準々決勝の熱も冷めやらぬまま準決勝の席につく遠藤と中村。
トロンと言えばこの男、遠藤”うんぽぴん”健司。トロンに《宝船の巡航》を入れるという大胆な発想は彼ならではと言える。
準々決勝では《出産の殻》デッキに対して圧倒的な相性差をもって勝ち進んだ遠藤ではあるが、相性の良いデッキがあれば相性の悪いデッキも存在する。
そう、準決勝の相手は中村の駆る《宝船の巡航》入りバーン。
菊名合宿の家主・中村は「《宝船の巡航》》がどれほど危険なカードが知らしめに来ました」と意気込みを語る。
正反対とも言える両者のデッキだが、奇しくも共通するパーツは《宝船の巡航》。
決勝へのクルーズに乗るのはどちらか。
Game 1
バーンの中村が先攻。
「弱い方!」と言いながら中村が送り出す初動はタルキールの新顔、レイジングモンクこと《僧院の速槍》。
弱い方? いやいやそんなことはないでしょう。
このモンクが最終的に何点持っていくことになるのか。
《ウルザの鉱山》から《テラリオン》でスタートを切る遠藤。
バーン相手に先攻を取られたこともあり、遠藤としてはいち早くトロンを揃えて解決策に辿り着くことが急務となる。
そうはさせまいと中村、《大歓楽の幻霊》によって軽量アーティファクトを中心とした序盤の動きに負荷を掛ける。
遠藤は《ウルザの塔》を設置し《テラリオン》から緑マナを捻出。
《大歓楽の幻霊》によって2点のダメージを受けつつ《森の占術》で《ウルザの魔力炉》を探し当てる。
これで次のターンから幻霊の影響範囲外でのビッグアクションが取れる遠藤。しかし、再三ではあるが相手はバーン。マナがどれだけ潤沢になろうと容赦なくライフを攻めたててくる。
対する中村としてもトロンが揃ってしまうと、例えば《ワームとぐろエンジン》のような脅威によって敗北を喫する可能性は十分あり得る。
《溶岩の撃ち込み》《稲妻》と立て続けに火力を連打し、《大歓楽の幻霊》《僧院の速槍》(3/4!!)と合わせて一挙11点ものライフを削る。
中村 肇 |
いよいよ後が無い遠藤。先程探し当てた《ウルザの魔力炉》によって揃ったトロンから《解放された者、カーン》をキャスト。「-3」の起動型能力により《大歓楽の幻霊》を追放する。
後は中村が火力を引かなければまだ可能性が……。
しかし無情にも、ライブラリーの上から飛んできたのは《頭蓋割り》。サイズの上がった《僧院の速槍》と合わせて遠藤のライフをきっかり20点削りきった。
中村 1-0 遠藤
Game 2
遠藤の初動は《ウルザの塔》から《彩色の宝球》。
中村はフェッチを置くのみでターンを返す。
できることはトロンを探しに行くことのみ。《彩色の宝球》から緑マナを出して《古きものの活性》をキャスト。2枚目の《彩色の宝球》を手札に加えてターン終了。
……ターン終了? そう、遠藤のプランは《ウルザの塔》から《彩色の宝球》、続くターンに《彩色の宝球》を経由した《古きものの活性》によって土地を探しにいく予定だったはずだ。しかしライブラリーの上から5枚に遠藤の求めるカード=土地は入っていなかった。
遠藤 健司 |
中村、ここでも土地を置くのみとなる。
とにかく土地が欲しい遠藤、再び《彩色の宝球》を設置するも、中村の《摩耗+損耗》によって割られてしまう。
本来は強力なアーティファクト群に対処するためにサイドインしたであろう《摩耗+損耗》なのだろうが、こうなってしまえば相手が2枚目の土地に辿り着く可能性を絶つまでである。
土地が止まる遠藤と対照的に3枚目の土地から《ゴブリンの先達》を走らせる中村。このゴブリンのガイドによって土地が捲れる……こともなく遠藤のライフが下降し始める。
3枚目となる《彩色の宝球》にも《摩耗+損耗》のセット行動。最早遠藤の手札には重く圧しかかるスペルが溜まるばかりとなる。
そして、中村の手札から順番に飛んでくる火力呪文が遠藤のライフを削りきるまで、盤面にトロンが揃うことは無かった。
中村 2-0 遠藤