By Atsushi Ito
レガシーという多種多様なデッキが当たり前のように存在する環境にあっても、圧倒的な個性というものは埋没せずに光り輝く。
この「第3期レガシー神挑戦者決定戦」でここまで5-0-1という好成績を残しているのは、古参レガシー勢の神長 孝佳(埼玉)だ。
デッキは神長自身が長い時間をかけて練り上げた「茶単ポスト」。いつ見ても手札と盤面が禍々しいこのデッキだが、その秘密が今ヴェールを脱ぐ。
--「レガシーの『ポスト』というと緑が入っている形が普通だと思うんですが、このデッキは茶単なんですね」
神長 「そうですね。《輪作》やら《実物提示教育》やらが入っている形がメジャーですが、好きなアーティファクトを使いたいので茶単にしています」
--「ヴィンテージの『MUD』とも近い雰囲気だと思うのですが」
神長 「いえ、《虚空の杯》や《三なる宝球》が入っていないので『MUD』ではないですね。サイドボード後はコンボに勝つために《抵抗の宝球》を入れるので『MUD』に近い動きになりますが、このデッキはあくまで《真髄の針》で《不毛の大地》を頑張って止めながら《雲上の座》をセットする別のデッキです」
--「《真髄の針》が4枚も入っているのは決意の表れですよね。ですが、《不毛の大地》が入っていないデッキ相手に腐らないんでしょうか?」
神長 「そうでもないですよ。《死儀礼のシャーマン》や《ヴェールのリリアナ》《精神を刻む者、ジェイス》など、止めたいものはいくらでもあります。青赤デルバー相手だけは、仕方がないのでフェッチを指定しますけどね」
--「土地が30枚入っているというのも特徴的ですよね。見かけるといつも手札が土地ばかりという」
神長 「まあ実際はマナが出る土地は24枚しかなくて、スペルみたいな土地が大量に入っているだけなんですけどね」
--「でもそのおかげで《探検の地図》が八面六臂の活躍ができる、と」
神長 「そうですね。前半は《雲上の座》をサーチしてマナベースを整えつつ、後半は1枚差しのスペル的機能を持った土地をサーチして盤面を支えることができます」
--「このデッキでしか使っていないアーティファクトも多いですよね。《ニンの杖》って最初見たときは『おぉー』と思いましたが、今だと《強制の門》とかじゃダメなんでしょうか?」
神長 「盤面に触れるか触れないかがかなり重要なんですよね。レガシーでの1点除去は皆さんが思っているよりはるかに多くのクリーチャーを除去することができます。変身する前の《秘密を掘り下げる者》、《若き紅蓮術士》、《闇の腹心》《ヴェンディリオン三人衆》、またデス&タックスのクリーチャーなどもかなり除去することができますし、それにダメージで忠誠値を削ってプレインズウォーカーを牽制できるのも見逃せません」
Staff of Nin | Coercive Portal |
--「このデッキ、メタ上のデッキに対してはどうなんでしょうか?」
神長 「メインは妨害手段が少ないので、コンボデッキは厳しいですね。反面、『ミラクル』には圧勝できます。デルバー系のフェアデッキに対しても、《不毛の大地》さえ止まれば有利に立ち回れますね。ただ基本的にはマゾなので他人にはオススメしません。何気に《突然の衰微》が刺さったりしますし、《発展の代価》でも撃たれようものなら憤死します」
--「あと地味に値段が高いカードが多いですよね」
神長 「《Candelabra of Tawnos》とか《Diamond Valley》とか、ほとんどこのデッキでしか使わないカードがたくさん入ってますしね。繰り返しますが当たり運が良くないと勝てないので、アーティファクトが大好きでない限り、まだしも普通の青緑ポストを使った方がいいと思います」
--「ありがとうございました」
2 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 1 《Karakas》 1 《ボジューカの沼》 4 《雲上の座》 4 《微光地》 4 《ヴェズーヴァ》 3 《古えの墳墓》 2 《演劇の舞台》 1 《魂の洞窟》 1 《黄塵地帯》 1 《埋没した廃墟》 3 《Maze of Ith》 1 《Diamond Valley》 1 《The Tabernacle at Pendrell Vale》 1 《ウギンの目》 -土地(30)- 2 《ワームとぐろエンジン》 1 《隔離するタイタン》 1 《真実の解体者、コジレック》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(5)- |
2 《全ては塵》 4 《探検の地図》 4 《真髄の針》 2 《Candelabra of Tawnos》 3 《厳かなモノリス》 2 《精神石》 1 《世界のるつぼ》 1 《交易所》 3 《ニンの杖》 1 《精神隷属器》 2 《精霊龍、ウギン》 -呪文(25)- |
4 《虚空の力線》 3 《抵抗の宝球》 2 《磁石のゴーレム》 2 《防御の光網》 2 《呪われたトーテム像》 1 《ワームとぐろエンジン》 1 《イシュ・サーの背骨》 -サイドボード(15)- |