みなさんこんにちは!
GP京都も終了し、レガシーは一段落した感がありますが、みなさんレガシーを楽しんでいますか?
さて、今回の記事ではSCG Premier IQ ClevelandとSCG Premier IQ Portlandの結果を見ていきたいと思います。
SCG Premier IQ Cleveland トップ8
~コントロール多数の中《若き紅蓮術士》を主軸にしたGrixis Controlが優勝~
2015年4月26日
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1位 Grixis Control/青黒赤ジャンク
2位 Miracles/白青奇跡
3位 Miracles/白青奇跡
4位 Miracles/白青奇跡
5位 Omni-tell/実物提示教育
6位 Death and Taxes/白ウィニー
7位 Jeskai Stoneblade/白青石鍛冶
8位 MUD/茶単
トップ4にMiraclesが3名、優勝はGrixis Controlと青いコントロールデッキが多数入賞していました。
《渦まく知識》がトータル32枚だったGP京都と異なり、MUDやDeath and Taxesも見られるなど《渦まく知識》を使用しないデッキも見られます。
SCG Premier IQ Cleveland デッキ解説
「Grixis Control」
2 《島》 1 《沼》 4 《Volcanic Island》 2 《Underground Sea》 4 《汚染された三角州》 4 《沸騰する小湖》 1 《血染めのぬかるみ》 -土地(18)- 2 《悪意の大梟》 2 《瞬唱の魔道士》 4 《若き紅蓮術士》 1 《黄金牙、タシグル》 -クリーチャー(9)- |
4 《渦まく知識》 4 《ギタクシア派の調査》 4 《稲妻》 4 《思考掃き》 3 《陰謀団式療法》 1 《二股の稲妻》 1 《思案》 1 《紅蓮破》 1 《対抗呪文》 4 《Force of Will》 4 《時を越えた探索》 1 《ダク・フェイデン》 1 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(33)- |
2 《狼狽の嵐》 2 《血染めの月》 1 《イゼットの静電術師》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《青霊破》 1 《無垢の血》 1 《紅蓮破》 1 《外科的摘出》 1 《ラクドスの魔除け》 1 《はね返り》 1 《虐殺》 1 《墓掘りの檻》 1 《無のロッド》 -サイドボード(15)- |
GP New Jerseyでトップ16入賞以来コンスタントに入賞し続けているGrixisカラーのコントロールデッキ。
除去、ハンデス、カウンター、優秀なクリーチャーと揃っているためフェアデッキとコンボデッキの両方に強く、SCGの強豪プレイヤーのKevin Jonesも昨年末に開催されたSCG Player’s Championshipで使用していました。
☆注目ポイント
軽いスペルを多用していることから《若き紅蓮術士》や《瞬唱の魔道士》の能力を最大限に活かしやすく、《陰謀団式療法》と《若き紅蓮術士》のシナジーはこのデッキを選択する理由の一つとなっています。
《ダク・フェイデン》の-2能力はStonebladeなどが使う装備品を奪うことが可能で、+1能力は「探査」のために墓地を肥やしたり《瞬唱の魔道士》の対象の選択肢を広げるのに貢献します。
またこの能力は対戦相手も対象に取れるため、Miraclesを相手にした際には相手に強制的にカードをドローさせることによってライブラリートップのカードを変更させ、《相殺》のセットアップの妨害をすることも可能です。
12PostやLandsなど異なる軸から攻めてくるデッキに対しては相性が悪いため、特殊地形対策の《血染めの月》がサイドに忍ばせてあります。
Interview With Adam Johnson
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今大会でDeath and Taxesを使用しトップ8に入賞を果たしたAdam Johnsonにインタビューをすることができました。
Adam Johnsonは過去のSCGOで準優勝という好成績を残しているプレイヤーで、アメリカのTeam Aether Gamesの一員です。
日本の文化にも興味があり日本語も勉強中らしく、筆者にもよく覚えたての日本語で話しかけてきます。
10 《平地》 2 《魂の洞窟》 2 《Karakas》 4 《リシャーダの港》 4 《不毛の大地》 -土地(22)- 4 《ルーンの母》 4 《石鍛冶の神秘家》 4 《スレイベンの守護者、サリア》 3 《ファイレクシアの破棄者》 3 《セラの報復者》 2 《迷宮の霊魂》 4 《ちらつき鬼火》 1 《オレスコスの王、ブリマーズ》 1 《ミラディンの十字軍》 -クリーチャー(26)- |
4 《剣を鍬に》 1 《流刑への道》 4 《霊気の薬瓶》 1 《殴打頭蓋》 1 《梅澤の十手》 1 《火と氷の剣》 -呪文(12)- |
2 《封じ込める僧侶》 2 《エーテル宣誓会の法学者》 2 《コーの火歩き》 2 《大変動》 1 《悟りの教示者》 1 《安らかなる眠り》 1 《忘却の輪》 1 《墓掘りの檻》 1 《真髄の針》 1 《万力鎖》 1 《漸増爆弾》 -サイドボード(15)- |
■Death and Taxes(D&T)を使用した理由
Adam: D&Tは現在のレガシーの環境ではとてもいいチョイスだと思った。このデッキは立ち上がりの悪い相手に付けこむことに長けていて相性のいいマッチが多い。相性の悪い相手も勿論いるけどね。
とてもフレキシブルなサイドボードも魅力で《悟りの教示者》パッケージのおかげで特定の戦略に刺さるカードを多めに入れることができる。
それと《渦まく知識》を使わないデッキの強さを披露するのも楽しい。レガシーは《渦まく知識》デッキだけじゃないってことを証明したかったのも理由の一つかな。
--なるほど、確かにD&Tは《渦まく知識》を使わないデッキの中でもElvesと並んで活躍しているデッキの一つだね。
他のリストと比べて何か工夫した点は?
Adam: メインは至って普通かな。強いて挙げれば追加の除去として採用している1枚の《流刑への道》。サイドは他のデッキと少し違うかもしれない。
■サイドボードのカード選択について
Adam: 《コーの火歩き》は分かりやすいカードでバーン対策。対戦相手が《稲妻》を握っていても安全に装備品を付けることができて、ライフゲインもできる。
《大変動》は他の多くのD&Tのサイドでも見られるカードだけど、Miraclesに対して劇的に効くカードでこれが通ればどんな劣勢な状況でも逆転するチャンスができる。
《封じ込める僧侶》は最悪《待ち伏せのバイパー》だけど、このデッキにとって悪くない。このクリーチャーはElvesとのマッチアップで役に立ったし、勿論ReanimatorやSneak and Show、Dredgeに対しても最高のカードだ。
《悟りの教示者》は受けが狭い代わりに特定の相手に対して決定打になるカードを探してくることができて、多方面に対処ができるようになった。
Omni-tell対策に《忘却の輪》、トークンや様々なパーマネントに対処できる《漸増爆弾》とか。
ほかにも《墨蛾の生息地》やPW、《師範の占い独楽》、《騙し討ち》などを止める《真髄の針》に、墓地対策の《安らかなる眠り》と《墓掘りの檻》といったところだね。《墓掘りの檻》はElves相手にもサイドインするよ。
《エーテル宣誓会の法学者》は追加のコンボ対策で、特にOmni-tellなどとのマッチでは《ファイレクシアの破棄者》と差し替えられる。
《万力鎖》は《石鍛冶の神秘家》相手に強いカードで、特にミラーマッチでは切り札になる。
--なるほど。Miraclesを使ってるけど確かに《大変動》でどんなに有利な状況でも捲られる恐れがあるから、サイド後もカウンターはあまりサイドアウトできないね。
Adam: Joe Lossettとのマッチは負けたけど、サイド後の第2ゲームは《大変動》が通って逆転することに成功した。
■相性のいいマッチアップと悪いマッチアップ
Adam: みんなはSneak and Showが《Karakas》と 《ファイレクシアの破棄者》があるD&Tにとって“お客様”だって言うけど、僕はそうは思わない。
確かに悪くないマッチだと思うけど。僕の中ではDelver系が1番相性がよくて、その次がShardless SultaiやStoneblade系かな。
相性の悪いマッチアップはElves。でも勝てない相手じゃない。《梅澤の十手》が強いからね。
Omni-tellも相性は悪くないと思うけど、Sneak and Showと比べると《ファイレクシアの破棄者》が役に立たない分キツいマッチアップになるかな。
--なるほど。今回はインタビューに付き合ってくれてありがとう。改めてトップ8入賞おめでとう!
SCG Premier IQ Portland トップ8
~ストームコンボが多数入賞。決勝戦はMiracles同系~
2015年5月3日
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1位 Miracles/白青奇跡
2位 Miracles/白青奇跡
3位 ANT/むかつきストーム
4位 Abzan Deathblade/デスブレード
5位 ANT/むかつきストーム
6位 Elves/エルフ
7位 Abzan Deathblade/デスブレード
8位 ANT/むかつきストーム
SCG Premier IQ Clevelandと同様にMiraclesの活躍が目立ちます。しかし、Miracles以外の青いデッキは見られずANTやElvesなどコンボが多く見られます。また、AbzanカラーのStonebladeも入賞していました。
SCG Premier IQ Portland デッキ解説
「Miracles」「Abzan Deathblade」「ANT」
5 《島》 2 《平地》 1 《山》 2 《Tundra》 1 《Volcanic Island》 1 《乾燥台地》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《沸騰する小湖》 2 《Karakas》 -土地(20)- 2 《瞬唱の魔道士》 3 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《造物の学者、ヴェンセール》 -クリーチャー(6)- |
4 《渦まく知識》 3 《剣を鍬に》 2 《紅蓮破》 1 《呪文嵌め》 1 《対抗呪文》 1 《天使への願い》 4 《Force of Will》 4 《終末》 1 《時を越えた探索》 4 《相殺》 4 《師範の占い独楽》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(34)- |
2 《僧院の導師》 2 《狼狽の嵐》 2 《赤霊破》 2 《安らかなる眠り》 1 《魂の洞窟》 1 《封じ込める僧侶》 1 《イゼットの静電術師》 1 《造物の学者、ヴェンセール》 1 《摩耗+損耗》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
Miraclesマスターで強豪プレイヤーのJoe Lossettは最近はスタンダードの大会での活躍が目立っていましたが、レガシーでも新型のMiraclesのリストを持ち込み、前回のSCG Premier IQ Clevelandから引き続いて入賞、今回は優勝を収めています。
一時期はReanimatorを使用していましたがやはりMiraclesの方が手に馴染むようです。
☆注目ポイント
他のリストと異なりメインのクリーチャーが多めで、フィニッシャーに困ることが少なく初手に来ても嬉しくないためか《天使への願い》はメインにわずか1枚の採用です。
サイドには追加の勝ち手段として《僧院の導師》が採用されています。サイド後は相手もスイーパーを残してくることは少なく、青くないため《紅蓮破》に引っかからず、《師範の占い独楽》が2枚あるときの爆発力は脅威的です。
GP京都でも《僧院の導師》を採用したMiraclesが結果を出していたことから、今後もMiraclesの勝ち手段の一つとしてよく目にすることになりそうです。
追加の土地としてサイドに忍ばせてある《魂の洞窟》はデッキ内のクリーチャーの全てがHumanかWizardなので、勝ち手段やコンボ妨害要素を持ったクリーチャーが通しやすくなります。
2 《平地》 2 《沼》 3 《Scrubland》 1 《Bayou》 1 《Savannah》 4 《湿地の干潟》 3 《新緑の地下墓地》 1 《吹きさらしの荒野》 1 《Karakas》 4 《不毛の大地》 -土地(22)- 2 《潮の虚ろの漕ぎ手》 4 《闇の腹心》 4 《死儀礼のシャーマン》 1 《マラキールの門番》 3 《石鍛冶の神秘家》 -クリーチャー(14)- |
3 《剣を鍬に》 3 《コジレックの審問》 3 《思考囲い》 3 《突然の衰微》 3 《未練ある魂》 1 《議会の採決》 1 《名誉回復》 1 《師範の占い独楽》 1 《梅澤の十手》 1 《殴打頭蓋》 4 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(24)- |
3 《スレイベンの守護者、サリア》 2 《封じ込める僧侶》 2 《悟りの教示者》 2 《盲信的迫害》 1 《エーテル宣誓会の法学者》 1 《迷宮の霊魂》 1 《突然の衰微》 1 《安らかなる眠り》 1 《墓掘りの檻》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
緑、白、黒から優秀なスペルとクリーチャーを搭載したAbzanカラーのDeathblade。
《ヴェールのリリアナ》や《未練ある魂》といった3マナ域の脅威が豊富で、《突然の衰微》も採用しているため《相殺》にロックされにくい構成です。
☆注目ポイント
ハンデスが多めに採られていますが、やはりカウンターを採用していないため高速コンボに対しては分が悪く、サイドには《エーテル宣誓会の法学者》、《スレイベンの守護者、サリア》、《迷宮の霊魂》、《封じ込める僧侶》といったヘイトベアーが多く採用されています。
また、《悟りの教示者》パッケージも採用されており《迷宮の霊魂》や《エーテル宣誓会の法学者》も探してくることができます。
《盲信的迫害》は最近流行りのGrixis Controlによく効くカードで《未練ある魂》とも相性のいいスペルです。
1 《島》 1 《沼》 2 《Underground Sea》 1 《Bayou》 1 《Tropical Island》 1 《Volcanic Island》 4 《霧深い雨林》 4 《汚染された三角州》 -土地(15)- -クリーチャー(0)- |
4 《渦まく知識》 4 《暗黒の儀式》 4 《ギタクシア派の調査》 4 《思案》 3 《陰謀団式療法》 3 《強迫》 2 《定業》 4 《陰謀団の儀式》 4 《冥府の教示者》 1 《Grim Tutor》 2 《炎の中の過去》 1 《苦悶の触手》 4 《ライオンの瞳のダイアモンド》 4 《水蓮の花びら》 1 《師範の占い独楽》 -呪文(45)- |
3 《突然の衰微》 2 《ザンティッドの大群》 2 《蒸気の連鎖》 2 《狼狽の嵐》 2 《夜の戦慄》 1 《クローサの掌握》 1 《むかつき》 1 《外科的摘出》 1 《師範の占い独楽》 -サイドボード(15)- |
メタゲーム上に常に一定数存在するストームを利用したレガシーを代表するコンボデッキ。
サイドボードのカード選択や《汚物の雨》が《Grim Tutor》に挿し替わっているなど細部に違いが見られますが、GP京都で入賞を果たしたKai Thieleのリスト(メイン2《炎の中の過去》、6ハンデス、サイドボードの《狼狽の嵐》など)を参考にしたようです。
☆注目ポイント
多くのリストが1枚だけ採用している《炎の中の過去》が2枚に増量されており、単純にマストカウンターが増量されているので青いデッキに対する耐性が増しています。
また、フラッシュバックからストームを稼いで《苦悶の触手》で勝利するルートも取りやすくなっています。
サイドの《狼狽の嵐》はハンデスやカウンターからコンボが妨害されるのを阻止するほか、他のコンボデッキに対して追加の妨害スペルとして使うことができ、コントロールからコンボなど様々なマッチアップでサイドインされます。リストが知られている現在でも対策は難しそうです。
総括
SCG Premier IQ Cleveland、SCG Premier IQ Portland共にMiraclesの活躍が目立ちましたが、Death and TaxesやMUD、Abzan Deathbladeなど《渦まく知識》を使わないデッキも見られます。
5月23-24日にはレガシーオープンのSCGO Worcesterが開催されます。残念ながら筆者は不参加ですが、久々のレガシーのオープンなので楽しみです。
以上USA Legacy Express Vol.77でした。次回の記事ではSCGO Worcesterの結果を中心にカバーしていく予定です。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!
※編注:記事内の画像は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『StarCityGames.com』
http://www.starcitygames.com/index.php