準決勝: 小堺 透雄(神奈川) vs. 村田 俊哉(東京)

晴れる屋

By Atsushi Ito


 一体誰が予想したというのだろう。

 300名のモダンプレイヤーが覇を競う、『モダン神決定戦』

 そのトップ4にはBG系や《出産の殻》、トリコロールなどのトップメタの姿はなく、それらを差し置いてマーフォークバーンが勝ち残っていようとは。

 マーフォークを駆るのは、準々決勝に続き、再びバーンと対峙することとなった村田。

 レガシーとは異なり《梅澤の十手》のような強制ゲームセットの手段がない上に、レガシー同様《渋面の溶岩使い》という脅威が立ちはだかるため、村田にとっては厳しいマッチアップだ。

 対するバーン使いは「VS無限ライフ」という試練を乗り越えた小堺。

 マジック歴15年以上の古豪というだけでなく、古くから日本のカバレージを支えてきた功労者の1人だ。

 「モダン神」まであと2勝。

 フィーチャーエリアという霊峰の頂にて神降誕の儀に挑むのは、はたして村田か小堺か。



 

Game 1

 後手の村田がワンマリガンの上、先手の小堺が《ゴブリンの先達》から《渋面の溶岩使い》2体を展開すると、ゲームは一方的な様相を呈し始める。

 村田も《銀エラの達人》から《呪い捕らえ》《真珠三叉矛の達人》と展開するが、火力と合わせて全て除去されてしまい、その間《ゴブリンの先達》がダメージを刻む。さらに《ボロスの魔除け》が飛び、村田の残りライフは既に6。




小堺 透雄 


 《稲妻》《欠片の飛来》こそ《呪文貫き》されるものの、「メインに2枚あったかー」と呻いた小堺が即座に《頭蓋割り》をトップして、あっという間に勝負あり。

小堺 1-0 村田



Game 2

 今度は村田がロケットスタート。《霊気の薬瓶》から《銀エラの達人》とつなげる。

 小堺も1ゲーム目同様《ゴブリンの先達》から《渋面の溶岩使い》2体という展開なのだが、後手番が響いて1手遅れている感が否めない。

 しかも村田、エンド前に《呪い捕らえ》を出してから先手3ターン目を迎えると、《魂の洞窟》で「スピリット」宣言!

大いなる玻璃紡ぎ、綺羅


 すなわちバーンの天敵、《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》

 小堺も村田のエンジンを回転させる要となっている《霊気の薬瓶》を《Wear》しようとするのだが、スタックで《アトランティスの王》が出てきた上に、さらに続くターンには《銀エラの達人》がリソースを拡充していく。

 やけくそ気味に殴った《ゴブリンの先達》《波使い》をめくったのを見て、小堺は「無理でーす」とブロック前に自らカードを畳んだ。

小堺 1-1 村田



Game 3

 三度出てくる《渋面の溶岩使い》には落ち着いて《霊気の薬瓶》で返した村田だったが、さらに《渋面の溶岩使い》がもう2体出てきたとあっては、さすがに苦笑を隠せない。

 しかも小堺がフェッチや《裂け目の稲妻》で墓地を肥やしながら3体の《渋面の溶岩使い》でプレッシャーをかけると、《銀エラの達人》を引けていない村田、じわりじわりとライフを削られていく。

 《メロウの騎兵》……《真珠三叉矛の達人》……そして《幻影の像》。1体、また1体とクリーチャーが焼かれていき、いつの間にか村田のライフは9。《渋面の溶岩使い》のプレッシャーが、重い。



村田 俊哉 


 やがて村田が力なく2枚目の《霊気の薬瓶》をプレイすると、小堺は残り2枚となった村田の手札を見て、勝負をかける。

 《溶岩の撃ち込み》本体。《欠片の飛来》本体。《呪文貫き》はケアしている。それでも撃つしかない村田。当然2マナが払われてライフは残り3。ということは。

 《渋面の溶岩使い》の群れが、村田に止めを刺した。

小堺 2-1 村田