皆さんこんにちは。
来月にはGP 名古屋が開催されますが皆さんは参加されますか?
さて、今回の記事ではStarCityGames.com Open Series(SCGO) SeattleとSCGO Los Angelesの解説をしていきたいと思います。
SCGO Seattle トップ8 デッキアーキタイプ
2014年3月16日
1位 BUG Delver/青黒緑アグロ
2位 Death and Taxes/デス&タックス
3位 Jund/ジャンド
4位 UWR Miracle/ソプターコントロール
5位 BW Deathblade/デッドガイ・エイル
6位 Elves/エルフ
7位 UW Miracle/白青奇跡
8位 Sneak and Show/スニーク・ショー
優勝はBUG Delverでした。GP Paris優勝後はDelver系のテンポデッキのバリエーションとして定着している印象があります。黒を足したおかげで《真の名の宿敵》対策のカードが使用可能になっており、最近ではUWR Delverよりも人気があるデッキです。
SCGO Seattle デッキ解説
「BUG Delver」「Death and Taxes」「UWR Miracles」
4 《汚染された三角州》 3 《霧深い雨林》 2 《新緑の地下墓地》 4 《Underground Sea》 2 《Bayou》 1 《Tropical Island》 4 《不毛の大地》 -土地(20)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《死儀礼のシャーマン》 3 《タルモゴイフ》 1 《闇の腹心》 1 《真の名の宿敵》 1 《墓忍び》 -クリーチャー(14)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 2 《見栄え損ない》 2 《思考囲い》 1 《呪文貫き》 3 《目くらまし》 3 《Hymn to Tourach》 3 《突然の衰微》 1 《ヴェールのリリアナ》 3 《Force of Will》 -呪文(26)- |
2 《外科的摘出》 2 《ゴルガリの魔除け》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《被覆》 1 《狼狽の嵐》 1 《呪文貫き》 1 《見栄え損ない》 1 《突然の衰微》 1 《クローサの掌握》 1 《大渦の脈動》 1 《Force of Will》 1 《森の知恵》 1 《ヴェールのリリアナ》 -サイドボード(15)- |
今回優勝したGreg Mitchellのリストは同系やクリーチャーデッキを意識していたようで、メインから《見栄え損ない》を採っています。
《秘密を掘り下げる者》《死儀礼のシャーマン》《タルモゴイフ》以外のクリーチャー選択としては、通常《墓忍び》か《真の名の宿敵》、または《闇の腹心》という3種類のうちのどれかが選ばれますが、Greg Mitchellは各種1枚ずつ採っています。1枚ずつとはいえ《墓忍び》と《闇の腹心》を同じデッキに入れるのは流石にリスクが大きいので、筆者が使う場合は《墓忍び》の部分を《闇の腹心》か《真の名の宿敵》に差し替えると思います。
サイドも1枚刺しが多いのが印象的ですが、《渦まく知識》と《思案》を4枚ずつ採用しているので各シチュエーションに応じたカードに巡り合うことは比較的容易です。ソーサリー限定の確定カウンター《被覆》は最近はあまり見ないカードではありますが、GP Parisでの活躍を機に復権してきたUW Miracleの使う《天使への願い》《終末》をわずか1マナでカウンターできます。他にも《実物提示教育》《自然の秩序》など、レガシーにはゲームを決定付けるソーサリースペルが多数存在するので、受けが狭いという難点を踏まえても1-2枚なら問題なく入りそうです。
10 《平地》 1 《地平線の梢》 1 《魂の洞窟》 3 《Karakas》 4 《リシャーダの港》 4 《不毛の大地》 -土地(23)- 4 《ルーンの母》 4 《石鍛冶の神秘家》 4 《スレイベンの守護者、サリア》 4 《ファイレクシアの破棄者》 3 《セラの報復者》 3 《ちらつき鬼火》 2 《エイヴンの思考検閲者》 2 《オレスコスの王、ブリマーズ》 -クリーチャー(26)- |
4 《剣を鍬に》 4 《霊気の薬瓶》 1 《殴打頭蓋》 1 《火と氷の剣》 1 《梅澤の十手》 -呪文(11)- |
2 《エーテル宣誓会の法学者》 2 《悟りの教示者》 2 《大変動》 2 《安らかなる眠り》 2 《忘却の輪》 1 《呪文滑り》 1 《墓掘りの檻》 1 《万力鎖》 1 《真髄の針》 1 《漸増爆弾》 -サイドボード(15)- |
BUG DelverやSneak and Showほど目立ってはいないものの、コンスタントに入賞し続けているDeath and Taxes。白単色のビートダウンですが、《石鍛冶の神秘家》パッケージや妨害要素を持つクリーチャーを多く採用しているので中盤以降のゲームにも強く、コンボに対しても互角以上に戦えるデッキです。
今回入賞したDavid Baumanのリストには3マナ域のクリーチャーとして「神々の軍勢」の新戦力、《オレスコスの王、ブリマーズ》が採用されています。タフネスが4あるので《稲妻》の射程圏外で、《突然の衰微》のような単体除去も《Karakas》でバウンスさせてかわすことが可能です。また、トークンを生みだす能力は装備品とも相性が良く、今後は3マナ域のクリーチャーのレギュラーとして活躍できそうです。
10 《平地》 1 《地平線の梢》 1 《魂の洞窟》 3 《Karakas》 4 《リシャーダの港》 4 《不毛の大地》 -土地(23)- 4 《ルーンの母》 4 《石鍛冶の神秘家》 4 《スレイベンの守護者、サリア》 4 《ファイレクシアの破棄者》 3 《セラの報復者》 3 《ちらつき鬼火》 2 《エイヴンの思考検閲者》 2 《オレスコスの王、ブリマーズ》 -クリーチャー(26)- |
4 《剣を鍬に》 4 《霊気の薬瓶》 1 《殴打頭蓋》 1 《火と氷の剣》 1 《梅澤の十手》 -呪文(11)- |
2 《エーテル宣誓会の法学者》 2 《悟りの教示者》 2 《大変動》 2 《安らかなる眠り》 2 《忘却の輪》 1 《呪文滑り》 1 《墓掘りの檻》 1 《万力鎖》 1 《真髄の針》 1 《漸増爆弾》 -サイドボード(15)- |
4 《島》 2 《平地》 1 《山》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《沸騰する小湖》 1 《乾燥台地》 2 《Tundra》 2 《秘教の門》 1 《Volcanic Island》 2 《Karakas》 -土地(23)- 1 《瞬唱の魔道士》 3 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《造物の学者、ヴェンセール》 -クリーチャー(5)- |
4 《渦まく知識》 2 《剣を鍬に》 1 《呪文貫き》 1 《紅蓮破》 1 《赤霊破》 1 《対抗呪文》 2 《天使への願い》 1 《至高の評決》 3 《Force of Will》 1 《誤った指図》 4 《終末》 4 《相殺》 4 《師範の占い独楽》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(32)- |
3 《安らかなる眠り》 2 《狼狽の嵐》 2 《Wear》 1 《硫黄の精霊》 1 《造物の学者、ヴェンセール》 1 《紅蓮破》 1 《赤霊破》 1 《天界の粛清》 1 《天使への願い》 1 《誤った指図》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
GP Parisでは3人のプレイヤーを送り込む活躍を見せたUW Miracle。今大会でも2名のプレイヤーが入賞を果たしました。
Adam RuprechtのリストはSCGO Atlantaでも入賞していた《石鍛冶の神秘家》とのハイブリッドバージョンです。 《弱者の剣》+《飛行機械の鋳造所》のコンボや《悟りの教示者》を使ったシルバーバレット戦略も採られているなど、1つのデッキに多数の戦略が詰め込まれているのが特徴です。
7位のBrent TrautのリストはGP Parisで準優勝した《紅蓮破》《赤霊破》メイン搭載のリストによく似ていますが、GP Parisの入賞リストと比べるとメインのクリーチャー選択に変化が見られます。《ヴェンディリオン三人衆》が増量され《造物の学者、ヴェンセール》もメインに採用されています。《ヴェンディリオン三人衆》はコンボやコントロールとのマッチアップで強く、《造物の学者、ヴェンセール》は《実物提示教育》に強い上、コントロールとのマッチアップでもこのデッキで数少ないPWに触る手段なので重宝します。
SCGO Los Angeles トップ8 デッキアーキタイプ
2014年3月23日
1位 BUG Control/青黒緑アグロ
2位 UR Delver/青赤デルバー
3位 Mono Green 12 Post/12ポスト
4位 Food Chain/食物連鎖
5位 Belcher/ベルチャー
6位 Sneak and Show/スニーク・ショー
7位 Manaless Dredge/発掘
8位 UWR Delver/白青石鍛冶
レガシーが盛んな地域のLos Angelesだけあって、普段は見かけない珍しいデッキも見られました。
特に4位に入賞したFood Chainは優勝こそは逃したものの、今大会で最も注目されたデッキの一つでした。
SCGO Los Angeles デッキ解説
「BUG Control」「Mono Green 12 Post」「Food Chain」
4 《Underground Sea》 3 《忍び寄るタール坑》 2 《Tropical Island》 1 《Bayou》 4 《新緑の地下墓地》 3 《霧深い雨林》 3 《汚染された三角州》 3 《不毛の大地》 -土地(23)- 3 《悪意の大梟》 4 《死儀礼のシャーマン》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 4 《真の名の宿敵》 -クリーチャー(12)- |
4 《渦まく知識》 4 《思考囲い》 2 《コジレックの審問》 3 《突然の衰微》 2 《四肢切断》 1 《大渦の脈動》 3 《Force of Will》 3 《ヴェールのリリアナ》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(25)- |
3 《呪文貫き》 2 《ファイレクシアの破棄者》 2 《Hymn to Tourach》 2 《ゴルガリの魔除け》 1 《外科的摘出》 1 《湿地での被災》 1 《Force of Will》 1 《夜の戦慄》 1 《墓掘りの檻》 1 《梅澤の十手》 -サイドボード(15)- |
今回優勝したPhimus Panのリストはテンポ寄りのBUG Delverと異なり、Shardless BUGと似た中速コントロール寄りの戦略を採っているデッキです。アドバンテージ獲得手段の《断片無き工作員》と《祖先の幻視》は不採用で、代わりに《真の名の宿敵》が採用されています。
コントロール寄りの構成のため、ハンデスは《Hymn to Tourach》よりも、相手の脅威を確実に落とすことができる上に手札の情報をも見れる《思考囲い》が優先されています。《コジレックの審問》も含めてメインにハンデス6枚と、多めに採られているのが特徴です。
サイドにはSneak and ShowやReanimator対策の《ファイレクシアの破棄者》、追加のハンデスである《Hymn to Tourach》、追加のカウンターなどコンボを意識した構成です。Death and Taxesの小型の白いクリーチャー対策として《ゴルガリの魔除け》の他に《夜の戦慄》が採られています。
3 《冠雪の森》 1 《魂の洞窟》 2 《吹きさらしの荒野》 1 《樹木茂る山麓》 2 《ドライアドの東屋》 1 《Karakas》 1 《ボジューカの沼》 4 《雲上の座》 4 《微光地》 4 《ヴェズーヴァ》 1 《暗黒の深部》 1 《演劇の舞台》 1 《ウギンの目》 -土地(26)- 1 《ムル・ダヤの巫女》 4 《原始のタイタン》 1 《真実の解体者、コジレック》 1 《無限に廻るもの、ウラモグ》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(8)- |
4 《輪作》 4 《緑の太陽の頂点》 3 《一瞬の平和》 2 《北方行》 1 《全ては塵》 4 《師範の占い独楽》 4 《探検の地図》 3 《真髄の針》 1 《忘却石》 -呪文(26)- |
4 《神聖の力線》 2 《忍び寄る腐食》 2 《エレファント・グラス》 2 《安らかなる眠り》 1 《Savannah》 1 《Glacial Chasm》 1 《The Tabernacle at Pendrell Vale》 1 《ガドック・ティーグ》 1 《聖なる場》 -サイドボード(15)- |
多数の《雲上の座》と《微光地》《ヴェズーヴァ》を揃えて大量のマナを出し、《ウギンの目》から《引き裂かれし永劫、エムラクール》、《真実の解体者、コジレック》、《無限に廻るもの、ウラモグ》等のエルドラージクリーチャーをサーチしてキャストし勝利します。
《原始のタイタン》で好きな土地をサーチすることも可能なので、追加の勝ち手段として土地だけで勝てる《暗黒の深部》+《演劇の舞台》のコンボも搭載されています。《微光地》は《雲上の座》のマナを増やしてくれるだけでなく、ライフゲインで土地が揃うまでの時間を稼いでくれます。《輪作》のおかげで 《ボジューカの沼》や《Karakas》等のユーティリティランドやキーカードである《ウギンの目》を状況に応じてサーチできます。
メインは緑単ですがサイドには土地破壊対策の《聖なる場》、コンボ対策の《ガドック・ティーグ》《神聖の力線》、墓地対策の《安らかなる眠り》が採られており、白マナ源として《Savannah》が1枚サイドに忍ばせてあります。土地が揃うまでの時間稼ぎとして《エレファント・グラス》や《The Tabernacle at Pendrell Vale》も採用されています。
4 《島》 3 《森》 4 《霧深い雨林》 3 《新緑の地下墓地》 1 《沸騰する小湖》 4 《Tropical Island》 1 《Underground Sea》 1 《Karakas》 -土地(21)- 4 《貴族の教主》 1 《死儀礼のシャーマン》 2 《花の壁》 4 《断片無き工作員》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 4 《霧虚ろのグリフィン》 2 《造物の学者、ヴェンセール》 2 《潮吹きの暴君》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(22)- |
4 《渦まく知識》 3 《運命の操作》 4 《Force of Will》 1 《誤った指図》 1 《森の知恵》 4 《食物連鎖》 -呪文(17)- |
4 《強情なベイロス》 4 《水没》 2 《ファイレクシアの破棄者》 2 《墓掘りの檻》 2 《無のロッド》 1 《誤った指図》 -サイドボード(15)- |
今大会のデッキテクとしても紹介されています。
SCG Invitationalでもトップ8に入賞経験のある強豪プレイヤーJonathan Jobは、今回非常に珍しいデッキで参戦し入賞を果たしました。
こちらは《食物連鎖》を軸にしたコンボデッキで、《霧虚ろのグリフィン》+《食物連鎖》のコンボで無限マナを出し、そのマナを使って《引き裂かれし永劫、エムラクール》もしくは《潮吹きの暴君》で相手の場を一掃して勝利します。
《霧虚ろのグリフィン》が追放ゾーンからプレイできることを利用して《運命の操作》というニッチなカードが採用されています。 「続唱」でアドバンテージを獲得可能な《断片無き工作員》も採用されており、またカウンターや《Hymn to Tourach》を使うデッキとのマッチアップで活躍できる《誤った指図》など、妨害スペルも豊富です。特に《誤った指図》と《Force of Will》は《霧虚ろのグリフィン》をコストとして追放すれば、実質的にアドバンテージを失うことなくプレイできます。《ヴェンディリオン三人衆》のように単体でも強いカードが多数搭載されているので、無理にコンボを決めにいかなくてもゲームに勝てるように調整されているのが特徴です。
インタビューによれば、Delver系のデッキに対しては《強情なベイロス》が入るサイド後も含めて有利が付くようです。一方Death and Taxes相手がやや不利のようで、《霊気の薬瓶》を封じる 《ファイレクシアの破棄者》や《無のロッド》をサイドインして戦うとのことです。
総括
SCGO SeattleはGP Parisでも優勝していたBUG Delverの優勝によって幕を閉じました。またその翌週のSCGO Los Angelesでは、同じ色の組み合わせでも戦略におけるアプローチが大きく異なるBUG Controlが優勝を飾りました。
両大会の結果を見てみると、現在のレガシーのメタではBUG系のデッキが頭一つ抜けているようです。ハンデスとカウンターにアクセスが可能なためコンボに強い上に、《ヴェールのリリアナ》にアクセスができるので環境を支配する《真の名の宿敵》を対策しやすいのが要因だと思われます。特にSCGO Los Angelesの優勝デッキのBUG Controlは今週末に開催されるSCG Invitationalでも人気がありそうです。
今週末は今年最初のSCG InvitationalがアメリカのNorth Carolina州 Charlotteで開催されます。残念ながら筆者は今回参加できませんが、6月に開催されるSCG Invitational Columbusには参加予定です。
次回の記事ではSCG Invitational CharlotteとSCGO Milwaukeeの解説を予定しています。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいレガシーを!