高橋優太の「BMO Vol.3」レポート

高橋 優太



レガシーシーズン、スタート!

4/17-4/19の3日間、国内初となるレガシーグランプリが京都で開催される。
既に予約が始まっているので、参加予定ならすぐに予約しよう!(→事前受付は【こちら】から)

「待望の」国内レガシーグランプリという言葉がふさわしいだろう。レガシープレイヤー達は、自分の腕試しの場を求めていたはずだ。

レガシーはさまざまなデッキが存在し、戦い方を覚えていないと一瞬で負けてしまうことすらある。
練習量がモノを言うフォーマットなので、これから1ヶ月レガシーを研究していこうと思う。



■ メタゲーム分析



奇跡コントロールで1週間ほどMOでレガシーを調整。




上記のデッキに当たることが多く、メタゲームは大きく分けて3つに分類される印象。
他にも【デスタク】【バーン】【感染】【土地単】などがあるが、上記3つに比べると数は少なく対戦する頻度も低い。

それぞれの特徴をまとめると


●デルバー系


津村 健志「スゥルタイ・デルバー」
BMOレガシー Vol.3

4 《Underground Sea》
3 《Tropical Island》
4 《汚染された三角州》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《不毛の大地》

-土地(19)-

4 《Delver of Secrets // Insectile Aberration》
4 《死儀礼のシャーマン》
4 《タルモゴイフ》
3 《闇の腹心》

-クリーチャー(15)-
4 《思案》
4 《渦まく知識》
3 《呪文貫き》
3 《もみ消し》
2 《見栄え損ない》
4 《目くらまし》
3 《突然の衰微》
3 《Force of Will》

-呪文(26)-
3 《思考囲い》
2 《ゴルガリの魔除け》
1 《ヴェンディリオン三人衆》
1 《根絶》
1 《狼狽の嵐》
1 《墓掘りの檻》
1 《真髄の針》
1 《突然の衰微》
1 《ヴェールのリリアナ》
1 《虐殺》
1 《水没》
1 《Force of Will》

-サイドボード(15)-
hareruya


色に差があれど、基本的な戦略は同じ。《もみ消し》《不毛の大地》などで相手のマナを制限して、軽いクリーチャーを軽いカウンターや除去で補助しながら攻撃するデッキだ。


もみ消し不毛の大地


青が基本色だが、補色で何を使うかの違いがある。


 《僧院の速槍》《稲妻》《若き紅蓮術士》、サイドの《赤霊破》

 《敏捷なマングース》《タルモゴイフ》《死儀礼のシャーマン》《突然の衰微》


このデルバー系の中では、私は津村と同じくBUG推しだ。
1ターン目《僧院の速槍》《敏捷なマングース》よりも、1ターン目《死儀礼のシャーマン》の方が与えるプレッシャーが大きいと考えるからだ。


僧院の速槍敏捷なマングース死儀礼のシャーマン


赤がダメだというわけではない。確かに《稲妻》は強い。1ターン目の《Delver of Secrets // Insectile Aberration》《死儀礼のシャーマン》に対するベストな回答は《稲妻》だ。

そして「青いデッキが強い」レガシーにおいてサイドに《赤霊破》を取れるのも大きなメリットだ。

しかしデルバーデッキ同士が当たった時、結局勝負を決めるのは〈稲妻〉で焼かれない〈タルモゴイフ〉であり、いかに《タルモゴイフ》を守るかといったゲームになりやすい。最もスマートに《タルモゴイフ》を対処できるのは《突然の衰微》だ。


突然の衰微


また《相殺》《師範の占い独楽》で2ターン目に投了しないためにも、《突然の衰微》は是非とも使いたいカードだ。


思考囲いHymn to Tourach


コンボデッキに対してサイドから手札破壊を取れるのも大きい。妨害がカウンターだけよりも、カウンター+手札破壊と言ったように複数ある方がコンボデッキ側もやりづらい。(《防御の光網》なんかは特にそうで、カウンターに強く手札破壊に弱い)



●コンボ系


「オムニテル」

8 《島》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《汚染された三角州》
3 《裏切り者の都》

-土地(19)-

2 《引き裂かれし永劫、エムラクール》

-クリーチャー(2)-
4 《呪文貫き》
4 《ギタクシア派の調査》
4 《思案》
4 《渦まく知識》
2 《定業》
1 《衝動》
4 《実物提示教育》
3 《狡猾な願い》
1 《直観》
4 《Force of Will》
4 《時を越えた探索》
4 《全知》

-呪文(39)-
2 《すべてを護るもの、母聖樹》
2 《防御の光網》
2 《拭い捨て》
1 《エメリアの盾、イオナ》
1 《殺戮の契約》
1 《否定の契約》
1 《有毒の蘇生》
1 《狼狽の嵐》
1 《エラダムリーの呼び声》
1 《精神壊しの罠》
1 《蟻の解き放ち》
1 《火想者の予見》

-サイドボード(15)-
hareruya


青単《全知》型と青赤《騙し討ち》型2種類存在するが、最近は〈全知〉型が主流になりつつある。


全知騙し討ち


基本地形が多いため《不毛の大地》が効きにくく、また《封じ込める僧侶》などの存在も考えると青単の方が増えてきているようだ。



「エルフ」

1 《森》
2 《Bayou》
1 《Tropical Island》
3 《新緑の地下墓地》
2 《霧深い雨林》
2 《樹木茂る山麓》
2 《吹きさらしの荒野》
4 《ガイアの揺籃の地》
2 《ドライアドの東屋》

-土地(19)-

4 《遺産のドルイド》
4 《クウィリーオン・レインジャー》
4 《ワイアウッドの共生虫》
4 《死儀礼のシャーマン》
4 《イラクサの歩哨》
1 《Fyndhorn Elves》
1 《樺の知識のレインジャー》
4 《エルフの幻想家》
1 《再利用の賢者》
1 《威厳の魔力》
1 《孔蹄のビヒモス》

-クリーチャー(29)-
4 《垣間見る自然》
4 《自然の秩序》
4 《緑の太陽の頂点》

-呪文(12)-
4 《陰謀団式療法》
3 《突然の衰微》
2 《狼狽の嵐》
2 《窒息》
1 《漁る軟泥》
1 《黄金牙、タシグル》
1 《白鳥の歌》
1 《森の知恵》

-サイドボード(15)-
hareruya


序盤の1、2ターンで決めてくるようなコンボデッキには弱いが、フェアデッキには五分以上。



●奇跡コントロール


「奇跡コントロール」

5 《島》
1 《平地》
3 《Tundra》
2 《Volcanic Island》
4 《溢れかえる岸辺》
3《沸騰する小湖》
2 《汚染された三角州》
1 《Karakas》
2 《不毛の大地》

-土地(23)-

2 《瞬唱の魔道士》
1 《ヴェンディリオン三人衆》

-クリーチャー(3)-
4 《渦まく知識》
4 《剣を鍬に》
3 《呪文貫き》
2 《対抗呪文》
1 《議会の採決》
4 《Force of Will》
3 《終末》
2 《天使への願い》
4 《相殺》
4 《師範の占い独楽》
3 《精神を刻む者、ジェイス》

-呪文(34)-
hareruya


しばらくこのデッキを調整していたが、イマイチ勝率が上がらなかった。
体感の話になるが、以前よりも《突然の衰微》を撃たれることが多く、またメイン《赤霊破》デッキに当たることも少なくない。

奇跡は他のデッキよりもキープ基準が緩く、「《師範の占い独楽》があればキープ」「十分な土地があればキープ」できる。
しかし相手による噛み合いで負けることが多かった。(《剣を鍬に》2枚でキープしたら相手がコンボデッキなど)

広大なカードプール、様々なデッキ。レガシーという相手が何のデッキかわからない環境で、コントロールデッキを使うのは難しいのではないか。

自分の都合を押し付けるビートダウン、もしくはコンボデッキの方が良いのではないか。そう考えていたところに、1/31に開催された【SCGOpen2位のデッキ】が目に留まった。

相手のデッキがわからないなら、わかるカードを使う(《ギタクシア派の調査》)、もしくはわからない状態でも勝てるデッキ。
手札破壊を撃ちながら1ターンキル。レガシーで最強の動きが出来るデッキ……

そうだ、ANTを使おう!



■ BIGMAGIC OPEN



2/14~2/15、【BIGMAGIC OPEN】に参加。



高橋 優太「ANT」
「BIGMAGIC OPEN」

1 《島》
3 《Underground Sea》
1 《Tropical Island》
1 《Volcanic Island》
3 《溢れかえる岸辺》
3 《霧深い雨林》
3 《沸騰する小湖》

-土地(15)-


-クリーチャー(0)-
4 《ギタクシア派の調査》
4 《思案》
4 《渦まく知識》
4 《暗黒の儀式》
4 《強迫》
3 《陰謀団式療法》
2 《定業》
4 《陰謀団の儀式》
4 《冥府の教示者》
1 《Grim Tutor》
1 《苦悶の触手》
1 《炎の中の過去》
1 《むかつき》
4 《水蓮の花びら》
4 《ライオンの瞳のダイアモンド》

-呪文(45)-
2 《見栄え損ない》
2 《ハーキルの召還術》
2 《紅蓮地獄》
2 《突然の衰微》
2 《巣穴からの総出》
1 《外科的摘出》
1 《古えの遺恨》
1 《防御の光網》
1 《虐殺》
1 《恭しき沈黙》

-サイドボード(15)-
hareruya


一般的なサイドボードとの差異は以下。


《蒸気の連鎖》不採用


蒸気の連鎖


サイドにバウンスや除去を入れるときは、そのカードがどういう状況に対してサイドインされるのか考えるべきだ。このカードが戻したいものは何か?

《スレイベンの守護者、サリア》《ガドック・ティーグ》等のヘイトベア→戻すよりも除去する方が良いため、《見栄え損ない》《紅蓮地獄》を優先。この2種はエルフにも効果的だ。

《虚空の杯》《抵抗の宝球》→そもそもX=1の《虚空の杯》を対処できない。


《闇の腹心》不採用


闇の腹心


対中速デッキへのサイドボードとしてよく見かけるが、このカードが機能するまでには最低2ターンかかる。2枚めくらないと払った2マナに対する対価を得ていないし、1マナドローよりも弱い。

デルバー系統はライフを詰めてくるためサイドインできないし、コンボ対決では2ターンかかるのが遅すぎる。対奇跡は非常に強いが、逆に言うと奇跡以外に役に立たないので解雇。


《巣穴からの総出》2枚


巣穴からの総出


サイド後のANTは《神聖の力線》《翻弄する魔道士》《エーテル宣誓会の法学者》などさまざまな対策をされる。
特に出されることが多いのが《墓掘りの檻》《安らかなる眠り》などの墓地対策で、《炎の中の過去》ルートは潰されやすい。

《巣穴からの総出》は対策に対する対策の意味合いが大きい。墓地対策や《神聖の力線》を気にせず勝つことが出来るからだ。教示者でサーチするよりも素引きした方が強かったので、増量して2枚。

デルバー系にも、カウンターを複数構えている相手にオールインしやすいカードだ。(しかし《もみ消し》には弱い)



●2/14 「StarCityGames.com Invitational Challenge」


ラウンド 対戦デッキ  勝敗
Round 1エルフ
カバレージは【こちら】
×〇〇
Round 2MUD×〇〇
Round 3デスタク〇〇
Round 4RUGデルバー〇〇
Round 5黒マーベリック〇〇
Round 6ベルチャー〇〇
Round 7オムニテルID


ラウンド 対戦デッキ  勝敗
準々決勝オムニテル〇×〇
準決勝ベルチャー〇×〇
決勝マーベリック
カバレージは【こちら】
〇〇


優勝!


StarCityGamesのInvitational参加権とトラベル補助をゲット!

【MUD】相手に1ターン目に《抵抗の宝球》、2ターン目に《三なる宝球》と置かれたものの、サイドに《ハーキルの召還術》取っていたおかげで勝利。入れてて良かったハーキル!


ハーキルの召還術


他にも相手が《ゴブリンの放火砲》起動したら2枚目で《Taiga》がめくれたり、先手トリプルマリガンでオムニテルに勝ったり、そもそも《Force of Will》撃つ相手にあまり当たらなかったりと、一日を通して運が良かった。



●2/15 「BIGMAGIC OPEN LEGACY」


サイドの《外科的摘出》《ハーキルの召還術》3枚目にして参加。


ラウンド 対戦デッキ  勝敗
Round 1オムニテル〇〇
Round 2パトリオット〇×〇
Round 3エルフ〇〇
Round 4UBRデルバー××
Round 5パトリオット〇〇
Round 6デスブレード〇×〇
Round 7RUGデルバー
ビデオカバレージは【こちら】
〇×〇
Round 8オムニテル
カバレージは【こちら】
××
Round 9UBRデルバー〇〇


7勝2敗で9位。

オムニテルに対して、もっと効果的なサイドカードが欲しいところ。
通れば勝つようなカード…《迫害》?



迫害



次回は簡単なようで難しい、選択を間違えやすいカード「手札破壊」をテーマにする予定だ。

ではまた。


高橋優太