ちょっと珍しいレガシーのデッキたち~The Last Sun2015予選1108(レガシー)編~

晴れる屋



 古の時代から、必殺の2枚コンボは人々を魅了し続けてきた。
 
Zuran Orb天秤


《Zuran Orb》+《天秤》


Illusions of Grandeur寄付


《Illusions of Grandeur》+《寄付》


詐欺師の総督欠片の双子


《詐欺師の総督》+《欠片の双子》



 どれも1枚では頼りない性能ではある(《天秤》以外だ!)が、相方のもう1枚と組み合わさることで破格の効果を発揮する。2枚が揃わないもやもや感と、いざ揃ったときの爽快感は、一度でも味わったらやみつき間違いなしだ。

 そんな2枚コンボの系譜には、こんなコンビも名を連ねている。

カヴーの捕食者焦熱の裁き


《カヴーの捕食者》+《焦熱の裁き》


 対ビートダウン最終兵器と名高い「カヴ―ジャスティス」。『時のらせん』ブロック内で成立する2枚コンボとして人気を博したことで知られているコンボである。このコンボの中身は至極簡単だ。《焦熱の裁き》のデメリット効果に「対戦相手が5点のライフを得る」があり、「対戦相手がライフを得るたび、その点数に等しい数の+1/+1カウンターを得る」能力を持つ《カヴーの捕食者》がそれを有効活用するだけ。

 対戦相手の戦場は一掃され、こちらの戦場には2マナ7/7トランプルが佇む。

 これだけでも「カヴ―ジャスティス」の恐ろしさの片鱗は垣間見えたのではないかと思う。


 そして、今回のThe Last Sun2015予選1108には、「カヴ―ジャスティス」を更に一つ上のステージへと引きあげるデッキが登場した。早速デッキリストをご覧いただこう。


◆ ネクストレベル・カヴ―ジャスティス



「ネクストレベル・カヴ―ジャスティス」

1 《森》
2 《Bayou》
2 《Savannah》
1 《Badlands》
1 《Plateau》
1 《Scrubland》
1 《Taiga》
4 《湿地の干潟》
3 《新緑の地下墓地》
1 《樹木茂る山麓》
1 《活発な野生林》
4 《燃え柳の木立ち》

-土地(22)-

4 《死儀礼のシャーマン》
2 《極楽鳥》
4 《闇の腹心》
4 《カヴーの捕食者》
4 《タルモゴイフ》
2 《血編み髪のエルフ》

-クリーチャー(20)-
4 《剣を鍬に》
4 《思考囲い》
4 《焦熱の裁き》
2 《森の知恵》
4 《穢れた療法》

-呪文(18)-
2 《強迫》
2 《自然の要求》
2 《封じ込める僧侶》
1 《真髄の針》
1 《紅蓮破》
1 《赤霊破》
1 《外科的摘出》
1 《エーテル宣誓会の法学者》
1 《無のロッド》
1 《安らかなる眠り》
1 《窒息》
1 《沸騰》

-サイドボード(15)-
hareruya



 ネクストレベルな要素はこれである。

穢れた療法


 見慣れないカードだが、効果はシンプルだ。「対戦相手がライフを得るなら、代わりにそのプレイヤーはその点数に等しいライフを失う」。「対戦相手がライフを得る」デメリット効果を有効活用する「カヴ―ジャスティス」にはピタリと嵌まるカードに違いない。

燃え柳の木立ち


 《燃え柳の木立ち》は、マナを出すたびに1点ダメージを叩き出すようになり……。

焦熱の裁き


 《焦熱の裁き》は驚愕の3マナ10点火力になる!


 《穢れた療法》環境下では、《カヴーの捕食者》の強化能力は誘発しなくなってしまうが、それを加味しても強力なカードだと言える。

 また、《穢れた療法》のために黒を採用したことで、コンボを助ける《思考囲い》《闇の腹心》を手に入れたことにも注目だ。《思考囲い》が相手の妨害を引っこ抜き、《闇の腹心》がせっせとコンボパーツを集める。

 このリストでは採用されていないが、《激励》《罰する火》も面白いカードかもしれない。

激励罰する火


 《激励》は「感染」の印象が強いが、このデッキで使用しても0マナで7点分のダメージを叩き出す爆発力を生み出す。《罰する火》は古典的な《燃え柳の木立ち》とのコンボが魅力だ。この《罰する火》エンジンだけで勝ててしまうマッチアップも少なくない。

 
 「カヴ―ジャスティス」という古き2枚コンボを新しいカードと組み合わせて昇華させる。これぞレガシーならではの面白いデッキに仕上がっている。