9/29、レガシーに激震走る。
《時を越えた探索》、禁止発表。
『タルキール覇王譚』発売以降《宝船の巡航》の禁止を経ても変わらなかった、いや余計にひどくなっていた「青い時代」を支えていたのは、間違いなくこの《時を越えた探索》です。
5 《島》 2 《Volcanic Island》 4 《霧深い雨林》 4 《汚染された三角州》 1 《沸騰する小湖》 2 《裏切り者の都》 -土地(18)- 2 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(2)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《定業》 3 《呪文貫き》 1 《狼狽の嵐》 1 《衝動》 4 《実物提示教育》 3 《狡猾な願い》 4 《Force of Will》 4 《時を越えた探索》 4 《全知》 -呪文(40)- |
3 《若き紅蓮術士》 2 《稲妻》 1 《すべてを護るもの、母聖樹》 1 《外科的摘出》 1 《紅蓮破》 1 《赤霊破》 1 《電謀》 1 《紅蓮地獄》 1 《蟻の解き放ち》 1 《エラダムリーの呼び声》 1 《拭い捨て》 1 《火想者の予見》 -サイドボード(15)- |
たった3マナしか必要としない2枚コンボをカウンターと《時を越えた探索》でバックアップする、環境最強最悪のコンボデッキ。オムニテル。
3 《Volcanic Island》 2 《Underground Sea》 1 《Tropical Island》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 4 《不毛の大地》 -土地(18)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《若き紅蓮術士》 2 《グルマグのアンコウ》 -クリーチャー(14)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《稲妻》 1 《呪文貫き》 1 《二股の稲妻》 4 《目くらまし》 4 《Force of Will》 2 《時を越えた探索》 -呪文(28)- |
4 《陰謀団式療法》 3 《紅蓮破》 2 《外科的摘出》 2 《二股の稲妻》 1 《真の名の宿敵》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《四肢切断》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
歴代最強レベルの1マナクリーチャー、《秘密を掘り下げる者》と《死儀礼のシャーマン》でプレッシャーをかけ、《時を越えた探索》で後続も補給できる稀代のクロックパーミッション。グリクシスデルバー。
《時を越えた探索》の脱落により、現環境を牽引してきたこれらの「2トップ」が大幅な弱体化を余儀なくされました。
そこで今回は、「《時を越えた探索》の禁止を受けて今後のレガシーのメタゲームはどう変化していくのか?」について予想を立ててみました。
☆《時を越えた探索》デッキに抑えてこまれていたデッキ
■ RUGデルバー
3 《Tropical Island》 3 《Volcanic Island》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 4 《不毛の大地》 -土地(18)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《敏捷なマングース》 4 《タルモゴイフ》 -クリーチャー(12)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《もみ消し》 4 《稲妻》 2 《呪文貫き》 2 《呪文嵌め》 1 《乱撃斬》 4 《目くらまし》 1 《四肢切断》 4 《Force of Will》 -呪文(30)- |
2 《赤霊破》 2 《乱暴+転落》 2 《水没》 2 《硫黄の渦》 2 《墓掘りの檻》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《被覆》 1 《紅蓮破》 1 《古えの遺恨》 1 《森の知恵》 -サイドボード(15)- |
《もみ消し》《不毛の大地》といったマナ否定戦略が効きづらく、かつ相手もヘビーカウンターであるためカウンター合戦でも勝てず。決してクロックが早いとはいえないRUGデルバーでは、オムニテルが手札を整え切る前に倒すことは非常に難しかったのです。
ですが、元々長い間レガシーの最前線を走っていたこのデッキ。オムニテルがその勢いを増すにつれ徐々に数を減らしていきましたが、逆に考えるとオムニテルさえいなければ我が世の春。
地力が高いデッキなので、すぐさまトップメタまで返り咲く可能性は大いにあります。
上記のリストは《タルモゴイフ》を対処できる《四肢切断》を採用している上に、フェアデッキの台頭とともに増えるであろう《真の名の宿敵》をコンバットで対処できる《乱撃斬》が入っていて好印象です。
■ エルフ
2 《森》 2 《Bayou》 1 《Savannah》 2 《ドライアドの東屋》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《樹木茂る山麓》 1 《霧深い雨林》 4 《ガイアの揺籃の地》 -土地(20)- 4 《イラクサの歩哨》 4 《クウィリーオン・レインジャー》 4 《ワイアウッドの共生虫》 4 《死儀礼のシャーマン》 3 《遺産のドルイド》 1 《樺の知識のレインジャー》 1 《Fyndhorn Elves》 4 《エルフの幻想家》 1 《再利用の賢者》 2 《孔蹄のビヒモス》 -クリーチャー(28)- |
4 《垣間見る自然》 4 《緑の太陽の頂点》 4 《自然の秩序》 -呪文(12)- |
3 《思考囲い》 3 《陰謀団式療法》 3 《突然の衰微》 1 《漁る軟泥》 1 《ガドック・ティーグ》 1 《大祖始》 1 《湿地での被災》 1 《森の知恵》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
こちらもRUGデルバー同様、「オムニテル」に抑え込まれていたデッキです。
【BIGMAGIC OPEN vol.1】、【日本レガシー選手権2014夏】、【BIGMAGIC OPEN vol.3】とここ一年半で3回も国内の大型大会を優勝しているエルフ。
プレイが難しいため大幅にプレイヤー数が増えることはないかもしれませんが、マスターレベルのエルフ使いが上位に勝ち上がるのは容易に予想できるので、対策を怠らないようにしましょう。
☆《時を越えた探索》を使ってはいたが、相対的に強くなるデッキ
■ 奇跡コントロール
4 《島》 2 《平地》 3 《Tundra》 2 《Volcanic Island》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《沸騰する小湖》 1 《乾燥台地》 1 《Karakas》 -土地(21)- 3 《瞬唱の魔道士》 -クリーチャー(3)- |
4 《剣を鍬に》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 1 《呪文嵌め》 2 《対抗呪文》 2 《天使への願い》 1 《議会の採決》 4 《Force of Will》 4 《終末》 3 《相殺》 4 《師範の占い独楽》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(36)- |
2 《石鍛冶の神秘家》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 2 《狼狽の嵐》 2 《赤霊破》 2 《安らかなる眠り》 1 《紅蓮破》 1 《摩耗+損耗》 1 《議会の採決》 1 《真髄の針》 1 《殴打頭蓋》 -サイドボード(15)- |
奇跡コントロールも《時を越えた探索》を使用してはいましたが、デッキの構造上4枚採用することはかなわず、2枚前後が一般的でした。
今回《時を越えた探索》が禁止になることにより、
・オムニテルがいなくなるため、デッキを歪める原因になっていた《造物の学者、ヴェンセール》のようなカードを採用しなくてもよくなること
・《紅蓮破》《赤霊破》がメインに採用される環境だったため相対的に弱体化していた《精神を刻む者、ジェイス》が強くなること
・《紅蓮破》《赤霊破》がメインに採用される環境だったため相対的に弱体化していた《精神を刻む者、ジェイス》が強くなること
が大きなプラスです。
もともと安定感が高く、どんなデッキとも戦えるデッキですので、今後もメタの一角として幅広く活躍するでしょう。
■ BUG続唱
1 《沼》 1 《森》 4 《Underground Sea》 1 《Bayou》 1 《Tropical Island》 4 《霧深い雨林》 4 《新緑の地下墓地》 2 《汚染された三角州》 4 《不毛の大地》 -土地(22)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《タルモゴイフ》 1 《悪意の大梟》 4 《断片無き工作員》 -クリーチャー(13)- |
3 《祖先の幻視》 4 《渦まく知識》 2 《思考囲い》 4 《突然の衰微》 2 《Hymn to Tourach》 1 《毒の濁流》 1 《大渦の脈動》 3 《Force of Will》 3 《ヴェールのリリアナ》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(25)- |
2 《見栄え損ない》 2 《寒け》 2 《秘儀の研究室》 2 《虚無の呪文爆弾》 1 《Hymn to Tourach》 1 《ゴルガリの魔除け》 1 《大渦の脈動》 1 《魂の裏切りの夜》 1 《墓掘りの檻》 1 《真髄の針》 1 《無のロッド》 -サイドボード(15)- |
こちらも《時を越えた探索》を採用してはいましたが、環境から《時を越えた探索》がなくなることによりこのデッキならではの「圧倒的なアドバンテージ」が輝きます。
また、《思考囲い》《Hymn to Tourach》《ヴェールのリリアナ》といった手札破壊も、《時を越えた探索》の退場により価値が上がっています。
「続唱」からの《祖先の幻視》や、《思考囲い》からの《ヴェールのリリアナ》など、アドバンテージ差をつけながら地道に戦うデッキであり、これから活躍しそうなRUGデルバー、奇跡コントロールの両方に対して優位に戦えるデッキなので、メタ的にポジションが良さそうです。
☆これからのメタゲームはどう動く?
ここまでを踏まえて、今後のメタゲームは……
・昔から活躍している地力のある「RUGデルバー・奇跡コントロール」
・RUGデルバー、奇跡両方に強い《ヴェールのリリアナ》を使った「BG系(BUG続唱やBUGデルバー、もしかしたらジャンド)」
・BUGのような中速に強い「エルフ、土地単」
カウンターの薄いデッキに滅法強い「高速コンボデッキ(スニークショー・ANT)」
といった感じで回るだろうと個人的に予想します。
最後に登場させたスニークショーですが、《時を越えた探索》なしのオムニテルより、実が多い分カウンターデッキに耐性が高いスニークショーの方が強いだろうということでこちらにしました。(『タルキール覇王譚』発売前はスニーク>オムニだったので)
10/11(日)の【BIGMAGIC Legacy】、10/12(月・祝)の【第5期レガシー神挑戦者決定戦】の結果が今から楽しみです。
僕自身は参加できませんが、出場されるみなさんはがんばってください!禁止改定直後の環境は、特に差が出ると思いますよ!
☆おまけ・新たな可能性
レガシー環境の変化は《時を越えた探索》の禁止だけではありませんよね。
2004年9月20日にレガシーが制定されて以来ずっと禁止だったこの極悪カードが、なんと解禁されたのです!
《死儀礼のシャーマン》《秘密を掘り下げる者》といった超強力な1マナスペルが跳梁跋扈する2015年とはいえ、先手1ターン目に設置できたときのダメージ量は《ゴブリンの先達》すら凌駕します!
メタゲームを大きく動かすことはないとは思いますが、その活躍に期待したいですね!
9 《山》 4 《樹木茂る山麓》 4 《血染めのぬかるみ》 3 《乾燥台地》 -土地(20)- 4 《ゴブリンの先達》 4 《大歓楽の幻霊》 -クリーチャー(8)- |
4 《稲妻》 4 《溶岩の撃ち込み》 4 《Chain Lightning》 4 《発展の代価》 2 《焼尽の猛火》 4 《裂け目の稲妻》 4 《火炎破》 2 《硫黄の渦》 4 《黒の万力》 -呪文(32)- |
4 《極上の炎技》 3 《紅蓮破》 3 《罠の橋》 2 《焼尽の猛火》 2 《大祖始の遺産》 1 《精神壊しの罠》 -サイドボード(15)- |
※《黒の万力》を使う上でのポイント
・奇跡コントロールやデルバー系のような青い中速デッキ相手に1ターン目に設置できたなら、相手に手札を消費させないようにプレイしましょう。手札に火力を溜めながらドローゴー。《Force of Will》(手札が2枚減る)を気軽に撃たせないように!
・同様に、《黒の万力》を出しているときは《ゴブリンの先達》を出すかどうかよく考えましょう。誘発型能力で土地がめくれる&攻撃が通ってダメージを稼げる可能性もありますが、相手の手札に《剣を鍬に》のような除去呪文がありそうなら、それらを使わせないことが《黒の万力》の継続的なダメージに繋がります(普段と違って攻撃宣言前に除去されてしまうことに注意)。
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