全7回戦のスタンダードラウンドにおける最上位者は、アブザンアグロを使用して6勝0敗1分けだった光安さんでした。今回の勝因について、少しお話を伺いました。(※この取材は11ラウンド終了後に行なっています)
(※編注 あとでトップ8に進出された増門 健太さんがスタンダードラウンド7-0で最上位ということがわかったため、タイトルを修正しました)
光安さんのデッキレシピは、瀧村 和幸さんが【プロツアー『戦乱のゼンディカー』】で優勝した際のものとほぼ同じです。本来は自分でオリジナルデッキを作るのが好きだそうですが、アブザンアグロというデッキの強さに純粋に魅せられ、「このデッキで勝ちたい!」と【グランプリ神戸】の前からずっと練習を重ねてきました。
本大会では同系対決が減ることを見越して《ドロモカの命令》を一部《絹包み》に入れ替えるなど、小型クリーチャーへの対処を意識した調整を少々加えています。実際にアブザンアグロとの対戦は1回しかなく、そのため同型対決に弱い《搭載歩行機械》の価値が高まり、勝率アップにつながったとのことです。
そのほかに当たったのはジェスカイ、エスパー、マルドゥ、アタルカレッドなど除去を多用するデッキばかりでしたが、どれも相手が《搭載歩行機械》に手を焼いている間に粘り勝ちできたそうです。《アブザンの魔除け》などで中長期戦のアドバンテージを取れるので、消耗戦の中で《搭載歩行機械》や《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》が除去の嵐をかいくぐることができれば勝てるのが、アブザンアグロの強みです。
とはいえアブザンアグロはあらゆるデッキに意識されているので、2-0で楽に勝てることはほぼなく、サイド後のプランがうまくいって取り返した場面が多かったとのこと。勝ち手段としての”肉を増やす”よりも、苦手な部分への対処を重視したことと、同系へのガードを下げたことがサイドボードのポイントです。
なお、引き分けたのはマルドゥとの対戦で、3ゲームとも消耗戦を繰り広げてぎりぎり間に合わなかったとのことです。《ケラル砦の修道院長》などから息切れせずに除去を打ち続けられるよう調整されているマルドゥは、予想以上に強いデッキだったとのことでした。
2 《森》 2 《平地》 2 《梢の眺望》 1 《燻る湿地》 1 《窪み渓谷》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《樹木茂る山麓》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《乱脈な気孔》 2 《ラノワールの荒原》 -土地(26)- 3 《搭載歩行機械》 4 《始まりの木の管理人》 3 《棲み家の防御者》 4 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 4 《包囲サイ》 2 《風番いのロック》 -クリーチャー(20)- |
2 《ドロモカの命令》 4 《アブザンの魔除け》 2 《残忍な切断》 4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 2 《絹包み》 -呪文(14)- |
3 《自傷疵》 3 《精神背信》 2 《アラシンの僧侶》 2 《強迫》 2 《究極の価格》 2 《湧き上がる瘴気》 1 《絹包み》 -サイドボード(15)- |
スタンダードでは好成績を収めた光安さんですが、レガシーでは1勝3敗に終わってしまい、今からのトップ8入りは厳しいとのこと。レガシーは全然やっていないので、「強気に攻めるべき部分でも、デッキがわからないので日和ってしまう」そうです。
もともとメンタルがそんなに強くなく、練習しないと自信がつかないため、レガシーにおいては精神的に負けてしまっているという冷静な自己分析でした。
今年【BIGMAGICとのユニフォーム契約】を結び、メディア露出が増えた光安さん。来年も活躍が期待できそうです。