By Atsushi Ito
昨年の【PWCC2014】は、【チーム豚小屋】が躍進する大きなきっかけとなった。リーダーの河浜(貴和)や瀧村(和幸)がプロツアーに出場したのをはじめ、メンバーたちは大小問わず多くの大会で好成績を残してきた。
だがそんな【チーム豚小屋】の中で、いまだに燻っている炎があった。
光安 祐樹(東京)は、瀧村がデビューを果たした【WMCQ2013東京】でトップ4にまで残り、その後も【PPTQ『マジック・オリジン』in 高田馬場】などの様々なイベントでトップ8にまで残るものの、これまで今一歩のところで勝ちきれていなかった。
しかし光安ほどの実力があれば、大会に参加し続けてさえいればチャンスはいつか訪れる。
【チーム豚小屋】の活躍の流れにこそ乗り遅れてしまったが、この2015年こそ、光安がブレイクする年になるかもしれない。そしてそれは、【チーム豚小屋】と因縁深いこのPWCCで早くも成されるかもしれないのだ。
そんな光安のデッキはジェスカイミッドレンジ。対して宮下はアブザンコントロールを使用している。
Game 1
「占術」なしの土地2枚という手札をキープした宮下だったが、ドローが《精霊龍、ウギン》《クルフィックスの狩猟者》で、3枚目の土地が置けない。《魂火の大導師》こそ《胆汁病》するものの、続く《ゴブリンの熟練扇動者》にはトークンの生成を許してしまう。
さらに1ターン遅れて《胆汁病》を引き込むものの、ということは3枚目の土地はまだ引いていないということ。しかも光安に《カマキリの乗り手》を追加されると、一方的に殴られる展開。
そして、続くドローは《英雄の破滅》。
《魂火の大導師》を追加され、《乱撃斬》《稲妻の一撃》であっという間に宮下のライフは削りきられてしまった。
光安 1-0 宮下
Game 2
今度は十分な土地がある手札をキープした宮下。2ターン目の《思考囲い》でマリガンの光安を攻め立てる。
《魂火の大導師》
《前哨地の包囲》
《嵐の息吹のドラゴン》
《時を越えた探索》
《天啓の神殿》
《溢れかえる岸辺》
から継続的なアドバンテージソースとなる《前哨地の包囲》を抜くと、《魂火の大導師》は《胆汁病》し、《包囲サイ》で強烈なクロックを形成する。
宮下 尚之 |
光安も《静翼のグリフ》でクロックを作ろうとするのだが、宮下は《骨読み》で引き込んだ《クルフィックスの狩猟者》《悲哀まみれ》セットをお見舞いし、さらに公開されたライブラリトップは《真面目な訪問者、ソリン》!
一応《時を越えた探索》をプレイする光安だったが、7枚を見るやいなや投了を宣言した。
光安 1-1 宮下
Game 3
《魂火の大導師》の返しで宮下の《思考囲い》が飛ぶが、公開されたのは、
《ゴブリンの熟練扇動者》
《静翼のグリフ》
《ジェスカイの魔除け》
《かき立てる炎》
《溢れかえる岸辺》
という強力な手札。《ゴブリンの熟練扇動者》を抜くものの、光安の動きに支障は全くなさそうだ。
光安 祐樹 |
宮下もエンド前に《ジェスカイの魔除け》が飛んだところで《胆汁病》を《魂火の大導師》に撃ち込んでこれ以上のライフ損失を避けようとするのだが、光安に《カマキリの乗り手》を引き込まれると、これが全く止まらない。
《包囲サイ》でライフを引き戻し、《クルフィックスの狩猟者》と《胆汁病》の2アクションでようやく《カマキリの乗り手》を打ち落とすものの、既に宮下の残りライフは8点。
エンド前に《静翼のグリフ》が降臨し、2点与えてターンエンド。しかも手札には《かき立てる炎》が見えている。一応《クルフィックスの狩猟者》で1点ゲインしてはみるが……
光安の手札から2枚目の《かき立てる炎》が公開されると、宮下はカードを畳んだ。
光安 2-1 宮下