準々決勝: 井上 陽介(東京) vs. 嶋津 芳基(山梨)

晴れる屋

By Atsushi Ito


 「神」まで、あと3勝。

 269名の中から8名。そしてこの選ばれし8人から今日、「スタンダード神」が決定する。

井上 「もうそろそろ10時間か……どんだけマジックやってんだ今日(笑)」

 1人は白単使い。《乗騎ペガサス》をはじめとした数々の独特なチューンを施した愛用の白単で、幾多の強豪を屠ってきた。

嶋津 「主な戦績?グランプリは今まで初日落ちしかしたことないんですよ……」

 1人は黒単使い。「はま屋の常連」ということでアバンギャルドなキャラクターの持ち主かと思いきや、長野のそれではなく山梨にある「はま屋」らしい。

 「黒単が多いと思ったのでメタってきました」と語る井上だが、嶋津もここまで勝ち残っている以上、並の黒単使いではない。

 白と黒。ビートダウンと除去。井上と嶋津。どこまでも対照的な2人。

 『スタンダード神』への階段を駆け上るのははたしてどちらか。


Game 1

 先手は嶋津。上々の7枚をキープする。対して井上は《平地》がない手札ではマリガンするしかない。

 さらに嶋津は《思考囲い》

《平地》
《変わり谷》
《ボロスの精鋭》
《神々の神盾》
《乗騎ペガサス》
《乗騎ペガサス》

 から《神々の神盾》を抜き、井上の選択肢を狭めていく。ここから《ボロスの精鋭》《肉貪り》と交換になり、《乗騎ペガサス》が続けて放たれるが、ここで嶋津はリソース勝負の終わりを告げる《地下世界の人脈》を着地させる。

 だが、嶋津には除去があれど土地がない。《夜帷の死霊》《群れネズミ》で盤面を止めつつ、毎ターン片っ端から除去を放っていく。

 一方、井上も負けじと生物を展開していくのだが、「大隊」の達成抜きに《夜帷の死霊》が越えられず、嶋津に長大な猶予を与えてしまう。




嶋津 芳基


 そして。時間さえあるならば、《地下世界の人脈》は必ず答えに辿りつく。

 痛みを覚悟で追加ドローをしてきた甲斐があり、ついに5枚目の土地が置けた嶋津がキャストしたのは、これまでの攻防の全てを無に帰す《アスフォデルの灰色商人》

 リソースに加えてライフでも逆転された井上、さすがに万策尽きた。

井上 0-1 嶋津



Game 2

 1ゲーム目は取ったものの、井上のデッキは超速攻。嶋津のデッキとはマナ域が違いすぎる。《万神殿の兵士》から《神々の神盾》とつなげると、《ファリカの療法》にもめげずに2体目の《神々の神盾》を展開。


神々の神盾



 あまり見ないカードだが、カード名に「神」が2回も出てくるだけあって、この場にふさわしい強さ。嶋津は見事に手札の《思考囲い》《肉貪り》を封じられてしまう。

 《精霊への挑戦》でかわされること覚悟で仕方なく放った《英雄の破滅》はしかし《アジャニの存在》で器用にかわされ、さらに《忠実なペガサス》をクロックに追加されてしまう。続けて温存していた虎の子の《胆汁病》も、これは今度こそ《精霊への挑戦》が鉄壁のガード。

 それでも《アスフォデルの灰色商人》でライフを維持しつつ地上軍団を押しとどめようとした嶋津だったが、井上は2枚目の《精霊への挑戦》でライフを十分詰めてから《果敢なスカイジェク》を展開。

 《忠実なペガサス》と合わせての飛行5点クロックが、結局嶋津にはどうしようもないのだった。

井上 1-1 嶋津



Game 3

 自信満々にキープを宣言した嶋津に対して井上が悩んでキープを宣言すると、《万神殿の兵士》に対して嶋津が2ターン目に送り込んだのは《群れネズミ》!さらに《果敢なスカイジェク》《放逐する僧侶》《ファリカの療法》し、付け入る隙を与えない。

 井上も《ヘリオッドの槍》を置いてようやく一手進めるが、嶋津がキャストした《生命散らしのゾンビ》で公開されたのは《平地》《平地》《精霊への挑戦》。もはやリソースが、ない。




井上 陽介


 《生命散らしのゾンビ》《冒涜の悪魔》《ヘリオッドの槍》で懸命に打ち落とす井上だったが、ライフは着実に削られていく。

 やがて。

 2体の《アスフォデルの灰色商人》が、井上の残りわずかなライフを綺麗に吸いきった。

井上 1-2 嶋津