finalsチャンプ】岡田といえば【青黒<ルーン唱えの槍>感染】をデザインしたことで知られている。
だが、実はそれ以外にも【晴れる屋のデッキ検索】で【モダンの青赤<紅蓮術師の昇天>】を検索すれば岡田の名前とそのオリジナルリストばかり出てくるし、ほかにも今年2月に岡田がマジックオンラインを始めた際には、【自らデザインした赤白トークンでMOPTQを突破】 (プロツアーは仕事の都合で不参加) している。
そして今日岡田が使用しているのは、そのときの赤白トークンを『マジック・オリジン』仕様にアップデートしたものなのだ。
新カードはトークン戦略と絶妙に噛み合う《ピア・ナラーとキラン・ナラー》。そしてしっくりくる使い道がなかなか見出されていなかった《カラデシュの火、チャンドラ》を3枚も採用している。さすがに目の付け所がシャープだ。
対し、阿部のデッキはオーソドックスながらも強力な《衰滅》入りのアブザンコントロール。
サイドには全ての除去呪文を過去にする《進化の飛躍》も搭載されており、同型対策に余念がない。
新スタンダードは新カードを使いこなした者が勝つ。岡田と阿部、2つの才能がぶつかり合う。
Game 1
先手はスイス1位の阿部。だがマリガンな上に、「占術」スタートしたにもかかわらず土地が2枚で止まってしまう。
しかも後手3ターン目に岡田がキャストしたのは、土地が詰まった相手に効果抜群の《ゴブリンの熟練扇動者》!
阿部 倫央 |
返すターンにも土地が引けず、やむなく《棲み家の防御者》をブロッカーとして送り出す阿部だが、これは当然《稲妻の一撃》で排除され。
なおも土地が引けなかった阿部は、あまりにもあっさりと「《ゴブリンの熟練扇動者》死」してしまった。
岡田 1-0 阿部
Game 2
2ターン目の《強迫》で明らかになった岡田の手札は、
《軍族童の突発》
《軍族童の突発》
《ゴブリンの熟練扇動者》
《ピア・ナラーとキラン・ナラー》
《かき立てる炎》
というもの。阿部はここから《軍族童の突発》を抜くと、《サテュロスの道探し》で場を整え、《ゴブリンの熟練扇動者》の返しで《包囲サイ》。岡田の手札に対処手段がないのは確認済だ。
岡田 尚也 |
だがここで岡田がプレイしたのは《停止の場》!再び《ゴブリンの熟練扇動者》が阿部を苛む。
しかし今度は阿部も《クルフィックスの狩猟者》から《アラシンの僧侶》で防御を固める。ライブラリートップには《包囲サイ》も見えており、易々とライフが致死に追いやられることはなさそうに見える。
それでも岡田は《ピア・ナラーとキラン・ナラー》から《かき立てる炎》「召集」で《クルフィックスの狩猟者》を排除しクロックを継続。阿部はチャンプブロックの後、《包囲サイ》でしのごうとするが、なおも岡田のトップは《岩への繋ぎ止め》!!
一挙14点のアタックで残り10点まで追い詰められる阿部。
阿部は《クルフィックスの狩猟者》を2連打するが、続く岡田の攻撃で《ピア・ナラーとキラン・ナラー》がブロックとの合わせ技でこれが排除され、残りライフは4点。
何とか《アブザンの魔除け》から《衰滅》に辿りつくものの。
無人の荒野に降り立った2体目の《ゴブリンの熟練扇動者》が、またしても阿部のライフを刈り取った。
岡田 2-0 阿部