みなさんこんにちは!
先週末はベルギー・ブリュッセルでプロツアー『タルキール龍紀伝』が開催されました。日本勢からは八十岡 翔太選手が準優勝という結果を残しました。
さて、今回の記事ではSCGO Syracuseとプロツアー『タルキール龍紀伝』の結果を見ていきたいと思います。
SCGO Syracuse トップ8 ~RG Midrangeの大躍進~
2015年4月5日
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1位 RG Midrange/赤緑ビートダウン
2位 Abzan Aggro/白黒緑ビートダウン
3位 Temur Midrange/青赤緑ビートダウン
4位 Mono Red Aggro/赤単
5位 Atarka Red/赤単
6位 RG Midrange/赤緑ビートダウン
7位 Bant Heroic/白青英雄
8位 RG Midrange/赤緑ビートダウン
プロツアー『タルキール龍紀伝』直前に開催されたことでプロツアー本戦のメタに大きな影響を与えたSCGO Syracuse。
TCGPlayer.comのライターでアメリカのプロでもあるSeth Manfieldの記事の影響か、RG Midrangeが高い使用率を誇り、トップ8のうち3名がRG Midrangeで優勝もRG Midrangeと間違いなく本大会の勝ちデッキです。
SCGO Syracuse デッキ解説
「RG Midrange」
6 《森》 3 《山》 4 《樹木茂る山麓》 4 《奔放の神殿》 2 《岩だらけの高地》 2 《マナの合流点》 3 《精霊龍の安息地》 -土地(24)- 4 《エルフの神秘家》 4 《森の女人像》 4 《クルフィックスの狩猟者》 4 《雷破の執政》 2 《灰雲のフェニックス》 4 《嵐の息吹のドラゴン》 2 《龍王アタルカ》 -クリーチャー(24)- |
4 《龍詞の咆哮》 2 《焙り焼き》 3 《火口の爪》 3 《歓楽者ゼナゴス》 -呪文(12)- |
3 《大地の断裂》 2 《スズメバチの巣》 2 《高木の巨人》 2 《乱撃斬》 2 《破壊的な享楽》 1 《焙り焼き》 1 《紅蓮の達人チャンドラ》 1 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》 1 《群衆の掟》 -サイドボード(15)- |
《雷破の執政》、《龍王アタルカ》、《龍詞の咆哮》といった新戦力が『タルキール龍紀伝』から追加され、往年のRG Monstersを彷彿とさせるRG Midrangeというアーキタイプが復権を果たしました。
SCGのライターでSCGOでもコンスタントに入賞を続けている強豪プレイヤーのChris VanMeterもSeth Manfieldのリストに調整を加えたリストを持ち込み、見事に優勝を収めました。
☆注目ポイント
サイドの《高木の巨人》は飛行クリーチャーが辛い緑系のデッキにとって救世主的な存在です。到達を持った6/6というサイズは同系において相手のドラゴンを止め、《焙り焼き》でも落ちないので除去もされにくいです。また、「怪物化」することで除去する優秀なクリーチャーです。
Chris VanMeterはこの緑のクリーチャーをよほど気に入ったのか、先週末アメリカのWest Virginia州で開催された州選手権では《高木の巨人》をメインに移したリストを使用して準優勝という好成績を残しています。
《群衆の掟》は6マナと決して軽くはないものの、一度に複数のクリーチャーのコントロールを奪うことができる高いコストに見合った強力な効果を持つスペルで、同系戦で相手のファッティを奪ってアタックしたり、Jeskai Tokensとのマッチでは邪魔なトークンを退かして一気に勝負を付けることを可能にします。
また、地上クリーチャー限定の1マナ重くなった《紅蓮地獄》である《大地の断裂》はJeskai TokensやMono Redなどに対してサイドインされるカードで、《森の女人像》が《爪鳴らしの神秘家》よりも優先して採用されている理由のひとつでもあります。
プロツアー『タルキール龍紀伝』 トップ8
~《アタルカの命令》入りのMono Redが優勝~
2015年4月12日
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1位 Mono Red/赤単
2位 UB Control/青黒コントロール
3位 Green Devotion/緑信心
4位 UB Control/青黒コントロール
5位 RG Midrange/赤緑ビートダウン
6位 Abzan Control/白黒緑コントロール
7位 Green Devotion/緑信心
8位 Esper Control/青黒コントロール
『タルキール龍紀伝』という名に相応しく、八十岡 翔太選手のドラゴンをフィーチャーしたUB Control、Ondrej Straskyの《龍王アタルカ》をフル搭載したGreen Devotion、そしてSCGO Syracuseでも猛威を振るったRG Midrangeなど、トップ8に入賞した多くのデッキがドラゴンを多数採用していました。
そんな中優勝を収めたのは、軽い優秀なクリーチャーと火力で一気に勝負を決めるハイパーアグレッシブなMono Redでした。
プロツアー『タルキール龍紀伝』 デッキ解説
「Mono Red」「UB Control(Esper Control)」「Green Devotion」
10 《山》 1 《森》 4 《樹木茂る山麓》 1 《奔放の神殿》 4 《マナの合流点》 -土地(20)- 4 《鋳造所通りの住人》 4 《僧院の速槍》 3 《鐘突きのズルゴ》 1 《激情のゴブリン》 1 《稲妻の狂戦士》 2 《ゴブリンの熟練扇動者》 -クリーチャー(15)- |
4 《乱撃斬》 4 《アタルカの命令》 4 《ドラゴンの餌》 4 《稲妻の一撃》 4 《軍族童の突発》 4 《かき立てる炎》 1 《強大化》 -呪文(25)- |
4 《大歓楽の幻霊》 4 《焙り焼き》 2 《ゴブリンの熟練扇動者》 2 《凱旋の間》 1 《ゴブリンの踵裂き》 1 《洗い流す砂》 1 《破壊的な享楽》 -サイドボード(15)- |
早い段階から軽いクリーチャーを多数展開してビートダウンしていき、それらを火力でサポートしていく現代版のスライデッキです。今大会でトップ8に3名の入賞者を輩出したUB Controlなどの遅いコントロールに対して有利なデッキで《森の女人像》や《クルフィックスの狩猟者》を採用した緑デッキに対しても数で押し切ることが可能です。
赤単らしく《ファリカの療法》や《悲哀まみれ》といった対策カードがどれだけ採られているかなど、どの程度メタられているかで勝率が大きく変動するデッキです。
今大会見事に優勝を収めたMartin Dangのリストは従来の赤単色のアグロに4枚の 《アタルカの命令》とメインに1枚だけ採用されている 《強大化》のために緑をタッチした型でした。
☆注目ポイント
《アタルカの命令》は相手のライフゲインを阻止しつつ本体に3点のダメージを与える《頭蓋割り》のように使える火力ですが《ゴブリンの熟練扇動者》や《軍族童の突発》、《ドラゴンの餌》といったトークンを生み出すカードを多数採っているので、4番目の全体強化のモードも捨てがたい能力です。
Martin Dang自身がこのカードをデッキの最高のカードと評価しているように、この赤単タッチ緑は今大会において最も2日目進出者数の高いデッキとなりました。
6 《島》 3 《沼》 4 《汚染された三角州》 4 《陰鬱な僻地》 4 《欺瞞の神殿》 2 《華やかな宮殿》 2 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 1 《精霊龍の安息地》 -土地(26)- 3 《氷瀑の執政》 2 《龍王シルムガル》 1 《漂う死、シルムガル》 -クリーチャー(6)- |
2 《思考囲い》 4 《シルムガルの嘲笑》 2 《胆汁病》 2 《究極の価格》 3 《英雄の破滅》 2 《解消》 2 《忌呪の発動》 3 《命運の核心》 3 《ジェイスの創意》 1 《残忍な切断》 3 《時を越えた探索》 1 《精霊龍、ウギン》 -呪文(28)- |
3 《強迫》 3 《悲哀まみれ》 2 《層雲の踊り手》 2 《軽蔑的な一撃》 1 《胆汁病》 1 《否認》 1 《究極の価格》 1 《悪性の疫病》 1 《龍王の大権》 -サイドボード(15)- |
3 《島》 3 《沼》 4 《汚染された三角州》 4 《陰鬱な僻地》 4 《欺瞞の神殿》 3 《啓蒙の神殿》 2 《静寂の神殿》 2 《精霊龍の安息地》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(26)- 2 《氷瀑の執政》 2 《龍王オジュタイ》 2 《龍王シルムガル》 2 《漂う死、シルムガル》 -クリーチャー(8)- |
3 《思考囲い》 4 《予期》 4 《シルムガルの嘲笑》 2 《究極の価格》 1 《血の署名》 3 《忌呪の発動》 3 《英雄の破滅》 2 《命運の核心》 1 《龍王の大権》 2 《時を越えた探索》 1 《精霊龍、ウギン》 -呪文(26)- |
3 《悲哀まみれ》 2 《ジョルベイの闇潜み》 2 《否認》 1 《層雲の踊り手》 1 《思考囲い》 1 《胆汁病》 1 《忌呪の発動》 1 《英雄の破滅》 1 《悪性の疫病》 1 《悪夢の織り手、アショク》 1 《危険な櫃》 -サイドボード(15)- |
4 《沼》 3 《島》 4 《汚染された三角州》 4 《陰鬱な僻地》 4 《欺瞞の神殿》 2 《華やかな宮殿》 1 《啓蒙の神殿》 1 《疾病の神殿》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 3 《光輝の泉》 -土地(27)- -クリーチャー(0)- |
4 《胆汁病》 1 《究極の価格》 4 《解消》 4 《英雄の破滅》 1 《雲散霧消》 1 《悲哀まみれ》 2 《信者の沈黙》 2 《ジェイスの創意》 1 《霊気渦竜巻》 1 《命運の核心》 1 《龍王の大権》 3 《時を越えた探索》 3 《危険な櫃》 2 《悪夢の織り手、アショク》 1 《リリアナ・ヴェス》 2 《精霊龍、ウギン》 -呪文(33)- |
2 《思考囲い》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《否認》 2 《悲哀まみれ》 1 《黄金牙、タシグル》 1 《真珠湖の古きもの》 1 《ファリカの療法》 1 《頭蓋書庫》 1 《悪夢の織り手、アショク》 1 《霊気渦竜巻》 1 《啓示の解読》 -サイドボード(15)- |
UB系のコントロールは今大会Mono Redに次いで最も多くの2日目進出者を出したデッキで、トップ8にも3名のプレイヤーを送り込むというパフォーマンスを見せました。
惜しくも優勝は逃したものの、準優勝という結果を残した日本のプロである八十岡 翔太選手は、今大会で『タルキール龍紀伝』から加入したドラゴンの《氷瀑の執政》と《龍王シルムガル》、現代に生まれ変わった《対抗呪文》こと《シルムガルの嘲笑》を採用した革新的なUB Controlを持ち込み、世界中から注目を浴びるデッキビルダーとして勇姿を見せてくれました。
同じくトップ8に入賞を果たしたAndrew OhlschwagerもドラゴンクリーチャーをフィーチャーしたUB Controlを持ち込んでいましたが《龍王オジュタイ》のために白を足しています。
《龍王オジュタイ》入りのEsperカラーのドラゴンコントロールはアメリカのプロチームのChannel Fireballのプレイヤーも持ち込んでおり、スタンダード部門で優秀な成績を収めていました。
また、アメリカの古豪プレイヤーでコントロールデッキを得意とするAdrian Sullivanのリストは従来のUB Controlに近い構成で、メインにクリーチャーが一切採用されていません。
☆注目ポイント
《シルムガルの嘲笑》はキャストする際に手札のドラゴンを公開するかドラゴンをコントロールしていることで《対抗呪文》となる打ち消し呪文です。
条件を満たすのはドラゴンを多数採用しているこのデッキなら比較的容易で、相手のマナの少ない序盤なら《魔力の乱れ》でも十分カウンターとして機能するため近年稀に見る優秀なカウンターと言えます。
《龍王シルムガル》は《英雄の破滅》などの除去で簡単に落ちてしまうのがネックとなりますが、PWも奪えるので特にミッドレンジに対してはテンポとカードアドバンテージで優れ、除去も《思考囲い》などであらかじめ落としておくなりカウンターでバックアップすれば問題になりません。
《氷瀑の執政》は《地下牢の霊》のようなクリーチャーですが、1マナ重くなった代わりにパワーが上がり除去耐性が付きました。相手のクリーチャーを疑似的に除去しつつ本体も4/3飛行というボディでプレッシャーをかけることが可能で、相手にしてみれば多くの場合このクリーチャーを除去するための追加のコストを支払うために約1ターン丸々費やすことになるでしょう。
これに対抗するために相手がクリーチャーを多数展開してきたなら《命運の核心》で大量のアドバンテージを獲得するチャンスです。
サイドに採られている《層雲の踊り手》は表向きになった際にソーサリーかインスタントを打ち消す「大変異」持ちのクリーチャーで、他のコントロールに対して強力です。
特にサイド後は相手もこのデッキ相手に《胆汁病》などの軽い除去を残してくることも少なく、その除去スペルも「大変異」能力で自身を強化しつつ打ち消すことが可能です。
10 《森》 1 《山》 4 《樹木茂る山麓》 2 《吹きさらしの荒野》 4 《奔放の神殿》 3 《ニクスの祭殿、ニクソス》 -土地(24)- 4 《エルフの神秘家》 4 《爪鳴らしの神秘家》 4 《森の女人像》 4 《クルフィックスの狩猟者》 2 《加護のサテュロス》 4 《世界を喰らう者、ポルクラノス》 2 《狩猟の統率者、スーラク》 4 《囁きの森の精霊》 4 《龍王アタルカ》 -クリーチャー(32)- |
4 《書かれざるものの視認》 -呪文(4)- |
4 《ナイレアの信奉者》 4 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》 3 《高木の巨人》 3 《歓楽者ゼナゴス》 1 《旅するサテュロス》 -サイドボード(15)- |
マナ加速から緑のパワーカードを展開していく緑信心。《龍王アタルカ》がフル搭載されているのが特徴です。
カードパワーの高さからAbzanなど他のミッドレンジに強く、《囁きの森の精霊》や《加護のサテュロス》などコントロールに強いカードも複数採られているので戦えないことはありませんが、除去とカウンターを多数採用しているUB Controlとはやはり相性が悪いです。
☆注目ポイント
今大会のトップ8内で最も使用率の高かったエルダードラゴンの《龍王アタルカ》はOndrej Straskyがスタンダードでも最高のカードの1枚と評しており、《書かれざるものの視認》はその《龍王アタルカ》の水増しに一役買っています。
7マナ8/8飛行トランプルというサイズに加え、CIP能力で5点の割り振り火力能力を持つ赤緑のドラゴンは邪魔なブロッカーを排除しつつ《狩猟の統率者、スーラク》で速攻を付与することで一気に勝負をつけることも可能です。
苦手なコントロールに対してはサイド後は《歓楽者ゼナゴス》と《世界を目覚めさせる者、ニッサ》の2種類のPWが投入されます。今大会直前に台頭してきたRG Midrangeとのマッチアップで強さを発揮する《高木の巨人》もしっかり採用されています。
その他のデッキ
惜しくもトップ8には残れなかったもののスタンダード部門で優秀な成績を収めたデッキを紹介していきます。
2 《森》 2 《平地》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《砂草原の城塞》 2 《疾病の神殿》 2 《静寂の神殿》 1 《豊潤の神殿》 3 《コイロスの洞窟》 3 《ラノワールの荒原》 1 《マナの合流点》 2 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(26)- 2 《始まりの木の管理人》 4 《羊毛鬣のライオン》 4 《ラクシャーサの死与え》 4 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 4 《包囲サイ》 3 《狩猟の統率者、スーラク》 -クリーチャー(21)- |
3 《ドロモカの命令》 2 《究極の価格》 1 《勇敢な姿勢》 4 《英雄の破滅》 3 《アブザンの魔除け》 -呪文(13)- |
3 《思考囲い》 3 《悲哀まみれ》 2 《風番いのロック》 2 《異端の輝き》 2 《究極の価格》 2 《太陽の勇者、エルズペス》 1 《真面目な訪問者、ソリン》 -サイドボード(15)- |
スタンダードを得意とするSCGのライターで、アメリカ人プロのBrad Nelsonは今大会ではAbzan Aggroを選択し、スタンダード部門で9-1という成績を収めトップ16入賞を果たしました。
構成は従来のAbzan Aggroとあまり変化がないように見えますが《風番いのロック》がサイドに落とされ、『タルキール龍紀伝』から加入した《狩猟の統率者、スーラク》が3枚採用されています。
☆注目ポイント
SCG Invitational Richmondで入賞したAbzan Aggroにも採用されている《ドロモカの命令》がメインから3枚採用されています。
火力を無力化しつつクリーチャーの強化や除去をすることができるこのカードは、このデッキが苦手としていたMono Red、RW Midrange、RG Midrangeといった赤いデッキとの相性の改善に貢献しています。
《狩猟の統率者、スーラク》の「圧倒」条件を満たすのも《羊毛鬣のライオン》や《先頭に立つもの、アナフェンザ》といったマナレシオの高いクリーチャーに恵まれたこのデッキでは比較的容易で、よりアグレッシブな構成になっています。
RG Midrangeを初めとした単色の強力なクリーチャーが多く存在するメタを意識していたようで《究極の価格》がメイン、サイド合わせて4枚と除去も多めです。《究極の価格》をメインから採用するデッキが多い中、多色のクリーチャーを主力とするこのデッキにとっては相手に無駄カードを抱えさせることができ、有利なゲームが多かったことが予想できます。
4 《森》 2 《平地》 1 《島》 4 《吹きさらしの荒野》 3 《溢れかえる岸辺》 4 《豊潤の神殿》 4 《ヤヴィマヤの沿岸》 2 《マナの合流点》 -土地(24)- 4 《エルフの神秘家》 4 《棲み家の防御者》 4 《羊毛鬣のライオン》 4 《森の女人像》 4 《死霧の猛禽》 3 《クルフィックスの狩猟者》 2 《狩猟の統率者、スーラク》 3 《龍王オジュタイ》 -クリーチャー(28)- |
3 《ドロモカの命令》 3 《勇敢な姿勢》 2 《見えざるものの熟達》 -呪文(8)- |
3 《軽蔑的な一撃》 3 《氷固め》 2 《スズメバチの巣》 2 《異端の輝き》 1 《頑固な否認》 1 《ドロモカの命令》 1 《否認》 1 《垂直落下》 1 《勇敢な姿勢》 -サイドボード(15)- |
アメリカ人プロプレイヤーでTCGPlayer.comのライターのCraig Wescoeは今大会ではユニークなBant Midrangeでトップ16入賞を果たしています。
《羊毛鬣のライオン》や《死霧の猛禽》など緑の優秀なクリーチャーでビートダウンしつつ、中盤以降は《見えざるものの熟達》や《棲み家の防御者》でアドバンテージを取っていきます。
《狩猟の統率者、スーラク》やEsper ControlやJeskai Tokensのフィニッシャーとして使われていることの多い《龍王オジュタイ》も採用されているなど、グッドスタッフ的な要素も強いデッキです。
☆注目ポイント
このデッキに4枚採用されている《棲み家の防御者》はマナが余る中盤以降のゲームにおいてカードアドバンテージを提供し、《死霧の猛禽》とのシナジーは相手の「破壊する」系の単体除去を無力化させ、息切れすることも少なくなります。
しかし《精霊龍、ウギン》のマイナス能力の前では無力なので、対策としてサイドには 《軽蔑的な一撃》や《否認》、《頑固な否認》といったカウンターが積まれています。無色の「予示」クリーチャーを出す《見えざるものの熟達》も有効な対抗策となります。
総括
SCGO Syracuseやその前の週に行われたSCG Invitational Richmondの結果がプロツアー『タルキール龍紀伝』に与えた影響は大きく、プロツアー本戦に持ち込むデッキはそれらの大会で優秀な成績を収めていたRG Midrangeに勝てるかどうかが最低条件になっていました。
トップ8入賞デッキやスタンダード部門において優秀な成績を残したデッキを見ると、UB Controlのように素で緑系のミッドレンジに強いデッキを初めとして、Abzan系のデッキにもRG Midrangeに対し有効な除去である《究極の価格》がメインに1-2枚採用されていたり、緑信心デッキのサイドには《高木の巨人》が採られているなど、しっかりとRG Midrangeを意識したデッキが勝ち進んでいました。
今大会におけるUB系コントロールの躍進は赤いアグレッシブなデッキにとっては願ってもないメタゲームで、プロツアー『タルキール龍紀伝』の覇者であるMartin Dangは準決勝でAdrian Sullivanに、決勝では八十岡 翔太選手に勝利しています。
デッキの組みやすさとプロツアーの優勝デッキということでMono Redは今まで以上に人気が出そうなので、《悲哀まみれ》や《大地の断裂》、《ナイレアの信奉者》などの対策カードは忘れないようにしたいところです。
以上で今回の解説を終わります。次回の記事ではSCGO Providence、SCGO Clevelandの入賞デッキの解説を予定しています。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!
※編注:記事内の画像は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『StarCityGames.com』
http://www.starcitygames.com/index.php
『MAGIC: THE GATHERING』
http://magic.wizards.com/en/magic-gathering