クイックインタビュー: ヴィンテージの魅力とは?

晴れる屋

By Atsushi Ito


 構築フォーマットの極北、ヴィンテージ。

 このヴィンテージ神決定戦こそ122名のプレイヤーが参加する大規模な大会になったものの、ヴィンテージというフォーマットについては、大多数のマジックプレイヤーにとってはまだまだ未知のフォーマットのはずだ。

 門外漢である筆者からすれば、ヴィンテージと聞いて想起するのは《Black Lotus》《Ancestral Recall》《Time Walk》!あとなんか色々やって勝ち!」とか《Mishra's Workshop》《三なる宝球》《磁石のゴーレム》!あとなんか色々やって勝ち!」といった理不尽極まりない光景ばかりなのだが、しかしそんな先手ゲーじゃんけんゲーばかりではここまで多くのプレイヤーが参加するはずがない。

 では、プレイヤーたちは一体ヴィンテージのどのような点を楽しんでいるのだろうか?

 そんな素朴な疑問を解消するべく、ここではヴィンテージの魅力について、ヴィンテージに造詣が深そうなプレイヤーたちにクイックインタビューを試みた。



田中 久也 【プロツアー・京都09】サイドイベント【ヴィンテージ大会】準優勝




田中 「ヴィンテージはカードパワーが高い点が気持ちいいよね。他の環境だと強すぎるスペルはすぐに禁止されてしまってクリーチャーで殴るしかなくなるけど、そういったスペルでもヴィンテージならプレイすることができるし。そのぶん負けるときはすぐ負けちゃうけど、あまりに容赦なく負けるので、それもヴィンテージらしさってことでスッキリ負けられるのもいい点だね」



小室 修 【プロツアー・名古屋05】チャンピオン




小室 「いくつかあるけど、まずはとてつもなく強いカードが使えて楽しいという点。それから、コレクションしている普段使わないカードを使える機会というのもあるよね。あとはスリルかな。1ターンキルや2ターンキルが普通に許されているから、もちろん妨害も多いんだけど、攻める側も防ぐ側も最初の数ターンは一触即発って感じでドキドキするね」



伊藤 裕道 【ヴィンテージ選手権09】優勝




伊藤 「マナが大量に出るカードが多いので、序盤からたくさん動ける点がいいですね。ただ誤解しないで欲しいんですけれども、ヴィンテージといってもそれほど1キル2キルばかりの環境ではないんですよ。むしろ競技として見ても、他の環境に負けず劣らずバランスがとれているフォーマットだと思います。パワー9なしで勝つとなるとなかなか厳しいですが、《Black Lotus》でさえ適切なタイミングで引けなければ《山》より弱いこともあるので、あまり完璧なデッキにこだわらず、まずは一度遊んでみてもらいたいですね」





 ヴィンテージといえどマジックであることに変わりはない。使われているカードが使われているカードだけに理不尽と思われがちだが、思えば今年海外で開催された【2015 VINTAGE CHAMPIONSHIP】に460名ものプレイヤーが参加したほどに人気があるフォーマットなのだ。

 「発掘」など、比較的安価なデッキも環境には存在する。思い切って飛び込んでみることで、新しい世界が開けるかもしれない。