準々決勝: 永田 智(神奈川) vs. 吉森 奨(神奈川)

晴れる屋

By Atsushi Ito

 意外にも、と言ったら失礼だろうか。

 今更ながらこの男にPWCCの権利があることに驚いた。

 GPトップ8経験もある生粋の《包囲の搭、ドラン》フリーク、吉森だ。

吉森 「いや、普通に30位くらいで権利持ってたよ。どこやねんGPTとか結構出てたらなんか溜まってたw」

 対するは永田。

 2013年度に開催されたPWC、その半分以上に参加しているほどのPWC常連である。

 PWC的には永田が勝った方が喜ばしいことだろうが、そんなこととは関係なく勝敗は決する。それが勝負というものだ。

 ともあれ。



 ジャンド怪物の吉森と、バーンの永田。

 準決勝に駒を進めるのは、はたしてどちらか。


Game 1

 永田が先手。打点は十分だが土地が《山》《変わり谷》と、マナベースに不安がある手札をマリガンする。

 開始したゲームは吉森の《エルフの神秘家》を永田が《マグマの噴流》する立ち上がり。だが、なおも吉森は《森の女人像》を送り出す。

 さらに続くターン、永田のバーンデッキにとっては悪夢に等しい《クルフィックスの狩猟者》が降臨してしまう。このターンのセットランドには何とか《頭蓋割り》を合わせるが、クロックもないこの盤面ではいかにも苦しい。



 対して吉森、永田の手札が十分でないとみるや、《嵐の息吹のドラゴン》を出してフルアタックする始末。

 やがて2体目の《嵐の息吹のドラゴン》が、永田を速やかに殴りきった。

永田 0-1 吉森


Game 2

 永田の《ボロスの反攻者》が初動となるゆっくりとした立ち上がり。返しで《クルフィックスの狩猟者》を出すが、次のターンのセットには《頭蓋割り》を合わせる。クロックもあり、永田も今度は苦しそうには見えない。

 対して苦しいのは吉森。いかんせん《ボロスの反攻者》が止まらないのだ。

 仕方なく《森の女人像》をチャンプブロッカーに回してまでしのぐ、厳しい展開。



 だがそんな逆境の中で、吉森も逆転の機をうかがっていた。

 起死回生の《ラクドスの復活》X=3!

 永田の手札を根こそぎ奪い去ると、《ボロスの反攻者》《クルフィックスの狩猟者》でチャンプ。得た1ターンでトップにめくれていた《漁る軟泥》を送り出し、かろうじて吉森の命をつなぐ。

 4/4の《漁る軟泥》《ボロスの反攻者》の攻撃を受け止めるが、ダメージが本体に反射して吉森のライフは1。

 永田がキャストしたのは……2体目の《ボロスの反攻者》

 今度は、止める手段がなかった。

永田 1-1 吉森


Game 3

 先手でしかも《エルフの神秘家》《森の女人像》というロケットスタートを切る吉森。これはさすがに見過ごせない永田、《稲妻の一撃》《エルフの神秘家》を処理せざるをえない。

 一方ベストムーブが阻害された格好となった吉森は、やむなく「占術」土地を置きつつ3マナオープンでターンを返す。

 しかし貴重な1ターンを得た永田だったが、こちらは3枚目の土地がなく、火力を構えてターンを返すしかない。

 そしてついに吉森は、5マナ目となるギルドランドをアンタップイン。

 すなわち、《嵐の息吹のドラゴン》の強襲!

 負けじと永田も《ボロスの魔除け》で応戦するが、ダメージレースで先行されている上に相手のダメージ源にはマナがかからないのだから始末に負えない。

 続く《荒野の収穫者》こそ、《岩への繋ぎ止め》するものの。

 吉森が「手札は?」と聞くと、永田はこのゲームの結末を悟った。

ラクドスの復活


 《ラクドスの復活》X=4!

 散りゆく手札とともに、永田のPWCC2014は終わりを告げた。

永田 1-2 吉森