グランプリ神戸14から2か月が経った。
その間モダンの大型イベントもなく、モダン環境の進展は完全に止まったかに見えた。
しかし。
『タルキール覇王譚』。
プロツアー『タルキール覇王譚』で明らかになったように、このセットの持つポテンシャルの高さはすさまじいものだった。
その影響は、レガシーまで届くほどだ。
となれば当然、モダン環境にも影響を与えないはずがない。
そして来週末に『第2期モダン神挑戦者決定戦』を控えた今、このタイミングで開かれたモダンでのThe Last Sun2014予選。
そこでははたしてどれほど『タルキール覇王譚』のカードが使われているのか。
そんなわけで、会場で見かけた『タルキール覇王譚』のカードをピックアップしてみた。
《ジェスカイの隆盛》
1 《森》 1 《島》 2 《繁殖池》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《寺院の庭》 4 《霧深い雨林》 2 《沸騰する小湖》 2 《真鍮の都》 1 《根縛りの岩山》 1 《内陸の湾港》 -土地(16)- 4 《極楽鳥》 4 《貴族の教主》 4 《森の女人像》 -クリーチャー(12)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《手練》 4 《血清の幻視》 4 《たなびく紺碧》 2 《たなびく真紅》 4 《魔力変》 4 《きらめく願い》 3 《宝船の巡航》 3 《ジェスカイの隆盛》 -呪文(32)- |
2 《耳障りな反応》 2 《白鳥の歌》 1 《肉体+血流》 1 《傷鱗の儀式》 1 《貴重な発見》 1 《突然の衰微》 1 《大渦の脈動》 2 《避難所の印》 1 《ジェスカイの隆盛》 3 《神聖の力線》 -サイドボード(15)- |
《きらめく願い》の入手難度からかあるいはまだ登場して間もないからか、使用者はほとんどいなかったが、それでも実戦練習も兼ねてか持ち込んでいるプレイヤーもいた。
実際に回っているのを見ると、キャントリップ呪文が多いモダンでこそ輝くカードだなという印象を受ける。
来週の『第2期モダン神挑戦者決定戦』でも台風の目になるかもしれない。
『タルキール覇王譚』のカードがゼロからデッキを作り上げたという意味で、今最も注目のデッキだ。
《僧院の速槍》
5 《山》 2 《血の墓所》 4 《沸騰する小湖》 4 《乾燥台地》 4 《黒割れの崖》 -土地(19)- 4 《ゴブリンの先達》 3 《僧院の速槍》 3 《渋面の溶岩使い》 4 《大歓楽の幻霊》 -クリーチャー(14)- |
4 《稲妻》 4 《夜の衝突》 4 《欠片の飛来》 4 《溶岩の撃ち込み》 4 《焼尽の猛火》 3 《頭蓋割り》 4 《裂け目の稲妻》 -呪文(27)- |
4 《ドラゴンの爪》 3 《灼熱の血》 2 《二股の稲妻》 2 《粉々》 2 《血染めの月》 1 《渋面の溶岩使い》 1 《頭蓋割り》 -サイドボード(15)- |
レガシーでも活躍中の進化した《怒り狂うゴブリン》は、モダンでも元気に戦場を駆け回っている。
特にバーンで使われるそれは5枚目以降の《ゴブリンの先達》といっていい性能で、既に火力の性能向上以外で進化の余地がないと思われていたバーンに新風を吹き込んだ。
また『タルキール覇王譚』の加入により、9枚目以降の山フェッチが積めるようになったことも、《焼尽の猛火》の「上陸」や《渋面の溶岩使い》の種が必要なバーンにとっては地味ながら朗報と言えよう。
《宝船の巡航》
4 《島》 2 《山》 4 《蒸気孔》 4 《沸騰する小湖》 4 《汚染された三角州》 -土地(18)- 4 《秘密を掘り下げる者》 1 《僧院の速槍》 4 《若き紅蓮術士》 4 《瞬唱の魔道士》 -クリーチャー(13)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《血清の幻視》 4 《稲妻》 2 《思考掃き》 2 《呪文嵌め》 2 《二股の稲妻》 1 《蒸気の絡みつき》 2 《差し戻し》 3 《電解》 1 《四肢切断》 4 《宝船の巡航》 -呪文(29)- |
4 《ドラゴンの爪》 2 《払拭》 2 《否認》 2 《粉砕の嵐》 2 《血染めの月》 2 《大祖始の遺産》 1 《電解》 -サイドボード(15)- |
《宝船の巡航》は《ジェスカイの隆盛》デッキにもチェインコンボのバックアップカードとして入っていたが、それだけでなく、軽量ドロースペルを連打する《秘密を掘り下げる者》デッキには自然と収まったようだ。
現代において(《祖先の幻視》のような不完全なものではなく)《Ancestral Recall》の気持ちよさを味わえるなど、恐ろしい時代になったものである。まさしく「探査」様様だ。
ただ、《瞬唱の魔道士》デッキであるということも合わせて《大祖始の遺産》にこまめに墓地掃除されると厳しいので注意が必要だ。
《時を越えた探索》
2 《島》 1 《山》 1 《平地》 3 《蒸気孔》 2 《聖なる鋳造所》 1 《神聖なる泉》 4 《沸騰する小湖》 2 《乾燥台地》 2 《溢れかえる岸辺》 2 《硫黄の滝》 3 《天界の列柱》 2 《変わり谷》 -土地(25)- 4 《瞬唱の魔道士》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《嵐の神、ケラノス》 -クリーチャー(7)- |
4 《稲妻》 3 《血清の幻視》 3 《呪文嵌め》 3 《流刑への道》 4 《稲妻のらせん》 3 《差し戻し》 2 《電解》 3 《謎めいた命令》 2 《時を越えた探索》 1 《殴打頭蓋》 -呪文(28)- |
3 《摩耗+損耗》 2 《汚損破》 2 《神々の憤怒》 1 《呪文滑り》 1 《エイヴンの思考検閲者》 1 《嵐の息吹のドラゴン》 1 《否認》 1 《瞬間凍結》 1 《機を見た援軍》 1 《対抗変転》 1 《至高の評決》 -サイドボード(15)- |
「探査」といえばプロツアー『タルキール覇王譚』で一躍話題を浚ったこのカード、《時を越えた探索》も忘れてはならない。
モダンは1マナの使い道を争う環境なので、《好機》か《スフィンクスの啓示》かで頭を悩ませていたコントロールスキーたちにとっては、わずか2マナで撃てるこのカードが福音となる可能性がある。
採用する際は軽量ドローやハンデス・火力など、積極的に墓地に落としにいけるスペルをセットで搭載したりフェッチを多めに積んでおくと、「探査」がしやすくなるだろう。
こうして見る限り、『タルキール覇王譚』はモダン環境に対してかなりのインパクトを与えたように思われる。
はたして来週の『第2期モダン神挑戦者決定戦』ではどのようなデッキが勝利するのか。
あるいは、まだ見ぬ『タルキール覇王譚』のカードが新デッキをもたらす……などということがありうるのか。
激動のモダン環境から、まだまだ目が離せない。