『モダンホライゾン2』ドラフトは黒赤マッドネスで決まり!

Jeremy Dezani

Translated by Nobukazu Kato

原文はこちら
(掲載日 2021/06/25)

リミテッドで勝つには

みなさん、こんにちは!

今回のテーマはリミテッドです。そのなかでも『モダンホライゾン2』ドラフト、もっと正確に言えばひとつのアーキタイプ、黒赤マッドネスに絞って解説していきます。

巧みな軍略

リミテッドの大会に出るとき、私は必ず自分なりの戦略を明確化させます。「本番のパックから出たカードを見てから考えよう」と思いながら大会に足を運ぶようでは、少し努力不足です。私はあらかじめ決めたプランA、B、C……を携えて会場に着くようにしています。

ウィザーズ・オブ・ザ・コーストのスタッフは、セット内のアーキタイプ・色のパワーバランスを均一にしようと懸命に調整しているはずですが、それでも実際に均一になることはほとんどありません。ほかの色よりも強い色もあれば、弱い色もあるのが普通です。ひとつのセットから多様なデッキを組んで楽しむのは最高なことですが、目標が勝つことであれば、そういた視点は一旦わきに置いておくべきです。大会で勝てる可能性を最大限高めることだけを考えましょう。

オンドゥの戦僧侶ザダの猛士

ひとつ例を挙げましょう。私はわずか7日間の間にグランプリ・バンクーバープロツアー『ゲートウォッチの誓い』に出場しました。カナダでは決勝まで進み、プロツアーのドラフトラウンドでは5-1を達成。5回のドラフトを通して緑と青のカードは1枚たりと使いませんでした。私の戦略は、マルドゥの楔三色(白・黒・赤)のうちの2色を使った同盟者アグロを使うことだったのです。

ドラフト前から戦略を固めておくと、パック内から同じパワーレベルのカードが出てきたときに迷うことなくプランに合ったものを選べるようになる利点があります。強くても結果的にデッキに入らないカードをピックすることも減り、より強いプールでデッキ構築できるようになるため、ピックの精度が上がるのです。明確な青写真を持たずに無暗にドラフトをするのではなく、自分の目的地を把握しておくと良いでしょう。

お察しの通り、必ずしも思い描いた通りにドラフトが進むとは限りません。だからこそ、構築方法をいくつか用意することが大切になります。もし特定の色の組み合わせしか使わないつもりであれば、そのアーキタイプのバリエーションを知っておくことが重要です。この点については『モダンホライゾン2』の黒赤マッドネスを例に詳しく解説します。ドラフト前にどんなことを考えれば良いのか全てわかるようになるはずです。

黒赤マッドネス

まずはアーキタイプの説明から入りましょう。このデッキの狙いは、「マッドネス」カードとそれを捨てるカードを組み合わせることです。

台所のインプ陰謀団の新入り

「マッドネス」カードは捨てられることでより軽いマナコストで唱えることができ、高速スタートを実現させます。そして同時に、手札を捨てるカード(ディスカード手段)はカードを捨てた際にボーナス効果を発生させるのです。ディスカード手段はインスタントタイミングで手札を捨てられるものがほとんどなので、クリーチャーに瞬速を持たせたり、ソーサリーをインスタントにできたりします。

両タイプのカードをバランスよく配分する必要があり、いずれかに偏ればデッキが機能しなくなります。「マッドネス」カードしかなければ、呪文のマナコストが重くなりすぎて動きが大きく鈍り、力強い展開ができなくなるでしょう。反対にディスカード手段しかなければ、カードを失うばかりで、効果を一切使えないカードが手元に残るだけになります。

地獄の雑種犬

両タイプのバランスを調整するうえで一番重要になるのが《地獄の雑種犬》です。このカードは「マッドネス」を持ちながらもディスカード手段にもなります。このクリーチャーを多く採用できれば、両タイプの枚数は十分なものになるでしょう。2色土地でマナベースを整えるのと同じことですね。

それだけではなく、《地獄の雑種犬》はスタッツも優れています。4マナ4/3、手札を捨ててのパンプ能力。攻守にわたって優秀なクリーチャーなのです。とはいえ、いくら《地獄の雑種犬》がすごいと言えど、より軽いマナコストで唱えながらテンポよく展開していくためには、《地獄の雑種犬》を捨てるカードも必要になります。

《地獄の雑種犬》を初手から取ることは十分にあり得ますし、このセットのトップコモンのひとつだと考えています。これから発表する2つのランキングのなかには《地獄の雑種犬》を入れていませんが、ランキング内でこのクリーチャーよりも優先するカードは《ラクドスの首狩り》しかありません

ディスカード手段ランキング

デッキに入っていると嬉しいディスカード手段をランキングで紹介します。

1位:《ラクドスの首狩り》

ラクドスの首狩り

速攻が付いた《番狼》。その強さの代償として、手札を1枚捨てないと生存できませんが、このデッキではデメリットではなくメリットとして扱えます。

ただし、次のアップキープにカードを捨てることになるので、2ターン目に《ラクドスの首狩り》を出した場合は「マッドネス」コストが2以下でないと捨ててもプレイできません。これに該当するのは《終末の苦悶》《スコフォスの肉裂き》《台所のインプ》《猛火のルートワラ》です。

終末の苦悶スコフォスの肉裂き台所のインプ猛火のルートワラ

そのため、《猛火のルートワラ》は1ターン目にプレイせずに手札に温存しておき、《ラクドスの首狩り》のディスカードに充てたほうが良いこともあります。また、捨てるカードが《地獄の雑種犬》の場合は《ラクドスの首狩り》を3ターン目まで待ってキャストすることもあり得ますね。

2位:《骨の破片》

骨の破片

「マッドネス」を誘発させられる素晴らしい除去です。生け贄に捧げることでも唱えることができ、《巣のシャンブラー》が戦場にいる場合や、相手が《魅惑の輝き》《ラガークによる拘禁》といった《平和な心》系のエンチャントを採用している場合は有効なオプションになるでしょう。

《骨の破片》《台所のインプ》をデッキに入れているときは、2ターン目に黒マナが2つ必要になることもあるので気を付けてください。

3位:《地獄料理書》

地獄料理書

たったの1マナであり、ディスカード効果はコストなしで起動可能。つまり、2ターン目から「マッドネス」を唱える準備が整うということです。食物トークンもダメージレースの場面やゲーム終盤では意味を持つことがあります。

もう手札を捨てる必要がなくなったときや、別のディスカード手段が用意できた場合は、墓地のクリーチャーに変換することもできます。また、アーティファクトですので、「昂揚」を達成したい場合にはカードタイプも意味を持つでしょう。

4位:《陰謀団の新入り》

陰謀団の新入り

2マナという軽さであり、3ターン目から《地獄の雑種犬》を瞬速で唱えられるようになります。この貧弱なクリーチャーをこれだけ評価しているのは、終盤になれば絆魂持ちの3/3になり、しっかりとゲームにインパクトを与えるからです

また、同一ターン内に「マッドネス」を複数回狙いたいときに、好きなだけ手札を捨てられる利点が活きてきます。デッキを円滑に動かすディスカード手段としてはコモンでナンバー1です。

5位:《ヴィーアシーノの鞭爪》

ヴィーアシーノの鞭爪

《陰謀団の新入り》より優先度がかなり落ちます。というのも、《ヴィーアシーノの鞭爪》は終盤になると単なる《灰色熊》になってしまうからです。1ターンに1回しか起動できないのも弱点であり、能力起動か攻撃のいずれかしかできない点でも評価を落とします。もともと速攻持ちの《台所のインプ》にはそのボーナス効果も意味がありません。

とはいえ、《地獄の雑種犬》を多く取れた場合には活躍することもあります。《悪意あるヒトデ》《光り刃のうろつく者》を着地させてすぐに能力を起動させることも可能です。いずれにしても、デッキに2マナ以下のディスカード手段はなくてはなりません。該当するカードがほかにない場合は《ヴィーアシーノの鞭爪》が選択肢になるでしょう。

6位:《屍術士の使い魔》《ヴェリュス山のマンティコア》

屍術士の使い魔ヴェリュス山のマンティコア

どちらもディスカード手段ではありますが、4マナもかかります。上記の5枚と同じカテゴリーで評価すべきものかどうかすら怪しいですね。とはいえ、スタッツは非常に優れていますし、ディスカードしたときのボーナスも強力です。4マナ域が手薄であればデッキに入れて良いでしょう。

《ヴェリュス山のマンティコア》についてですが、このカード自体が2つのタイプを持つカードであり、複数枚採用すると使いやすくなります。ただし、赤のダブルシンボルが問題にならないように気を配らないといけません。

このアーキタイプは赤よりも黒が濃くなることが一般的ですから、《ヴェリュス山のマンティコア》を入れつつ全ての呪文を無理なく唱えられるマナベースを組むのは骨が折れるかもしれません。そこで便利なのが《鉱滓造の橋》であり、2つのタイプを持っているこの土地は《ヴェリュス山のマンティコア》の効果も強化してくれます。

鉱滓造の橋

ディスカード効果を持つ呪文はほかにも《餌投げ》《パッチワーク・ノーム》《信仰無き回収》《スカージの使い魔》がありますが、どれも評価は高くありません。できるだけデッキに入れないようにしています。

「マッドネス」カードランキング

続いてはデッキに入れたい「マッドネス」カードのランキングです。

《終末の苦悶》

終末の苦悶

どんなクリーチャーも条件なしに除去できます。手札から捨てればインスタントとして扱うこともできるので、2マナの「マッドネス」で唱えると《終止》と同じことができます。ほかに言うことはありませんが、枚数が多いほど嬉しい呪文です。

《台所のインプ》

台所のインプ

1マナというのが強みです。ロケットスタートを切りやすくなりますし、何らかのカードで《地獄の雑種犬》を捨てて「マッドネス」で唱え、その効果で《台所のインプ》を捨てて「マッドネス」で唱える、という綺麗な動きができます。瞬速で戦場に出せば、環境にいる1/1トークンをブロックできることもあるでしょう。

《スコフォスの肉裂き》

スコフォスの肉裂き

3マナ4/3でも良いスペックですから、2マナとなれば文句なしです。2/3を瞬速で出せば相手の虚をついて《電結の試作機》《陰謀団の新入り》のような軽量小型クリーチャーを討ち取れるかもしれません。

《猛火のルートワラ》

猛火のルートワラ

0マナという点が評価できます。フルタップしたとしても唱えられるので、相手にとって予想外の動きができるのです。タフネス1であり、リストークンと相打ちになってしまうのは厳しいところですが、盤面が空なら相手へのプレッシャーを強化してくれるでしょう。

《革命主義者》

革命主義者

誤解のないように言っておきますが、このカードは強いですよ。ただ、デッキにあまりたくさんは入れたくないのです。いずれにしても優先度は高くありませんが、どこかのタイミングで取りやすいカードです。

《革命主義者》の採用枚数はデッキの除去の枚数次第だろうと考えています。大まかな目安としては、インスタント/ソーサリー4枚につき《革命主義者》1枚です。

グッドスタッフカードランキング

ここからは「マッドネス」でもなければディスカード効果もないカードを扱います。こういったカードも採用するのは、ただ単にカードパワーが高いからです。当然このカテゴリーには除去も含まれます。

1位:《本質剥がし》

本質剥がし

無条件でクリーチャーを追放できます。「接合」デッキや白黒リアニメイトに対して非常に効果的。個別のカードで見ても、《ティゼルスの軍馬》《永久の証人》《死の達人》《移り気のピルー》など有効なカードは多数あります。相手の「昂揚」達成を妨害することもありますし、運よくライフ回復できれば儲けものです。

黒のダブルシンボルではありますが、もともと黒赤マッドネスはその7割を黒で構成することが基本です。

2位:《火炎舌の一年仔》

火炎舌の一年仔

オリジナルの《火炎舌のカヴー》と同じく、このカードも強力です。ただ、その弱点は赤のダブルシンボルにあります。赤はデッキのサポートカラーであり、《火炎舌の一年仔》を2マナ域のカードとしては計算できません。とはいえ、4マナ域として考えてみても強力なことに変わりはなく、ドラフトの序盤からぜひ取りたいクリーチャーです。

赤のダブルシンボルのカードをあまり詰め込みすぎないように注意は必要です。2ターン目に《火炎舌の一年仔》を引くパターンを考えて、1ターン目に置く土地は《山》にしましょう。

3位:《悲劇的な落下》

悲劇的な落下

《悲劇的な落下》は序盤のクリーチャーなら何でもさばける1対1交換の除去。-3修正で倒せない大型クリーチャーに対してはコンバットトリックとして運用すれば良く、終盤になって「暴勇」を達成すれば万能除去になります。手札を空にするという条件は黒赤マッドネスなら難しくありません

4位:《邪悪な熱気》

邪悪な熱気

破格の1マナです。攻撃の手を緩めることなく、ブロッカーを排除できます。「昂揚」カードをデッキに入れるとすれば《邪悪な熱気》しかありません。このカードを多くピックできたときは、カードタイプを2つ持つカードで使いやすくすることを念頭に置いておきましょう。

5位:《骨砕き》

骨砕き

注意点が2つあります。まず、除去効果は強制であり、相手のクリーチャー以外も対象に選べること。次に、黒でもアーティファクトでもないクリーチャーしか対象に取れないことです。決して自分のクリーチャーを除去するハメにならないようにしてください。相手に刺さらない場合はサイドアウトすることもよくあります。

とは言っても優秀なカードであることに変わりありません。もっとも、軽くて対象に制限のない除去があればそちらをピックしますけどね。

6位:《鉱山の崩壊》

鉱山の崩壊

4マナは使いづらいですが、中盤までのクリーチャーであればほとんど対処できます。マナカーブが非常に低いデッキでは、後続の5~6マナ域のことを心配することなくフリースペルのモードで唱えることができるので特に使い勝手が良いでしょう。

また、マッドネスデッキは黒単として動くことも容易なので、赤の呪文を使いきった後であれば山を生け贄に捧げることも無理はないはずです。

7位:《突然の布告》

突然の布告

強さにバラつきがあります。とても強いマッチアップもあれば、とても弱いマッチアップもあるのです。サイドボーディングのときは《突然の布告》を本当に残すべきかどうか慎重に検討してください。

私の考えでは、攻撃的なデッキほど上手く使うことができます。相手がトークンや軽いクリーチャーを序盤からトレードしてくれるからです。もしこういった序盤からのリソース交換がないと、《突然の布告》は後続の大型クリーチャーを除去できずに使いづらくなるでしょう。

8位:《万華焼》

万華焼

黒赤マッドネスは2色しか出せないデッキであり、《鉱滓造の橋》以外の「橋」は入れたくありません。つまるところ、《万華焼》は2マナの《炎の稲妻》に過ぎません。極端に弱いわけではないですが、強くもありませんね。このセットならばもっと良い除去が揃っています。

9位:《世界疲れ》

世界疲れ

あまりにもマナコストが重く、2マナ払っての土地サーチはこのデッキがしたいことではありません。《邪悪な熱気》の採用枚数が多く、「昂揚」を意識するときに便利なこともあるでしょう。

その他のカード

《光り刃のうろつく者》

光り刃のうろつく者

1枚あると嬉しく、2枚入れることもありますが、それ以上はいりません。単体では何もしませんし、攻撃に向いているカードでもありませんから。

《残響する復活》

残響する復活

同名のクリーチャーが4~5枚あるときなどに採用します。それ以外の場合は基本的に使いませんね。

《モグの分捕り》

モグの分捕り

サイドボード専用のカードですが、数枚あると便利です。効果的な相手に対してはインスタントスピードの0マナ除去であり、攻撃と防御を同時に遂行できる優秀なカードになります。《革命主義者》との相性も抜群ですね。

構築の引き出しを増やそう

ここまで解説してきたのは、万事順調に進んでドラフトも成功し、王道の黒赤マッドネスを使うときに用いるカードたちです。ドラフトの醍醐味は、こういったカードが取れなかったときに上手く良いデッキにまとめあげることです。

もしかしたらほかのプレイヤーがピックしてしまったのかもしれませんし、単純に望むコモンやアンコモンがパックから出ていないだけかもしれません。そういうときにどう対処すればいいか、お教えしましょう。

その1:ラクドスコントロールに移る

悪意あるヒトデ

ラクドスコントロールで組む場合、最重要と言っても良いほどのカードが《悪意あるヒトデ》です。ゲームは長引くようになりますが、このカラーリングでは追加でドローする効果が多くありません。つまり、余計な土地を引いている暇はないということです。《悪意あるヒトデ》はライブラリーを操作し、呪文だけを引かせるようにしてくれます。

《悪意あるヒトデ》を上手く使うには、いくつか知っておくべきポイントがあります。このクリーチャーの効果を起動するタイミングは3つしかありません。まずは相手のエンドフェイズ。最大限の情報を得てから「諜報」できます。次はアップキープ。土地や特定の呪文など、欲しいものが明確なときです。3つ目は《悪意あるヒトデ》が除去やブロックで死亡する前です。

ドローが土地でも呪文でも問題ないときは、アップキープに《悪意あるヒトデ》の効果を起動しないほうがベターです。というのも、1枚目の土地は良くても、2枚目以降は余計である場合があるからです。仮に1枚目の土地をライブラリートップに置いてしまうと、それ以降土地を引かないようにアップキープに毎回起動しなくてはならない状況に自らを追い込んでしまいます。相手のエンドフェイズに起動するほうがはるかに好ましく、追加のブロッカーにもなります。

巣のシャンブラー毒々しい学芸員

コントロール型でほかに入れておきたいのは、《巣のシャンブラー》《毒々しい学芸員》のシナジーです。《巣のシャンブラー》は、《電結のネズミ狩り》《博覧会場の巡回員》《猛火のルートワラ》などのクリーチャーを使うアグロデッキに対して便利なブロッカー。《巣のシャンブラー》本体や生成したトークンを使えば《毒々しい学芸員》の生け贄コストも容易に確保できます。

《毒々しい学芸員》は威迫によって除去の価値を高める、主たる勝ち筋です。インスタント除去でブロッカー2体のうちの1体をどければ、チャンプブロックにさせることができます。

トーラックの賛美歌ティゼルスの軍馬

ラクドスコントロールであれば、土地は17枚にして良いでしょう。《革命主義者》は除去を回収できるアドバンテージ源として重要です。また、遅めのマッチアップを意識して《トーラックの賛美歌》を数枚ピックできていると理想的です。メインに1枚、サイドに1枚という構成が良いと思います。

《ティゼルスの軍馬》も選択肢に入りますが、《邪悪な熱気》の「昂揚」、《革命主義者》の回収効果、《陰謀団の新入り》の「スレッショルド」との相性が良くありません。

《疾走+爆走》は相手によっては絶大なインパクトを与えるので、採用してもOKです。ただし、全体火力で《悪意あるヒトデ》を巻き込まないように注意です。

その2:リアニメイト要素を入れる

若き屍術士不快な納墓役

ドラフト中に《若き屍術士》が流れてくることがあります。これを2枚ピックできればリアニメイト戦術が視野に入ります《若き屍術士》の最高の相棒は《不快な納墓役》です。リアニメイトするクリーチャーは何色でも構いませんし、より大きく、強いクリーチャーを蘇らせましょう。

仮にリアニメイトしたいクリーチャーを引いてしまったとしても、このカラーリングなら手札から捨てるのはそう難しくありません。《不快な納墓役》《悲しみの魔神》《ティゼルスの軍馬》を墓地に送っても良いですね。

総帥の召集

《総帥の召集》で邪術師のクリーチャータイプを選べば《若き屍術士》《不快な納墓役》を一挙にリアニメイトできるので覚えておくと良いでしょう。《若き屍術士》のリアニメイト効果を使うには墓地のカードを2枚追放する必要があるので、忘れないように気をつけてください。

頑強具眼の味覚移り気のピルー

リアニメイトプランに合うカードはほかにも《頑強》《具眼の味覚》があります。白のリアニメイト呪文と2色土地をタッチすることも選択肢です。特に《移り気のピルー》が取れた場合は、アップキープコストを払えるように白マナを含めておきたいですね。

その3:赤ではなく青にする

ディハーダの策謀エーテリウムの紡ぎ手通り抜け

ラクドスコントロールとよく似た戦略になります。このデッキで特に重要なのは、ドローソースである《具眼の味覚》《ディハーダの策謀》《毒々しい学芸員》とのシナジーがある《エーテリウムの紡ぎ手》です。この2体はどちらもウィザードなので、《通り抜け》を使えばシナジーを発生させやすくなります。

おわりに

ここまでに言及しなかったコモン・アンコモンが必ずしもプレイアブルではないというわけではありませんが、できる限り採用を控えるようにはしています。

このドラフト環境では黒赤マッドネスやその派生形で勝つことがほとんどでしたが、ほかにも好きなデッキは2つほどあります。青緑トークンと青赤昂揚コントロールです。白はほかの色よりも弱いので、使うことはまずありません

予言のタイタン連合の蛹

以上が私の『モダンホライゾン2』のドラフト方法です。いつかリミテッドの大会に参加することがあれば、今回の考え方を参考にしてみてください。この考え方は競技イベントで成功するうえでの秘訣だと私は強く信じています。もっとも、そのためには多くの努力が必要になりますが、努力なくして勝利はありません。

ここまで読んでいただきありがとうございました。厳しい時代ではありますが、どうか強く生きてください。早く普通の生活が戻り、誰もが旅をして、好きなこのゲームを好きな場所で遊べる日が来ることを願っています。

ジェレミー・デザーニ (Twitter / Twitch)

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Jeremy Dezani 2013-2014年シーズンのプレイヤー・オブ・ザ・イヤー獲得プレイヤー。 プロツアー『テーロス』では、「青単信心」を使いこなし見事優勝の栄冠に輝いた実績を持つ。グランプリのトップ8入賞回数は14回にも上り、優勝3回、準優勝4回を記録している。 海外のプレイヤーとしては初のHareruya Pros加入となる。 Jeremy Dezaniの記事はこちら