皆さんこんにちは!
先週末にはプレリリースがありましたが皆さんは楽しい週末を過ごせましたか?スタンダードで即戦力となりそうなカードも多数見られおもしろいセットとなりそうです。
さて、今回の記事では現環境最後のスタンダードの大会であるSCG(StarCityGames.com) Premier IQ Philadelphiaの結果を見ていきたいと思います。
SCG Premier IQ Philadelphia
~現環境最後のSCGのスタンダードの大会を制したのはMardu~
2015年1月11日
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1位 Mardu Midrange/白黒赤ビートダウン
2位 Jeskai Aggro/白青赤ビートダウン
3位 Abzan Aggro/白黒緑ビートダウン
4位 Abzan Midrange/白黒緑プレインズウォーカー
5位 RW Aggro/赤白ビートダウン
6位 Abzan Whip/白黒緑ビートダウン
7位 UW Heroic/英雄ビートダウン
8位 Abzan Aggro/白黒緑ビートダウン
Aggro、Whip、Midrangeとバージョンに細かい違いが見られますがAbzanデッキがトップ8の半分を占める中、GP Manilaで優勝など最近調子を取り戻しつつあるMarduが今大会でも優勝を果たしました。
SCG Premier IQ Philadelphia デッキ解説
「Mardu Midrange」「Jeskai Aggro」「Abzan Aggro」「Abzan Midrange」「UW Heroic」
5 《山》 1 《沼》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《遊牧民の前哨地》 4 《凱旋の神殿》 3 《戦場の鍛冶場》 2 《静寂の神殿》 2 《コイロスの洞窟》 -土地(25)- 3 《道の探求者》 4 《ゴブリンの熟練扇動者》 2 《オレスコスの王、ブリマーズ》 4 《軍族の解体者》 2 《風番いのロック》 -クリーチャー(15)- |
3 《稲妻の一撃》 4 《はじける破滅》 2 《軍族童の突発》 2 《マルドゥの魔除け》 1 《残忍な切断》 3 《岩への繋ぎ止め》 1 《紅蓮の達人チャンドラ》 1 《真面目な訪問者、ソリン》 2 《龍語りのサルカン》 1 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(20)- |
3 《骨読み》 3 《神々の憤怒》 2 《対立の終結》 1 《静翼のグリフ》 1 《消去》 1 《異端の輝き》 1 《思考囲い》 1 《胆汁病》 1 《完全なる終わり》 1 《真面目な訪問者、ソリン》 -サイドボード(15)- |
一時期は上位から姿を消していたMarduですが、このデッキが苦手とするWhip系のデッキがAbzan AggroやUW Heroicなどに押され気味で、それらのデッキに強いMarduはGP Manilaで優勝するなど最近好調です。
相手にクリーチャーのサクリファイスを強要する《はじける破滅》はクリーチャー保護スペルで守られたUW HeroicのクリーチャーやAbzan Aggroの再生持ちの《ラクシャーサの死与え》、「怪物化」した《羊毛鬣のライオン》も除去することが可能な貴重な除去スペルです。
新セットの『運命再編』からも新戦力となりそうなカードが数枚見られるので、今後も引き続き活躍が期待されます。今回のセットのトップレアのひとつとして話題になっている《僧院の導師》は除去やPWなどスペルを多用するこのデッキと相性がよさそうです。《粗暴な軍族長》はこのデッキの新たな主力クリーチャーとして活躍が期待できます。《ゴブリンの熟練扇動者》や《軍族童の突発》、先ほどの《僧院の導師》などトークンを生み出すカードとのシナジーは強力で、今後はJeskai Tokensのように軽いスペルを増やしトークン生成スペルを多数採用した型も出てくるかもしれません。
2 《平地》 2 《島》 2 《山》 3 《溢れかえる岸辺》 4 《神秘の僧院》 4 《凱旋の神殿》 4 《戦場の鍛冶場》 2 《天啓の神殿》 1 《マナの合流点》 1 《シヴの浅瀬》 -土地(25)- 3 《道の探求者》 4 《ゴブリンの熟練扇動者》 4 《カマキリの乗り手》 2 《オレスコスの王、ブリマーズ》 4 《嵐の息吹のドラゴン》 -クリーチャー(17- |
4 《稲妻の一撃》 2 《マグマの噴流》 3 《ジェスカイの魔除け》 2 《軍族童の突発》 4 《かき立てる炎》 2 《時を越えた探索》 1 《紅蓮の達人チャンドラ》 -呪文(18)- |
3 《静翼のグリフ》 3 《軽蔑的な一撃》 2 《消去》 2 《異端の輝き》 2 《マグマのしぶき》 1 《洗い流す砂》 1 《神々の憤怒》 1 《太陽の勇者、エルズペス》 -サイドボード(15)- |
完全に復権を果たしたMarduを追うように、準優勝と復権の兆しを見せるJeskai。
環境初期はトップtierの一角とされ、多くのトッププロが選択しトップ8入賞者も数名輩出する活躍を見せたJeskai。しかしプロツアーで優勝を収めたAbzan Midrangeの《包囲サイ》が厳しかったため、その後の環境ではクリーチャーを火力でサポートしていくタイプのJeskai Winsは上位から遠ざかり、最近はトークン戦略とコンボ要素を含めたJeskai Tokensが主流でした。
今回準優勝という好成績を残したNoah WalkerのリストはPWの枚数を抑え、その分《嵐の息吹のドラゴン》が4枚採用されているので、飛行を止める手段が限られているWhip系に強い構成になっています。サイドにはCIP能力の誘発を封じる《静翼のグリフ》を採用するなど、しっかりと現在のメタに合わせた調整がなされています。
Jeskai TokensやUW Heroicと同様にこのデッキでも『運命再編』からの新カード、《僧院の導師》が活躍しそうです。主な除去スペルが火力なので《魂火の大導師》も入りそうです。
2 《平地》 2 《森》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《砂草原の城塞》 3 《疾病の神殿》 3 《静寂の神殿》 3 《コイロスの洞窟》 2 《ラノワールの荒原》 2 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(25)- 4 《羊毛鬣のライオン》 3 《ラクシャーサの死与え》 2 《荒野の後継者》 4 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 4 《包囲サイ》 3 《風番いのロック》 -クリーチャー(20)- |
4 《思考囲い》 4 《胆汁病》 3 《英雄の破滅》 3 《アブザンの魔除け》 1 《残忍な切断》 -呪文(15)- |
3 《異端の輝き》 3 《悲哀まみれ》 3 《自然に帰れ》 2 《残忍な切断》 2 《真面目な訪問者、ソリン》 1 《狩人狩り》 1 《太陽の勇者、エルズペス》 -サイドボード(15)- |
現環境でもっとも人気のあるアーキタイプの一つで、GP Denverでも多数の入賞者を出すなど成績も安定しています。
《荒野の後継者》を搭載したよりアグレッシブなバージョンやメインから《太陽の勇者、エルズペス》を採用しサイドに《クルフィックスの狩猟者》や《砂塵破》を採用したミッドレンジよりのバージョンなど構築の自由度が高いのが特徴です。再生能力とパンプアップ、「怪物化」により除去耐性のある《ラクシャーサの死与え》と《羊毛鬣のライオン》はクリーチャーの質が高い現在においても稀に見る序盤に引いても中盤以降にトップデッキしても強いクリーチャーです。
「強襲」を満たせば一度に2体の3/4飛行を場に出すのでカードアドバンテージになりテンポアドバンテージにもなる《風番いのロック》はこのデッキの戦略にフィットしています。飛行を止める手段が限られている他の緑デッキに強く、《太陽の勇者、エルズペス》の兵士トークンの防壁を突破することも可能です。また、《太陽の勇者、エルズペス》の-3能力でも死なないなど現環境のほとんどのマッチに強いクリーチャーです。墓地対策能力持ちで3マナ4/4とハイスペックな《先頭に立つもの、アナフェンザ》は今後もWhip系が流行るようならよく見るクリーチャーとなりそうです。
Kellen PastooreのリストはオーソドックスなAbzan Aggro。メインにPWは不採用で、4枚目の《風番いのロック》と《ラクシャーサの死与え》の代わりに《荒野の後継者》が2枚採られています。中盤以降はサイズに難があり除去耐性はないものの色拘束が薄いため、キャストしやすくほとんどの場合ブロックされないクリーチャーとして機能しこのデッキの方向性にマッチしたクリーチャーです。
サイドにはミラーマッチや他の緑デッキに対して効率的な除去スペル兼パンプスペルとして機能する《狩人狩り》が採用されています。先ほどの《荒野の後継者》との組み合わせが特に強力で、コストも軽いのでテンポ面でも優秀です。
『運命再編』からの新カードで緑の《運命の大立者》と話題の《始まりの木の管理人》はタップインランドが多いため毎回1ターン目に確実にキャストするのは難しそうですが、マナを支払うごとに強化されるので1マナクリーチャーでありながら中盤以降に引いてきてもパワー不足に悩まされることが少ない優秀なクリーチャーです。除去耐性がつかないのが難点ですが、このデッキの即戦力となるポテンシャルを秘めています。
クリーチャーを除去から守り大型クリーチャー除去にもなる《勇敢な姿勢》も使えそうです。現環境には《クルフィックスの狩猟者》、 《包囲サイ》、 《オレスコスの王、ブリマーズ》、 《軍族の解体者》、《先頭に立つもの、アナフェンザ》など対象となるクリーチャーが多く存在します。
3 《森》 1 《平地》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《砂草原の城塞》 4 《疾病の神殿》 4 《ラノワールの荒原》 2 《静寂の神殿》 2 《コイロスの洞窟》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(25)- 4 《森の女人像》 4 《クルフィックスの狩猟者》 4 《包囲サイ》 2 《破滅喚起の巨人》 -クリーチャー(14)- |
2 《胆汁病》 4 《アブザンの魔除け》 3 《英雄の破滅》 2 《骨読み》 1 《完全なる終わり》 1 《砂塵破》 2 《真面目な訪問者、ソリン》 2 《英雄の導師、アジャニ》 3 《太陽の勇者、エルズペス》 1 《頂点捕食者、ガラク》 -呪文(21)- |
3 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 2 《異端の輝き》 2 《胆汁病》 2 《悲哀まみれ》 2 《自然に帰れ》 1 《消去》 1 《骨読み》 1 《残忍な切断》 1 《砂塵破》 -サイドボード(15)- |
環境初期から活躍し続けているAbzan Midrange。Spencer Assiffのリストはトークン戦略に強い星座クリーチャーの《破滅喚起の巨人》や大型PWの《頂点捕食者、ガラク》がメインに採用されるなど、より重い構成です。
サイドに採用されている《先頭に立つもの、アナフェンザ》はWhip系以外にも、速いデッキに対して3マナ4/4というサイズを生かしたブロッカーとして追加の《胆汁病》や《悲哀まみれ》とともに投入されそうです。
『運命再編』からは墓地を肥やすことに長けたAbzan WhipやSidisi Whipの新戦力とされている《黄金牙、タシグル》はこのデッキにも入りそうです。「探査」コストを支払えば1マナでキャストすることが可能で、起動型能力は対戦相手に選択権があるので、確実に欲しいカードが手に入る可能性は低いもののカードアドバンテージを得られます。《クルフィックスの狩猟者》とも相性がよく、ライブラリーのトップのカードが気に入らなかった場合は《黄金牙、タシグル》で墓地に落としてライブラリーのトップを一新させることが可能です。
9 《平地》 2 《島》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《啓蒙の神殿》 2 《平穏な入り江》 1 《マナの合流点》 -土地(22)- 4 《恩寵の重装歩兵》 4 《イロアスの英雄》 4 《戦識の重装歩兵》 2 《道の探求者》 4 《ヘリオッドの巡礼者》 -クリーチャー(18)- |
4 《果敢な一撃》 4 《神々の思し召し》 1 《頑固な否認》 1 《トリトンの戦術》 2 《抵抗の妙技》 2 《液態化》 4 《タッサの試練》 2 《ヘリオッドの試練》 -呪文(20)- |
4 《異端の輝き》 3 《頑固な否認》 2 《宝船の巡航》 1 《道の探求者》 1 《アジャニの存在》 1 《消去》 1 《定命の者の強情》 1 《ヘリオッドの試練》 1 《光波の護法印》 -サイドボード(15)- |
SCGO Columbusでも同デッキで優勝を収めたSCGの強豪Joe Lossetは今大会でもトップ8に入賞。サイドのカードが《ラゴンナ団の先駆者》から《道の探求者》に差し替えられていること以外はSCGO Columbusから変化は見られません。
『運命再編』からもこのデッキにフィットするカードが数種類見られます。《勇敢な姿勢》は 《神々の思し召し》や《アジャニの存在》のようにクリーチャーを除去から保護するスペルにも除去にもなるので、このデッキでも新戦力として活躍が期待されます。
「果敢」持ちの《僧院の導師》はスペルを唱えるたびにトークンを生み出し《果敢な一撃》など軽いスペルを多数採用したこのデッキと相性がよく、今までは「英雄的」持ちのクリーチャー頼りだったこのデッキにトークン戦略を加えデッキの戦略の幅を広げられそうです。
総括
いよいよ今週末には『運命再編』がリリースされ新環境に突入します。今回挙げたデッキ以外にもGP Denverを制したUB Controlは念願のスイーパースペルの《命運の核心》、スイーパーにもフィニッシャーにもなる《精霊龍、ウギン》を得て大幅に強化されました。
《チャンドラのフェニックス》を彷彿させる 《炎跡のフェニックス》は赤系のアグロデッキの新戦力として採用されそうです。特に高いパワーのクリーチャーを多数採用したRG Aggroでは「獰猛」条件を達成するのも比較的容易です。
『運命再編』がリーガルとなる今週末に開催されるSCGO Washington DCが楽しみですね。
次回の記事ではSCGO Washington DCとSCG Premier IQ Indianapolisの解説を予定しています。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!
※編注:記事内の画像は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『StarCityGames.com』
http://www.starcitygames.com/index.php