皆さんこんにちは。
先週末はStarCityGames.com Open Series(SCGO) AtlantaとGP Melbourneという2つの大規模なスタンダードの大会が行われましたが、皆さんカバレージはご覧になられましたか?
さて、今回の記事ではSCGO St. Louis、SCGO Atlanta、GP Melbourneの解説をしていきたいと思います。
SCGO St. Louis トップ8 デッキアーキタイプ
2014年2月22日
1位 GR Monsters/緑赤怪物
2位 UW Control/白青コントロール
3位 GR Monsters/緑赤怪物
4位 GR Monsters/緑赤怪物
5位 Jund Monsters/黒赤緑ビートダウン
6位 UW Control/白青コントロール
7位 GR Monsters/緑赤怪物
8位 Mono Blue Devotion/信心青単
SCGO St. Louisでは、黒をタッチした5位のJund Monstersも含めて《踏み鳴らされる地》を使ったデッキがトップ8の半分を占め、優勝もGR Monstersでした。
SCGO St. Louis デッキ解説
「GR Monsters」「Jund Monsters」「UW Control」
7 《森》 6 《山》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《奔放の神殿》 2 《変わり谷》 -土地(23)- 4 《エルフの神秘家》 3 《漁る軟泥》 3 《森の女人像》 3 《加護のサテュロス》 4 《世界を喰らう者、ポルクラノス》 4 《ゴーア族の暴行者》 4 《嵐の息吹のドラゴン》 -クリーチャー(25)- |
3 《ミジウムの迫撃砲》 1 《肉体+血流》 4 《ドムリ・ラーデ》 3 《歓楽者ゼナゴス》 1 《獣の統率者、ガラク》 -呪文(12)- |
4 《霧裂きのハイドラ》 2 《ショック》 2 《垂直落下》 2 《霊気のほころび》 2 《紅蓮の達人チャンドラ》 1 《自由なる者ルーリク・サー》 1 《ミジウムの迫撃砲》 1 《パーフォロスの槌》 -サイドボード(15)- |
8 《森》 5 《山》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《奔放の神殿》 2 《変わり谷》 -土地(23)- 4 《エルフの神秘家》 3 《森の女人像》 1 《漁る軟泥》 4 《クルフィックスの狩猟者》 4 《ゴーア族の暴行者》 4 《世界を喰らう者、ポルクラノス》 4 《嵐の息吹のドラゴン》 2 《歓楽の神、ゼナゴス》 -クリーチャー(26)- |
3 《ミジウムの迫撃砲》 1 《破壊的な享楽》 1 《肉体+血流》 4 《ドムリ・ラーデ》 2 《歓楽者ゼナゴス》 -呪文(11)- |
4 《霧裂きのハイドラ》 2 《自由なる者ルーリク・サー》 2 《ショック》 2 《垂直落下》 1 《ミジウムの迫撃砲》 1 《肉体+血流》 1 《破壊的な享楽》 1 《紅蓮の達人チャンドラ》 1 《獣の統率者、ガラク》 -サイドボード(15)- |
4 《森》 1 《山》 4 《血の墓所》 4 《草むした墓》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《奔放の神殿》 1 《悪意の神殿》 2 《変わり谷》 -土地(24)- 4 《エルフの神秘家》 4 《森の女人像》 2 《漁る軟泥》 4 《クルフィックスの狩猟者》 4 《荒野の収穫者》 4 《世界を喰らう者、ポルクラノス》 4 《嵐の息吹のドラゴン》 -クリーチャー(26)- |
4 《ミジウムの迫撃砲》 2 《戦慄掘り》 4 《ドムリ・ラーデ》 -呪文(10)- |
2 《突然の衰微》 2 《ゴルガリの魔除け》 2 《グルールの魔除け》 2 《究極の価格》 2 《戦慄掘り》 2 《ラクドスの復活》 1 《歓楽の神、ゼナゴス》 1 《狂気の種父》 1 《自由なる者ルーリク・サー》 -サイドボード(15)- |
今大会最も多くの入賞者を輩出したGR Monsters。優勝者のJonathon Habelのリストは他のGR Monstersと異なり、「神々の軍勢」から加入した《クルフィックスの狩猟者》や《歓楽の神、ゼナゴス》が不採用となっています。代わりに《加護のサテュロス》が採用されており、PWも多めに採られているなど、前環境のGR Monstersを彷彿とさせる構成です。
一方、4位に入賞したSCGのライターでもあるChris VanMeterのリストはというと、《クルフィックスの狩猟者》と《歓楽の神、ゼナゴス》が採られており、現在の環境の王道を行くリストです。また注目すべき点としては、《破壊的な享楽》がメインに採用されています。同系の《クルフィックスの狩猟者》をはじめとして、UW Controlの《拘留の宝球》等、対象に困ることは少ないので、エンチャント除去スペルはメインに入れていても腐りにくい環境です。
他方で、5位に入賞したKent KetterはGR Monstersに黒を足したバージョンを使用していました。プレインズウォーカーは 《ドムリ・ラーデ》のみに絞られ、《歓楽者ゼナゴス》と《歓楽の神、ゼナゴス》の枠には《荒野の収穫者》が採られています。黒を足したことにより《戦慄掘り》にもアクセスが可能になり、緑赤の2色の時よりもPWに触りやすくなっています。
サイドボードも黒を足したことにより、同系の大型クリーチャーや《冒涜の悪魔》を除去できる《究極の価格》や、《拘留の宝球》等を確実に除去できる《突然の衰微》、UW Control等に通せば大きな見返りを期待できる《ラクドスの復活》に《狂気の種父》など、選択肢が豊富になっています。《ラクドスの復活》はプレインズウォーカーを除去しつつ大抵の場合手札を全て落とすことが可能です。
《狂気の種父》はイニストラードブロックのローテーション前のスタンダードで、《スフィンクスの啓示》を使ったコントロールに対する切り札としてJund等で採用され、一時期はコントロールデッキを環境から遠ざける事に成功しましたが、ローテーション後は《魂の洞窟》の退場により高コストのクリーチャーを通すことが困難になった上に《闇の裏切り》のような軽い除去が登場し、それに加えて各種Devotionデッキに対しては決して強いカードとは言えなかったため、しばらくは忘れられていた存在でした。ですが、青白系のデッキ相手に通して手札を落とせば一気に有利な展開に持ち込めるため、現在でもサイドボードとしては優秀なカードです。
7 《島》 5 《平地》 4 《神聖なる泉》 4 《啓蒙の神殿》 2 《欺瞞の神殿》 2 《静寂の神殿》 3 《変わり谷》 -土地(27)- 1 《霊異種》 -クリーチャー(1)- |
2 《中略》 3 《今わの際》 3 《アゾリウスの魔除け》 1 《無効化》 3 《解消》 4 《スフィンクスの啓示》 4 《至高の評決》 1 《宿命的報復》 4 《拘留の宝球》 4 《思考を築く者、ジェイス》 3 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(32)- |
3 《天界のほとばしり》 2 《静穏の天使》 2 《払拭》 2 《反論》 2 《存在の破棄》 1 《霊異種》 1 《アゾリウスの魔除け》 1 《今わの際》 1 《否認》 -サイドボード(15)- |
6 《島》 6 《平地》 4 《神聖なる泉》 4 《啓蒙の神殿》 3 《アゾリウスのギルド門》 3 《変わり谷》 -土地(26)- -クリーチャー(0)- |
2 《中略》 4 《アゾリウスの魔除け》 2 《天界のほとばしり》 1 《無効化》 4 《解消》 4 《スフィンクスの啓示》 3 《予言》 4 《至高の評決》 1 《宿命的報復》 4 《拘留の宝球》 1 《不死の霊薬》 3 《思考を築く者、ジェイス》 1 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(34)- |
3 《反論》 3 《今わの際》 2 《否認》 2 《真髄の針》 2 《漸増爆弾》 1 《存在の破棄》 1 《好機》 1 《盲従》 -サイドボード(15)- |
GR Monstersに次いで人気のあったUW Controlは、トップ8に2名のプレイヤーを送り込む安定した活躍を見せました。両プレイヤー共にメインに《宿命的報復》と《無効化》を1枚ずつ採用しています。
準優勝者のBen Stepkaのリストは、前環境の終盤にGP Vancouverで優勝したリストに近いリストです。GR Monstersの速攻クリーチャーへの追加の対抗手段として、サイドにも《天界のほとばしり》が採用されています。追加のフィニッシャーとして採用されている《静穏の天使》は、久々に見るクリーチャーです。カウンターでバックアップされながらクリーチャーを除去しつつ現れる5/6飛行クリーチャーは、相手にとって対処が困難になりそうです。
対するPhilip Silberman のリストは、昨年開催されたGP Dallasで殿堂プレイヤーのWilliam Jensenが使用していたバージョンに近く、メインの勝ち手段はわずかに《太陽の勇者、エルズペス》のみで、その他は除去、打消し、ドロースペルで構成されています。《不死の霊薬》で使用済みのカードをライブラリーに戻すことで、ライブラリー切れを起こすことなくコントロールし続けることが可能になるという、より長期戦を見据えた構成と言えます。
PhilipはGR Monstersの多いメタなために《天界のほとばしり》をメインに採用し、《今わの際》はサイドに落としています。また、追加の速攻クリーチャー対策に《盲従》をサイドに採っています。Mono Redのように軽い速攻クリーチャーを多数搭載しているデッキに対しても効果的なカードです。
両者共に異なるアプローチをしていますが、どちらもGR Monstersを強く意識した構成です。
SCGO Atlanta トップ8 デッキアーキタイプ
2014年3月1日
1位 Mono Black Devotion/黒単
2位 Esper Control/白青黒コントロール
3位 Jund Monsters/黒赤緑ビートダウン
4位 BW Devotion/白黒コントロール
5位 BW Devotion/白黒コントロール
6位 Mono Red/赤単
7位 Naya Hexproof/白赤緑ビートダウン
8位 RW Devotion/赤白ビートダウン
GRがトップ8の半分以上を占めていたSCGO St. Louisの結果とは大きく異なり、SCGO Atlantaではアーキタイプがバラけています。特に黒系のデッキの躍進が目立ち、前環境のトップメタだったMono Black Devotionが優勝を果たしました。
SCGO Atlanta デッキ解説
「Mono Black Devotion」「BW Devotion」「Esper Control」「Naya Hexproof」
18 《沼》 3 《欺瞞の神殿》 4 《変わり谷》 1 《ニクスの祭殿、ニクソス》 -土地(26)- 4 《群れネズミ》 4 《生命散らしのゾンビ》 4 《冒涜の悪魔》 4 《アスフォデルの灰色商人》 -クリーチャー(16)- |
4 《思考囲い》 2 《肉貪り》 2 《究極の価格》 2 《胆汁病》 4 《英雄の破滅》 4 《地下世界の人脈》 -呪文(18)- |
3 《闇の裏切り》 3 《強迫》 2 《死者の神、エレボス》 2 《破滅の刃》 2 《悲哀まみれ》 1 《肉貪り》 1 《胆汁病》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
12 《沼》 4 《神無き祭殿》 4 《静寂の神殿》 2 《オルゾフのギルド門》 4 《変わり谷》 -土地(26)- 3 《群れネズミ》 3 《生命散らしのゾンビ》 4 《冒涜の悪魔》 4 《アスフォデルの灰色商人》 2 《ヴィズコーパの血男爵》 -クリーチャー(16)- |
4 《思考囲い》 3 《肉貪り》 3 《胆汁病》 4 《英雄の破滅》 4 《地下世界の人脈》 -呪文(18)- |
2 《罪の収集者》 2 《死者の神、エレボス》 2 《闇の裏切り》 2 《強迫》 2 《存在の破棄》 2 《破滅の刃》 2 《悲哀まみれ》 1 《太陽の勇者、エルズペス》 -サイドボード(15)- |
「神々の軍勢」から2種類の優秀な除去を得て、前環境から更に強化されたMono Black Devotion。今回優勝したBernardoのリストは、環境の変化にしっかり合わせて構築されています。ほとんどのリストのメインにフル搭載されている《夜帷の死霊》がメイン、サイドともに不採用で、代わりに《生命散らしのゾンビ》がメインに4枚採られています。
前回優勝したGR Monstersに対して《夜帷の死霊/Nightveil Specter(GTC)》がほとんどの場合ただの2/3飛行なのに対し、《生命散らしのゾンビ》は3/1のブロックされないクリーチャーでしかも手札から相手の脅威を取り除くことができるという優秀なクリーチャーです。「威嚇」持ちなので相手のPWに攻撃が通りやすいのも魅力です。コントロールに対しても手札を見ることで相手の情報が得られるので、現在のメタでは《夜帷の死霊》よりも優先して採用されるのも納得です。
メインの除去の選択も前環境とは微妙に異なります。GR Monstersに対して効果が薄い《肉貪り》の枚数が減量され、代わりに《嵐の息吹のドラゴン》等の「速攻」持ちの大型クリーチャー対策として単体除去の 《究極の価格》がメインに採用されています。サイドはMono Redや白ウイニー系のビートダウン対策に《悲哀まみれ》と追加の《胆汁病》が採られている以外は、以前からあまり変化が見られない構成です。以前からトップメタの一角として活躍していたMono Black Devotionの強さは、新環境でも変わらないようです。
対して5位のRyan Steinerのリストでは、白を足すことにより《ヴィズコーパの血男爵》や《太陽の勇者、エルズペス》といったパワーカードにアクセスすることが可能になっています。また《存在の破棄》も使えるようになるため、単色の時よりもエンチャントに触るのが容易になっているのは魅力です。同じ白黒でもBW Midrangeとは異なり、UW ControlやGR Monstersに強い《幽霊議員オブゼダート》は不採用で、《アスフォデルの灰色商人》が採用されているなど、どちらかといえばMono Black Devotionにタッチ白をしたという構成のようです。
RyanもBernardoと同様にメインに《生命散らしのゾンビ》を採用していることから、GR Monstersを意識していたことが分かります。
3 《島》 1 《平地》 1 《沼》 4 《神聖なる泉》 4 《湿った墓》 3 《神無き祭殿》 3 《欺瞞の神殿》 3 《啓蒙の神殿》 3 《静寂の神殿》 2 《変わり谷》 -土地(27)- 1 《幽霊議員オブゼダート》 1 《霊異種》 -クリーチャー(2)- |
3 《アゾリウスの魔除け》 2 《肉貪り》 2 《遠隔+不在》 4 《スフィンクスの啓示》 3 《英雄の破滅》 3 《解消》 3 《至高の評決》 1 《宿命的報復》 3 《拘留の宝球》 1 《不死の霊薬》 1 《漸増爆弾》 3 《思考を築く者、ジェイス》 2 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(31)- |
4 《思考囲い》 3 《ヴィズコーパの血男爵》 2 《否認》 2 《ギルドとの縁切り》 1 《払拭》 1 《至高の評決》 1 《真髄の針》 1 《漸増爆弾》 -サイドボード(15)- |
最近のコントロールといえば青白の2色でしたが、今大会では前回のGR MonstersとUW Controlの活躍を受け、《英雄の破滅》や《思考囲い》といった優秀な黒いスペルや、黒系のデッキに対しては除去されにくいフィニッシャーとなる 《ヴィズコーパの血男爵》を足したEsper Controlが準優勝という好成績を残しました。
今回入賞したDavidのリストには、フィニッシャーとして《霊異種》の他に《幽霊議員オブゼダート》が採用されています。UW ControlやGR Monsters相手には除去することが困難なフィニッシャーとして活躍しそうです。サイドの《ギルドとの縁切り》は最近あまり見かけないカードですが、GR Monstersの多色プレインズウォーカーやBW Midrangeの《幽霊議員オブゼダート》 《ヴィズコーパの血男爵》といったカードをインスタントスピードかつわずか2マナで除去できます。GR MonstersやBW Midrangeはサイド後に《拘留の宝球》対策にエンチャント対策を積んでくることが多いので、《拘留の宝球》と入れ替わります。
3 《森》 1 《山》 4 《聖なる鋳造所》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《寺院の庭》 4 《豊潤の神殿》 2 《奔放の神殿》 -土地(22)- 4 《林間隠れの斥候》 4 《復活の声》 4 《魔女跡追い》 3 《ゴーア族の暴行者》 -クリーチャー(15)- |
4 《セレズニアの魔除け》 3 《ボロスの魔除け》 4 《岩への繋ぎ止め》 4 《天上の鎧》 4 《向こう見ずな技術》 4 《ひるまぬ勇気》 -呪文(23)- |
4 《空殴り》 3 《異端の輝き》 3 《ミジウムの迫撃砲》 2 《鬼斬の聖騎士》 2 《繕いの接触》 1 《漸増爆弾》 -サイドボード(15)- |
《林間隠れの斥候》や《魔女跡追い》といった「呪禁」持ちのクリーチャーを各種オーラや《ゴーア族の暴行者》で強化してビートダウンしていくデッキです。マジックオンラインで使われていたデッキで存在自体は知られていましたが、リアルの大きな大会での入賞は初めてです。ローテーション前のスタンダードでは《不可視の忍び寄り》や《聖トラフトの霊》といった強力な禁呪持ちのクリーチャーが存在したのでBant Auraというアーキタイプが活躍しましたが、優秀なクリーチャーがローテーション落ちしたため、Aura系のビートダウンデッキは衰退したものと考えられていました。
今大会入賞したChris Sanchezのリストは青の代わりとして、わずか2マナでパワー+3とブロック制限能力を付ける《向こう見ずな技術》や、「二段攻撃」を付ける強化スペルとして使える他にも直接火力としても使える《ボロスの魔除け》、攻撃クリーチャーを強化させる《ゴーア族の暴行者》などにアクセスが可能な赤を3色目に選んでいます。他にも、クリーチャー強化オーラではありませんが、《山》を使用しているため、軽いクリーチャー除去でしかもオーラなので《天上の鎧》とのシナジー効果がある《岩への繋ぎ止め》も採用されています。
サイドにはクリーチャー除去の《ミジウムの迫撃砲》や、《拘留の宝球》や《岩への繋ぎ止め》対策の《異端の輝き》、対戦相手の色に応じた追加のクリーチャーの《空殴り》と《鬼斬の聖騎士》、スイーパー対策の《繕いの接触》と、分かりやすい構成です。
GP Melbourne トップ8 デッキアーキタイプ
2014年3月3日
1位 Mono Black Devotion/黒単
2位 Esper Control/白青黒コントロール
3位 Esper Control/白青黒コントロール
4位 Jund Monsters/黒赤緑ビートダウン
5位 Esper Control/白青黒コントロール
6位 Mono Blue Devotion/信心青単
7位 BW Midrange/白黒コントロール
8位 GR Monsters/緑赤怪物
SCGO Atlantaと同時開催されていたGP Melbourne。SCGO Atlantaと同様にMono Black Devotionが、決勝でEsper Controlを破って優勝を果たしました。今大会3名のプレイヤーをトップ8に送り込んだEsper Controlは2日目で最も人気のデッキで、他にはGR MonstersとBW Midrangeが続いていました。やはり黒の優秀なスペルにアクセスが可能なEsper Controlは安定しているため、GPのような長丁場では人気が出るアーキタイプのようです。
GP Melbourne デッキ解説
「Mono Black Devotion」「Esper Control」「BW Midrange」
16 《沼》 2 《湿った墓》 4 《欺瞞の神殿》 4 《変わり谷》 -土地(26)- 4 《群れネズミ》 4 《夜帷の死霊》 4 《冒涜の悪魔》 4 《アスフォデルの灰色商人》 -クリーチャー(16)- |
4 《思考囲い》 4 《肉貪り》 2 《胆汁病》 4 《英雄の破滅》 4 《地下世界の人脈》 -呪文(18)- |
4 《生命散らしのゾンビ》 4 《強迫》 2 《死者の神、エレボス》 2 《破滅の刃》 1 《概念泥棒》 1 《闇の裏切り》 1 《悲哀まみれ》 -サイドボード(15)- |
SCGO Atlantaで優勝していたリストとは異なり、 《夜帷の死霊》がメインに採用され、《生命散らしのゾンビ》はサイドに採られています。《湿った墓》が2枚《沼》の代わりに採用されていますが、サイドに忍ばせてある《概念泥棒》のためだけでなく、UW ControlやMono Blue Devotionを相手にした際に《夜帷の死霊》で追放したカードをプレイしやすくする調整だと思われます。
同系対決はあまり想定されていなかったのか、《闇の裏切り》の枚数が少なめです。《破滅の刃》の方が優先されているところを見ると
オーストラリアでもアメリカと同様にGR Monstersは相当意識されていたようです。
4 《島》 4 《平地》 4 《神聖なる泉》 2 《湿った墓》 4 《啓蒙の神殿》 3 《欺瞞の神殿》 3 《静寂の神殿》 3 《変わり谷》 -土地(27)- 1 《霊異種》 -クリーチャー(1)- |
2 《思考囲い》 2 《急かし》 2 《中略》 2 《アゾリウスの魔除け》 4 《解消》 4 《スフィンクスの啓示》 4 《至高の評決》 2 《宿命的報復》 4 《拘留の宝球》 4 《思考を築く者、ジェイス》 2 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(32)- |
3 《破滅の刃》 3 《反論》 2 《ヴィズコーパの血男爵》 2 《闇の裏切り》 2 《異端の輝き》 1 《否認》 1 《存在の破棄》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
今大会2日目の最大勢力を誇ったEsper Control。トップ8にも3人の入賞者を出すなど、優勝こそ逃しましたが今大会の勝ち組デッキだったと言えます。
SCGO Atlantaのリストと異なり《英雄の破滅》は不採用となっている点をはじめ全体的に黒は薄めで、UW Controlタッチ黒といった構成です。多くのUW Controlではメインに1枚だけ採用されていることが多い《宿命的報復》も2枚と多めに採られており、速攻デッキよりもGR Monstersや同系等とマッチアップされることを想定していたことは、《思考囲い》がメインに採用されていることからもうかがえます。
サイドには《幽霊議員オブゼダート》などの黒いクリーチャー対策に《闇の裏切り》、GR Monstersの大型クリーチャー対策の《破滅の刃》、Mono Black Devotionに強いフィニッシャーの 《ヴィズコーパの血男爵》と、青白2色の時と比べるとサイドの選択肢が増すのが黒を足したバージョンの強みです。しかし、色を足すとその分《湿った墓》等のショックランドを多めに採ることになるので、土地からのライフロスが痛いことがあり、特にビートダウンを相手にした際には致命傷になりえます。
この点Wei Yifanのリストは黒いカードを必要最低限に絞り、《英雄の破滅》等の色拘束の強いスペルを諦めることによってショックランドの枚数の調整をしています。非常にバランスの良いデッキなので、今後も人気が出そうです。
7 《沼》 4 《平地》 4 《神無き祭殿》 4 《静寂の神殿》 4 《オルゾフのギルド門》 2 《変わり谷》 -土地(25)- 4 《生命散らしのゾンビ》 2 《オレスコスの王、ブリマーズ》 2 《冒涜の悪魔》 3 《ヴィズコーパの血男爵》 3 《幽霊議員オブゼダート》 -クリーチャー(14)- |
4 《思考囲い》 3 《究極の価格》 3 《胆汁病》 1 《肉貪り》 4 《英雄の破滅》 3 《地下世界の人脈》 1 《エレボスの鞭》 2 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(21)- |
4 《強迫》 3 《破滅の刃》 2 《死者の神、エレボス》 2 《存在の破棄》 1 《肉貪り》 1 《地下世界の人脈》 1 《真髄の針》 1 《太陽の勇者、エルズペス》 -サイドボード(15)- |
Craig Chapmanのリストは他のBW Midrangeと異なる点がいくつか見られます。
まず印象に残ったのは、他の多くの黒系のミッドレンジで採用されている《群れネズミ》が不採用な点です。「神々の軍勢」で《胆汁病》が加入して以降、同系において《群れネズミ》1枚で押し切るのは以前と比べて困難になりました。全体除去を搭載したUW Controlに対してもあまり強いカードとは言えないため、他のカードが優先されて採用され始めています。
Craigは《群れネズミ》の枠に《生命散らしのゾンビ》と《オレスコスの王、ブリマーズ》を採用しています。もう何度も述べていますが、これだけGR MonstersやBW Midrangeが存在するとなると環境的に《生命散らしのゾンビ》が強く、メインでも十分に活躍が期待できます。
同系に強い《ヴィズコーパの血男爵》や、青白系とGR Monstersに強い《幽霊議員オブゼダート》が多めに採用されている等、全体的に重めの構成です。
総括
SCGO St. Louisは「神々の軍勢」から加入した《クルフィックスの狩猟者》と《歓楽の神、ゼナゴス》によって強化されたGR Monstersがトップ8を占領しました。しかしその凄まじいパフォーマンスで目立ちすぎたため、翌週のSCGO Atlantaでは 《生命散らしのゾンビ》をメインに搭載したMono Black Devotionが登場するなどしてメタられ、入賞者がわずか1名(黒を足したJund Monsters)で準決勝敗退と、SCGO St. Louisと比べるとやや大人しい成績でした。同週末にオーストラリアで開催されていたGP Melbourneでも、SCGO Atlantaと同様にMono Black Devotionが決勝でEsper Controlを破り優勝を果たしていました。GP MelbourneではEsper Controlが人気でトップ8にも多数の入賞者を出すという、優勝こそ逃しましたが主役的な存在でした。メタが固まってくるにつれて仮想敵がはっきりしてくるデッキなので、デッキの安定感も手伝って今後も人気が出てきそうです。
以上SCGO St. Louis、SCGO Atlanta、GP Melbourneの解説でした。
今週末はGP RichmondのためSCGOがお休みなので、次回の記事ではSCGO Seattleの解説を予定しています。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!