2週連続でグランプリに参加。
■ GPマニラ (1月2日~1月4日開催)
使用デッキはアブザンアグロ。
2 《森》 2 《平地》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《砂草原の城塞》 4 《疾病の神殿》 3 《静寂の神殿》 4 《ラノワールの荒原》 2 《コイロスの洞窟》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(26)- 4 《羊毛鬣のライオン》 2 《ラクシャーサの死与え》 4 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 2 《クルフィックスの狩猟者》 4 《包囲サイ》 2 《風番いのロック》 -クリーチャー(18)- |
4 《思考囲い》 3 《胆汁病》 4 《英雄の破滅》 3 《アブザンの魔除け》 2 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(16)- |
4 《闇の裏切り》 3 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》 2 《オレスコスの王、ブリマーズ》 2 《霊気のほころび》 2 《自然に帰れ》 1 《異端の輝き》 1 《胆汁病》 -サイドボード(15)- |
大会に臨むにあたって、重アブザン・マルドゥ・青黒などコントロールデッキを一通り回してみたもののの、どうにも勝率が上がらなかった。
スタンダードのカードはどれも強力で、相手のカードすべてをさばき切るのは難しい。自分から攻撃するデッキの方が安定していると考えた。
アブザンアグロはこれといった弱点がなく、先行で《羊毛鬣のライオン》→《先頭に立つもの、アナフェンザ》→《包囲サイ》→除去という動きはすべてに対して強い。
大会を勝ち上がるにはアブザンアグロ同系で差をつける部分が欲しい。
同系は先手後手の差が大きいので、それをひっくり返せるカードは何かないものか……できればタップインしながらでもプレイできる軽い除去……。
最初は2枚で試していたが、同系はこれを引くことが勝利につながることが多く、手札で腐るリスクよりも初手にあるリターンが大きいと考えて4枚に増量。
本戦は……
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 1 | – | BYE |
Round 2 | – | BYE |
Round 3 | 「シディシウィップ」 | ×〇〇 |
Round 4 | 「アブザンコントロール」 | 〇〇 |
Round 5 | 「マルドゥコントロール」 | ×〇〇 |
Round 6 | 「ティムール」 | 〇〇 |
6-0で調子いい!と思いきや……
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 7 | 「アブザンリアニメイト」 | ×× |
Round 8 | 「赤青白《アーティファクトの魂込め》」 | 〇×× |
Round 9 | 「アブザンアグロ」 | ×〇× |
そこから3連敗で初日落ち。
結局《闇の裏切り》は引かなかった。
■ GP静岡 (1月9日~1月11日開催)
4 《沼》 2 《森》 2 《島》 1 《平地》 1 《吹きさらしの荒野》 1 《開拓地の野営地》 1 《華やかな宮殿》 1 《花咲く砂地》 1 《陰鬱な僻地》 1 《ジャングルのうろ穴》 1 《磨かれたやせ地》 1 《茨森の滝》 -土地(17)- 1 《縁切られた先祖》 1 《射手の胸壁》 1 《荒野の後継者》 1 《無情な切り裂き魔》 1 《僧院の群れ》 1 《隠道の神秘家》 1 《サグの射手》 1 《軍用ビヒモス》 1 《長毛ロクソドン》 1 《マー=エクの夜刃》 1 《吠える鞍暴れ》 1 《スゥルタイのゴミあさり》 1 《河水環の曲芸士》 1 《よろめく従者》 -クリーチャー(14)- |
1 《頑固な否認》 1 《引き剥がし》 1 《消耗する負傷》 1 《アブザンの魔除け》 1 《苦々しい天啓》 1 《宝船の巡航》 1 《暴風》 1 《アブザンの隆盛》 1 《スゥルタイの戦旗》 -呪文(9)- |
1 《賢者眼の侵略者》 1 《風番いのロック》 1 《必殺の一射》 1 《アブザンの戦旗》 1 《平地》 -サイドボード(5)- |
シールドデッキ。
4色コントロールで、まずまずのデッキだと思うかもしれない。しかし写真左下に注目してほしい。
GP参加者の誰もが欲しがる、《風番いのロック》。それを白マナが足りない(4枚)という理由でデッキに入れなかった。
今振り返ると、この選択は大間違いだった。マナベースに多少無理をしてでも、ロックは「強襲で出れば勝ち」のカードなのだ。
周りに相談して、サイド後は以下の形に。
サイドアウト
サイドイン
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 1 | – | BYE |
Round 2 | – | BYE |
Round 3 | 「白緑黒タッチ赤」 | 〇×× |
Round 4 | 「アブザン」 | ×〇× |
Round 5 | 「5色」 | ×〇〇 |
Round 6 | 「アブザン」 | 〇〇 |
Round 7 | 「ジェスカイ」 | ×〇× |
Round 8 | 「5色」 | 〇〇 |
Round 9 | 「ティムール」 | 〇〇 |
6-3で初日落ち。
《風番いのロック》は白白が出なくて8ターン目以降が多かったが、それでも強襲で出たゲームは全て勝った。
《風番いのロック》が入っていない1本目を落としているゲームが3つあることを考えると、やはりデッキ構築ミスが勝敗に響いている。
■ プレイングの極み
マリガンして負けた?ダブルマリガンすべきではなかったかい?
土地事故で負けた?そもそもデッキの土地が少なすぎやしないかい?
《風番いのロック》を入れなかった?最強レアを入れないなんて、とんでもない!
マジックは、自分で思うよりもずっと多く負ける。
もちろん土地事故やマリガンなど、運による負けもある。
しかしそれ以上に、ミスによる負けがある。もっと言うと、マジックというゲームは絶対ミスするように出来ており、どんなに練習しても1ゲームに3回くらいはミスをする。
そこで重要なのは、自分のミスに気づけるかどうかだ。運要素で負けたと思っていても、後々振り返るとミスによる負けだったことはよくある。
さて、プレイングの極み解答編だ。
前回のヒントで言ったように、このターンどのクリーチャーに《胆汁病》をプレイしても勝つことはできない。
それならば、相手が次のターン何を引いても勝てるようにプレイする「想像力」が重要になってくる。
◆ 《嵐の息吹のドラゴン》2枚目を引かれた場合。
《ゴブリンの熟練扇動者》合わせて丁度12点なので、相手が攻撃するのを待ってからどれかに《胆汁病》で勝ちだ。
《凶暴な拳刃》を引かれた場合も同様だ。
◆ 《頑固な否認》《ティムールの魔除け》などの打消し呪文を引かれた場合。
既に場に十分なクリーチャーがいるし、《ティムールの魔除け》の格闘は《胆汁病》で回避できる。
◆ 《火口の爪》を引かれた場合。
そして本題だ。
一見すると、《ゴブリンの熟練扇動者》に《胆汁病》をプレイするのが定石に見える場だ。
ここで重要になってくるのが、《火口の爪》の「獰猛で2点増える」こと。
《ゴブリンの熟練扇動者》を除去してしまうと、《嵐の息吹のドラゴン》攻撃+《火口の爪》(X=6、獰猛で8点)でピッタリライフを削られてしまう。
《火口の爪》を引かれた場合を考えると、戦闘フェイズで相手が攻撃するまで《胆汁病》はプレイせず、ドラゴンが攻撃してきたらドラゴンに《胆汁病》、これで獰猛条件は満たせず、怪物化したらフルタップになるため勝利だ。
スタンダードに慣れ親しんだ方なら《ゴブリンの熟練扇動者》がいかに強力かはわかっているので、「見たら即除去」という考えが定石になっていると思う。
しかし今回のように盤面に応じた「想像力」を用いて、定石とは異なるプレイが必要になることもある。
今回のものは実際に私が遭遇した場面で、《ゴブリンの熟練扇動者》に《胆汁病》をプレイしたことで負けた。
最初は「相手《火口の爪》トップか~。ついてない」と、運による負けだと思った。だが実際は運による負けではなく、勝つためのプランが存在した。
教訓「運かミスか。敗因をしっかり考えること」
数えきれない練習と、数えきれない敗北。
敗北との付き合い方こそが上達への第一歩だと、私は考える。
では、また次回。
高橋 優太