レガシーというフォーマットは広範なカードが存在する。
ただ、だからといってそれイコール目新しいデッキが多いわけではなかった。
ローテーションが無いことにより、一度取り上げられたデッキには何らかの名前が付いてしまい未知のデッキたりえないからだ。
使われているカードパワーゆえ、新たなカードが多数使われるということも珍しくなっている。
だがそれでも野心的なデッキ構築や、カード選択をするプレイヤーは居なくなることは無い。
そんな彼らの自己表現を見ていこう。
9 《沼》 4 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 1 《ボジューカの沼》 1 《陰謀団のピット》 1 《産卵池》 4 《ミシュラの工廠》 4 《不毛の大地》 1 《リシャーダの港》 1 《Maze of Ith》 1 《The Tabernacle at Pendrell Vale》 -土地(27)- -クリーチャー(0)- |
4 《暗黒の儀式》 4 《無垢の血》 4 《思考囲い》 4 《小悪疫》 3 《Sinkhole》 2 《Hymn to Tourach》 1 《奈落の総ざらい》 1 《女王への懇願》 2 《Nether Void》 1 《The Abyss》 1 《呪われた巻物》 1 《世界のるつぼ》 1 《罠の橋》 4 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(33)- |
4 《苦花》 2 《真髄の針》 1 《外科的摘出》 1 《根絶》 1 《毒の濁流》 1 《記憶殺し》 1 《頭蓋の摘出》 1 《Chains of Mephistopheles》 1 《仕組まれた疫病》 1 《虚無の呪文爆弾》 1 《The Tabernacle at Pendrell Vale》 -サイドボード(15)- |
《無垢の血》《小悪疫》《ヴェールのリリアナ》。
このリソース締め上げパッケージを使った、黒単色デッキには少なからぬ愛好家が存在する。
こういった場合勝ち筋を何に頼るかといった点に個性が出るのだが、このデッキはその部分を土地に委ねた。
妨害要素としての《不毛の大地》《リシャーダの港》《Maze of Ith》《The Tabernacle at Pendrell Vale》。
勝利手段になる《ミシュラの工廠》。
他各種ユーティリティに運用される《ボジューカの沼》《陰謀団のピット》《産卵池》。
そしてこれらをまとめ上げるのが4枚投入された《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》。
伝説性も自身のリソースを削るこのデッキなら邪魔にはならない。
デッキとしてのまとまりと、黒特有の禍々しさを兼ね備えた個性的なデッキに仕上がっている。
3 《島》 3 《森》 2 《Tropical Island》 4 《霧深い雨林》 2 《ヤヴィマヤの沿岸》 1 《溢れかえる果樹園》 4 《古えの墳墓》 -土地(19)- 1 《造物の学者、ヴェンセール》 4 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(5)- |
3 《生ける願い》 4 《実物提示教育》 2 《直観》 4 《予想外の結果》 3 《Eureka》 1 《時のらせん》 3 《森の知恵》 4 《全知》 4 《水蓮の花びら》 4 《真髄の針》 1 《大祖始の遺産》 1 《思考を築く者、ジェイス》 3 《プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス》 -呪文(37)- |
2 《孤独の都》 2 《精霊龍、ウギン》 1 《汚染された三角州》 1 《Karakas》 1 《再利用の賢者》 1 《大修道士、エリシュ・ノーン》 1 《真実の解体者、コジレック》 1 《無限に廻るもの、ウラモグ》 1 《地の封印》 1 《原基の印章》 1 《基本に帰れ》 1 《大祖始の遺産》 1 《無のロッド》 -サイドボード(15)- |
《実物提示教育》からの《全知》。
メタ真っ只中、グランプリ・京都2015でもまさに絶賛大暴れ中であるオムニテルの必殺技だ。
《全知》からの《引き裂かれし永劫、エムラクール》は追加ターンをもたらし、よしんば《全知》が無くとも《実物提示教育》《引き裂かれし永劫、エムラクール》だけで十二分に強いことはスニークショウでも証明されている。
だが《実物提示教育》には周知のように欠点もある。
同型なら《全知》の出し合いが不毛になるため、《拭い捨て》ないしは《僧院の導師》《若き紅蓮術士》のような追加の勝ち手段が必要になるし、そうでなくても《灰燼の乗り手》のようなキラーカードを合わせられることは起こりうるからだ。
解の一つは前述の通り追加の勝ち手段を使うこと。
もう一つは決め手となるカードを《実物提示教育》に頼らずプレイする方法を見つければいい。
良く知られているのが《騙し討ち》《裂け目の突破》だが、このデッキ製作者のチョイスは一味も二味も違った。
元祖《超起源》たる《Eureka》、そして《囁きの森の精霊》もびっくりな《予想外の結果》である。
《予想外の結果》から《全知》が捲れた日には、対戦相手が椅子からひっくり返ってしまうかもしれない。
6 《島》 1 《山》 4 《Volcanic Island》 4 《沸騰する小湖》 4 《霧深い雨林》 4 《燃え柳の木立ち》 -土地(23)- 2 《真の名の宿敵》 -クリーチャー(2)- |
4 《渦まく知識》 4 《ギタクシア派の調査》 4 《稲妻》 1 《呪文貫き》 4 《罰する火》 3 《マナ漏出》 4 《Force of Will》 1 《仕組まれた爆薬》 4 《大祖始の遺産》 2 《真髄の針》 4 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(35)- |
3 《ヴェンディリオン三人衆》 3 《水没》 2 《赤霊破》 2 《紅蓮破》 2 《真髄の針》 1 《狼狽の嵐》 1 《呪文貫き》 1 《仕組まれた爆薬》 -サイドボード(15)- |
最後に紹介するのはカウンターバーン。
カナスレ、青赤デルバーの流行により、カウンターと火力という組み合わせもさほど珍しくなくなったものだが、このデッキはその中でも純然たるカウンターバーンである。
勝利手段は《精神を刻む者、ジェイス》《真の名の宿敵》と限られており、おそらく結構なゲームで《罰する火》勝ちが発生しそうなほどコントロールに寄っているのが印象的だ。
構造の基本は青赤デルバーに近いものの、《時を越えた探索》無し、軽キャントリップ無し、サイドボードにも《若き紅蓮術士》無しと変わった構成になっている。
メタ上に存在する王道にとらわれず、自由な構築が許される。これもまたレガシーの魅力かもしれない。