こんにちは。
いよいよグランプリ名古屋2014の開催が今週末に迫ってまいりました!僕は諸事情により、残念ながら参加できそうにありませんが、みなさん練習の方は進んでいますか?
初日のシールドに関しては「How do you build?」と「rizer’s answer」を読んでもらえばバッチリだと思うので、この記事では「神々の軍勢・テーロス×2」ドラフトについて掘り下げていきたいと思います。
まずはこの環境の要点をチェックしていきましょう。
単色ピックこそが勝利への近道
「神々の軍勢・テーロス×2」ドラフトの際立った特徴として、単色ピックが推奨されている点が挙げられます。順を追って解説していきたいと思いますが、その主な理由は以下の3点です。
1.「信心」というキーワード能力
2. 強力なダブルシンボルのカードが多いこと
3. 「テーロス」の多色カードの存在
2. 強力なダブルシンボルのカードが多いこと
3. 「テーロス」の多色カードの存在
1つ目の「信心」に関しては、スタンダードでもお馴染みの能力なので、みなさんすでによくご存じかと思います。
《ナイレアの信奉者》《モーギスの狂信者》や《アスフォデルの灰色商人》が代表するように、このキーワード能力は単色に近ければ近いほどその真価を発揮します。これはコモンに《フィナックスの信奉者》《アスフォデルの灰色商人》《湿原霧のタイタン》を擁する黒に顕著に表れており、黒いデッキはいかに「信心」を生かす構成にできるかが勝負の分かれ目と言っても過言ではありません。
ただしその他の色は黒ほど「信心」に依存していないため、これだけでは単色ピックを推奨する理由としては少し弱いです。
そこで重要となるのが続く2つの項目です。「強力なダブルシンボルのカードが多いこと」もこの環境を象徴する重要な要素であり、コモンに目を向けてみると「テーロス」には《天馬の乗り手》と《ファリカの療法》くらいのものですが、「神々の軍勢」には《ケンタウルスの武芸者》《セテッサの誓約者》《窒息死》《ケラノスの稲妻》と、強力なダブルシンボルのカードがコモンに数多く存在します。
これらのカードは文字通り強力なカードではありますが、各色のダブルシンボルのカードが共存したデッキは往々にして弱いことがほとんどです。
なぜならば望むターンにそれらのカードをキャストできないことが増えてしまい、額面通りの強さを発揮できないからです。
僕は「テーロス×3」ドラフトで《天馬の乗り手》と《ファリカの療法》が共存したデッキで苦い思いをしたことが何度もありますが、僕と同じような経験をされた方も多いのではないかと思います。
理想としては「主色の土地が10枚、補色の土地が7枚、なおかつ補色のダブルシンボルのカードは含まない」というようなピックができるように心がけたいですね。
さて、「信心」と「強力なダブルシンボルのカードが多いこと」。1つでは不十分でも、2つ揃えば十分に単色ピックを推奨する理由になりますが、単色ピックを推奨する3つ目の決定的な理由として、「テーロス」の多色カードの存在が挙げられます。
「神々の軍勢」の時点で2色を決めてしまうと、ピックできる多色カードの幅が大きく狭まってしまい、不利益を被ってしまいます。
例えば1パック目の終了時点で緑単色気味だったならば、《英雄の記録者》《地平線のキマイラ》《ファリカの癒し人》《破壊的な享楽》のうちのどれが流れてきても対応することができますが、1パック目で「緑黒」に決定してしまった場合は《ファリカの癒し人》しか取ることができません。
アンコモンやレアにしかない多色カードに期待するのはいかがなものか、と考えるプレイヤーもいるかもしれませんが、もしもあなたが特定の色を独占している場合には、レアリティの高いそれらのカードが流れてくることも珍しくありません。仮にあなたが緑を独占しているのであれば、少なくとも下家は緑に手が出せないので、緑絡みのアンコモンやレアを取りづらいですからね。
「テーロス」の多色カードは本当に魅力的なものが多いので、それらのカードをしっかりとキャッチするためにも、単色気味のピックをして受けを広くしておくことは非常に重要です。「神々の軍勢」は「テーロス」に比べて全体的なカードパワーが低いので、1パック目は2パック目以降の良質なカードを享受するための下準備といった印象です。
しっかりとした色主張を、できることなら卓全体から競合相手を減らすくらいの気概で、愚直なまでに単色を取り続けることが、この環境で成功する秘訣ではないかと思います。
ではここからは各色の特徴を振り返りつつ、「神々の軍勢」のコモンランキングを見ていきましょう。
神々の軍勢コモンランキング~白~
「テーロス」×3環境での白と言えば、「テーロス」を代表するシステムである「英雄的」と「授与」を駆使した線の太い攻めが印象的でした。
特にコモン最強カードの名をほしいままにしている《天馬の乗り手》の存在感は際立っており、《天馬の乗り手》から《希望の幻霊》という流れるような動きは、それだけでゲームを決めてしまえるほどの王道パターンでした。
「神々の軍勢」による「テーロス」パックの減少は《天馬の乗り手》の出現率低下に直結する大問題ではありますが、幸いにも《アクロスの空護衛》という頼れる弟分が登場しています。
◆白 コモントップ3
白のコモン1位は、もちろんその《アクロスの空護衛》です。
2位に位置している、同マナ域の《オレスコスの太陽導き》と比較してみても破格の性能で、「英雄的+授与」デッキの新たなエースとして白いデッキを牽引してくれます。《アクロスの空護衛》にこそ及ばないものの、《散兵の精鋭》や《ニクス生まれの盾の仲間》のように脇を固めるカードも十分に魅力的で、アンコモンとレアにも強力なカードが多数控えていることも相まって、白は卓内で最も人気のある色になることが多々あります。
しかしながら、そのあまりの人気っぷりこそが、白をドラフトする上で最大の障壁となります。
3月にMagic Onlineで30回ほどドラフトをこなしましたが、その中で白をドラフトできた回数はわずかに3回。その内訳は「青白英雄的」、「黒白」、そして「緑単タッチ《蒔かれたものの収穫》」というものでしたが、3つ目のデッキはほとんど緑のカードのみで構築されたデッキで、白の要素は皆無と言って差し支えないほどでした。
もちろん、序盤に《アクロスの空護衛》をピックして、そこから白を目指したことも何度となくありますが、そのほとんどが失敗に終わってしまうほどに白の人気は圧倒的です。
冒頭でも述べたように、この環境は単色ピックをすることが非常に重要ですが、こと白に関しては、ドラフト序盤から、または白をすると決めた時から、ひたすらに白いカードを取り続けることが何よりも重要だと思います。
良質のクリーチャーこそ白の強さを支える生命線なので、2周目以降にそれらを取り合うことがないように、卓全体の白いプレイヤーの人数を減らすべく色のアピールをしっかりと行いましょう。
10 《平地》 7 《島》 -土地(17)- 2 《ニクス生まれの盾の仲間》 1 《忠実なペガサス》 2 《密集軍の指揮者》 1 《乗騎ペガサス》 1 《前兆語り》 1 《レオニンの投網使い》 1 《トリトンの財宝狩り》 1 《ニクス生まれのトリトン》 1 《万戦の幻霊》 2 《潮流の合唱者》 1 《海岸線のキマイラ》 1 《タッサの使者》 1 《ヘリオッドの使者》 1 《ヘリオッドの福音者》 1 《地平の識者》 -クリーチャー(18)- |
2 《神々の思し召し》 1 《神聖なる評決》 1 《液態化》 1 《予記された運命》 -呪文(5)- |
-サイドボード(0)- |
ランキング外で評価の割れそうなカードは《忠実なペガサス》でしょうか。先に結論を述べておきますと、僕はこのカードをそれほど評価していません。
理由としては、もしもデッキが「英雄的」になってしまったときに《忠実なペガサス》は弱いからです。《アクロスの重装歩兵》を生かせるような「赤白」だったり、「青白」でもサンプルデッキのようなクリーチャー過多のリストならば《忠実なペガサス》は輝きますが、単体でアタックもブロックもできないクリーチャーは、1体のクリーチャーを強化していく「英雄的」デッキに適しているとは言えません。
遅い順目で他に取るものがない場合は《忠実なペガサス》をピックしても問題ありませんが、もしも他に《オレスコスの太陽導き》や《散兵の精鋭》が同封されているのなら、僕は迷わずそちらを取ります。
またピック時の指針として、《蒔かれたものの収穫》や《エファラの啓蒙》などの多色の強いカードが遅い順手で取れたからといって、「白が空いている」と考えるのは危険です。それらのカードは、「白緑」や「青白」という個々の組み合わせが空いているという指針にこそなれど、上家が「白+その他の色」をやっているから流れているだけ、という可能性も十二分にありえますからね。これらのカードは色を決めうる強さを持ち合わせているものの、だからと言って盲目的に「白が空いている」と判断しないように気を付けましょう。
もしも白からドラフトを始めたものの、白が空いていなかった場合の逃げ道として、「白黒」を覚えておくといいかもしれません。これはグランプリ・バルセロナに向けた練習中に行弘(賢)君に教えてもらったアーキタイプで、《窒息死》と《剥離》、または《神聖なる評決》などで戦況をコントロールしていき、最後は「白黒」特有の《エイスリオスの学者》や《死の国の歩哨》でのフィニッシュを主眼に置いたドラフト戦略です。
このアーキタイプの長所としては、大型クリーチャーに比較的対処しやすいため、緑に強いことが挙げられます。《剥離》と《神聖なる評決》の枚数次第では、一点突破を目指してくる「英雄的+授与」系統のデッキにも相性が良くなりますし、何といってもその他の白いデッキがあまり喜ばない(=遅い順手にまわってきやすい)《剥離》等のカードを上手く活用できる点はこのアーキタイプの大きな魅力です。他の色の組み合わせに比べて、「白黒」は人気が薄いので、《エイスリオスの学者》、《死の国の歩哨》、《運命の三人組》といった高得点のカードがまわってきやすいことも加点対象ですね。
10 《沼》 7 《平地》 -土地(17)- 1 《苛まれし英雄》 2 《ニクス生まれの幻霊》 1 《肉餓えの馬》 1 《蘇りし者の密集軍》 2 《血集りのハーピー》 2 《目ざといアルセイド》 1 《アショクの心酔者》 1 《エイスリオスの学者》 1 《エファラの管理人》 1 《フィナックスの信奉者》 1 《強欲なハーピー》 1 《運命の三人組》 1 《死の国の歩哨》 1 《湿原霧のタイタン》 -クリーチャー(17)- |
2 《窒息死》 1 《剥離》 1 《日の出から日没》 1 《災いの印》 1 《エレボスの鞭》 -呪文(6)- |
-サイドボード(0)- |
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神々の軍勢コモンランキング~青~
この環境の青は、「最高の補色」として認知されています。
クリーチャーの線が細いため主色にこそなりづらいものの、「青白」でも「青緑」でも大人気の《雨雲のナイアード》を始め、「授与」環境では除去と同等、またはそれ以上の性能を誇る《航海の終わり》と《捕海》がダメージレースを優位に運んでくれます。青にはシングルシンボルの強いカードが多いことに加え、「信心」を参照にするカードも少ないため、他の色よりも2色目に選びやすい印象です。
◆青 コモントップ3
《航海の終わり》や《捕海》と同じく、《撤回のらせん》も貴重なトリックとして重宝します。除去やバウンス呪文で割り込まれると損をしてしまう危険性こそあるものの、「神啓」クリーチャーを有効活用したり、《キオーラの追随者》と組み合わせて2回バウンスしたりと、他のバウンス呪文にはない長所があることも確かです。
2位の《突然の嵐》はダメージレースを終焉させる1枚。互いが愚直に殴りあっている場合、これだけでゲームが終わってしまうほどの威力を秘めています。実際にプロツアー・「神々の軍勢」の練習でも、このカードを青のトップコモンだと主張するプレイヤーは多々いましたし、前のめりな「青白」や「青緑」デッキにはこれ以上ないほどにフィットします。
ではなぜ僕のランキングでは《撤回のらせん》が1位になっているのかといいますと、それはピック序盤では自分のデッキが前のめりになるかどうかが分からないためです。遅いデッキであれ、決して《突然の嵐》が弱いということはありませんが、どんなデッキでも使いやすい汎用性という意味合いでは《撤回のらせん》に軍配が上がると思います。
青はトップ3以外のカードも非常に優秀で、比較的遅い順目で確保できる《深海の催眠術師》や《潮流の合唱者》も着実にデッキを強化してくれます。また、前のめりなデッキには《層雲歩み》と《保護色》が、後ろ向きなデッキには《無効化》と《予言》があり、自分のデッキに合ったカードを遅めの順手でも確保できる点は、青を2色目にする大きな動機となっています。
ただし、青を2色目にする際に唯一気を付けなければいけない注意事項として、「青赤」の組み合わせだけは、他の組み合わせと比べて大きく劣っていることは覚えておきましょう。
これは「テーロス」の多色カードの強弱が原因で、例えば先ほどの「白黒」であれば《エイスリオスの学者》、《死の国の歩哨》が、「青緑」であれば《彼方の工作員》や《地平線のキマイラ》が手に入るのに対し、「青赤」は《はじけるトリトン》と《魔心のキマイラ》と少し見劣りするラインナップになっています。ひとつの組み合わせを独占すれば、《運命の三人組》や《クルフィックスの預言者》といったレアカードがまわってくることも珍しくありませんが、「青赤」の《蒸気占い》は他の多色カードに比べてあまりにも微力です。
つまるところ青赤は独占に成功しても見返りの少ない組み合わせであるため、個人的には余程のことがない限りは選ばないようにしています。
もしも青と赤の両色が空いていて、なおかつ遅い順手で《ケラノスの嵐呼び》がまわってきた場合は「青赤」を考慮に入れてもいいと思いますが、それくらいの好位置にいたとしても、「テーロス」での見返りが少ないことには変わりがありません。そのため、「青赤」を選ぶのであれば、2パック目の9手目に《魔心のキマイラ》が帰ってくる見通しがあるなど、最低でもそれくらいの決定的な理由がほしいですね。
神々の軍勢コモンランキング~黒~
「テーロス」×3の黒は、いかに独占できるかが勝負の分かれ目でしたが、それは「神々の軍勢」が加わっても同じです。
今回の黒は、他の色に比べてコモンが弱いという特徴があるので、《窒息死》以外のコモンから黒に参入することはほとんどないでしょう。そのため黒は不人気色になりやすく、「神々の軍勢」の黒の脆弱さゆえに、アンコモンやレアからでも黒に参入するのを戸惑う人が多いほどです。
ですが個人的には、2~5手目でアンコモンやレア、または複数枚の《窒息死》が手に入るのであれば、黒への参入を躊躇う必要はないと思います。黒を独占することができれば、「テーロス」で《アスフォデルの灰色商人》や《形見持ちのゴルゴン》がまわってくることも期待できますし、遅い順目で《ファリカの療法》あたりも拾いやすくなります。そのような状況を作り上げることができたならば、黒が他の色に劣るなんてことはありません。
黒は《難破船の歌い手》、《クラグマの戦呼び》、《死の国の歩哨》、《ファリカの癒し人》と多色のカードも精鋭揃いですし、もしも空いていると感じるのであれば、むしろ積極的に狙っていきたいくらいの色ですね。
◆黒 コモントップ3
ここまでも散々お伝えしてきたように、《窒息死》と《ティマレットの召使い》の間にはとてつもなく大きな点数差があります。《窒息死》は黒が空いているかどうかを見極める絶好の指針にもなるので、このカードをどの順手で手に入れられたかによって、卓内の黒いプレイヤーの数を大まかに把握することができます。
また、黒の特徴として、基本的に遅めのデッキになりやすいことが挙げられます。それでいて黒単色では「エンチャント」に触れないので、2色目で「授与」対策に気を配るように心がけましょう。白や緑なら《解消の光》や《古代への衰退》系のカードで、青ならバウンス呪文で、赤ならデッキの速度で押し切ってしまうのが理想です。黒単色のカードでも《一口の草毒》のような完全除去ならば「授与」されたクリーチャーでも容易に対処することができるので、1枚は抑えておきたいですね。
《一口の草毒》と同じような役割のカードとして、神々の軍勢であれば《屍噛み》がお勧めです。このカードは遅い順手までまわっていることが多いですが、攻める状況でも守る状況でも便利なカードで、特に守る際には頼りになります。《撤回のらせん》と同じく、クリーチャーに依存した呪文なので過信は禁物ですが、遅い順手でピックできるカードとしては非常に優秀なので、しっかりと確保しておくようにしましょう。
10 《沼》 7 《島》 -土地(17)- 1 《渦潮の精霊》 1 《悪意の幻霊》 1 《難破船の歌い手》 1 《苦痛の予見者》 1 《オドゥノスの黒樫》 1 《メレティスの守護者》 1 《アショクの心酔者》 1 《ティマレットの召使い》 1 《雨雲のナイアード》 1 《海岸線のキマイラ》 1 《運命をほぐす者》 2 《記憶の壁》 2 《形見持ちのゴルゴン》 -クリーチャー(15)- |
1 《撤回のらせん》 2 《航海の終わり》 1 《胆汁病》 1 《予言》 1 《窒息死》 1 《英雄の破滅》 1 《捕海》 -呪文(8)- |
-サイドボード(0)- |
神々の軍勢コモンランキング~赤~
赤は「神々の軍勢」加入で最も評価を上げた色です。
《槌の一撃》と《ケラノスの稲妻》はどちらも「神々の軍勢」のトップコモンですし、《クラグマの解体者》もコモンとは思えない優良アタッカー。「テーロス」×3では最弱色と言われていただけに、1パック目でどれだけかき集められるかが勝負になります。
◆赤 コモントップ3
1位と2位は僅差ではありますが、インスタントである点と「英雄的」との相性の良さを加味して《槌の一撃》を上位に。赤が空いているかどうかの判断は黒に似通っていて、《槌の一撃》と《ケラノスの稲妻》という2種類の除去が来るかどうかで見分けることができます。これらのいずれもまわって来ない状況は赤が空いていないサインで、特に《クラグマの解体者》の扱いには注意が必要です。
その理由のひとつとして、4手目や5手目の《クラグマの解体者》から赤を始めると、弱いデッキになりやすいことが挙げられます。なぜならば、《クラグマの解体者》は《槌の一撃》か《ケラノスの稲妻》が同封されていることが多く、それゆえに《クラグマの解体者》から赤を始めてしまうと、上家と色が被ってしまいがちです。もしも自分が赤に固執する特別な理由がないのであれば、《槌の一撃》か《ケラノスの稲妻》が来ない時は素直に他の色に舵を取る方が良いと思います。
11 《山》 6 《森》 -土地(17)- 2 《死呻きの略奪者》 1 《闘技場の競技者》 1 《常炎の幻霊》 1 《双頭のケルベロス》 1 《ミノタウルスの頭蓋断ち》 1 《怒血のシャーマン》 1 《炎語りの達人》 1 《フィーリーズ団の精鋭兵》 1 《都市国家の破壊者》 1 《一つ目峠のサイクロプス》 1 《ファラガックスの巨人》 1 《ネシアンのアスプ》 -クリーチャー(13)- |
2 《破壊的な享楽》 2 《槌の一撃》 1 《マグマの噴流》 1 《灼熱の血》 1 《恐るべき気質》 1 《ナイレアの弓》 1 《宿命的火災》 1 《憤怒の頂点》 -呪文(10)- |
-サイドボード(0)- |
神々の軍勢コモンランキング~緑~
「神々の軍勢」の緑。その魅力は、主色も補色も務めることができるコモンの層の厚さに集約されると思います。
《ケンタウルスの武芸者》と《セテッサの誓約者》は「テーロス」×3の時には見受けられなかった、「序盤から攻める緑」というスタイルを確立してくれましたし、そのようなアーキタイプでは《ハイドラの血》は恐ろしいほどのパフォーマンスを発揮します。
13 《森》 4 《山》 -土地(17)- 1 《菅草の蠍》 1 《レイナ塔の英雄》 1 《霧裂きのハイドラ》 2 《葉冠のドライアド》 1 《旅するサテュロス》 2 《セテッサの誓約者》 1 《ネシアンの狩猟者》 1 《気高き獲物》 1 《信条の戦士》 1 《フィーリーズ団の精鋭兵》 1 《ケンタウルスの戦上手》 1 《ネシアンのアスプ》 1 《高木の巨人》 1 《定命の者の宿敵》 1 《巨体の狐》 -クリーチャー(17)- |
2 《ハイドラの血》 1 《定命の者の決意》 1 《蛮族の血気》 1 《稲妻の一撃》 1 《槌の一撃》 -呪文(6)- |
-サイドボード(0)- |
◆緑 コモントップ3
他のクリーチャー陣も《セテッサの星砕き》《フィーリーズ団の精鋭兵》《黄金の木立ちの蛇》とよりどりみどりですし、《定命の者の決意》や《ケイラメトラの好意》といったサポート手段も豊富です。
この中で個人的に過小評価されていると感じるのは、《セテッサの星砕き》と《ケイラメトラの好意》です。前者は「オーラ」しか対処できないということで敬遠されがちですが、「黒緑」や「赤緑」のように、「授与」でサイズの上がってしまったクリーチャーに手を焼くデッキで重宝します。他に「エンチャント」対策があるのならともかく、そうでないのならサイドボードに眠らせておくのは惜しい1枚だと思います。
後者の《ケイラメトラの好意》もサイドボードに眠っていることが多いかもしれませんが、「英雄的」デッキなら無条件で入れても問題ないカードです。《セテッサの誓約者》を始め、《アクロスの空護衛》や《信条の戦士》など、これらの「英雄的」クリーチャーのお供として、手札の減らない《ケイラメトラの好意》《層雲歩み》《忌まわしい変身》は非常に優れています。
《ケイラメトラの好意》には「任意のタイミングでクリーチャーをタップできる」という利点もあるため、もちろん「神啓」クリーチャーとの相性も抜群ですし、まだあまり使ったことがないという方はぜひお試しください。
紐解く鍵はダブルシンボル!?上家の愛を感じるランキング
続いては、個人的にこの環境で最も重要視しているランキングをご紹介したいと思います。
1.《槌の一撃》 2.《ケラノスの稲妻》 3.《アクロスの空護衛》 4.《窒息死》 5.《ケンタウルスの武芸者》 |
6.《セテッサの誓約者》 7.《撤回のらせん》 8.《突然の嵐》 9.《ニクス生まれのトリトン》 10.《クラグマの解体者》 |
11.《オレスコスの太陽導き》 12.《ニクス生まれの狼》 13.《ニクス生まれの盾の仲間》 14.《ティマレットの召使い》 15.《ニクス生まれの幻霊》 |
このランキングの説明の前に、この環境はいつも以上に空いている色を読むことが重要だと思っています。それに伴い、この環境はいつにも増して、1~3手目までのカードを切って色替えすることが多いです。
冒頭で「愚直なまでに単色ピックをすることが成功の秘訣」と書いたので違和感を覚える方もいらっしゃるかと思いますが、毎ドラフト初手で取ったカードからその1色に突き進めるわけではありません。初手で《アクロスの空護衛》を取ろうとも、白の流れが悪いと感じるならば色替えを検討すべきですし、単色ピックを始めるのは「空いている色を品定めしてから」でも十分に間に合います。
例えば先ほどの「サンプルデッキ:白黒」などは、初手が《槌の一撃》、2手目が《ケラノスの稲妻》、3手目が《ケンタウルスの武芸者》から始まったドラフトでしたが、4手目と5手目の《窒息死》をきっかけに最終的には「白黒」に落ち着きました。
上の例は少し極端かもしれませんが、このように3手目~5手目あたりに流れてきたコモンは、上家からのシグナルとして大きな意味を持っており、その色が空いているかどうかの指針になります。
特にダブルシンボルの《ケンタウルスの武芸者》《セテッサの誓約者》《窒息死》《ケラノスの稲妻》あたりは明確なシグナルとして機能します。ダブルシンボルのカードはシグナルとして、1枚につきその色のプレイヤーが1人増える、くらいのイメージを持っていて何ら問題のないものだと思うので、これらのカードは仮にピックしないとしても、その動向には気を配るようにしましょう。
ここで先ほどのランキングの説明に移りたいと思いますが、上記のランキングは端的に言えば、色の空いている度合が分かりやすいランキングです。ダブルシンボルのカードの点数が軒並み高いのはそのためで、ランキング上位のカードを色替えの指針にすること、そしてこれらのカードからその色を主張し始めることは、この環境を勝ち抜くための有効な戦略だと考えています。
ただし、すでに数枚のダブルシンボルを流した後でその色を始めると旨みが減ってしまうので、可能な限り早くその色に参入することは強く意識しておきたいです。前述の通り、ダブルシンボルのカード1枚につきその色のプレイヤーが1人増えてしまうと考えられるので、1枚目のダブルシンボルのカードはとりあえず押さえておくこと、そしてその色が空いていそうであれば頑ななまでにその色を主張することを、この環境では徹底するようにしています。
ダブルシンボルのカードを積極的に押さえていけば、卓内の競合相手を減らすことに繋がりますし、最低でも他のプレイヤーがその色の濃いデッキを作ることを防ぐことができます。そういう状況を作り上げることに成功しさえすれば、どの色であろうと強いデッキが組めると思うので、この環境の理想はやはり特定の色の独占を目指すことに尽きます。
多少の点数差には目を瞑ってでも、1色をかき集めるように意識したいですね。
「神々の軍勢・テーロス×2」ドラフト戦略まとめ
最後に、この環境のドラフト戦略をまとめてお別れしましょう。
1.空いている色を探す(ダブルシンボルのカードをヒントに、可能ならば5手目までに)
2.ひたすらにその色をピックして競合相手を減らしつつ、2パック目以降の受けを広く保つ
3.自分で引いた、もしくは流れてきた多色カードなどを基に2色目を決定
2.ひたすらにその色をピックして競合相手を減らしつつ、2パック目以降の受けを広く保つ
3.自分で引いた、もしくは流れてきた多色カードなどを基に2色目を決定
これが僕の推奨する現環境の戦略です。
あまり奇抜なものはなく、一般論に終始してしまった感はありますが、少しでも参考になれば幸いです。グランプリに参加される皆さんはがんばってください!
それでは、また次回の連載で。