今週末にはいよいよ待ちに待ったレガシー神決定戦が開催されますが皆さんは参加されますか?
さて、今回の記事ではStarCityGames.com Open Series(SCGO) Las VegasとSCGO Portlandの解説をしていきたいと思います。
SCGO Las Vegas トップ8 ~優勝は赤単バーン!~
2014年6月22日
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1位 Burn/赤単
2位 UWR Miracles/白青奇跡
3位 Elves/エルフ
4位 Elves/エルフ
5位 UWR Delver/白青石鍛冶
6位 Belcher/ベルチャー
7位 Elves/エルフ
8位 BUG Delver/チームアメリカ
優勝はなんと赤単色のBurnでした。
今回のトップ8はElvesが多く、Delver系のテンポデッキはRUG Delver以外のバリエーションが勝ち残っていました。
SCGO Las Vegas デッキ解説
「Burn」「Elves」「BUG Delver」
13 《山》 4 《樹木茂る山麓》 1 《乾燥台地》 1 《血染めのぬかるみ》 1 《沸騰する小湖》 -土地(20)- 4 《ゴブリンの先達》 3 《渋面の溶岩使い》 4 《大歓楽の幻霊》 -クリーチャー(11)- |
4 《稲妻》 4 《Chain Lightning》 4 《溶岩の撃ち込み》 4 《発展の代価》 3 《焼尽の猛火》 4 《裂け目の稲妻》 4 《火炎破》 2 《硫黄の渦》 -呪文(29)- |
3 《難問の鎮め屋》 3 《粉々》 3 《大祖始の遺産》 2 《灼熱の血》 2 《精神壊しの罠》 2 《罠の橋》 -サイドボード(15)- |
今大会見事に優勝を果たした赤単色のバーンデッキ。Journey into Nyxから加入した《紅蓮光電の柱》の能力を内蔵した《大歓楽の幻霊》は、コンボを妨害しつつクロックを刻むことが可能な非常に優秀なカードです。
メインに搭載されている《硫黄の渦》はUWR Miraclesなどのコントロールにとって対処が難しく、《梅澤の十手》や《殴打頭蓋》、《グリセルブランド》などによるライフゲインを防ぎつつ毎ターンダメージを与え続けることが出来ます。
高額なデッキが多くを占める中比較的安価で組めることからレガシーの低予算デッキとしての印象が強いバーンですが、DelverデッキやShardless BUGといった特殊地形に依存したデッキに刺さる《発展の代価》を使えるなどメタ的にも良い位置にあり、またSCGOでも優勝するポテンシャルを持っており決して弱いデッキではありません。
「レガシー神決定戦に参加したいけど、デッキを組むのに大金をつぎ込みたくない」という方にもお勧めできるデッキです。
2 《森》 2 《Bayou》 1 《Savannah》 2 《ドライアドの東屋》 4 《霧深い雨林》 4 《新緑の地下墓地》 1 《吹きさらしの荒野》 4 《ガイアの揺籃の地》 -土地(20)- 4 《遺産のドルイド》 4 《イラクサの歩哨》 4 《クウィリーオン・レインジャー》 4 《ワイアウッドの共生虫》 4 《死儀礼のシャーマン》 2 《樺の知識のレインジャー》 1 《エルフの神秘家》 4 《エルフの幻想家》 2 《孔蹄のビヒモス》 -クリーチャー(29)- |
4 《垣間見る自然》 4 《緑の太陽の頂点》 3 《自然の秩序》 -呪文(11)- |
3 《陰謀団式療法》 3 《思考囲い》 3 《突然の衰微》 1 《漁る軟泥》 1 《クァーサルの群れ魔道士》 1 《大祖始》 1 《世界棘のワーム》 1 《自然の秩序》 1 《森の知恵》 -サイドボード(15)- |
2 《森》 2 《Bayou》 1 《Tropical Island》 2 《ドライアドの東屋》 4 《樹木茂る山麓》 3 《新緑の地下墓地》 2 《霧深い雨林》 4 《ガイアの揺籃の地》 -土地(20)- 4 《クウィリーオン・レインジャー》 4 《ワイアウッドの共生虫》 4 《死儀礼のシャーマン》 3 《遺産のドルイド》 3 《イラクサの歩哨》 1 《樺の知識のレインジャー》 1 《Fyndhorn Elves》 4 《エルフの幻想家》 1 《漁る軟泥》 1 《ヴィリジアンのシャーマン》 1 《自由なる者ルーリク・サー》 2 《孔蹄のビヒモス》 -クリーチャー(29)- |
4 《垣間見る自然》 4 《緑の太陽の頂点》 4 《自然の秩序》 -呪文(12)- |
3 《陰謀団式療法》 3 《突然の衰微》 2 《白鳥の歌》 2 《思考囲い》 2 《真髄の針》 1 《トレストの密偵長、エドリック》 1 《大祖始》 1 《精神壊しの罠》 -サイドボード(15)- |
ここの所コンスタントに上位入賞を続けているElves。Ian AndersonのリストはBMOの優勝デッキと似た青をタッチしたバージョンで、メインに《自由なる者ルーリク・サー》を採用するなどコンボやコントロールをメタっています。
Brandon Smithのリストは《緑の太陽の頂点》でサーチ可能な置物対策である《クァーサルの群れ魔道士》のために白をタッチしていますが、ほとんど緑黒2色です。
これらの結果からも分かるように、Delver系のテンポデッキやDeath and Taxesが多く、Sneak and ShowやANTなどのコンボやUWR Miraclesが少ないアメリカのメタではElvesは勝ちやすいデッキのようですね。
いよいよ今月に発売されるM15からもこのデッキの新戦力になりそうなカードがスポイラーから確認できます。《帰化》を内蔵したElf Shamanの<再利用の賢者>は《緑の太陽の頂点》からサーチしてこられる置物対策として使えそうです。
4 《Underground Sea》 2 《Bayou》 1 《Tropical Island》 4 《霧深い雨林》 4 《新緑の地下墓地》 1 《汚染された三角州》 4 《不毛の大地》 -土地(20)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《タルモゴイフ》 2 《墓忍び》 -クリーチャー(14)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《目くらまし》 4 《Hymn to Tourach》 4 《突然の衰微》 4 《Force of Will》 2 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(26)- |
2 《呪文貫き》 2 《見栄え損ない》 2 《ゴルガリの魔除け》 2 《墓掘りの檻》 2 《真髄の針》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《クローサの掌握》 1 《大渦の脈動》 1 《水没》 1 《森の知恵》 -サイドボード(15)- |
最近Delver系のテンポデッキの中でも高い入賞率を誇るBUG Delver。今回入賞を果たしたDenis Ulanovのリストはフィニッシャーに 《墓忍び》を採用した古典的なリストです。
最近は《闇の腹心》や《真の名の宿敵》が採用されているリストの方が多数派でしたが、サイドの《ゴルガリの魔除け》との相性が気になるところです。《剣を鍬に》を採用したデッキ以外に強く《突然の衰微》で除去されない《墓忍び》は、Shardless BUGやJundに対しては特に頼りになるフィニッシャーとなるので筆者の経験からもお勧めの1枚です。
BUG Delverは他のDelver(RUG Delver,UWR Delver)やSneak and Show,ANTなどのコンボに対して相性が良く、Elves,Death and Taxes,UWR Miraclesにはやや不利が付きますが、プレイングやサイドボードによってある程度まで改善することは可能です。
ElvesやDeath and Taxesが多くなりそうなメタでは《ゴルガリの魔除け》や《虐殺》等の全体除去を増量し、Miraclesが多いメタでは《ヴェンディリオン三人衆》や 《森の知恵》を増量すると良いでしょう。
SCGO Portland トップ8 ~バラエティに富んだ上位陣~
2014年6月22日
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1位 Shardless BUG/続唱青黒緑
2位 UWR Miracles/白青奇跡
3位 Sneak and Show/スニーク・ショー
4位 UWR Delver/白青石鍛冶
5位 Jund/ジャンド
6位 Elves/エルフ
7位 All Spells/スパイ
8位 BUG Control/青黒緑アグロ
SCGO Portlandは8名が全て異なるアーキタイプで入賞と、非常にバラエティに富んだプレイオフとなりました。
そんな中優勝を収めたのはShardless BUGでした。また、SCGO Las Vegasで3名のトップ8入賞者を出したElvesは今回もプレイオフに進出していました。
SCGO Portland デッキ解説
「Shardless BUG」「UWR Miracles」「Sneak and Show」
1 《沼》 3 《Underground Sea》 2 《Tropical Island》 2 《Bayou》 4 《霧深い雨林》 3 《汚染された三角州》 3 《新緑の地下墓地》 1 《忍び寄るタール坑》 2 《不毛の大地》 1 《ヴォルラスの要塞》 -土地(22)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《タルモゴイフ》 2 《悪意の大梟》 4 《断片無き工作員》 -クリーチャー(14)- |
4 《祖先の幻視》 4 《渦まく知識》 4 《突然の衰微》 3 《Force of Will》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 2 《ヴェールのリリアナ》 1 《Hymn to Tourach》 3 《思考囲い》 1 《毒の濁流》 -呪文(24)- |
2 《Hymn to Tourach》 2 《墓掘りの檻》 2 《虚無の呪文爆弾》 1 《誘惑蒔き》 1 《見栄え損ない》 1 《狼狽の嵐》 1 《ゴルガリの魔除け》 1 《虐殺》 1 《Force of Will》 1 《梅澤の十手》 1 《虚空の力線》 1 《Karakas》 -サイドボード(15)- |
SCGO Portlandで優勝を果たしたのは続唱によって稼いだアドバンテージで圧倒するShardless BUGでした。ElvesやDeath and Taxes, 《真の名の宿敵》を使ったデッキの隆盛を受け、最近では《毒の濁流》をメインに採用する傾向にあります。
James のリストはごく普通のリストですが、メインに1枚だけ採用されている《ヴォルラスの要塞》は非常に面白いアプローチです。墓地に落ちた《断片無き工作員》を再利用することでアドバンテージを稼いだり、アグロ相手に《悪意の大梟》を使いまわしたりすることができます。
Sneak and Show対策にサイドに《Karakas》や《誘惑蒔き》が採用されています。伝説のクリーチャーをバウンスする《Karakas》は《スレイベンの守護者、サリア》や《オレスコスの王、ブリマーズ》を採用しているDeath and Taxesに対しても有効です。また《誘惑蒔き》は《突然の衰微》で落ちないので同系でも強く、受けの広い選択です。墓地対策も3種類と多めで、その中でも《墓掘りの檻》はElvesの《緑の太陽の頂点》や《自然の秩序》を封殺することもできます。
Shardless BUGはMiraclesに対しても互角以上の勝負ができ、Delver系のテンポデッキに有利なデッキです。全体的に不利なマッチとなるElvesやDeath and Taxes対策になる《ゴルガリの魔除け》はあと1枚は欲しい所です。それ以外ではメイン、サイド共に受けの広い構成でプレイングもそれ程難しくないので、現在のアメリカのメタのようにコンボが少ない環境では良い選択肢の一つと言えるでしょう。
4 《島》 2 《平地》 1 《山》 3 《Tundra》 1 《Volcanic Island》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《沸騰する小湖》 1 《乾燥台地》 1 《秘教の門》 2 《Karakas》 -土地(23)- 1 《瞬唱の魔道士》 3 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《造物の学者、ヴェンセール》 -クリーチャー(5)- |
4 《渦まく知識》 2 《呪文貫き》 2 《剣を鍬に》 2 《赤霊破》 1 《対抗呪文》 2 《天使への願い》 1 《議会の採決》 3 《Force of Will》 1 《誤った指図》 4 《終末》 3 《相殺》 4 《師範の占い独楽》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(32)- |
3 《安らかなる眠り》 2 《狼狽の嵐》 2 《Wear》 2 《至高の評決》 1 《硫黄の精霊》 1 《イゼットの静電術師》 1 《造物の学者、ヴェンセール》 1 《紅蓮破》 1 《赤霊破》 1 《議会の採決》 -サイドボード(15)- |
惜しくも優勝は逃しましたが、2大会連続の決勝戦進出を果たしたMiracles。今回入賞を果たしたMichael Swailesのリストは、今までも何度も結果を残している強豪プレイヤーでMiraclesの名手であるJoe Lossetのリストだそうです。
メインに2枚採用された《Karakas》や《造物の学者、ヴェンセール》、《誤った指図》などが特徴のリストで、メインから《赤霊破》を採用しているなど青いデッキやSneak and Showを意識しています。その分《剣を鍬に》の枚数が削られているためアグロデッキに対して若干の不安が残りますが、サイドには追加のスイーパーである《至高の評決》が採用されています。Death and Taxes対策の《硫黄の精霊》や小型のクリーチャーを並べる部族デッキとのマッチで活躍しそうな《イゼットの静電術師》もサイドボードに採用されています。
サイドにも追加で《造物の学者、ヴェンセール》が採用されていることから、「伝説のクリーチャー+《Karakas》」のコンボも意識しているようです。Conspiracyから追加された 《議会の採決》も含めて、GP Parisで入賞していたリストと異なり置物やPWに触りやすくなっている点も、好成績を残した原動力かもしれません。
Miraclesは環境のトップメタに位置するDelver系のテンポデッキやElvesなどに相性の良いデッキです。しかし、デッキの性質上SCGOのような8ラウンド以上の長丁場で結果を出すには速く正確なプレイングが必須なので、集中力を切らさないためにも、大会前日の夜には十分な睡眠を取ることも重要です。
3 《島》 1 《山》 3 《Volcanic Island》 4 《沸騰する小湖》 2 《汚染された三角州》 1 《溢れかえる岸辺》 3 《古えの墳墓》 2 《裏切り者の都》 -土地(19)- 4 《グリセルブランド》 4 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(8)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 3 《ギタクシア派の調査》 3 《呪文貫き》 1 《信仰無き物あさり》 4 《実物提示教育》 4 《Force of Will》 4 《騙し討ち》 4 《水蓮の花びら》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(33)- |
3 《紅蓮地獄》 2 《白鳥の歌》 2 《血染めの月》 2 《墓掘りの檻》 2 《すべてを護るもの、母聖樹》 1 《残響する真実》 1 《裂け目の突破》 1 《真髄の針》 1 《精神を刻む者、ジェイス》 -サイドボード(15)- |
対策が厳しくなったことで一時期ほどの支配力は無くなりましたが、《実物提示教育》や《騙し討ち》からの《引き裂かれし永劫、エムラクール》《グリセルブランド》は依然として強力です。
今回入賞を果たしたBrad Rutherfordのリストは、追加の勝利手段兼アドバンテージ獲得手段である《精神を刻む者、ジェイス》がメインから採用されています。《ファイレクシアの破棄者》や《罠の橋》によって《騙し討ち》からのコンボを止められた際にバックアップになり、コンボを巡ったカウンター合戦で失ったリソースの回復も容易です。特にMiraclesなどはPWに触りづらいので、《精神を刻む者、ジェイス》でそのまま勝利することも可能です。
《すべてを護るもの、母聖樹》は相手のカウンターが増量されるサイド後に、相手のカウンターを無視して 《実物提示教育》を通すために使用します。 《血染めの月》は各種DelverデッキやShardless BUGなどに対して出すだけでほぼ勝利を得ることができますし、ファッティ対策に《Karakas》を使用するDeath and Taxesに対してもサイドインします。《紅蓮地獄》は特に小型のクリーチャーやヘイトベアーを並べてくるDeath and TaxesやElvesに対して有効な除去です。
Sneak and Showはレガシーのコンボデッキの中でも府プレイングが比較的簡単でデッキパワーも高いので、普段あまりレガシーをプレイされない方にもお勧めです。ElvesやShardless BUG,Jundなどに対して強く、Delverデッキ特にBUG Delverに対しても、メインボードこそ少し不利が付きますが《すべてを護るもの、母聖樹》や《血染めの月》が導入されるサイド後は接戦となりそうです。ヘイトベアーを多数搭載したDeath and Taxesもキツイ相手ですが、《紅蓮地獄》や《血染めの月》が導入されるサイド後は互角以上のゲームになります。
総括
SCGO Las Vegasでは赤単色のBurnが本来はあまり相性が良くないとされるUW Miraclesに勝利してトロフィーを手にしました。また、その翌週のSCGO PortlandではShardless BUGが優勝を収めました。
最近好調なElvesはSCGO Las Vegasでトップ8に3名の入賞者を輩出するパフォーマンスを見せ、UW Miraclesも優勝こそ逃しましたが2週連続の準優勝という安定した成績を残している一方、Delver系のテンポデッキ、特にRUG Delverの数が少なくなるなどアメリカのメタもヨーロッパのメタに近付いてきているようです。
次回の記事では今週末に開催されるレガシー神決定戦とSCGO Worcesterの解説を予定しています。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいレガシーを!