USA Standard Express vol.41 -SCGO Los Angeles etc.-

Kenta Hiroki



皆さんこんにちは!

早いもので、新セット『タルキール龍紀伝』が今月末にリリースされます。スポイラーも公開されはじめており、新セットがスタンダードにどのような変化をもたらすのか今から楽しみです。

さて、今回の記事ではSCGO(StarCityGames.com Open) Los AngelesGP Memphis 2015SCG Premier IQ Baltimoreの結果を見ていきたいと思います。


SCGO Los Angeles ~環境のトップメタのRW Aggroが優勝~

2015年2月22日

Chad White

1位 RW Aggro/赤白ビートダウン
2位 Naya Midrange/白赤緑プレインズウォーカー
3位 Abzan Control/白黒緑コントロール
4位 GR Devotion/緑信心
5位 RW Aggro/赤白ビートダウン
6位 UW Heroic/白青英雄
7位 Mono Red Aggro/赤単
8位 Jeskai Heroic/白青英雄

現環境のトップtierデッキの一つであるRW Aggroの優勝で幕を閉じたSCG Premier IQ Los Angeles。同じく人気のあるAbzanや、前回猛威を振るったGR Devotionも見られます。コントロールは少なく、アグロやミッドレンジが多く結果を残しています。



SCGO Los Angeles デッキ解説

「Naya Midrange」



David Moline「Naya Midrange」
SCGO Los Angeles (2位)

4 《森》
2 《山》
2 《平地》
4 《樹木茂る山麓》
3 《吹きさらしの荒野》
4 《奔放の神殿》
3 《豊潤の神殿》
2 《マナの合流点》

-土地(24)-

4 《エルフの神秘家》
4 《森の女人像》
4 《クルフィックスの狩猟者》
4 《ゴブリンの熟練扇動者》
2 《世界を喰らう者、ポルクラノス》
2 《鍛冶の神、パーフォロス》
2 《大いなる狩りの巫師》
4 《囁きの森の精霊》
1 《高木の巨人》

-クリーチャー(27)-
2 《対立の終結》
1 《巫師の天啓》
2 《見えざるものの熟達》
2 《歓楽者ゼナゴス》
2 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(9)-
3 《異端の輝き》
3 《弧状の稲妻》
2 《高木の巨人》
2 《破壊的な享楽》
2 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》
1 《再利用の賢者》
1 《大いなる狩りの巫師》
1 《歓楽者ゼナゴス》

-サイドボード(15)-
hareruya


今大会入賞デッキの中で最も印象に残ったNayaカラーのミッドレンジデッキ。マナ加速から 《ゴブリンの熟練扇動者》《世界を喰らう者、ポルクラノス》を展開していくRG Monstersのような動きを見せつつ、《対立の終結》で場を平らにして《太陽の勇者、エルズペス》《歓楽者ゼナゴス》などPWでアドバンテージを稼ぐコントロール的な要素も持ち合わせています。

《鍛冶の神、パーフォロス》《ゴブリンの熟練扇動者》《太陽の勇者、エルズペス》《歓楽者ゼナゴス》といったトークンを生み出すカードや、「予示」する能力を持つ《囁きの森の精霊》《見えざるものの熟達》との相性が良好で、本体火力とクリーチャー強化の起動型能力はこのデッキの方向性にフィットしています。

4マナを支払うごとに「予示」する起動型能力を持つ《見えざるものの熟達》は2マナと軽いためカウンターをかいくぐりやすい上、「予示」クリーチャーは無色なので《精霊龍、ウギン》の「-X」能力も効かず、コントロールに強いカードとして最近注目を集め始めています。

対立の終結歓楽者ゼナゴス見えざるものの熟達





GP Memphis 2015 トップ8

~Abzan Controlの隆盛、Sultai Controlが優勝~


2015年2月23日

Jack Fogle

1位 Sultai Control/青黒緑コントロール
2位 Abzan Control/白黒緑ビートダウン
3位 Abzan Control/白黒緑ビートダウン
4位 Abzan Control/白黒緑ビートダウン
5位 RW Aggro/赤白ビートダウン
6位 Abzan Control/白黒緑ビートダウン
7位 Abzan Control/白黒緑ビートダウン
8位 RW Aggro/赤白ビートダウン

トップ8入賞者の半分が《羊毛鬣のライオン》をサイドに忍ばせたAbzan Controlで、Brad NelsonやSteve Rubinといった強豪プレイヤーが使用していたこともあり注目を集めました。
優勝こそ逃したものの、殿堂プレイヤーのBen StarkもトップTierデッキの一つであるRW Aggroで準優勝を果たしているなど、タレント揃いのプレイオフだったように思います。

優勝はSCGの多くのイベントで結果を残しているJack Fogleの操る、PWを多数搭載したSultaiカラーのコントロールデッキでした。



GP Memphis 2015 デッキ解説

「Sultai Control」「RW Aggro」「Abzan Control」



Jack Fogle「Sultai Control」
GP Memphis (1位)

3 《沼》
2 《島》
4 《汚染された三角州》
4 《華やかな宮殿》
4 《疾病の神殿》
2 《欺瞞の神殿》
1 《神秘の神殿》
2 《ラノワールの荒原》
2 《ヤヴィマヤの沿岸》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(25)-

4 《サテュロスの道探し》

-クリーチャー(4)-
3 《思考囲い》
4 《胆汁病》
2 《軽蔑的な一撃》
4 《英雄の破滅》
3 《スゥルタイの魔除け》
2 《命運の核心》
1 《残忍な切断》
4 《時を越えた探索》
1 《宝船の巡航》
2 《悪夢の織り手、アショク》
2 《荒ぶる波濤、キオーラ》
1 《頂点捕食者、ガラク》
2 《精霊龍、ウギン》

-呪文(31)-
3 《ラクシャーサの死与え》
2 《黄金牙、タシグル》
2 《軽蔑的な一撃》
2 《否認》
2 《ファリカの療法》
2 《悲哀まみれ》
1 《信者の沈黙》
1 《リリアナ・ヴェス》

-サイドボード(15)-
hareruya


PWを多数搭載したSultaiカラーのコントロール。Abzan Controlと同様にサイドからクリーチャーを追加する戦略を取っており、《黄金牙、タシグル》《ラクシャーサの死与え》が採用されています。
《黄金牙、タシグル》《サテュロスの道探し》を使うこのデッキでは「探査」しやすく、安定して1マナでキャストできそうです。

このデッキに限らず《黄金牙、タシグル》は除去やハンデスを多数搭載したデッキにフィットしたクリーチャーで、AbzanやUB Controlなど多くのデッキに採用されています。
《ラクシャーサの死与え》は長期戦になりやすいコントロールとのマッチアップで2マナと軽いためカウンターをかいくぐりやすく、除去耐性もあり、パンプアップ能力は速やかに勝負を決めることを可能にします。

特にメインがほぼノンクリーチャーなだけにサイド後は相手もPWに触れる《英雄の破滅》など一部の除去を残してサイドアウトしていることが多く、カウンターもあるのでクロックの維持も容易です。
今大会でトップ8に5名の入賞者を輩出したAbzan Controlはクロックも遅いため、長期戦においてカードアドバンテージを稼ぐ手段に長けたこのデッキにとって有利なマッチアップになりそうです。

黄金牙、タシグルサテュロスの道探し悪夢の織り手、アショク






Ben Stark「RW Aggro」
GP Memphis (2位)

9 《山》
4 《平地》
4 《凱旋の神殿》
4 《戦場の鍛冶場》
3 《進化する未開地》

-土地(24)-

4 《道の探求者》
4 《魂火の大導師》
4 《ゴブリンの熟練扇動者》

-クリーチャー(12)-
4 《乱撃斬》
3 《稲妻の一撃》
1 《勇敢な姿勢》
4 《軍族童の突発》
4 《かき立てる炎》
4 《岩への繋ぎ止め》
4 《前哨地の包囲》

-呪文(24)-
3 《嵐の息吹のドラゴン》
3 《消去》
3 《見えざるものの熟達》
2 《勇敢な姿勢》
2 《弧状の稲妻》
2 《龍語りのサルカン》

-サイドボード(15)-
hareruya


殿堂プレイヤーのBen Starkは他のRW Aggroと比べると特徴のあるリストで準優勝を果たしました。
まず目にするのはクリーチャーの選択です。《魂火の大導師》は追加の《道の探求者》として1枚挿しにされていることが多いですが、Ben Starkは4枚採用しています。
他のリストでは2枚ほど取られていることの多い《前哨地の包囲》もフル採用で、「カン」のモードはカードアドバンテージを供給してくれるため、スペルをバイバックすることを可能にする《魂火の大導師》と共に長期戦に強くします。

メインに採用されていることが多い《嵐の息吹のドラゴン》がサイドに移されているのも印象的です。メインは《魂火の大導師》《前哨地の包囲》でアドバンテージを稼いでいくコントロール寄りの戦略で、サイド後は《嵐の息吹のドラゴン》も投入され本来のRW Aggroに近い構成となるようです。
《見えざるものの熟達》はこのデッキでも採用されており、あまり相性のよくないUB Controlに対してもサイド後は4枚採用された《前哨地の包囲》と合わせて互角以上のゲームができそうです。

魂火の大導師前哨地の包囲嵐の息吹のドラゴン






Brad Nelson「Abzan Control」
GP Memphis (3位)

2 《森》
2 《平地》
4 《吹きさらしの荒野》
4 《砂草原の城塞》
4 《疾病の神殿》
4 《静寂の神殿》
3 《ラノワールの荒原》
2 《コイロスの洞窟》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(26)-

4 《クルフィックスの狩猟者》
4 《包囲サイ》
2 《黄金牙、タシグル》

-クリーチャー(10)-
4 《思考囲い》
3 《胆汁病》
4 《英雄の破滅》
4 《アブザンの魔除け》
2 《骨読み》
1 《完全なる終わり》
2 《対立の終結》
1 《残忍な切断》
3 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(24)-
4 《羊毛鬣のライオン》
3 《異端の輝き》
3 《悲哀まみれ》
2 《真面目な訪問者、ソリン》
1 《消去》
1 《骨読み》
1 《対立の終結》

-サイドボード(15)-
hareruya





Steve Rubin「Abzan Control」
GP Memphis (4位)

2 《平地》
2 《森》
4 《吹きさらしの荒野》
4 《砂草原の城塞》
4 《疾病の神殿》
4 《静寂の神殿》
3 《コイロスの洞窟》
2 《ラノワールの荒原》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(26)-

4 《包囲サイ》
4 《クルフィックスの狩猟者》
1 《黄金牙、タシグル》

-クリーチャー(9)-
4 《思考囲い》
3 《胆汁病》
4 《アブザンの魔除け》
3 《英雄の破滅》
2 《骨読み》
2 《完全なる終わり》
1 《残忍な切断》
1 《対立の終結》
1 《リリアナ・ヴェス》
3 《太陽の勇者、エルズペス》
1 《精霊龍、ウギン》

-呪文(25)-
4 《羊毛鬣のライオン》
3 《悲哀まみれ》
2 《異端の輝き》
1 《見えざるものの熟達》
1 《胆汁病》
1 《骨読み》
1 《真面目な訪問者、ソリン》
1 《残忍な切断》
1 《宿命的報復》

-サイドボード(15)-
hareruya


メイン、サイド共に数種類のカードの選択の違いは見られますが、ほぼ同様のリストのAbzan Controlが今大会のトップ8の半分を占めるなど優勝こそ逃したものの今大会では間違いなく勝ち組的な存在でした。
同デッキの制作者で自身もGPやSCGOで結果を残している強豪プレイヤーのSteve Rubinの新作で、同デッキで入賞したAlex Majlaton、Chris Fennell、Brad Nelsonも彼からシェアされていたようです。

今回入賞を果たしたAbzan Controlはサイドに《羊毛鬣のライオン》が4枚採られているのが特徴で、サイド後はアグレッシブな戦略にシフトするようです。
メインがよりコントロール寄りになりクリーチャーが少なくなったため、相手も特に《胆汁病》《稲妻の一撃》といった除去を残してくることが少なく、奇襲性の高さも手伝い有効な戦略だったようです。特にUB Controlに対して序盤から軽いクリーチャーでプレッシャーをかけることができ、今までよりもかなり有利になりました。

羊毛鬣のライオン



RW Aggroに対しても、特に《前哨地の包囲》がフル搭載されているBen Stark型のリストに対しては長期戦を挑むと不利がつくため、軽いクロックになる《羊毛鬣のライオン》で攻めに回ることも必要になってきます。
相手がサイドインしてきた《異端の輝き》を3/3に使わせることができれば中盤以降に展開される《包囲サイ》《太陽の勇者、エルズペス》などが生き残る可能性も上がります。

先ほどもお話したように、相手もこのデッキに対しては《胆汁病》《稲妻の一撃》のような限定的な除去は残したくないので、リストが知れ渡った現在でも十分に通用する戦略です。
同様にサイドに採られている《真面目な訪問者、ソリン》も、《羊毛鬣のライオン》が入りアグロにシフトするサイド後に追加の脅威として活躍します。

包囲サイ太陽の勇者、エルズペス真面目な訪問者、ソリン



Brad NelsonのリストはメインのPWは《太陽の勇者、エルズペス》のみでメインから《対立の終結》が2枚、《英雄の破滅》も4枚と除去も多めです。Steve Rubin のリストは《精霊龍、ウギン》《リリアナ・ヴェス》などがメインから見られます。

追加のスイーパーとしてサイドにPWも流せる《宿命的報復》《対立の終結》よりも優先して採用されていることからも、RW Aggroよりも同系とのマッチアップを意識していたことが分かります。また、多くのデッキで見かけるようになった《見えざるものの熟達》も一枚だけ採用されています。

英雄の破滅精霊龍、ウギンリリアナ・ヴェス





SCG Premier IQ Baltimore トップ8 ~RW Aggroが2週連続で優勝~

2015年2月28日

Andrew Skorik

1位 RW Aggro/赤白ビートダウン
2位 Jeskai Aggro/白青赤ビートダウン
3位 UW Heroic/白青英雄
4位 Abzan Whip/白黒緑ビートダウン
5位 UB Control/青黒コントロール
6位 Abzan Aggro/白黒緑ビートダウン
7位 Abzan Aggro/白黒緑ビートダウン
8位 UB Control/青黒コントロール

SCGO Los Angelesを制し、GP Memphisでも準優勝という好成績を出し続けているRW Aggroは今大会でも優勝と揺るがない強さを見せつけています。

GP Memphisのトップ8の半分以上を占めたAbzan Controlや優勝を収めていたSultai Controlは見られず、同じAbzanでもAbzan AggroやAbzan Whipといった異なるバリエーションが見られます。



SCG Premier IQ Baltimore デッキ解説

「Abzan Aggro」「UB Control」



Andrew Boswell「Abzan Aggro」
SCG Premier IQ Baltimore (7位)

3 《森》
2 《平地》
1 《沼》
4 《吹きさらしの荒野》
4 《砂草原の城塞》
1 《疾病の神殿》
1 《静寂の神殿》
4 《マナの合流点》
2 《コイロスの洞窟》
1 《ラノワールの荒原》
2 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(25)-

4 《始まりの木の管理人》
4 《羊毛鬣のライオン》
4 《ラクシャーサの死与え》
4 《先頭に立つもの、アナフェンザ》
3 《加護のサテュロス》
3 《オレスコスの王、ブリマーズ》
4 《包囲サイ》

-クリーチャー(26)-
3 《勇敢な姿勢》
4 《英雄の破滅》
2 《アブザンの魔除け》

-呪文(9)-
4 《思考囲い》
3 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》
2 《異端の輝き》
2 《真面目な訪問者、ソリン》
1 《消去》

-サイドボード(12)-
hareruya


Andrew Boswellは今年1月に開催されたSCGO Washington DCでも独創的なAbzan Aggroで入賞していました。

他のリストが《クルフィックスの狩猟者》やPWなどを採用しミッドレンジ寄りな構成へシフトする中、彼のリストは1マナのクリーチャーの《始まりの木の管理人》がフル搭載されており、3マナのクリーチャー枠も《加護のサテュロス》が取られるなどアグロデッキらしく仕上がっています。

土地もタップインランドが減らされ《マナの合流点》がフル搭載されているなど、クリーチャーをテンポ良く展開するための工夫が施されています。除去の種類もクロックを除去から守ることもできる《勇敢な姿勢》が他のリストと比べて多めに採用されています。

SCGO Washington DCで入賞していたリストから《万神殿の兵士》《胆汁病》が解雇され、攻守に渡って優れる3マナクリーチャーの《オレスコスの王、ブリマーズ》と、PWや《嵐の息吹のドラゴン》などに触れる《英雄の破滅》に差し替えられるなど少し重めに調整されていますが、その分カードパワーは高めです。

サイド後は相手も除去を追加してくることを想定してPWも見られます。特に土地からのダメージが痛いこのデッキにとって《真面目な訪問者、ソリン》の「+1」能力は重要で、クリーチャーが多めのこのデッキでは他のAbzanより強く運用できそうです。

始まりの木の管理人加護のサテュロスオレスコスの王、ブリマーズ






Garrick Mathis「UB Control」
SCG Premier IQ Baltimore (8位)

5 《島》
5 《沼》
4 《汚染された三角州》
1 《溢れかえる岸辺》
1 《血染めのぬかるみ》
4 《陰鬱な僻地》
4 《欺瞞の神殿》
3 《光輝の泉》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(28)-

1 《漂う死、シルムガル》

-クリーチャー(1)-
4 《胆汁病》
4 《軽蔑的な一撃》
4 《解消》
4 《英雄の破滅》
1 《信者の沈黙》
3 《ジェイスの創意》
2 《命運の核心》
4 《時を越えた探索》
1 《危険な櫃》
2 《悪夢の織り手、アショク》
2 《精霊龍、ウギン》

-呪文(31)-
4 《思考囲い》
3 《悲哀まみれ》
2 《黄金牙、タシグル》
2 《否認》
2 《ファリカの療法》
1 《圧倒的な波》
1 《危険な櫃》

-サイドボード(15)-
hareruya


AbzanやRW Aggroなど非青デッキが現在のスタンダードでは目立ちますが、GP SevilleとGP Denverの2つのスタンダードのGPを制しているUB Control。GP Memphisではトップ8には残らなかったものの今大会ではトップ8に二人送り込んでいます。
メインに4枚採用されている《軽蔑的な一撃》はAbzanやGreen Devotion、Sultai Controlの脅威の多くが4マナ以上のスペルに集中しており、RW Aggroも最近《前哨地の包囲》を増量してきているので現環境では信頼度の高い打消し呪文です。
序盤に展開されるクリーチャー除去兼ライフ獲得手段になる《ファリカの療法》はこのデッキが苦手とする赤単など速いアグロデッキ対策になります。

メインがほぼノンクリーチャーなので相手もクリーチャー除去をサイドアウトしているのと、UB側も《否認》などカウンターも追加されているので《黄金牙、タシグル》は追加のカードアドバンテージ獲得手段兼フィニッシャーとしてサイド後のゲームにおいて活躍が期待できそうです。

軽蔑的な一撃ファリカの療法黄金牙、タシグル





総括

RW Aggroは今回紹介した全ての大会で決勝戦まで勝ち残るという驚異的なパフォーマンスを見せました。
GP Memphisでトップ8の半分を占めた《羊毛鬣のライオン》入りのAbzan Controlはデッキの強さもありますが同デッキで入賞した4人のプレイヤー(Brad Nelson、Alex Majlation、Chris Fennell、Steve Rubin)は全員過去のGP級の大会で結果を残していたことから、使用者のスキルによるところも大きかったようです。

さて、今週末にはいよいよGP Miamiが開催されます。SCG開催のスタンダードのGPで去年のレガシーで競われたGP New Jerseyは参加者4000人以上を出していたことからも大きな盛り上がりが期待できそうです。

以上SCGO Los Angeles、GP Memphis 2015、SCG Premier IQ Baltimoreでした。
次回の記事ではGP Miamiの結果を中心に見ていきたいと思います。

それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!



※編注:記事内の画像は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『StarCityGames.com』
http://www.starcitygames.com/index.php
『MAGIC: THE GATHERING』
http://magic.wizards.com/en/magic-gathering