皆さんこんにちは!
今週末には大規模な賞金制の大会のBIG MAGIC OPENが開催されますが皆さんは参加されますか?
SCGとのコラボレーションによって実現した大会で、賞金総額もSCGO(変更前)と同様です。
さて、今回の記事ではSCGO Indianapolisの入賞デッキを見ていきたいと思います。
SCGO Indianapolis トップ8
~参加者500人超えの大会の頂点に立ったのはSCGの強豪Jim Davisの操るSultai Delver~
2015年2月1日
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1位 Sultai Delver/青黒緑アグロ
2位 ANT/むかつきストーム
3位 Elves/エルフ
4位 ANT/むかつきストーム
5位 Shardless Sultai/続唱青黒緑
6位 Burn/赤単
7位 Elves/エルフ
8位 Infect/感染アグロ
《宝船の巡航》の禁止によりハンデスが相対的に強くなったこともあり、青いフェアデッキではSultai系が多く見られます。
前の週で優勝していただけに対策が厳しかったのかSneak and Showは勝ち残らず。また、テンポデッキの復権が予想されたためANTは厳しくなるかと思われましたが、蓋を開けてみればトップ4にANTが2人と好調でした。
その背景にはテンポデッキに対し手数で勝るElvesが多かったことがあり、これにテンポデッキは大いに苦戦を強いられたようです。特にTemur Delverはトップ32以内には見当たりませんでした。
この時期のアメリカ中西部は降雪により天候が荒れる傾向があり、去年の経験から参加を見合わせたプレイヤーもいましたが、それでもなんと500名を軽く超える参加者を記録しました。
SCGO Indianapolis デッキ解説
「Sultai Delver」「ANT」「Burn」「Elves」「Shardless Sultai」
3 《Tropical Island》 3 《Underground Sea》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《沸騰する小湖》 4 《不毛の大地》 -土地(18)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《タルモゴイフ》 3 《闇の腹心》 1 《真の名の宿敵》 -クリーチャー(16)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 3 《呪文貫き》 3 《もみ消し》 2 《見栄え損ない》 4 《目くらまし》 3 《突然の衰微》 3 《Force of Will》 -呪文(26)- |
2 《方向転換》 2 《思考囲い》 2 《湿地での被災》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《狼狽の嵐》 1 《外科的摘出》 1 《突然の衰微》 1 《大渦の脈動》 1 《Force of Will》 1 《残忍な切断》 1 《墓掘りの檻》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
Delver系の中でも高い2日目進出率を上げていたSultaiの中でも、今大会優勝を収めたSCGの強豪Jim Davisのリストは異彩を放ちます。
まず目に付くのが、Sultai Delverでは必ずと言っていいほど採用されているハンデスの不在です。《ヴェールのリリアナ》も不採用で、代わりに《もみ消し》が採用されていることからマナ否定戦略を重視しているようです。クリーチャーの数も多く、カードアドバンテージを稼ぐ《闇の腹心》も採用されていることから通常のDelver系と異なり中盤以降のゲームにも強くなっています。
黒マナの色拘束の強いスペルが抜けたことで土地も《Tropical Island》と 《Underground Sea》のみになり、わずかながら 《目くらまし》の代用コストも支払いやすくなっています。
《突然の衰微》の枚数がメインから減らされ、1マナのインスタント除去である《見栄え損ない》がメインから取られています。軽い代わりに対象は狭くなりましたが 《死儀礼のシャーマン》、《秘密を掘り下げる者》、 《石鍛冶の神秘家》、Elvesの各種エルフクリーチャーなどをわずか1マナで除去することが可能で、効率性で勝ります。
サイドの《方向転換》は《突然の衰微》など除去スペルの対象を相手のクリーチャーなどに変えたり、《祖先の幻視》や《Hymn to Tourach》の対象を変えてアドバンテージを稼いだりと、見かけ以上に相手に壊滅的な被害を与えることが可能で、カウンター合戦においても追加の 《呪文貫き》として使えます。
《湿地での被災》は《真の名の宿敵》への回答となり、ElvesやDeath and Taxesなど小型のクリーチャーを多く並べてくるデッキに対しても効果があります。
《師範の占い独楽》があるMiraclesなどにはハンデスは他のデッキほどの効果が望めなかったため、その部分が「奇跡」の誘発をカウンターできる《もみ消し》に代わり、《闇の腹心》などコントロールに強いクリーチャーも入ったため他のSultai Delverと比べるとMiraclesに強くなっています。ハンデスをメインから切ったとはいえコンボに対しては依然として有利が付くデッキなので、今後のDelver系のスタンダードとなる可能性が高いデッキです。
1 《島》 1 《沼》 2 《Underground Sea》 1 《Badlands》 1 《Tropical Island》 1 《Volcanic Island》 4 《汚染された三角州》 4 《沸騰する小湖》 -土地(15)- -クリーチャー(0)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《陰謀団式療法》 4 《暗黒の儀式》 3 《強迫》 2 《定業》 4 《陰謀団の儀式》 4 《冥府の教示者》 1 《Grim Tutor》 1 《苦悶の触手》 1 《炎の中の過去》 1 《むかつき》 4 《ライオンの瞳のダイアモンド》 4 《水蓮の花びら》 -呪文(45)- |
3 《外科的摘出》 2 《闇の腹心》 2 《蒸気の連鎖》 2 《紅蓮地獄》 2 《突然の衰微》 2 《防御の光網》 1 《虐殺》 1 《巣穴からの総出》 -サイドボード(15)- |
2 《島》 1 《沼》 2 《Underground Sea》 1 《Volcanic Island》 4 《汚染された三角州》 2 《沸騰する小湖》 1 《血染めのぬかるみ》 1 《霧深い雨林》 -土地(14)- -クリーチャー(0)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《暗黒の儀式》 4 《強迫》 3 《陰謀団式療法》 2 《定業》 4 《陰謀団の儀式》 4 《冥府の教示者》 1 《Grim Tutor》 1 《苦悶の触手》 1 《炎の中の過去》 1 《むかつき》 4 《ライオンの瞳のダイアモンド》 4 《水蓮の花びら》 1 《師範の占い独楽》 -呪文(46)- |
3 《蒸気の連鎖》 3 《突然の衰微》 2 《ザンティッドの大群》 2 《夜の戦慄》 1 《再建》 1 《紅蓮地獄》 1 《巣穴からの総出》 1 《むかつき》 1 《Tropical Island》 -サイドボード(15)- |
前環境ではUR Delverなど「探査」ドロースペルを効率よくキャストするために妨害スペルが削られ、コンボデッキにとって有利なメタでした。
禁止改定により環境が以前のように妨害要素を多数搭載したTemur DelverやSultai Delverなどのテンポデッキが活躍しやすい環境に戻ることが予想されましたが、今大会ではそれらに有利が付くElvesが多く、結果的にコンボ発動ターンの速いANTにとって勝ち残りやすいメタだったようです。
両プレイヤー共サイドに《ガドック・ティーグ》や《スレイベンの守護者、サリア》、《翻弄する魔道士》などヘイトベアー対策に《紅蓮地獄》など除去を多めに積んでいます。
青対策枠はそれぞれ微妙に異なるアプローチが見られ、Ben Wienburgは他プレイヤーターンにキャストするスペルのコストを増加させ打消し対策になる《防御の光網》を、Caleb Schererは《ザンティッドの大群》を採用しています。
《ザンティッドの大群》は緑マナが必要になりますがサイド後除去を減らしている、またはサイドアウトしているMiraclesなどの青いデッキにとってはほぼマストカウンターとなります。《防御の光網》は前者と比べると採用率は低めでしたが、色マナを必要とせず2マナという軽さから通しやすいのと、アーティファクトなので相手がクリーチャー除去を残している場合でも有効な妨害手段となることから最近はANTのサイドでもよく見かけるようになりました。
Ben WienburgはミラーマッチやReanimator, Dredgeなど墓地を使うデッキとのマッチアップに備えて《外科的摘出》を採用しており、準決勝のミラーマッチでも相手の《ライオンの瞳のダイアモンド》を《強迫》で落としたあとにすべて追放し、勝利に貢献していました。
11 《山》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《樹木茂る山麓》 1 《乾燥台地》 -土地(20)- 4 《ゴブリンの先達》 3 《渋面の溶岩使い》 4 《大歓楽の幻霊》 -クリーチャー(11)- |
4 《Chain Lightning》 4 《溶岩の撃ち込み》 4 《稲妻》 4 《発展の代価》 3 《焼尽の猛火》 4 《裂け目の稲妻》 4 《火炎破》 2 《硫黄の渦》 -呪文(29)- |
3 《灼熱の血》 3 《粉々》 3 《トーモッドの墓所》 3 《罠の橋》 2 《紅蓮破》 1 《硫黄の渦》 -サイドボード(15)- |
レガシーの低予算デッキとしてよく見かける赤単色のバーンデッキ。前環境では《宝船の巡航》のために青を足したバージョンも見られました。
《発展の代価》は《宝船の巡航》の退場に伴い増加傾向にあるSultaiなど特殊地形を多数採用した3色デッキに刺さり、《大歓楽の幻霊》のおかげでコンボとの相性も昔と比べると改善されたようです。《師範の占い独楽》+《相殺》が揃うと勝つのが難しくなるため、コントロールにとって除去しづらいエンチャントで継続的にダメージを与える《硫黄の渦》がメインから取られています。
クリーチャーデッキに対してはサイドから投入される《罠の橋》で攻撃を止め相手を焼き切る戦略が強く、《灼熱の血》はレガシーの多くのクリーチャーを除去しつつ本体にもダメージが通る優秀な火力です。
3 《森》 2 《Bayou》 2 《ドライアドの東屋》 4 《霧深い雨林》 4 《新緑の地下墓地》 1 《吹きさらしの荒野》 3 《ガイアの揺籃の地》 -土地(19)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《イラクサの歩哨》 4 《クウィリーオン・レインジャー》 4 《ワイアウッドの共生虫》 3 《遺産のドルイド》 1 《樺の知識のレインジャー》 1 《エルフの神秘家》 1 《ラノワールのエルフ》 4 《エルフの幻想家》 1 《再利用の賢者》 1 《レンの地の群れ使い》 2 《孔蹄のビヒモス》 -クリーチャー(30)- |
4 《垣間見る自然》 4 《緑の太陽の頂点》 4 《自然の秩序》 -呪文(12)- |
3 《陰謀団式療法》 3 《思考囲い》 2 《突然の衰微》 2 《弱者の石》 2 《真髄の針》 1 《漁る軟泥》 1 《大祖始》 1 《窒息》 -サイドボード(15)- |
2 《森》 2 《Bayou》 2 《ドライアドの東屋》 1 《Savannah》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《樹木茂る山麓》 1 《霧深い雨林》 4 《ガイアの揺籃の地》 -土地(20)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《遺産のドルイド》 4 《イラクサの歩哨》 4 《ワイアウッドの共生虫》 3 《クウィリーオン・レインジャー》 1 《樺の知識のレインジャー》 1 《Fyndhorn Elves》 4 《エルフの幻想家》 1 《再利用の賢者》 2 《孔蹄のビヒモス》 -クリーチャー(28)- |
4 《垣間見る自然》 4 《緑の太陽の頂点》 4 《自然の秩序》 -呪文(12)- |
3 《陰謀団式療法》 3 《思考囲い》 3 《突然の衰微》 1 《漁る軟泥》 1 《ガドック・ティーグ》 1 《大祖始》 1 《湿地での被災》 1 《森の知恵》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
去年の9月に開催されたSCGO Indianapolisでもトップ4入賞デッキすべてがElvesというパフォーマンスを魅せたこともあり、今大会でも人気が出るアーキタイプだと予想されていました。今大会でも2日目進出デッキの中最多で、トップ8にも2名のプレイヤーを輩出する安定した成績を残しました。復権の兆しを見せるTemur Delver、Shardless Sultai、そして今大会で2日目に進出したデッキの中でもElvesに次ぐ一大勢力だったDeath and Taxesにも相性がよく、今大会でも良選択だったようです。
苦手なMiraclesに対抗するため、《突然の衰微》の他にChristopher Hallはサイドに《窒息》を、Matthew Hoeyはカードアドバンテージを得られる 《森の知恵》に加え、コンボにも効果があり《緑の太陽の頂点》からもサーチしてこれる《ガドック・ティーグ》を採用しています。
1 《沼》 1 《森》 3 《Underground Sea》 2 《Bayou》 2 《Tropical Island》 4 《汚染された三角州》 4 《新緑の地下墓地》 2 《霧深い雨林》 1 《忍び寄るタール坑》 2 《不毛の大地》 -土地(22)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《タルモゴイフ》 1 《悪意の大梟》 4 《断片無き工作員》 1 《黄金牙、タシグル》 -クリーチャー(14)- |
3 《祖先の幻視》 4 《渦まく知識》 2 《思考囲い》 4 《突然の衰微》 2 《Hymn to Tourach》 1 《毒の濁流》 3 《Force of Will》 2 《時を越えた探索》 2 《ヴェールのリリアナ》 1 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(24)- |
2 《ゴルガリの魔除け》 2 《墓掘りの檻》 2 《虚無の呪文爆弾》 1 《悪意の大梟》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《見栄え損ない》 1 《思考囲い》 1 《大渦の脈動》 1 《Force of Will》 1 《破滅的な行為》 1 《真髄の針》 1 《梅澤の十手》 -サイドボード(15)- |
《宝船の巡航》の退場に伴い、《Hymn to Tourach》や《思考囲い》、《ヴェールのリリアナ》でハンデスしつつ《断片無き工作員》の「続唱」からアドバンテージを稼いでいくミッドレンジのShardless Sultaiも帰ってきました。
『タルキール覇王譚』以前のリストからも若干の変更が見られます。注目はメインに採られている「探査」クリーチャーである《黄金牙、タシグル》です。キャントリップやハンデスを使っているうちに「探査」しやすくなり、中盤以降はカードアドバンテージを稼ぎつつ墓地を肥やすことで《死儀礼のシャーマン》や「探査」ドロースペルの《時を越えた探索》の燃料を増やしたり、《タルモゴイフ》を強化したり、《渦まく知識》で戻した不要なカードをライブラリートップから落としたりと活躍の機会が多そうです。
Interview With Zachary Koch
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今大会Infectを使用し入賞を果たしたZachary Kochにインタビューすることができました。
大会中は忙しかったため、後日Facebookを通していろいろとお話を伺いました。
1 《森》 4 《Tropical Island》 4 《霧深い雨林》 4 《樹木茂る山麓》 1 《ペンデルヘイヴン》 4 《墨蛾の生息地》 1 《不毛の大地》 -土地(19)- 4 《貴族の教主》 4 《ぎらつかせのエルフ》 4 《荒廃の工作員》 -クリーチャー(12)- |
4 《渦まく知識》 4 《巨森の蔦》 3 《ギタクシア派の調査》 2 《呪文貫き》 2 《Berserk》 1 《思案》 1 《輪作》 3 《目くらまし》 4 《激励》 3 《Force of Will》 1 《強大化》 1 《時を越えた探索》 -呪文(29)- |
1 《払拭》 1 《方向転換》 1 《テフェリーの反応》 1 《狼狽の嵐》 1 《Force of Will》 1 《水没》 1 《輪作》 1 《自然の要求》 1 《クローサの掌握》 1 《原基の印章》 1 《森の知恵》 1 《墓掘りの檻》 1 《真髄の針》 1 《ボジューカの沼》 1 《Karakas》 -サイドボード(15)- |
■ Infectというデッキを使用した経緯
Zachary: 前はSultai系のデッキを使っていたんだけど《宝船の巡航》の登場でハンデスが弱くなって他のデッキを探す必要が出た。普段からSCGOのカバレッジを楽しみにしていてTom RossがInfectを使っているのを見てこれだと思った。
Georgiaで開催されたSCG Invitational予選(SCG IQ)で使ってみたところ、決勝戦で同系戦で負けて準優勝だった。そして今回もこのInfectで挑むことに決めた。キルターンの早さで相手に対応を迫る戦略で、どんなデッキにも勝てるポテンシャルを秘めたデッキだと確信が持てたからね。実際に大会でも使ってみてすごく気に入った。
--なるほど。《宝船の巡航》の退場で軽い除去を搭載したUR Delverも減ってSultaiのように遅めのデッキが増えてきたからメタ的にも強そうだね。
他のリストでは見ないカード(メインに1枚挿しの《時を越えた探索》やサイドの《方向転換》など)が何種類か見られるけど使ってみてどうだった?
Zachary: 《時を越えた探索》はデッキに入れておいてよかった。1枚挿しだったから当然そんなに頻繁には引かなかったけど、このカードを解決できたときはカウンターと最後の一押しに必要なパンプスペルを見つけることができて勝つことができた。
《方向転換》は思ったほど活躍しなかったかな。クリーチャーを除去から守るために採用することに決めたんだけど、跳ね返す先の対象が無かったり相手のマナが余っていたりすると使えなくて。追加の《狼狽の嵐》や《払拭》の方がよかったかもしれない。
--確かにクリーチャー保護のための妨害スペルなら《狼狽の嵐》や《払拭》の方が確実性がありそうだね。あと、例の《テフェリーの反応》についても教えてくれる?
(筆者が今回の記事で彼にインタビューを試みたきっかけも、《テフェリーの反応》が活躍したカメラマッチに立ち会ったジャッジから話を聞いたからでした)
Zachary: 《テフェリーの反応》は素晴らしかった!実はこのカードは僕の所有していたカスレアのボックスから偶然発見したカードで、普段はこういった用途の狭いカードは使わないんだけど、Infectでは《墨蛾の生息地》がクリーチャー化し、それに飛んでくる《稲妻》などの除去をカウンターすることができる。
実際にラウンド15のカメラフィーチャーマッチではNoah Cohen(Sultai Delver)がクリーチャー化した《墨蛾の生息地》を対象にした《残忍な切断》をカウンターして勝った。
※筆者注: 立ち会ったジャッジやZacharyから聞いた話では、Zacharyの対戦相手だったNoah Cohenは同ゲームで《思考囲い》をキャストして《テフェリーの反応》の存在を把握していましたが、あまり見かけないカードだったためカードの能力を少し勘違いしていたらしく他のカードを落としています。このときNoahはこの青いインスタントの能力を《不毛の大地》をカウンターする《もみ消し》の亜種として理解しゲームを進めていたようです。カードプールが広大なレガシーではこういったカードテキストの勘違いや思い込みがたびたび起こります。マッチの動画は【こちら】
■ Infectを使ってみたいというプレイヤーへのアドバイス
Zachary: 他のデッキでもそうだけど、練習が物を言うね。でもこのデッキを使う上で覚えておいた方がいい、2つの重要なことがある。
まず1つ目に覚えておくことはInfectはコンボデッキだということ。感染クリーチャーやパンプスペルはコンボパーツで、如何に相手を速く倒すかが重要になるから特にクリーチャーは絶対にサイドボードしないしパンプスペルもほとんどの場合サイドアウトしない。
2つ目に、このデッキを相手にした際多くのプレイヤーは突然死を恐れて積極的なプレイングがなかなかできない。実際にこのデッキのコンボスピードは速く、思わぬ角度から勝利を収めることができるからこのデッキを相手にするのは難しい。これをアドバンテージとして自信を持ったプレイングでプレッシャーをかけていくことも重要だ。
--詳しく説明してくれてありがとう。Infectを使っているプレイヤーは少ないから、今回は話が聞けてよかった。これからも頑張って!
Kenta Hirokiのトーナメントレポート
SCGO Indianapolisに筆者もプレイヤーとして参加しました。1日目こそ7-0-2とまずまずの成績でトップ8も十分に狙える位置にありましたが、2日目は相性の悪いマッチや慣れないデッキとのマッチアップ、そして後半は集中力の欠落から少し恥ずかしいミスもありボロ負けだったものの、最終成績は9-4-2でトップ64で何とか賞金獲得圏内に留まることができました。
禁止改定がアナウンスされたのが本戦2週間前と限られた時間で、『タルキール覇王譚』以前の環境から使っていたのとTemur Delverやこのデッキにとって相性のいいElvesが流行りそうだったこともあり、Miraclesを選択しました。
4 《島》 2 《平地》 3 《Tundra》 2 《Volcanic Island》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《沸騰する小湖》 2 《乾燥台地》 1 《Karakas》 -土地(22)- 3 《瞬唱の魔道士》 -クリーチャー(3)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 3 《剣を鍬に》 1 《対抗呪文》 2 《天使への願い》 1 《議会の採決》 4 《Force of Will》 4 《終末》 1 《時を越えた探索》 4 《相殺》 4 《師範の占い独楽》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(35)- |
3 《ヴェンディリオン三人衆》 2 《狼狽の嵐》 2 《紅蓮破》 1 《造物の学者、ヴェンセール》 1 《悪斬の天使》 1 《摩耗+損耗》 1 《対抗呪文》 1 《赤霊破》 1 《至高の評決》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《大祖始の遺産》 -サイドボード(15)- |
■ 1日目
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 1 | Reanimator | 2-0 |
Round 2 | Punishing Jund | 2-0 |
Round 3 | Sneak and Show | 2-1 |
Round 4 | ANT | 1-1-1 |
Round 5 | Esper Deathblade | 2-1 |
Round 6 | Miracles | 1-1-1 |
Round 7 | Jund Reanimator | 2-0 |
Round 8 | 12 Post | 2-1 |
Round 9 | Marverick | 2-0 |
7-0-2。
1日目とはいえ簡単なマッチは少なく、SCGOやSCG Invitationalでトップ8に入賞経験のある強豪プレイヤーとのマッチアップもありました。
■ 2日目
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 10 | Shardless Sultai (vs. Rudy Briksza) | 0-2 |
Round 11 | Lands | 0-2 |
Round 12 | Infect | 2-0 |
Round 13 | Sneak and Show | 1-2 |
Round 14 | Esper Stoneblade | 1-2 |
Round 15 | UR Delver | 2-1 |
2-4。トータル9-4-2で56位。
2日目は残念だったもののデッキ自体は強く、ミスがなければ勝てたゲームもあったので次回はもう少し上の成績を目指していきたいところです。1回は当たるだろうと予想していたElvesは使用率の高さに反して1度も当たりませんでした。
サイドの 《悪斬の天使》は最終ラウンドのUR Delverとのマッチアップ以外ではサイドインしなかったので、同系やShardless Sultaiなどに強い《嵐の神、ケラノス》あたりと差し替えようと考えています。サイドの 《造物の学者、ヴェンセール》は多くのマッチアップで活躍したカードで《Karakas》とのコンボも強く、今考えればメインでもよかったと思います。
総括
予想通り《宝船の巡航》の退場により肩身の狭い思いをしていたShardless SultaiやSultai Delverが復権してきました。Indianapolisで開催されるレガシーの大会では高い人気を誇るElvesも2日目進出デッキの中でも最大勢力で、トップ8にも2人送り込みました。
SCGO Indianapolisは参加者582名と参加者が集まりやすいスタンダードで開催されたSCGO Washington DCを上回る大盛況ぶりでした。これを機に来シーズンのSCGOのフォーマットにレガシーがもっと多く採用されるといいですね。
以上で今回の解説を終わります。
次回の記事では第3回BIG MAGIC OPEN レガシーとSCG Premier IQ Houston、SCG Premier IQ Los Angelesの結果をカバーしていく予定です。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいレガシーを!
※編注:記事内の画像は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『StarCityGames.com』
http://www.starcitygames.com/index.php