Round 8: 四本 悠葵(埼玉) vs. 渡辺 雄也(神奈川)

晴れる屋

By Yoshihiko Ikawa


四本 「最近は全然マジックできてないんですよー」

そう言いながらもここまで6-1と好調をキープしているのは、さすがGPトップ8経験者というところか。

しかし、ここで立ちはだかるのが日本一の男、渡辺だ。

四本 「ここに来て一番引いちゃいけないとこ引いたー!」

渡辺 「そんなことないですよ。デッキも今朝組んだばっかりですし」

と談笑。共通の友人である遠藤 亮太(埼玉)の話で一通り盛り上がるなど、かなりの和やかムード。

だが談笑も永遠に続くわけではない。シャッフルが終わると2人とも真剣な眼差しに。
 

これに勝った方がトップ8リーチ。

これに負けた方はトップ8目無し。

「神」への挑戦を続けることができるのは、果たしてどちらか。



Game 1
2度の引き分けを挟んだのち、四本が先攻。渡辺はマリガン。

後攻渡辺の2T《思考囲い》からゲームスタート。

《アゾリウスの魔除け》
《アゾリウスの魔除け》
《天界のほとばしり》
《至高の評決》
《思考を築く者、ジェイス》
《島》

から《思考を築く者、ジェイス》を落とし、《変わり谷》を出してエンド。
3T目には《群れネズミ》をプレイし、《至高の評決》との交換を迫る。

続くターンには《地下世界の人脈》が通ってしまうが、ここで四本は《拘留の宝球》をトップデッキ!
一方的なゲームになることは免れる。




四本 悠葵


しかしここで渡辺が戦場に追加したのが、2枚目の《群れネズミ》。これを四本は除去することができない。

1枚目の《アゾリウスの魔除け》は打開策を探すためにドローに使い、《天界のほとばしり》と一緒に2枚目を《アゾリウスの魔除け》=トップに戻すモードでプレイして《群れネズミ》の数を減らしてはみるももの、根本的な対処にはならず。

《思考を築く者、ジェイス》を出してまずはプラス能力でダメージ軽減、忠誠度2で帰ってきたターンではマイナス能力と《思考を築く者、ジェイス》の能力を最大限活かして《拘留の宝球》《至高の評決》を探すが、求めるものは見つからず。

スタンダードを象徴していると言っても過言ではない《群れネズミ》《変わり谷》の黄金タッグの猛攻により、四本のライフはあっという間に0を割ってしまった。


四本 0-1 渡辺



Game 2
後手を選択した四本。カウンター少なめの態勢にして《アゾリウスの魔除け》を残すなど、後手を意識してサイドチェンジをしているのが特徴的だ。

《島》《啓蒙の神殿》《凱旋の神殿》《拘留の宝球》《今わの際》《思考を築く者、ジェイス》×2という盤石なハンドをキープ。

占術土地が2枚ある上に後手を選んだので、そうそう土地も止まらないだろう。

そう思えるハンドだったのだが、そうはいかないのがマジック。

占術を繰り返しても4枚目の土地が引けないのだ。



ここに付け込みたい渡辺だが、四本に付き合うかのように渡辺の土地も止まる。

フルタップで出した《地下世界の人脈》は即座に《拘留の宝球》され、ドローすることも許されない。

そして攻めあぐねている間に四本が待望の4枚目の土地を手に入れると、《思考を築く者、ジェイス》マイナス起動で土地をめくり一気に回復。

この《思考を築く者、ジェイス》こそ前のターンに盤面に追加していた《生命散らしのゾンビ》で屠るが、土地は引けず。

渡辺:《地下世界の人脈》をプレイ
四本:《拘留の宝球》《地下世界の人脈》を追放
渡辺:《突然の衰微》《拘留の宝球》を破壊。帰ってきた《地下世界の人脈》で1ドロー。

という渡辺にとってアドバンテージ得な交換を2度繰り返しても、4枚目の土地はライブラリーに眠ったまま。

ついにはディスカードまでする羽目になり、普段は冷静な渡辺も、思わず「引かねー」と漏らす。




渡辺 雄也


渡辺が事故から復旧する頃には、四本の場には《霊異種》が降臨済み。

《生命散らしのゾンビ》《冒涜の悪魔》と展開した上で《霊異種》《英雄の破滅》、と《霊異種》とダメージレースを行うが、四本がトップデッキした《アゾリウスの魔除け》、そして《スフィンクスの啓示》が渡辺のプランを打ち崩した。


四本 1-1 渡辺


四本の「後手」作戦にサイドインアウトを少し悩む渡辺だったが、これまでの圧倒的な経験値を重視して大きくは変えず。


Game 3
これまで世界中で行われてきた「黒単vs青白コントロール」だが、このマッチのカギを握るのはどこまでいっても《地下世界の人脈》であることに疑いはないだろう。

そして、その《地下世界の人脈》をめぐる争いに強くなっているのが、今の黒単「タッチ緑」信心なのだ。



渡辺の3ターン目《地下世界の人脈》で第3ゲームが幕を開ける。

これにはお手本通りに《真髄の針》(指定:《沼》)を合わせる四本。

続く4ターン目の《地下世界の人脈》(対象:《変わり谷》)にも《神討ち》を合わせ、そう簡単に《地下世界の人脈》の定着を許さない。

《地下世界の人脈》2枚を綺麗に対処され、もはや敗色濃厚な黒単。

いや、この言葉は正確ではない。

従来の黒単なら、と言った方が正しいだろうか。

返しのターンで渡辺がプレイしたのは、タッチ緑の強みの一つである《見えざる者、ヴラスカ》!!


見えざる者、ヴラスカ



《地下世界の人脈》を封じていた《真髄の針》を破壊し、ついに《地下世界の人脈》が起動できるように!

この《見えざる者、ヴラスカ》こそ《変わり谷》で処理するものの、動き出してしまったアドバンテージエンジンが渡辺を支え、四本を苦しめる。

1ドローして《思考囲い》

1ドローして《思考囲い》

四本もライフを残すために《冒涜の悪魔》《拘留の宝球》と抵抗はしてみるものの、開いてしまった差は埋まらない。

2体目の《冒涜の悪魔》を出された上に、エンド前には《冒涜の悪魔》を封じていた《拘留の宝球》を破壊されて万事休す。

《変わり谷》を悪魔への贄として攻撃を防ぎ、トップデッキしていた《スフィンクスの啓示》を打ち込み延命を図る四本だったが、戦闘後にプレイされた《アスフォデルの灰色商人》が四本のライフを全て奪い去った。


四本 1-2 渡辺