こんにちは!
先週末は新シーズン開幕戦である、【プロツアー『戦乱のゼンディカー』】に参加してきました。
今季の目標は【ゴールドレベル(今季から33点)に到達すること】なので、それに向けて2回目のプロツアーまでに半分の16点か17点を稼いでおければ理想的です。
それでは、まずは調整記からご覧ください。
■ ドラフト調整
ドラフトは恒例の【菊名合宿】ではなく、今回から始動した【晴れるーむ合宿】でみっちりと。
毎度恒例ですが、僕はとにかくたくさん負けます。しかし、今回はいつにも増して成績がひどく、【ついには勝率が30%を切ってしまう】ほどでした(>_<)
そのため、合宿後にいつもよりはドラフト練習の比重を増やし、Magic Online(以下MO)で追加で10回ほど行いました。やまけんさん(山本 賢太郎)、瀬畑さん(市川 ユウキ)さんとともに【Team Cygamesに移籍した覚前 輝也君】に色々とアドバイスをいただき、MOでは安定して2-1以上できるようになりました。
覚前君の受け売りですが、コツとしては、(1)軽い呪文をできるだけ取ること、(2)軽いクリーチャーは取り過ぎないことです。
これらの呪文はテンポを奪いやすく、ゲーム運びが楽になるため、可能な限りたくさん確保した方がいいとのことです。
MOでは決め打ちしていたわけではなかったのにも関わらず、8回連続で青になったので、本番でも青ができるといいなぁというふわっとした感想で練習は終了。
■ スタンダード調整
今回のスタンダードは、いつも以上に難航しました。山のように反省点がありましたが、まずは僕が使ったデッキリストをご覧ください。
3 《森》 3 《沼》 2 《平地》 1 《梢の眺望》 3 《吹きさらしの荒野》 4 《砂草原の城塞》 4 《乱脈な気孔》 2 《磨かれたやせ地》 4 《ラノワールの荒原》 1 《コイロスの洞窟》 -土地(27)- 4 《搭載歩行機械》 4 《棲み家の防御者》 2 《巨森の予見者、ニッサ》 4 《包囲サイ》 -クリーチャー(14)- |
4 《アブザンの魔除け》 4 《破滅の道》 2 《衰滅》 1 《完全なる終わり》 4 《絹包み》 2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 2 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》 -呪文(19)- |
3 《正義のうねり》 3 《精神背信》 2 《アラシンの僧侶》 2 《風番いのロック》 1 《自傷疵》 1 《苦い真理》 1 《衰滅》 1 《完全なる終わり》 1 《精霊龍、ウギン》 -サイドボード(15)- |
『戦乱のゼンディカー』加入前から愛用していた「アブザン・コントロール」。実は調整を開始する前からこのデッキだけはありえないと考えていたのですが、最終的にこのデッキに時間を使い過ぎてしまったために、消去法で渋々使う羽目に……。
では、なぜ「アブザン・コントロール」が現環境で弱いのでしょうか?
● 現環境の「アブザン・コントロール」が弱い理由
「アブザン・コントロール」が弱い理由。それは主に下記の2点が原因です。
ひとつめは《ヴリンの神童、ジェイス》が環境に多いこと。
みなさんご存知の通り、このカードは1枚でゲームを決めてしまえるだけの力があります。
こちらには《絹包み》や《破滅の道》といった回答こそありますが、このデッキには除去する以外のプランがありません。例えば「赤単」や「アブザン・アグロ」であれば、仮に《ヴリンの神童、ジェイス》が殺せなかったとしても、それを無視して殴り勝てる可能性がありますが、「アブザン・コントロール」にはそういった攻撃力が皆無です。
《大草原の川》などの「バトルランド」が登場したために、フェッチランドを多用する構築が流行ったこともあいまって、《ヴリンの神童、ジェイス》は早ければ3ターン目に「変身」することが可能となりました。
つまり《絹包み》ですら1ターン遅れると《ヴリンの神童、ジェイス》への回答にならない状況も多く、これは「アブザン・コントロール」にとって致命的な欠陥です。
とは言え、《ヴリンの神童、ジェイス》が強いのは今に分かったことではないので、重要視すべきはもうひとつの「占術ランド」がなくなってしまったことです。
「占術ランド」は、良くも悪くもマジックの常識を覆していました。至極当たり前の話ですが、「占術ランド」がない状態で、なおかつ《時を越えた探索》などのドローサポート呪文がないデッキに土地が26枚~28枚も入っていれば、マナフラッドしてしまうのは目に見えています。
これが調整前からこのデッキの使用を躊躇していた最大の理由です。できるだけマナフラッドしないように組んだつもりでしたが、これでもまだデッキが軽すぎたと思います。
【プロツアー前のスタンダード・アナライズ】にも明記したように、もしも「アブザン・コントロール」を使うのであれば、やはり《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》4枚から始めるべきでした。
繰り返しになりますが、このリストは弱いです。ただし「アブザン・コントロール」自体に可能性はあるかもしれませんし、もしも次に使うのならこんな感じのリストを使うと思います。
3 《森》 3 《沼》 1 《平地》 1 《梢の眺望》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《砂草原の城塞》 4 《乱脈な気孔》 2 《磨かれたやせ地》 4 《ラノワールの荒原》 1 《コイロスの洞窟》 -土地(27)- 4 《棲み家の防御者》 2 《巨森の予見者、ニッサ》 4 《包囲サイ》 -クリーチャー(10)- |
4 《アブザンの魔除け》 4 《破滅の道》 3 《衰滅》 2 《完全なる終わり》 4 《絹包み》 4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 2 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》 -呪文(23)- |
4 《アラシンの僧侶》 3 《精神背信》 3 《苦い真理》 2 《強迫》 2 《正義のうねり》 1 《精霊龍、ウギン》 -サイドボード(15)- |
さて、だいぶ前置きが長くなってしまいましたが、ここからは本戦レポートをご覧ください。
■ プロツアー『戦乱のゼンディカー』・初日
・ファーストドラフト
ファーストドラフトは《完全無視》と《血統の観察者》の二択から。
カードパワーでは《血統の観察者》に軍配が上がるものの、黒の方が経験値が多かったことと、黒の方がどの色とも組み合わせやすいことを理由に《完全無視》をピックしました。
そこから《とどろく雷鳴》→《雲マンタ》→《悪魔の掌握》とピックは続き、5手目に《地下墓地の選別者》が来たことを受けて「黒緑」に舵を切りました。
1パック目終了時にはカードが5枚しかなくてドキドキしてましたが、2パック目で10枚ほどのカードが取れてこんなデッキに。
10 《沼》 7 《森》 1 《亡骸のぬかるみ》 -土地(18)- 2 《膨れ鞘》 1 《泥這い》 2 《捕らわれの宿主》 1 《地下墓地の選別者》 3 《音無く飛ぶもの》 1 《目なしの見張り》 1 《ムラーサのレインジャー》 1 《カラストリアの夜警》 1 《ウラモグの強奪者》 -クリーチャー(13)- |
1 《骨の粉砕》 1 《末裔の呼び出し》 1 《完全無視》 1 《ぬかるみの敵意》 1 《悪魔の掌握》 1 《荒廃の一掴み》 2 《吸血の儀式》 1 《面晶体の記録庫》 -呪文(9)- |
1 《垂直落下》 -サイドボード(1)- |
パッと見は弱そうですが、結果はいかに!?
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 1 | 青黒タッチ赤・欠色 | 〇〇 |
Round 2 | 赤緑・上陸 | 〇〇 |
Round 3 | 白緑・同盟者 | 〇〇 |
3-0!
《吸血の儀式》がとにかく強くて、このカードだけで勝ったゲームがほとんどでした。単体の性能もさることながら、《カラストリアの夜警》に「飛行」を付けられるのも秀逸でした。
対戦相手の方に、「君のデッキは強すぎる!」と褒めてもらえたときは嬉しかったですね。
なお、練習中にはこのアーキタイプは1回もできなかったので、【晴れるーむ合宿】で瀬畑さんに教えてもらったことを形にした感じでした。
瀬畑さんに感謝しつつスタンダードラウンドへ!
・スタンダード初日
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 4 | アタルカ・レッド (Marcio Carvalho) | 〇×× |
Round 5 | ジェスカイ・ブラック | 〇〇 |
Round 6 | エスパー・コントロール | 〇×〇 |
Round 7 | 赤単 | 〇〇 |
Round 8 | ジェスカイ・トークン (Matej Zatlkaj) | 〇〇 |
4-1で切り抜け、総合成績7-1で2日目に!
しっかり対策していた「アタルカ・レッド」に負けたのは残念でしたが、懸念していたマナフラッドもほとんど起こることなく、全体的に運が良かったですね。
夜はたくさんの日本勢でご飯を食べて、いざ2日目へ!
■ プロツアー『戦乱のゼンディカー』・2日目
・セカンドドラフト
セカンドドラフトはまたしても《完全無視》のあるパックから。今回の対抗馬は《停滞の罠》でした。
これは分かりやすく《停滞の罠》の方が強いカードですが、白よりも黒の方が強いことを加味して《完全無視》を。このピックにはあまり問題がなかったように思えるんですが、悔いが残るのは続く二手目。僕に与えられた選択肢は《ハリマーの潮呼び》か《陰惨な殺戮》の二択でした。
時間いっぱいまで考えて、僕が選んだのは《ハリマーの潮呼び》。理由は受けの広さを考慮したためですが、《陰惨な殺戮》もある程度デッキは選びはするものの、白以外のどの色でも使えるため、受けの広さ・カードパワーの両面で《陰惨な殺戮》をピックすべきでした。
最終的に《陰惨な殺戮》があれば、という残念なデッキが完成。
9 《沼》 8 《森》 1 《亡骸のぬかるみ》 -土地(18)- 1 《膨れ鞘》 1 《腐敗のシャンブラー》 1 《オラン=リーフの発動者》 1 《巡礼者の目》 1 《生命湧きのドルイド》 1 《虚空の従者》 3 《目なしの見張り》 1 《精神を掻き寄せるもの》 1 《コジレックの媒介者》 1 《グール・ドラズの監視者》 1 《虚空の選別者》 1 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 -クリーチャー(14)- |
2 《骨の粉砕》 2 《末裔の呼び出し》 1 《完全無視》 1 《破滅の道》 1 《ぬかるみの敵意》 1 《悪魔の掌握》 -呪文(8)- |
1 《領地のベイロス》 1 《垂直落下》 2 《回収蔦》 1 《ぬかるみの敵意》 -サイドボード(5)- |
前日大活躍だった《吸血の儀式》は現れず、不安まみれでしたが結果は果たして?
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 9 | 青赤・欠色 | 〇×〇 |
Round 10 | 赤白・同盟者 (玉田 遼一) | 〇×× |
Round 11 | アブザン・同盟者 (Martin Muller) | ×× |
1-2で総合成績は8-3に。
たまちゃんとMartin Mullerはどちらもデッキが強かったので致し方ない敗戦でしたが、マナ関連のカードが多かったので、土地は17枚にすべきだったと反省しきり。この辺りは緑の経験値が少なかったせいなので、もう少し練習で意識的に青を避けて、他の色を練習しても良かったですね。
しかしかし、まだまだトップ8も狙える好位置です。気持ちを切り替えて最後の5回戦へ。
・スタンダード2日目
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 12 | エスパー・コントロール (Reid Duke) | ×× |
Round 13 | エスパー・コントロール (Pierre Dagen) | ×○△ |
Round 14 | 緑白・大変異 (Craig Wescoe) | ×× |
Round 15 | ジェスカイ・ブラック (David Ochoa) | 〇〇 |
Round 16 | スゥルタイタッチ赤・大変異 | 〇〇 |
2-2-1で終え、通算成績10-5-1の38位でフィニッシュでした。
0-2-1になったときは、初日7-1から1-6ドロップしてしまった【プロツアー『ラヴニカへの回帰』】の悪夢が頭をよぎりましたが、なんとか堪えて追加のプロポイントと賞金をゲット。
今回はいつもとは趣向を変えて、対戦した有名人プレイヤーの名前を明記していますが、これには理由があります。
そうなんです、僕は強豪プレイヤーに負けすぎなんです。
【晴れるーむ合宿】での成績も物語っていますが、僕にはまだまだプロツアーで勝ちきるだけの実力が伴っていないと思います。自分の実力を客観的に見ると、おそらくプロツアー参加者の中で100~200位くらいでしょう。
今回は【#PTBFZ日本人最上位予想】で多くの方に選んでいただいただけに、結果が残せず申し訳ないですが、上記の理由から今の自分にとって10-5-1という成績は出来過ぎだと捉えています。
なんとなくではありますが、あと3回くらいプロツアーに出れば良い結果が残せそうな気がしているので、次回以降はみなさんの期待に応えられるようにがんばります。応援してくださったみなさん、ありがとうございました!
最後になりますが、見事な1・2フィニッシュを飾った瀧村(和幸)さんとたまちゃん、おめでとうございます!
1日でも早く彼らに追いつけるように、日々精進したいと思います。たまちゃんは【World Magic Cup】のチームメイトということで、そこでの活躍にも期待大です。
今週末にはチーム戦の【グランプリ・北京2015】が開催されるので、最近絶好調の友晴さんとあんちゃんで参戦してきます。
【日本語のカバレージ】もございますので、お時間のある方はぜひぜひご覧になってみてください!
それでは、また次回のブログで!
コガモ
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