By Yusuke Kanazawa
最後の基本セット『マジック・オリジン』。
各色に配置された両面プレインズウォーカーを始めとして、発表当初より話題となるカードが多数収録されている。
『マジック・オリジン』では部族やエンチャントといったサブテーマが支援されており、それらのカードが構築シーンに与える影響を楽しみにしている方も多いのではないだろうか。
それでは早速、第5ラウンド開始時点での上位8テーブルのデッキ分布をご覧いただこう。
■ アブザンコントロール:3名
新環境でも王者の貫録を示したアブザン。
《巨森の予見者、ニッサ》と《衰滅》の登場が、その地位をより盤石なものとしている。
特に《衰滅》を巡る構築は今後のスタンダードでは重要となるだろう。
■ 黒緑エルフ:2名
まさかのエルフデッキである。
タルキールの次元にエルフカードが0枚という部族の不遇もなんのその。『マジック・オリジン』で加わった優秀なエルフがこれでもかと投入されている。
中でも目を引くのが貴重な1マナクリーチャーである《節くれ根の罠師》と、フィニッシャーを務める《群れのシャーマン》の存在だ。
《ティムールの剣歯虎》によってETB能力持ちのエルフを使いまわすギミックも搭載されている。
モダン・レガシーに続きスタンダードでもトップメタに踊り出ることができるか、注目しよう。
■ ゴブリン:2名
エルフと並んでこちらも部族デッキ、ゴブリンが上位に名を連ねている。
しかも『マジック・オリジン』に収録されたのは往年の名カード《ゴブリンの群衆追い》。
わずかな期間ではあるが《ゴブリンの熟練扇動者》との共演が可能なのは魅力的である。
上位テーブルのゴブリンは2種類のアプローチを採っている。一つは《ウルドのオベリスク》、もう一つは《アタルカの命令》だ。
どちらも面展開のゴブリンに合致しており、生半可な防御なら簡単に突破してしまうだろう。
■ ジェスカイトークン:1名
ジェスカイトークンに搭載された《ヴリンの神童、ジェイス》は《ジェスカイの隆盛》と組み合わせることによって早いターンでの変身を可能としている。
■ スゥルタイコントロール:1名
スゥルタイコントロールでは《悪魔の契約》がアドバンテージ源として採用され、《スゥルタイの魔除け》や《シルムガルの命令》によって敗北を回避する目論見のようだ。
新環境ならではと言うべきか、構築段階で環境把握が重要となる青黒コントロールのようなデッキの姿を上位テーブルで見ることはできなかった。
一方、部族やエンチャントといった『マジック・オリジン』で特集されたテーマは実を結んでいるようだ。
ここからTop8にどのようなデッキが勝ち上がるのか期待したい。