皆さんこんにちは。
来週末にGP 名古屋が開催されますが皆さんは参加されますか?
さて、今回の記事では何時ものStarCityGames.com Open Series(SCGO)2週間分の上位入賞デッキ解説に加えて、SCG Invitational Charlotteのスタンダード部門とスタンダードで競われたGP Cincinnati、それとGP Beijingの入賞デッキ解説もしていこうと思います。
SCGO Los Angeles トップ8 デッキアーキタイプ
2014年3月22日
1位 Esper Control/白青黒コントロール
2位 Esper Control/白青コントロール
3位 GR Monsters/赤緑怪物
4位 RW Burn/バーン
5位 Mono Black Devotion/信心青単
6位 BW Devotion/白黒コントロール
7位 Jund Monsters/黒赤緑ビートダウン
8位 Jund Monsters/黒赤緑ビートダウン
Esper Controlのワンツーフィニッシュで幕を閉じたSCGO Los Angeles。GP Buenos Airesを制したRG Monstersに黒を足したJund Monstersも入賞していましたが、流石に前の週に結果を残したデッキだったため、マークが厳しかったようで勝ち切れなかったようです。
SCGO Los Angeles デッキ解説
「Esper Control」「RW Burn」「Jund Monsters」
5 《島》 2 《平地》 4 《神聖なる泉》 4 《欺瞞の神殿》 4 《啓蒙の神殿》 4 《静寂の神殿》 2 《神無き祭殿》 2 《変わり谷》 -土地(27)- 1 《霊異種》 -クリーチャー(1)- |
2 《中略》 2 《思考囲い》 2 《破滅の刃》 2 《今わの際》 1 《存在の破棄》 4 《解消》 4 《スフィンクスの啓示》 4 《至高の評決》 4 《拘留の宝球》 4 《思考を築く者、ジェイス》 3 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(32)- |
2 《思考囲い》 2 《闇の裏切り》 2 《反論》 2 《否認》 2 《究極の価格》 2 《盲従》 1 《鬼斬の聖騎士》 1 《存在の破棄》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
今回優勝したJason Janasiewiczのリストは、GP Buenos AiresでPaulo Vitor Damo da Rosaが使用していたリストとほぼ同様です。《破滅の刃》と《今わの際》という2種類の除去スペルがメインから採用されています。
《今わの際》は最近流行り始めたRW Burnに対して、《チャンドラのフェニックス》を恒久的に除去するという役割以外にも、自分の《変わり谷》を対象にしてライフゲインをしたりと、使用用途の広いスペルです。
9 《山》 4 《聖なる鋳造所》 4 《凱旋の神殿》 2 《ボロスのギルド門》 4 《変わり谷》 -土地(23)- 4 《灰の盲信者》 4 《チャンドラのフェニックス》 -クリーチャー(8)- |
3 《ショック》 4 《マグマの噴流》 4 《頭蓋割り》 4 《稲妻の一撃》 4 《灼熱の血》 4 《ボロスの魔除け》 4 《戦導者のらせん》 2 《岩への繋ぎ止め》 -呪文(29)- |
4 《火飲みのサテュロス》 4 《サテュロスの火踊り》 3 《ヴィーアシーノの初太刀》 2 《岩への繋ぎ止め》 2 《盲従》 -サイドボード(15)- |
Esper Controlのようにタップインランドやショックランドを多数採用した遅めのデッキに有利が付くため、最近使われ始めたRW Burn。入賞したVidianto Wijayaのリストは前回の記事でもインタビューしたリストとよく似たリストです。メインのクリーチャーの少なさから相手の除去を腐らせることが可能で、除去を大量に積んだ黒いデッキや青白系のデッキに対してメインは有利に立ち回れます。
サイド後は相手も除去を減らしてくるので、追加のクリーチャーとして《火飲みのサテュロス》や《ヴィーアシーノの初太刀》を投入して意表を突く戦略のようです。同系も意識しているようで《盲従》が採用されています。
《サテュロスの火踊り》は青単などの除去の薄いクリーチャーデッキに対して特に強さを発揮します。《ボロスの魔除け》で本体に4点ダメージを与えつつ相手のクリーチャーを除去ということも可能になります。赤いデッキにとってキツイ《波使い》も《岩への繋ぎ止め》で除去することができるので、青単とのマッチアップはそれでも有利とは言えないにせよ、圧倒的に不利ではなくなった印象です。
5 《森》 1 《山》 4 《血の墓所》 4 《草むした墓》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《奔放の神殿》 1 《悪意の神殿》 -土地(23)- 4 《エルフの神秘家》 4 《森の女人像》 1 《漁る軟泥》 4 《クルフィックスの狩猟者》 3 《荒野の収穫者》 4 《世界を喰らう者、ポルクラノス》 4 《嵐の息吹のドラゴン》 1 《歓楽の神、ゼナゴス》 -クリーチャー(25)- |
3 《ミジウムの迫撃砲》 2 《ゴルガリの魔除け》 4 《ドムリ・ラーデ》 3 《歓楽者ゼナゴス》 -呪文(12)- |
4 《霧裂きのハイドラ》 2 《闇の裏切り》 2 《破滅の刃》 2 《戦慄掘り》 1 《狂気の種父》 1 《自由なる者ルーリク・サー》 1 《ゴルガリの魔除け》 1 《ラクドスの復活》 1 《ナイレアの弓》 -サイドボード(15)- |
GP Buenos Airesでも優勝していたRG Monstersに黒をタッチしたJund Monsters。Nathanのリストは青白系のデッキを意識していたようで、《ゴルガリの魔除け》がメインに採用されています。大抵のデッキはメインからエンチャント除去を採っていないため、青白やEsper Controlは《拘留の宝球》に頼り切っているので、高い効果が期待できそうです。その代わり《戦慄掘り》がサイドに移されているので、同系や《冒涜の悪魔》等の大型クリーチャーに対しては元のリストよりも少し厳しくなっています。
Grand Prix Cincinnati トップ8 デッキアーキタイプ
2014年3月23日
1位 Esper Control/白青黒コントロール
2位 Esper Control/白青黒コントロール
3位 Mono Black Aggro/黒単
4位 BW Control/白黒コントロール
5位 Esper Control/白青黒コントロール
6位 BW Control/白黒コントロール
7位 Naya Auras/呪禁オーラ
8位 UW Devotion/信心青単
SCGO Los Angelesと同週末に開催されたGP Cincinnatiは、SCGO Los Angelesと同様に決勝戦はEsper Controlのミラーマッチでした。トップ8に3人の入賞者を出すなど、間違いなく今大会の勝ち組と言えます。
Grand Prix Cincinnati デッキ解説
「Esper Control」「Mono Black Aggro」
5 《島》 2 《平地》 4 《神聖なる泉》 4 《欺瞞の神殿》 4 《啓蒙の神殿》 4 《静寂の神殿》 1 《神無き祭殿》 1 《湿った墓》 2 《変わり谷》 -土地(27)- 1 《霊異種》 -クリーチャー(1)- |
2 《中略》 2 《思考囲い》 2 《アゾリウスの魔除け》 2 《破滅の刃》 1 《今わの際》 4 《解消》 4 《スフィンクスの啓示》 4 《至高の評決》 4 《拘留の宝球》 4 《思考を築く者、ジェイス》 3 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(32)- |
4 《夜帷の死霊》 2 《テューンの大天使》 2 《ヴィズコーパの血男爵》 2 《否認》 1 《強迫》 1 《存在の破棄》 1 《思考囲い》 1 《究極の価格》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
Kyle BoggemesはPT San Diego 2010でも準優勝経験のあるミシガンの強豪プレイヤーです。学業と仕事に専念するために競技マジックからは遠ざかっていましたが、ミシガンに近いGPという事で今大会に久しぶりに参加し、なんと念願の初タイトルを獲得しました。
Kyleのメインのリストはスタンダードなレシピですが、サイドは 《ヴィズコーパの血男爵》の他にも《テューンの大天使》と《夜帷の死霊》が採用されている等クリーチャーが多めの構成で、サイド後はクロックパーミッションに変形する選択肢もあります。《テューンの大天使》は最近流行の兆しを見せているRW Burnに対する有力なフィニッシャーになります。RW Burnに対する選択肢を増やすために4枚目の《思考囲い》が《強迫》に差し替えられています。
◆Interview With Kyle Boggemes
Kyleはミシガン州のプレイヤーで筆者とも交流があり、お話を聞くことができました。
--今大会に向けてのどのように準備をした?
Kyle:今大会に向けては特に準備らしい準備はしていなかった。Esper ControlはGet Your Game On(ミシガン州アナーバー市のショップ)での調整仲間の1人であるAndy Polzinと、Jund Monstersとのサイド後のマッチアップを軽くテストプレイした。調整の結果、試しに採用していた《Far》はあまり強くないことが分かって、普通のリストを使うことに決めた。大会直前に各サイトでEsper Controlのリストについて様々な記事が挙がっていたが、リストはどれも似ていて、今大会に持ち込んだリストは決勝で当たったBrad Nelsonのリストともメインは数枚ほどしか違いが見られなかった。
--何故Esper Control?
Kyle:前シーズンにMono Black DevotionをPTQで回してみたけど、あまりしっくりこなかった。僕はいつもコントロールを使っていて、メタ上で有利な位置にある青白を使うことは自然な選択だった。同じくコントロールデッキを好んで使う、長い付き合いの調整仲間であるDJ Kastnerとも調整した。彼もまた前シーズンに黒いデッキを使った後に、Esper Controlに乗り換えた。
--どんなデッキと当たることを予想していた?
Kyle:ここ最近あまり競技レベルの大会に参加していなかったけど、この環境のポピュラーなデッキについては最新の情報を常に把握していた。Jund Monsters、Esper同系、黒信心、青信心、Burnなどには、トップテーブルに進むにつれて当たることを予想していた。他の有名プレイヤーの記事を読んだりしながら現環境のトップメタのデッキについて予習をしっかりしたのも大きかった。
--サイドボードについて。特にクリーチャーの《夜帷の死霊》と《テューンの大天使》の感触は?
Kyle:今回のサイドボードについては、2ゲーム以降を残り時間が20分を切っていても速やかに終わらせられるように調整した。引き分けを避ける為にも重要なことだ。《夜帷の死霊》はBrian Braun-Duinの記事から借りたアイディアで、緑デッキ以外の殆どのデッキとの対戦でサイドインした。《テューンの大天使》は青い信心デッキとRW Burn、GW Aggroとの対戦でサイドインした。《ヴィズコーパの血男爵》と比べると除去されやすいのが難点だったけど、《スフィンクスの啓示》がコンバットトリックになったりと、活躍した場面では物凄い強さだった。クリーチャーを多数サイドインする戦略は多くの対戦相手の意表を突くことができて、明らかに有利な方向に向いた。
--今大会で一番苦戦したマッチアップは?
Kyle:一番苦戦したマッチはトップ8進出を賭けたスイス最終ラウンドでのDeshaun Baylock(Esper Midrange)との対戦だった。《幽霊議員オブゼダート》を使ったデッキと対戦するのは今大会では初めてで、毎ターン2点ドレインされながらも《アゾリウスの魔除け》の存在をちらつかせるためにマナを毎ターン立てておかなければいけなくて、《スフィンクスの啓示》を4枚全て使いきってようやく死なずに耐えて《霊異種》に繋げ、レースを制したときのライフは1で本当にギリギリだった。
--今後のGPやその他の大会には参加する?
Kyle:6月に開催されるGP Chicagoとプロツアーで行くことになるPortlandで開催されるGPにも参加するかもしれない。プロツアーやGPをサーキットしていた20歳の頃と比べて24歳の現在では他に優先すべきことが沢山あり、大会に参加するために週末を開けるのは難しくなった。でも昔からの付き合いのある友人達との交流も兼ねて、時間を見つけては参加したいと思ってる。
--なるほど。色々と参考になる意見をありがとう。改めて、GP 優勝おめでとう。プロツアーでもがんばって!
Kyleが使用していたEsper Controlについては、彼自身記事にもしています。
対戦レコードや各マッチアップでのサイドボードのインアウト等が載っており、参考になります。
19 《沼》 4 《変わり谷》 -土地(23)- 4 《苛まれし英雄》 4 《ラクドスの哄笑者》 4 《苦痛の予見者》 4 《責め苦の伝令》 4 《生命散らしのゾンビ》 2 《モーギスの匪賊》 3 《冒涜の悪魔》 -クリーチャー(25)- |
4 《思考囲い》 2 《胆汁病》 2 《肉貪り》 4 《英雄の破滅》 -呪文(12)- |
4 《闇の裏切り》 4 《強迫》 4 《破滅の刃》 2 《肉貪り》 1 《死者の神、エレボス》 -サイドボード(15)- |
《苦痛の予見者》や《責め苦の伝令》などの軽いクリーチャーを採用した、Mono Black Devotionよりもアグロ寄りの黒単です。クリーチャーのスペースの確保のためにメインの除去の枚数を減量しており、青信心等に対しては若干不利になりましたが、黒信心や青白系のコントロールに対しては、無駄カードになりやすい単体除去が少なめでクリーチャーが多めに採られているので、黒単信心の時と比べれば相性が改善されています。
SCGO Charlotte トップ8 デッキアーキタイプ
2014年3月29日
1位 UW Devotion/信心青単
2位 BW Midrange/白黒コントロール
3位 Mono Red Aggro/赤単
4位 Jund Monsters/赤緑怪物
5位 Mono Black Devotion/黒単
6位 Esper Control/白青コントロール
7位 Mono Black Devotion/黒単
8位 Bant Control/白青緑コントロール
GP CincinnatiとSCGO Los Angelesを制したEsper Controlですが、今大会ではメタられていたようでトップ8にはわずかに一人でした。Esper Controlに対抗するために速さを意識した赤単色のビートダウンも見られました。しかし優勝したのは赤いビートダウンに対して特に有利な、青単信心に《拘留の宝球》や《都市国家の神、エファラ》をタッチした青白信心でした。
SCGO Charlotte デッキ解説
「UW Devotion」「Mono Red Aggro」
12 《島》 4 《神聖なる泉》 4 《啓蒙の神殿》 1 《ニクスの祭殿、ニクソス》 3 《変わり谷》 -土地(24)- 4 《雲ヒレの猛禽》 4 《審判官の使い魔》 4 《潮縛りの魔道士》 4 《凍結燃焼の奇魔》 4 《海の神、タッサ》 4 《夜帷の死霊》 4 《波使い》 1 《都市国家の神、エファラ》 1 《予知するスフィンクス》 -クリーチャー(30)- |
1 《急速混成》 4 《拘留の宝球》 1 《タッサの二叉槍》 -呪文(6)- |
2 《存在の破棄》 2 《反論》 2 《家畜化》 1 《都市国家の神、エファラ》 1 《急速混成》 1 《異端の輝き》 1 《サイクロンの裂け目》 1 《否認》 1 《暴動鎮圧》 1 《平和な心》 1 《タッサの二叉槍》 1 《思考を築く者、ジェイス》 -サイドボード(15)- |
青単信心に白をタッチした青白信心。「神々の軍勢」から《啓蒙の神殿》が加わり、無理なく白をタッチすることが可能になりました。《拘留の宝球》は除去に乏しい青単にとっては最も欲しかったカードの1枚で、青単のときには対処が難しかった《群れネズミ》やPWを処理することが容易になりました。「神々の軍勢」から新たに加わった《都市国家の神、エファラ》は、このデッキではクリーチャー化も比較的容易で6/5の破壊されないクリーチャーは相手にとっても脅威になる上に、《雲ヒレの猛禽》等を中盤以降に引いてもドローができるので、以前と比べると消耗戦にも強くなりました。
白を足したことによりサイドボードのカード選択の幅も広がりました。《平和な心》は青単にとっては非常に厄介な《霧裂きのハイドラ》に対する回答になります。《暴動鎮圧》は赤単等ビートダウンとのマッチアップでダメージレースを有利にし、《存在の破棄》は同系戦で相手の《海の神、タッサ》や《家畜化》への対処やコントロールの《拘留の宝球》対策になります。最近流行りのNaya Hexproofに対してもサイドインできます。
青単信心との比較で言うと、タップインランドの《啓蒙の神殿》の影響で序盤のプレイングに多少変化を加える必要があり、デッキのスピードは落ちますが、それでも厄介なパーマネントを対処することが可能な白を足すことによるメリットの方が大きいと思います。
21 《山》 -土地(21)- 4 《火飲みのサテュロス》 2 《ラクドスの哄笑者》 4 《灰の盲信者》 4 《炎樹族の使者》 3 《火拳の打撃者》 2 《流血の家の鎖歩き》 4 《ボロスの反攻者》 3 《チャンドラのフェニックス》 3 《モーギスの狂信者》 -クリーチャー(29)- |
2 《ショック》 4 《稲妻の一撃》 4 《マグマの噴流》 -呪文(10)- |
4 《頭蓋割り》 3 《ミジウムの迫撃砲》 2 《灼熱の血》 2 《反逆の行動》 2 《向こう見ずな技術》 1 《ショック》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
タップインランドやショックランドを多く採っているために序盤の動きがやや遅いEsper Controlをメタった、速度重視の赤単ビートダウン。序盤から軽いクリーチャーを展開していきプレッシャーをかけ、《至高の評決》等で流されても返しのターンで「速攻」持ちのクリーチャーや火力で残りのライフを削ります。単体除去が中心の黒単等に対しても、軽いクリーチャーが多いので黒単側はこちらの脅威を捌き切れないことが多く、《チャンドラのフェニックス》のように除去されても回収可能なクリーチャーも採られているので、有利に立ち回れます。
SCG Invitational Charlotte スタンダード部門 上位アーキタイプ
2014年3月28日
8-0 Mono Blue Devotion
7-0-1 WB Humans
7-1 Mono Red Aggro
7-1 BW Midrange
7-1 Mono Red Aggro
7-1 RW Burn
7-1 Mono Red Aggro
7-1 Esper Control
SCG Invitationalはスイスラウンドをスタンダードとレガシーの混合フォーマットで競い、スタンダードもしくはレガシー(その時々による)でプレーオフが行われます。
今回のInvitationalのプレーオフはレガシーで行われたので、この記事ではスイスラウンドのスタンダード部門で7-1以上の優秀な成績を収めたデッキを見ていきたいと思います。
SCG Invitational Charlotte デッキ解説
「WB Humans」「Mono Red Aggro」「Mono Blue Devotion」
6 《平地》 4 《沼》 4 《神無き祭殿》 4 《静寂の神殿》 1 《オルゾフのギルド門》 3 《変わり谷》 -土地(22)- 4 《万神殿の兵士》 4 《ドライアドの闘士》 4 《苦痛の予見者》 3 《果敢なスカイジェク》 3 《威圧する君主》 3 《迷宮の霊魂》 4 《ザスリッドの屍術師》 3 《放逐する僧侶》 -クリーチャー(28)- |
4 《思考囲い》 3 《オルゾフの魔除け》 1 《究極の価格》 2 《ヘリオッドの槍》 -呪文(10)- |
3 《罪の収集者》 3 《強迫》 2 《ヴィズコーパの血男爵》 2 《闇の裏切り》 2 《破滅の刃》 1 《異端の輝き》 1 《存在の破棄》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
白黒のウィニーデッキ。《至高の評決》を使うEsper Controlに対して不利なイメージがありますが、カードアドバンテージを提供する《苦痛の予見者》や、デッキの大半のクリーチャーが人間で除去されてもゾンビトークンを場に残す《ザスリッドの屍術師》に加え、《思考囲い》もフル搭載されているので、有利とは言えませんが見た目ほど不利でもない印象です。サイドには《強迫》や《罪の収集者》、《ヴィズコーパの血男爵》、《闇の裏切り》等、Esper Controlや黒単信心を強く意識した構成になっています。
18 《山》 4 《変わり谷》 -土地(22)- 4 《火飲みのサテュロス》 4 《鋳造所通りの住人》 4 《ラクドスの哄笑者》 4 《流血の家の鎖歩き》 4 《火拳の打撃者》 4 《炎樹族の使者》 4 《チャンドラのフェニックス》 4 《瓦礫帯のマーカ》 -クリーチャー(32)- |
2 《ショック》 2 《灼熱の血》 2 《ミジウムの迫撃砲》 -呪文(6)- |
4 《ボロスの反攻者》 4 《頭蓋割り》 2 《灼熱の血》 2 《峰の噴火》 2 《パーフォロスの槌》 1 《燃え立つ大地》 -サイドボード(15)- |
SCG InvitationalでもEsper Controlや黒単信心をメタって速度重視の赤系のビートダウンを選択するプレイヤーが多かったようで、3名のプレイヤーが赤単で7-1の成績を残しました。Chase Kovacのリストは特に速度を重視した構成にしており、多くの赤単に採用されている《モーギスの狂信者》も不採用で 《鋳造所通りの住人》など1マナクリーチャーが多めに積まれています。その分サイドには中盤以降のゲームにも強い《ボロスの反攻者》や《パーフォロスの槌》が採られています。
20 《島》 1 《ニクスの祭殿、ニクソス》 4 《変わり谷》 -土地(25)- 4 《雲ヒレの猛禽》 4 《審判官の使い魔》 4 《凍結燃焼の奇魔》 4 《潮縛りの魔道士》 4 《海の神、タッサ》 4 《夜帷の死霊》 4 《波使い》 -クリーチャー(28)- |
2 《中略》 1 《急速混成》 1 《サイクロンの裂け目》 2 《タッサの二叉槍》 1 《思考を築く者、ジェイス》 -呪文(7)- |
3 《解消》 3 《反論》 2 《急速混成》 2 《否認》 2 《思考を築く者、ジェイス》 1 《サイクロンの裂け目》 1 《払拭》 1 《タッサの二叉槍》 -サイドボード(15)- |
今回のSCG Invitationalでは事前のGP等の大会結果から、多くのプレイヤーが遅いコントロールデッキをメタって速度重視のビートダウンデッキを選択しており、Esper Controlや黒単信心を含めた黒系のミッドレンジにとっては厳しいメタだったようです。しかし、コントロールが減ったことで相対的に強くなったデッキも存在します。プロツアー「テーロス」でもトップ8に入賞したSam Blackは自身の得意とする青単信心でスタンダード部門全勝を飾りました。元から赤単に対しては有利で、苦手なコントロールが赤単に駆除されたことにより青単にとっては活躍しやすいメタになっていたのも勝因です。
Grand Prix Beijing トップ8 デッキアーキタイプ
2014年3月30日
1位 Mono Black Devotion/黒単
2位 RWB Burn/バーン
3位 RW Burn/バーン
4位 Esper Midrange/エスパー人間アグロ
5位 Mono Black Devotion/黒単
6位 RW Burn/バーン
7位 Mono Black Devotion/黒単
8位 UW Devotion/信心青単
SCGO CharlotteとSCG Invitational Charlotteと同週末に開催されたGP Beijing。
トップ8入賞者の半分が日本人プレイヤーと日本人の活躍が目立つ中、日本人プロの渡辺雄也さんが見事に優勝を果たしました。GP Cincinnatiを制したEsper Controlは今大会のトップ8にはなんと1人も残らず、黒単やRW Burnが中心だったようです。
Grand Prix Beijing デッキ解説
「Mono Black Devotion」「RWB Burn」「Esper Midrange」
19 《沼》 1 《欺瞞の神殿》 1 《静寂の神殿》 4 《変わり谷》 -土地(25)- 4 《群れネズミ》 4 《生命散らしのゾンビ》 4 《冒涜の悪魔》 4 《アスフォデルの灰色商人》 -クリーチャー(16)- |
4 《思考囲い》 1 《強迫》 4 《肉貪り》 1 《胆汁病》 1 《究極の価格》 4 《英雄の破滅》 4 《地下世界の人脈》 -呪文(19)- |
4 《死の大魔術師の杖》 3 《強迫》 3 《破滅の刃》 2 《死者の神、エレボス》 2 《骨読み》 1 《胆汁病》 -サイドボード(15)- |
今大会見事に優勝を果たした渡辺さんのリストは、メインは「占術」ランドが少なめで《沼》の枚数が多めなこと以外は比較的オーソドックスな黒単信心ですが、サイドには見慣れないカードが存在します。
《死の大魔術師の杖》はRW Burnに対してメインの相性差を引っくり返すインパクトがあります。黒単のエキスパートでアメリカのプロのOwen Turtenwaldも、Channelfireballの自身の記事でRW Burnとの相性を劇的に変化させるカードとして挙げていました。追加のドロースペルとしてサイドに採られている《骨読み》もカードアドバンテージが重視される同系戦においてマッチアップを有利にします。
RW Burnは今大会においてMono Black DevotionとEsper Controlに次いで3番目に高い二日目進出率を出していたこともあり、決勝戦の対戦相手もRW Burnのバリエーションだったことから、《死の大魔術師の杖》が活躍したことは容易に予想できます。また、同様のリストで日本人プロで殿堂プレイヤーの中村修平さんもトップ8に入賞を果たしています。
5 《山》 4 《血の墓所》 4 《聖なる鋳造所》 4 《凱旋の神殿》 2 《静寂の神殿》 4 《変わり谷》 -土地(23)- 4 《チャンドラのフェニックス》 -クリーチャー(4)- |
3 《ショック》 4 《稲妻の一撃》 4 《マグマの噴流》 4 《頭蓋割り》 4 《灼熱の血》 4 《ボロスの魔除け》 4 《労苦+苦難》 4 《戦導者のらせん》 2 《岩への繋ぎ止め》 -呪文(33)- |
4 《火飲みのサテュロス》 4 《サテュロスの火踊り》 2 《盲従》 2 《燃え立つ大地》 2 《岩への繋ぎ止め》 1 《紅蓮の達人チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
現在のスタンダードでは赤白の2色がバーンの主流ですが、Sherwin Puは《労苦+苦難》のために黒をタッチしています。《労苦+苦難》のスペースを確保するためにクリーチャーの《灰の盲信者》が不採用になっており、メインのクリーチャーは《チャンドラのフェニックス》のみです。これにより相手のクリーチャー除去はメインではほとんど無駄カードと化すので、コントロールとのマッチアップがより有利になっています。サイドには《燃え立つ大地》も含まれている等、Esper Controlを重点的にメタっています。
3 《平地》 4 《神無き祭殿》 4 《神聖なる泉》 4 《湿った墓》 4 《啓蒙の神殿》 4 《静寂の神殿》 2 《変わり谷》 -土地(25)- 4 《万神殿の兵士》 4 《管区の隊長》 1 《威圧する君主》 1 《叫び回る亡霊》 1 《群れネズミ》 4 《リーヴの空騎士》 4 《オレスコスの王、ブリマーズ》 2 《都市国家の神、エファラ》 3 《幽霊議員オブゼダート》 -クリーチャー(24)- |
4 《拘留の宝球》 2 《究極の価格》 2 《ヘリオッドの槍》 2 《遠隔+不在》 1 《エレボスの鞭》 -呪文(11)- |
3 《思考囲い》 3 《破滅の刃》 2 《ヴィズコーパの血男爵》 2 《否認》 2 《至高の評決》 1 《罪の収集者》 1 《異端の輝き》 1 《存在の破棄》 -サイドボード(15)- |
GP 静岡でも準優勝していたEsper Midrangeは「神々の軍勢」からも収穫が多く強化されています。とりわけ、新たな3マナ域のクリーチャーとして採用された《オレスコスの王、ブリマーズ》は強力です。3マナ域として採用されていた《ザスリッドの屍術師》と比べると全体除去への耐性は落ちるものの、《今わの際》で追放されない上に単体のカードパワーが高く、トークンを生みだす能力は《都市国家の神、エファラ》と相性が良いので、《オレスコスの王、ブリマーズ》の方がこのデッキに合っています。
《都市国家の神、エファラ》はクリーチャーを展開するこのデッキの戦略にフィットしており、《群れネズミ》や《幽霊議員オブゼダート》の能力とも相性が良く、このデッキの除去として採用されている《拘留の宝球》は青白への信心を2つ集めるのでクリーチャー化も容易です。GP 静岡で入賞していたリストと同様にメインはウィニー寄りで、サイド後はミッドレンジに変形するように構築されています。
総括
SCGO Los Angelesと同週末に開催されたGP CincinnatiはともにEsper Controlのワンツーフィニッシュで幕を閉じました。Esper Controlは除去、ハンデス、打消し、PWと一通り揃った安定したコントロールとして環境のトップメタとされており、GP Cincinnatiで優勝したEsper Controlは同系や黒系のマッチアップのためにサイドに《夜帷の死霊》等クリーチャーを多数採用していました。しかし、その翌週に開催されたSCGO Charlotte、SCG Invitational Charlotte、GP Beijingでは、Esper Controlをメタって速度を重視した赤単や軸をずらしたRW Burnの活躍が目立ちました。北米とアジアではメタに対するアプローチの微妙な違いが見られ、同じ赤いデッキでもSCGOやSCG Invitationalでは軽いクリーチャーを多数搭載した赤単が人気があり、他方GP BeijingではRW Burnが人気がある印象です。
以上5つの異なる大会の解説で今回はいつもよりも少し情報量が多くなりましたが、皆さんの参考になれば幸いです。
次回の記事ではSCGO MilwaukeeとSCGO Dallasの解説を予定しています。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!
※編注:記事内の画像は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『2014 Grand Prix Cincinnati Coverage』
http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gpcin14/welcome
『2014 Grand Prix Beijing Coverage』
http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gpbei14/welcome