ようこそ、ブロック構築の世界へ!
こんにちはだったり初めましてだったり。どうも井川です。
突然ですが、今回は皆さんにブロック構築のご紹介をさせていただきます!
◆ブロック構築の歴史
ブロック構築は、これまでほぼ毎年プロツアーのフォーマットとして採用されています。2006年のPTチャールストンでは「チームブロック構築」というレアなフォーマットが採用されたことも。
藤田 剛史の日本人初PTベスト8もブロック構築ですし、日本人初のPT王者に輝いた黒田 正城も、ブロック構築での栄冠でした。
近年ではPT「アヴァシンの帰還」で行弘 賢と清水 直樹、PT「ドラゴンの迷路」で三原 槙仁がそれぞれ見事PTトップ8に進出しているなど、触れる機会は少ないながらも、馴染みのあるフォーマットなのではないでしょうか。
◆ブロック構築の魅力
これまでにも古くはnWoや青茶単、最近ではジャンドや白単鋼、エスパーコントロールなど、次期スタンダードのトップメタはブロック構築から生まれてきました。
残念ながら成績が振るわなかったので当時トピックにはなりませんでしたが、あの概念泥棒+囁く狂気コンボを実は半年以上も前に石村”rizer”信太朗がRTRブロック構築で競われたPT「ドラゴンの迷路」で使用していたり、なんてことも。
大型エキスパンション1つだけだと多少偏りがちではありますが、2エキスパンション目が出ると一気にデッキの幅が広がり、スタンダードに劣らないほどの多種多様なデッキが活躍し始めます。
未来のスタンダードを先取りする意味でも、非常に興味深いフォーマットと言えるでしょう!
さらになんといっても、発売一年以内の新しいカードだけで組むのがブロック構築なので、最近マジックを始めた方でも心配なし!!
そんな魅力いっぱいなフォーマットであるブロック構築。
新年度にいつもと違うマジックを楽しみたい、なんて方にはぴったりのフォーマットですよ!
ではここからは、実際にMagic Onlineで開催されているテーロスブロック構築イベントの、主なデッキを紹介をしていきたいと思います!
1.黒緑白リアニメイト
9 《森》 5 《沼》 1 《平地》 4 《豊潤の神殿》 4 《静寂の神殿》 -土地- 4 《サテュロスの道探し》 4 《森の女人像》 4 《クルフィックスの狩猟者》 2 《荒野の収穫者》 3 《忌まわしき首領》 4 《灰燼の乗り手》 -クリーチャー- |
4 《神々との融和》 2 《英雄の破滅》 2 《金箔付け》 2 《死の国からの救出》 4 《エレボスの鞭》 2 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文- |
4 《闇の裏切り》 3 《思考囲い》 2 《霊気のほころび》 2 《英雄の破滅》 1 《死者の神、エレボス》 1 《荒野の収穫者》 1 《金箔付け》 1 《太陽の勇者、エルズペス》 -サイドボード- |
今テーロスブロック構築で一番人気なのが、この黒緑白リアニメイトです!
《サテュロスの道探し》《神々との融和》で墓地を肥やし、《エレボスの鞭》《死の国からの救出》で《灰燼の乗り手》《忌まわしき首領》を墓地から直接戦場に出すことで一気に攻勢に出るデッキです。
《サテュロスの道探し》は墓地を肥やしつつ《死の国からの救出》のエサになりますし、《神々との融和》は墓地を肥やしながら《エレボスの鞭》を探し当てることができるので、どちらもまさにこのデッキのメインエンジンと言えるでしょう。
墓地からリアニメイトしなくても、《森の女人像》や《クルフィックスの狩猟者》でマナを伸ばしてから《太陽の勇者、エルズペス》《忌まわしき首領》《灰燼の乗り手》と連打することもできるので、相手の動きや手札と相談してプレイの方針を臨機応変に変えるのが良いと思います。
環境でも最重量級である《忌まわしき首領》と《灰燼の乗り手》。その重さは、強さの顕れです。
7マナ8マナが繰り出すその圧倒的なパワーを、是非体感してみてください!
2.黒単アグロ
19 《沼》 4 《静寂の神殿》 1 《ニクスの祭殿、ニクソス》 -土地- 4 《苦痛の予見者》 3 《悪意に満ちた蘇りし者》 4 《運命の工作員》 4 《責め苦の伝令》 4 《夜の咆哮獣》 4 《アスフォデルの灰色商人》 -クリーチャー- |
4 《思考囲い》 3 《胆汁病》 4 《英雄の破滅》 1 《金箔付け》 1 《エレボスの鞭》 -呪文- |
4 《闇の裏切り》 3 《モーギスの匪賊》 2 《エレボスの加護》 2 《ファリカの療法》 2 《骨読み》 1 《金箔付け》 1 《エレボスの鞭》 -サイドボード- |
新しい《闇の腹心》と名高い《苦痛の予見者》を中核にすえた黒単アグロ。《苦痛の予見者》《運命の工作員》といった軽量クリーチャー達を、豊富な除去と『授与』でバックアップしながら相手を攻撃します。
従来のビートダウンといえば基本的に序盤に強い反面後半になればなるほど息切れを起こして負けることが多かったですが、この黒単ビートダウンは《悪意に満ちた蘇りし者》《責め苦の伝令》《夜の咆哮獣》という3種の『授与』と、《アスフォデルの灰色商人》のドレイン能力により根強く戦うことが可能です。
ちなみに、「神々の軍勢」のイベントデッキ『死の国の伝令』には、このデッキで使われているレアカードのうち《運命の工作員》《英雄の破滅》《責め苦の伝令》の3種が採録されていますので、マジックを始めたばかりの方でも、組みやすいのではないでしょうか。
3.青黒白コントロール
6 《島》 6 《沼》 2 《平地》 4 《欺瞞の神殿》 4 《啓蒙の神殿》 4 《静寂の神殿》 -土地- 4 《予知するスフィンクス》 -クリーチャー- |
1 《無効》 1 《思考囲い》 4 《胆汁病》 2 《ファリカの療法》 4 《解消》 4 《予言》 4 《英雄の破滅》 2 《骨読み》 4 《金箔付け》 4 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文- |
4 《闇の裏切り》 2 《無効》 2 《思考囲い》 2 《異端の輝き》 2 《悲哀まみれ》 2 《精神的な介入》 1 《悪夢の織り手、アショク》 -サイドボード- |
こちらは青黒白コントロール。正確に言うと「青黒コントロール、タッチ《太陽の勇者、エルズペス》」ですね。目には目を。エルズペスにはエルズペスを。と言ったところでしょうか。墓地に落ちることさえ許さない追放除去《金箔付け》と、環境最強カウンター《解消》のおかげで、一番人気の黒緑白リアニメイトには有利な構成になっています。
《太陽の勇者、エルズペス》の代わりに《悪夢の織り手、アショク》をメインに搭載した青黒純正バージョンも頭角を現してきており、今後の動向から目が離せません。
デッキの動きはいたってシンプル。序盤から中盤にかけて《胆汁病》《解消》《英雄の破滅》といったカードで1対1交換をひたすらとって行き、《予言》《骨読み》のドローアドバンテージで差をつけて行きます。
そして相手の攻勢をひたすら捌くことができたら、最後は《予知するスフィンクス》と《太陽の勇者、エルズペス》の出番。相手の手札に溜まった単体除去をあざ笑いながら、悠々とゲームを決めましょう。
コントロール好きな方にはたまらない一品。我こそは青使いという方は是非お試しあれ。
4.赤緑白モンスターズ
7 《山》 6 《森》 4 《奔放の神殿》 4 《豊潤の神殿》 4 《凱旋の神殿》 -土地- 4 《森の女人像》 3 《旅するサテュロス》 4 《クルフィックスの狩猟者》 3 《世界を喰らう者、ポルクラノス》 2 《都市国家の破壊者》 4 《嵐の息吹のドラゴン》 -クリーチャー- |
4 《マグマの噴流》 2 《稲妻の一撃》 2 《岩への繋ぎ止め》 3 《歓楽者ゼナゴス》 4 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文- |
2 《都市国家の破壊者》 2 《高木の巨人》 2 《稲妻の一撃》 2 《霊気のほころび》 2 《神々の憤怒》 2 《岩への繋ぎ止め》 1 《破壊的な享楽》 1 《ナイレアの弓》 1 《歓楽者ゼナゴス》 -サイドボード- |
「テーロス」の超強力神話レアである《世界を喰らう者、ポルクラノス》《嵐の息吹のドラゴン》《太陽の勇者、エルズペス》を最大限活かしたデッキです。
「テーロス」オンリーのブロック構築の覇者であり、当時は上位のほとんどをこのデッキが占めていました。ですが「神々の軍勢」からの新加入が少ないこともあり、今ではこの位置に落ち着いています。
《森の女人像》《旅するサテュロス》という2種類のマナクリーチャーで加速し、《世界を喰らう者、ポルクラノス》《嵐の息吹のドラゴン》《太陽の勇者、エルズペス》と叩きつけていけば、相手もすべてを捌くことはできず、そのまま押し切れるでしょう。
3色ではあるものの、3種類揃った占術ランドと《森の女人像》《ナイレアの存在》とあるため、見た目よりもかなり安定して回ります。
多数のレア・神話レアで固められたカードパワーはブロック構築随一。ブロック構築を初めて触る方は、資産が許すのであればまずこのデッキを触ってみるといいかもしれません。
5.赤単アグロ
21 《山》 1 《ニクスの祭殿、ニクソス》 -土地- 4 《アクロスの十字軍》 4 《火飲みのサテュロス》 4 《ニクス生まれのお調子者》 4 《闘技場の競技者》 4 《常炎の幻霊》 3 《サテュロスのニクス鍛冶》 4 《モーギスの狂信者》 1 《鍛冶の神、パーフォロス》 -クリーチャー- |
4 《稲妻の一撃》 4 《灼熱の血》 2 《パーフォロスの槌》 -呪文- |
4 《峰の噴火》 3 《マグマの噴流》 3 《宿命的火災》 2 《無謀な歓楽者》 2 《炎輪のフェニックス》 1 《鍛冶の神、パーフォロス》 -サイドボード- |
殴りたい。焼き尽くしたい。
そう願う人がいる限り、いつの時代だって赤単は存在します!
《火飲みのサテュロス》《アクロスの十字軍》の優秀な1マナ域から始まる、小気味よいビートダウン。のんびり占術ランドをタップインしている相手を速さで蹂躙しましょう!
この手のデッキは《世界を喰らう者、ポルクラノス》のような軽くて大きいクリーチャーを苦手としているのですが、このデッキなら《闘技場の競技者》に授与してブロックを制限したり、無理やり殴ってからの《灼熱の血》で押し込んだりと、真正面から戦うことができます。
サイドからは、《世界を喰らう者、ポルクラノス》と《太陽の勇者、エルズペス》の両方を一枚で潰せる《宿命的火災》が投入されます。強い色拘束も単色なら問題なし!
6.白青英雄的
10 《平地》 8 《島》 4 《啓蒙の神殿》 -土地- 4 《恩寵の重装歩兵》 4 《イロアスの英雄》 4 《密集軍の指揮者》 4 《戦識の重装歩兵》 4 《威名の英雄》 4 《万戦の幻霊》 -クリーチャー- |
4 《神々の思し召し》 4 《液態化》 4 《タッサの試練》 2 《エファラの啓蒙》 -呪文- |
4 《ヘリオッドの試練》 2 《オレスコスの王、ブリマーズ》 2 《トリトンの戦術》 2 《今わの際》 2 《反論》 2 《解消》 1 《存在の破棄》 -サイドボード- |
最強のリミテッドデッキ。それがこの白青英雄的です。
ドラフトやシールドの全勝デッキで散見される《恩寵の重装歩兵》から《タッサの試練》での最高速、《威名の英雄》からのワンショット・キル、《万戦の幻霊》『授与』での圧倒的サイズなど、テーロスブロックならではの速さを体現しています。
《液態化》《エファラの啓蒙》なんてリミテッドでしかみないようなカードも、こういう一直線なデッキだと面白いほど噛み合います。オーラの弱点も、その速度と《神々の思し召し》での防御があれば大丈夫ですね!
安価で組みやすいのも、このデッキの大きなメリット。リミテッドで揃えたカードたちで、一流の構築カードたちを粉砕しましょう!
終わりに
さて、ブロック構築の魅力とデッキについて簡単に語ってみましたが、いかがだったでしょうか。
テーロスブロック構築はまだ始まったばかり。
来月には新エキスパンション「ニクスへの旅」も発売され、ますます面白くなっていくこと間違いなし!
少しでも興味を持ってくださった方は、是非実際にプレイしてみて、その楽しさを実感していただければと思います。
最後に宣伝です。
晴れる屋トーナメントセンターでは、4月7日から、毎週月曜日にブロック構築の大会を開催します!
開催時間は他の平日トーナメントと同様、14時・17時・20時から。それぞれ4人以上で成立するスイスドロー3回戦のトーナメントです。
マジック始めたばかりの方はもちろん、ブロック構築に興味がある方や5月のプロツアーに向けてブロック構築を触りたい方まで。
毎週月曜日は、みんなでブロック構築を楽しみましょう!!!
⇒ 大会スケジュールは【こちら】
※編注:記事内の画像は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『2001 Pro Tour Tokyo Coverage』
http://www.wizards.com/sideboard/event.asp?event=PTTOK01
『Live Coverage of 2004 Pro Tour Kobe』
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Events.aspx?x=mtgevent/ptkob04/welcome
『(翻訳記事)プロツアー・アヴァシンの帰還 トップ8プロフィール』
http://coverage.mtg-jp.com/ptavr/article/003312/
『プロツアー「ドラゴンの迷路」トップ8プレイヤー』
http://coverage.mtg-jp.com/ptdgm/article/020709/