津村健志のプロツアー『タルキール龍紀伝』レポート

津村 健志



こんにちは!

先週末に【プロツアー『タルキール龍紀伝』】に参加してきたので、そのレポートをお届けします。

まずはいつも通り調整記からご覧ください。



■ ドラフト



ドラフトは例によって【菊名合宿】でみっちりと。

いつも勝率は良くありませんが、今回はいつにも増して負けまくってしまい、プロツアーに向けて不安は募るばかりでした……。

今回は調整に使える時間がいつもより限られていたので、構築に時間を使えば使うほどドラフトに割く時間がなくなってしまい、結局Magic Onlineも含めて15回しかできずじまいでした。

やはり6回戦しかないドラフトよりも、10回戦ある構築に力を入れたい!ということで、ドラフトはそこそこに構築をメインに調整しました。



■ スタンダード



構築は個人的な趣味もあって、「アブザン・コントロール」を中心に。僕は青いデッキが好きですが、前環境の勝率から、革新的なリストができない限り青いデッキは使わないと決めていました。

そんなこんなで、最初に持ち込んだ「アブザン・コントロール」のリストはこんな感じでした。



テストデッキ「アブザン・コントロール」

2 《森》
2 《平地》
1 《沼》
4 《吹きさらしの荒野》
4 《砂草原の城塞》
4 《疾病の神殿》
4 《静寂の神殿》
4 《ラノワールの荒原》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(26)-

4 《クルフィックスの狩猟者》
4 《包囲サイ》
2 《黄金牙、タシグル》
1 《龍王ドロモカ》

-クリーチャー(11)-
4 《思考囲い》
1 《強迫》
4 《胆汁病》
2 《究極の価格》
4 《アブザンの魔除け》
4 《英雄の破滅》
2 《骨読み》
2 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(23)-
2 《強迫》
2 《自傷疵》
1 《異端の輝き》
3 《悲哀まみれ》
1 《悪性の疫病》
1 《骨読み》
2 《完全なる終わり》
1 《真面目な訪問者、ソリン》
1 《英雄の導師、アジャニ》
1 《精霊龍、ウギン》

-サイドボード(15)-
hareruya



『タルキール龍紀伝』加入前までは、ずっとメインボードに《羊毛鬣のライオン》が入ったリストを使っていましたが、《羊毛鬣のライオン》はあまり好きではなかったので、とりあえずはといった形で抜いてみました。

《羊毛鬣のライオン》を抜くとコントロールデッキに対して弱くなってしまいますが、新加入の《強迫》さえあれば問題なく勝てるだろうと判断したことも、《羊毛鬣のライオン》の不採用を後押ししました。


羊毛鬣のライオン強迫


今回は、従来のドラフトの【菊名合宿】に加え、構築だけの『菊名合宿』も行いました。みんなでリーグ戦を繰り返すことで、デッキの良し悪しを明確にしようという目論みです。各々が自慢のデッキを持ちより、本番さながらのリーグ戦を繰り返します。

このリストで参加したリーグ戦は、3勝2敗×2とぼちぼちの結果に。参加者は強豪揃いですし、洗練されたデッキとの対戦ばかりだったので、3勝2敗でもそれなりに手応えを感じていました。

ただし、ここで問題だったのは、対戦相手の事故が多かったことと、青いデッキを誰も使っていなかったことです。

お互いが平均的な引きをしたときに、しっかりと勝ちきるデッキパワーがあるかどうか、青いデッキに勝ちきれるかどうかは疑問が残りました。

そこで合宿は終了してしまったので、各自で最終調整に移ります。

そんな中で【「マジック:ザ・ギャザリング」、プロツアー『タルキール龍紀伝』直前生放送!!】に参加させていただく機会があったのですが、放送前に『ニブンノゴ!』の森本さんの「スゥルタイ・コントロール」と数試合やってみると、予想していたよりも遥かに勝率が悪いことが発覚しました。

サイドボード後に相性は改善されるものの、メインボード戦があまりにも不利すぎたため、このままではいけないと《羊毛鬣のライオン》を再びメインボードに戻すことにしました。

また、クリーチャーの増加に伴い、環境屈指のパワーカードである《ドロモカの命令》も採用決定。


ドロモカの命令


ここから急ピッチでMagic Onlineで調整を繰り返し、完成したのがこちらのリストです。



津村 健志「アブザン・コントロール」
プロツアー『タルキール龍紀伝』

2 《森》
2 《平地》
4 《吹きさらしの荒野》
4 《砂草原の城塞》
4 《疾病の神殿》
4 《静寂の神殿》
3 《ラノワールの荒原》
2 《コイロスの洞窟》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(26)-

4 《羊毛鬣のライオン》
4 《クルフィックスの狩猟者》
4 《包囲サイ》
2 《黄金牙、タシグル》

-クリーチャー(14)-
4 《思考囲い》
2 《胆汁病》
1 《ドロモカの命令》
1 《究極の価格》
4 《アブザンの魔除け》
4 《英雄の破滅》
1 《真面目な訪問者、ソリン》
3 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(20)-
4 《悲哀まみれ》
3 《強迫》
2 《骨読み》
2 《対立の終結》
1 《ドロモカの命令》
1 《真面目な訪問者、ソリン》
1 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》
1 《精霊龍、ウギン》

-サイドボード(15)-
hareruya



《ドロモカの命令》は、クリーチャーの枚数的に序盤に打てることは少ないですが、こちらがクリーチャーをコントロールしておらずとも、対戦相手の《クルフィックスの狩猟者》を除去できたり、中盤から終盤にかけて非常に頼りになる1枚ということで、デッキパワーの底上げに大きく貢献してくれました。

特に「赤緑ドラゴン」系のデッキの《焙り焼き》《火口の爪》を無効化できる点は優秀です。キャストに黒マナを必要としないため、4~5ターン目に2回行動しやすい点も嬉しいですね。


クルフィックスの狩猟者焙り焼き火口の爪


また、《ドロモカの命令》を採用したおかげで、「エンチャント」対策の意味合いが強かった《完全なる終わり》をデッキから抜くことができました。《完全なる終わり》は万能であるものの、やはりその重さがネックになっていたので、これを軽いカードで代用できたのは大きな収穫でした。


完全なる終わり


《ドロモカの命令》は最初はメインボードに2枚、サイドボードに1枚だったんですが、序盤に2枚引くと困ることも多かったので、こちらのクリーチャーに関与してこない相手にサイドインできるようにと、最終的にメインとサイドボードに1枚ずつに。

このリストはMagic Online上でかなり成績が良かったので、構築に関しては満足のいく調整ができました。

2回もの『菊名合宿』を主催してくれた中村夫妻、参加者のみなさん、そしてお忙しい中お付き合いくださった森本さんに感謝です。

あとは時間の許す限りドラフトを続け、ドラフトの試合の合間に【グランプリ京都2015】用のレガシーデッキを考えてました。

そして、いよいよ本戦の幕があがります。



■ プロツアー『タルキール龍紀伝』初日



マッキーさん(三原 槙仁)と、ショーンマクラーレンと同卓で始まったファーストドラフト。初手は《ラクシャーサの墓呼び》《シルムガルの命令》の2択から。


ラクシャーサの墓呼びシルムガルの命令


どちらも凄まじいカードパワーを誇るこの2枚ですが、単色であることを加味して《ラクシャーサの墓呼び》をピック。そこからひたすらに黒と赤のカードをピックし続け、3パック目こそ流れが悪かったものの、上々の「疾駆」デッキが組み上がりました。



「黒赤疾駆」
プロツアー『タルキール龍紀伝』 1stドラフト

9 《沼》
8 《山》

-土地(17)-

1 《チフス鼠》
3 《コラガンの散兵》
1 《スゥルタイの使者》
1 《シルムガルの手の者》
1 《戦いの喧嘩屋》
2 《絶叫郷の喧嘩屋》
1 《待ち伏せの巫師》
1 《突き刺し豚》
1 《オークの必中弾》
1 《山頂をうろつくもの》
1 《戦いをもたらすもの》
2 《疾走する戦暴者》
1 《ラクシャーサの墓呼び》

-クリーチャー(17)-
1 《火をつける怒り》
1 《毒塗り》
1 《ティムールの激闘》
1 《双雷弾》
1 《龍詞の咆哮》
1 《サルカンの怒り》

-呪文(6)-
2 《くすぶるイフリート》
1 《ドラゴンの餌》
1 《ティムールの激闘》
1 《苦しめる声》
2 《激情の発動》
1 《英雄の刃》

-サイドボード(8)-
hareruya






結果ははたして!?


ラウンド 対戦デッキ  勝敗
Round 1「白緑」××
Round 2「4色コントロール」×〇×
Round 3「白赤」×〇×


0-3(;O;)

ぱっと見は結構強そうに見えたんですが、デッキに全く合っていない《スゥルタイの使者》が入っていたりと、せっかくの良い流れを生かしきれませんでした。

サイドボードにあった《激情の発動》などを入れて、もう少し重く組むべきでした。


負けてしまったものは仕方ないので、気持ちを切り替えてスタンダードラウンドへ。


ラウンド 対戦デッキ  勝敗
Round 4「ジェスカイ・ドラゴン」××
Round 5「アブザン・コントロール」〇〇
Round 6「ティムール」〇〇
Round 7「赤緑アグロ」×〇〇
Round 8「赤緑ドラゴン」〇〇


なんとか4勝1敗で2日目へ。4回戦でまさかのPatrick Dickmannに当たる不運もあったものの、なんとか首の皮1枚繋がりました。



■ プロツアー『タルキール龍紀伝』2日目



今度こそ0-3しないぞ!と意気込んだセカンドドラフト。

初手《シルムガルの命令》から《龍王の大権》と続き、9手目に《無情な死牙》が流れてくる絶好のポジションを確保。

2パック目ではまたもや《ラクシャーサの墓呼び》も引けて、「濫用」が生かしづらいところ以外は比較的満足のいくデッキに仕上がりました。「濫用」クリーチャーを生かすために《スゥルタイの使者》《ジェスカイの賢者》《宮殿の使い魔》がありったけほしかったところですが、残念ながらほとんど目の前を通らず……。


スゥルタイの使者ジェスカイの賢者宮殿の使い魔


完成したのはこんなデッキです。



「青黒」
プロツアー『タルキール龍紀伝』 2ndドラフト

9 《沼》
8 《島》
1 《精霊龍の安息地》

-土地(18)-

1 《チフス鼠》
2 《神出鬼没の呪拳士》
1 《スゥルタイの使者》
1 《グドゥルの闇潜み》
1 《無慈悲な処刑人》
1 《無謀なインプ》
1 《沈黙の大嵐、シュー・ユン》
2 《グルマグの溺れさせるもの》
1 《霧炎の達人》
1 《禿鷹エイヴン》
1 《エイヴンの偵察員》
1 《ラクシャーサの墓呼び》
1 《無情な死牙》
1 《グルマグのアンコウ》

-クリーチャー(16)-
1 《毒塗り》
2 《押し倒し》
1 《強化された知覚》
1 《シルムガルの命令》
1 《龍王の大権》

-呪文(6)-
1 《龍屋の偶像》
1 《予期》
1 《氷固め》
1 《否認》
1 《再帰の儀式》

-サイドボード(5)-
hareruya






今回も見た目はぼちぼち!しかし結果は……。


ラウンド 対戦デッキ  勝敗
Round 9「白緑タッチ赤」〇××
Round 10「赤黒」〇〇
Round 11「白青」×〇×


1-2(/_;)

またも組み間違えが目立ち、それに加え迫りくる《前哨地の包囲》《族樹の精霊、アナフェンザ》《龍王ドロモカ》《龍王オジュタイ》などなど、大量のレアに押しつぶされてしまいました……。

流れやピックは悪くなさそうだっただけに、デッキ構築がしっかりできなかったのは本当に情けないです。この辺りは練習不足が響いてしまいました。

残るスタンダードラウンドを全勝でギリギリ賞金圏内かなというところ。


ラウンド 対戦デッキ  勝敗
Round 12「赤単タッチ緑」〇〇
Round 13「ジェスカイ・トークンズ」〇〇
Round 14《魂剥ぎ》〇〇
Round 15「アブザン・コントロール」××
Round 16「ジェスカイ・アグロ」×〇〇


またも4勝1敗でフィニッシュ。

最終成績は構築8勝2敗、ドラフト1勝5敗の9勝7敗で賞金に届かず(´・ω・`)

今回は構築の結果が良かっただけに、リミテッドの練習不足が悔やまれます。次回のプロツアーでは、両フォーマットを納得いくまで練習したいと思います!



■ おわりに



さてさて、息つく間もなく今週は【グランプリ京都2015】ですね!

プロツアー練習の合間に組んだデッキの成果やいかに!?

明日は久しぶりに【津村健志のゴキゲン!MO生活】をお届け予定ですので、お時間のある方はぜひご覧ください♪


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