122名、7回戦。
日本ヴィンテージ史上、最大参加人数と思われる大会となったヴィンテージ神決定戦。
参加者の中にはヴィンテージに精通しているスタンダード神・高橋 優太はもちろん、レガシー神・川北 史朗の姿もあった。
川北 史朗 |
川北 「実はパワー9も持っているんですよ。しかも結構『(枠が)黒い』ですよw」
さすがレガシーのデッキの『全Foil・全β化』を目標に掲げるコレクター・川北である。
一方対戦相手の廣田はヴィンテージの大会に出るのが初めてとのこと。
対戦前にそれを聞いた川北が「よしっ!w」と小さくガッツポーズするが、しかしパワー9を中心としたヴィンテージのカードパワーからすれば、経験がなくても十分脅威となりうる。
何せ相手のデッキがわかるころには死んでいてもおかしくないのがヴィンテージという環境なのだ。
はたして廣田と川北はどのようなデッキを持ち込んでいるのか。神へと至る道、その初戦が幕を開けた。
Game 1
ジェスカイカラーの土地に《ヴリンの神童、ジェイス》《精神的つまづき》《剣を鍬に》《撤廃》とヴィンテージにしては控えめなカードパワーの手札を見て、「キープしたくねーw さっきなんかストームって言ってたんだよなー……」とボヤく川北。だが結局「いいや、様子見だ!」とキープを宣言。
廣田の《Ancestral Recall》を川北が《精神的つまづき》し、返す川北の《ヴリンの神童、ジェイス》を廣田が《Force of Will》する立ち上がり。ここまでは互いに非常にフェアなやりとりだ。
だが《親身の教示者》をプレイした廣田が《チャネル》をサーチするとさすがの川北もテキストを確認せざるをえない。
海外の有名プロチーム、『Channel Fireball』の名前の元ネタともなっているこのカードは、ヴィンテージでも制限に指定されているほどの超強力な効果を持つ。何とプレイしたターンの間中、「ライフ1点が無色1マナに変換できる」のだ。
とはいえこの《チャネル》がどんなコンボをもたらすものであろうと、打ち消してしまえば問題はない。返すターンに《定業》から《Ancestral Recall》にたどり着いた川北は、この《チャネル》を潤沢な手札から《Force of Will》し、廣田の (何らかの) コンボを始動させない。
そしてついに川北は《噴出》《定業》から、「神ジェイス」こと《精神を刻む者、ジェイス》にたどり着く。
廣田 竜一 |
返すターンにも《彩色の星》をプレイすることしかできない廣田に対し、川北は《精神を刻む者、ジェイス》の「0」能力からスタンダード版《Ancestral Recall》こと《宝船の巡航》につなげる。
圧倒的な手札差をつけた川北は、満を持して《僧院の導師》を送り出す。そこから《思案》、廣田の《吸血の教示者》への《精神的つまづき》と、モンク・トークンを生成していく。
廣田も《ギタクシア派の調査》で仕掛けようとするが、川北が《狼狽の嵐》《Force of Will》と構えているのを見てターンを返すしかない。
結局《ギタクシア派の調査》から「果敢」の連鎖をつなげた川北が廣田を一撃で葬り去った。
廣田 0-1 川北
川北 「デッキがわからんw まあ (何かの) コンボでしょ!」
Game 2
オーソドックスな《僧院の導師》コントロールの川北に対し、廣田のデッキは《チャネル》から《死者の鏡》をプレイし、《チャネル》の効果で0点までライフを支払って《死者の鏡》を発動させ、そのまま《チャネル》の効果が継続した同一ターン中に《死者の鏡》を何度も引き直してループさせ、その都度マナを浮かせて巨大なX火力呪文でとどめを刺すというものだ。 (参照: 【MTG Wiki】)。
「普通のフォーマットでは使えない《チャネル》を使って『Channel Fireball』をやってみたかった」という廣田、さすがにフィニッシュはカウンターされない《苦悩火》に差し替えているものの、《チャネル》さえ通ってしまえば一撃必殺ということで、《否定の契約》まで積んだ漢気溢れるデッキとなっている。
だが7枚キープでゲーム開始時に《虚空の力線》を設置した廣田、あろうことかセットランドがない。
これを見て川北は容赦なく2ターン目に《Ancestral Recall》プレイ、そして《Black Lotus》から《僧院の導師》!
そして廣田が毎ターンディスカードする中、カウンターを構えたまま速やかに殴りきったのだった。
廣田 「《虚空の力線》と《Helm of Obedience》が揃ってたんでうっかり他のカードゲームの感覚でキープしちゃいましたけど、そういえばマジックは土地がないとダメでしたね……」
廣田 0-2 川北