参加者122名が集まり、国内でも最大級の盛り上がりを見せる「ヴィンテージ神決定戦」では、プロマジックシーンの第一線で活躍している猛者たちも集まった。
アメリカ・インディアナポリスの地で開催された【ヴィンテージ選手権09】の覇者、伊藤 裕道選手も参加していた。世界レベルのヴィンテージプレイヤーは、一体どのようなデッキを組んできたのだろうか?
--「本日はどういったデッキをご使用されているのでしょうか?」
伊藤 「MUDですね。《虚空の杯》禁止を受けて、それでもロックしたいと思って試行錯誤してみました」
--「デッキリストを拝見しましたが、その試行錯誤の結果というのは《姥の仮面》が鍵を握っているんでしょうか?」
伊藤 「そのとおりです。元々10年くらい前のヴィンテージ環境でも『《姥の仮面》スタックス』といったアーキタイプは存在していたんですが、今回《虚空の杯》の代わりとしてこの『《姥の仮面》スタックス』のメカニズムを使えないかなと」
--「《姥の仮面》は具体的にはどのようなことをするんですか?」
伊藤 「まず《Bazaar of Baghdad》との相性ですね。これによって実質的に毎ターン3ドローができるようなものです。また、対戦相手が青いデッキだった場合は《姥の仮面》によってかなり動きを制限することができますね。こちらは《Mishra's Workshop》などの強烈なマナ加速があるのでテンポとアドバンテージの両方の面で圧倒できます」
--「なるほど。このデッキの主な勝ち手段はどんなものですか?」
伊藤 「《からみつく鉄線》や《煙突》、《三なる宝球》、《世界のるつぼ》+《露天鉱床》、あるいは今言った《姥の仮面》で対戦相手の動きを抑え込みつつ《磁石のゴーレム》で殴り勝つ感じですね。あとはシークレットテクなんですが、《Bazaar of Baghdad》によって手札を減らすことができるので《罠の橋》が非常に強力です」
--「《罠の橋》ですか。偏見ですけど、ヴィンテージってあまり戦闘が発生するイメージがないんですが……」
伊藤 「そんなことないですよ。ミラーマッチはもちろん、『《ドルイドの誓い》デッキ』や『《僧院の導師》デッキ』、あるいは『発掘デッキ』のようなデッキもフィニッシュ手段は戦闘ですからね」
--「たしかに言われてみれば案外いろいろなデッキに効果的なんですね。今後デッキを調整していくとしたらどういったカードを試したいですか?」
伊藤 「今回は《ニンの杖》や《罠の橋》といった“受け”に回るカードを多く採用していたんですが、《銀のゴーレム、カーン》や《殴打頭蓋》のような攻撃的なカードも試してみたいなと思いますね」
--「最後に、このデッキはどのような人にオススメですか?」
伊藤 「相手に何もさせたくない人、ですかね。あとは“ヴィンテージらしい”マナ加速のできるデッキなので、これからヴィンテージを始めようとしている人にはオススメです。爽快感がきっと病みつきになりますよ」
--「ありがとうございました」
4 《Mishra's Workshop》 4 《不毛の大地》 3 《Bazaar of Baghdad》 3 《古えの墳墓》 2 《ミシュラの工廠》 2 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 1 《トレイリアのアカデミー》 1 《埋没した廃墟》 1 《露天鉱床》 1 《The Tabernacle at Pendrell Vale》 -土地(22)- 4 《磁石のゴーレム》 3 《ファイレクシアの破棄者》 2 《ファイレクシアの変形者》 -クリーチャー(9)- |
1 《Black Lotus》 1 《Mox Emerald》 1 《Mox Jet》 1 《Mox Pearl》 1 《Mox Ruby》 1 《Mox Sapphire》 1 《太陽の指輪》 4 《抵抗の宝球》 4 《からみつく鉄線》 3 《世界のるつぼ》 2 《罠の橋》 1 《三なる宝球》 3 《煙突》 3 《姥の仮面》 2 《ニンの杖》 -呪文(29)- |
4 《墓掘りの檻》 2 《四肢切断》 2 《真髄の針》 2 《倦怠の宝珠》 2 《魔女封じの宝珠》 1 《The Tabernacle at Pendrell Vale》 1 《ファイレクシアの変形者》 1 《イシュ・サーの背骨》 -サイドボード(15)- |