ちょっと珍しいスタンダードのデッキたち ~The Last Sun2015予選 0517(スタンダード)編~

晴れる屋

 「エスパードラゴン」の隆盛が終わり、「緑系ミッドレンジ」の活躍が目立ってきた。

 「緑系ミッドレンジ」だらけのプロツアー『タルキール龍紀伝』から始まったメタゲームは、約一月をかけてようやく一周したのだ。

 これからはこの一月の間に辿った流れを繰り返すことになるが、そのマンネリ化した展開を防ぐのは新しいアイデアである。

 プレイヤーたちの斬新な発想がメタゲームに新しい風を吹き込むのだ。

 一週目を終えた今、二週目を前にして、ちょっと気になるアイデアを拾ってみた。



■ 赤単コンボ信心



「赤単コンボ信心」

22 《山》
2 《ニクスの祭殿、ニクソス》

-土地(24)-

4 《激憤の巫師》
4 《モーギスの軍用犬》
4 《炎跡のフェニックス》
4 《灰雲のフェニックス》
4 《モーギスの狂信者》
4 《炎駆の乗り手》

-クリーチャー(24)-
4 《衝撃の震え》
2 《パーフォロスの槌》
4 《前哨地の包囲》
2 《紅蓮の達人チャンドラ》

-呪文(12)-
4 《神々の憤怒》
4 《火口の精霊》
3 《宿命的火災》
2 《炎の大魔術師の杖》
2 《焼き払い》

-サイドボード(15)-

hareruya




激憤の巫師モーギスの狂信者炎駆の乗り手


 一昔前までメタゲームの一角を担っていた「赤単信心」は、『タルキール覇王譚』発売以降めっきり名前を聞かなくなったデッキの一つだ。

 多色エキスパンションの発売、中長期戦を戦うアドバンテージ源がない、素早くゲームを決める爆発力もない。

 端的にまとめると、敢えて単色で戦うだけの魅力がなくなってしまったデッキだ。

 しかし、今回紹介する「赤単コンボ信心」には、その弱点を克服する工夫がなされている。

 それは《紅蓮の達人チャンドラ》《前哨地の包囲》《激憤の巫師》《炎跡のフェニックス》《灰雲のフェニックス》などの消耗戦を戦い抜く”アドバンテージ源”。そして、《モーギスの狂信者》《炎駆の乗り手》のコンボによる”爆発力”である。

 除去がないデッキには「信心」の”爆発力”で戦い、コントロールには大量の”アドバンテージ源”の物量で押し切る。「赤単アグロ」などの早いデッキは苦手かもしれないが、サイドボードの《火口の精霊》《神々の憤怒》がばっちりと睨みをきかせている。

 見かけなくなったデッキには相応の理由があるものだが、その理由さえ解消されれば活躍する余地は残されている。



■ クローシスドラゴン



「クローシスドラゴン」

2 《島》
1 《山》
1 《沼》
2 《血染めのぬかるみ》
2 《汚染された三角州》
3 《マナの合流点》
3 《シヴの浅瀬》
2 《急流の崖》
4 《欺瞞の神殿》
4 《天啓の神殿》
1 《精霊龍の安息地》

-土地(25)-

4 《ゴブリンの熟練扇動者》
4 《雷破の執政》
2 《氷瀑の執政》
2 《嵐の憤怒、コラガン》
1 《漂う死、シルムガル》

-クリーチャー(13)-
2 《乱撃斬》
4 《龍詞の咆哮》
4 《シルムガルの嘲笑》
2 《マグマの噴流》
1 《究極の価格》
3 《忌呪の発動》
2 《コラガンの命令》
2 《残忍な切断》
2 《時を越えた探索》

-呪文(22)-
3 《神々の憤怒》
2 《否認》
2 《灰雲のフェニックス》
1 《マグマのしぶき》
1 《究極の価格》
1 《忌呪の発動》
1 《悪性の疫病》
1 《前哨地の包囲》

-サイドボード(15)-

hareruya




シルムガルの嘲笑龍詞の咆哮忌呪の発動


 ひとたび《龍王オジュタイ》《シルムガルの嘲笑》による鉄壁の守備を味わうと「エスパードラゴン」の魅力から離れられなくなるものだが、なんとか別の切り口を見つけようと試行錯誤した意欲作が、この「クローシスドラゴン」である。

 なんといってもその魅力は「攻撃的な青系コントロール」であることだ。

 「守備的な青系コントロール」である「エスパードラゴン」は、攻守とも《龍王オジュタイ》に依存しているため、《龍王オジュタイ》を攻略できるデッキ相手にはじわじわと不利へと追い詰められる。

 しかし、「攻撃的な青系コントロール」である「クローシスドラゴン」ならば、《雷破の執政》《ゴブリンの熟練扇動者》と攻め手が多く採用されているため、一つを防がれ突破されたとしても十分に勝機が残されている。

 また、《龍王》シリーズの強さに隠れているが、《シルムガルの嘲笑》を筆頭とした「ドラゴン呪文」は破格の性能を秘めている。その「ドラゴン呪文」をこのデッキではサイドボードも含めてたっぷり12枚も採用しているのだ。プレイヤーへのダメージを加味しないと評価しにくい《龍詞の咆哮》も、攻撃的なコントロールならば十分なプレッシャーとして生かすことができる。

 3ターン目の《ゴブリンの熟練扇動者》を数枚の「ドラゴン呪文」でバックアップしたら勝ってしまった。なんてことも少なくないだろう。

 《死霧の猛禽》《棲み家の防御者》の群れに攻略されてしまった「エスパードラゴン」だったが、この「クローシスドラゴン」ならばどうだろうか?「エスパードラゴン」が逆境に立たされている今こそ、青系コントロール使いはこのデッキを試すべきかもしれない。



■ ナヤ英雄



「ナヤ英雄」

1 《森》
1 《山》
2 《平地》
3 《吹きさらしの荒野》
1 《樹木茂る山麓》
4 《戦場の鍛冶場》
4 《マナの合流点》
1 《奔放の神殿》
4 《凱旋の神殿》

-土地(21)-

4 《恩寵の重装歩兵》
4 《サテュロスの重装歩兵》
1 《ラゴンナ団の先駆者》
4 《イロアスの英雄》
4 《道の探求者》

-クリーチャー(17)-
4 《果敢な一撃》
4 《神々の思し召し》
1 《アジャニの存在》
4 《ドロモカの命令》
4 《ティムールの激闘》
1 《強大化》
4 《ドラゴンのマントル》

-呪文(22)-
4 《稲妻の狂戦士》
3 《ゴブリンの熟練扇動者》
1 《マルドゥの斥候》
1 《見えざるものの熟達》
1 《垂直落下》
1 《勇敢な姿勢》
1 《神々の憤怒》
1 《大地の断裂》
1 《前哨地の包囲》
1 《強大化》

-サイドボード(15)-

hareruya


サテュロスの重装歩兵ドロモカの命令ティムールの激闘


 「英雄的」といえば白単色に青を添えたもの。そんな印象が強いかもしれない。

 しかし、赤も緑も立派な補助色として活躍できるのだ。

 貴重な追加の1マナ域である《サテュロスの重装歩兵》と最高級のフィニッシュブロウの《ティムールの激闘》はデッキの最高速を引き上げ、《ドロモカの命令》は除去に強化と「英雄的」に強烈なシナジーを与えてくれる。

 「エスパードラゴン」から「《死霧の猛禽》」に、そしてこれから「緑系ミッドレンジ」」へとメタゲームが移っていることを加味すると、緑系のデッキ全般を得意にする「英雄的」はまさにこれからが旬なデッキだ。

 もっさりと展開された《世界を喰らう者、ポルクラノス》《包囲サイ》を尻目に強烈なカウンターパンチをお見舞いしたい。