ジェスカイの隆盛は禁止になると思うか?

晴れる屋

By Atsushi Ito


 3ターンキルを連発。はたまた2キルまで達成することがあるという、『タルキール覇王譚』が生んだ稀代のコンボデッキ。


 《ジェスカイの隆盛》



《ジェスカイの隆盛》コンボ」

1 《島》
1 《森》
2 《繁殖池》
1 《踏み鳴らされる地》
1 《寺院の庭》
4 《霧深い雨林》
2 《沸騰する小湖》
2 《真鍮の都》
1 《内陸の湾港》
1 《根縛りの岩山》

-土地(16)-

4 《極楽鳥》
4 《貴族の教主》
4 《森の女人像》

-クリーチャー(12)-
4 《ギタクシア派の調査》
4 《手練》
4 《血清の幻視》
4 《たなびく緑青》
2 《たなびく真紅》
4 《きらめく願い》
4 《魔力変》
3 《宝船の巡航》
3 《ジェスカイの隆盛》

-呪文(32)-
3 《神聖の力線》
2 《白鳥の歌》
2 《耳障りな反応》
2 《避難所の印》
1 《傷鱗の儀式》
1 《突然の衰微》
1 《貴重な発見》
1 《肉体+血流》
1 《大渦の脈動》
1 《ジェスカイの隆盛》

-サイドボード(15)-
hareruya



ジェスカイの隆盛


 しかしこのデッキはその圧倒的なスピード故に、とある懸念を抱えていた。

 すなわち。

 禁止カードになるのではないか。

 モダンほど頻繁に禁止・制限改訂を行うフォーマットはない。そして「3ターンキル」というのは、これまでモダンが禁止カードを出すときの基準だった。

 ならば、《ジェスカイの隆盛》デッキはそれにあたるのではないか。



 というわけで、会場に来ていたプレイヤーたちに。

 《ジェスカイの隆盛》は禁止になると思うか?」というテーマで、軽くインタビューしてみた。



中村 肇



「菊名合宿」を主催する元プロプレイヤー。


中村 禁止になると思う。デッキがあまり強くないとしても3キルは許さないのがモダンの方針だしね」

中村 「それに今はサイド後も頑張って《ジェスカイの隆盛》コンボを決めようとしてるけど、サイド後に《裂け目の突破》《引き裂かれし永劫、エムラクール》などの別の勝ち手段を目指すようになったら、デッキも今以上に凶悪になると思うよ」



市川 ユウキ



プロツアー2連続トップ8でプラチナプロに上り詰めたライジングスター。


市川 「ぱっと見禁止にするほどでもないかな~という印象ですね。マナクリーチャーを経由しないといけないし。まだあまり触れてないんで、実際触ったら意見変わるかもしれませんが。もちろん使ってみて強ければ自分で使いますよ」

市川 そんなことより《龍爪のスーラク》がヤバイですよ。ガチで。モダンで《タルモゴイフ》をシャクる《龍爪のスーラク》の時代が来ますよ。1000枚買った方がいいまでありますね」



河浜 貴和



『チーム豚小屋』のリーダー。プロツアー『タルキール覇王譚』にてプロツアーデビュー。


河浜 禁止になる派ですね。動いてるところの動画を見たんですが、あれは強すぎると思いますよ。ただ《宝船の巡航》《時を越えた探索》などで妨害しやすい青赤系が強くなってるんで、バランスはギリギリとれてるのかもしれないですが」



斉藤 伸夫



『The Last Sun2013』トップ4、レガシー神決定戦準優勝など安定した成績の強豪レガシープレイヤー。


斉藤 禁止はありえると思います。現状では確かに早いけど妨害もしやすいし、《きらめく願い》のせいでサイドボードを圧迫してるんで、そこまでの強さはないとは思いますが、これからまだ強くなる可能性があるデッキなので」

斉藤 「ただ明確にダメかと言われると微妙なところですね。丁度レガシーのスニーク・ショーみたいなものかもしれないですね。強いけど妨害しやすいコンボ、みたいな意味で」



木原 惇希



新潟勢の第1期スタンダード神


木原 禁止になると思いますよ《師範の占い独楽》《第二の日の出》もそうですが、何といってもトーナメント進行が遅れるのが一番ダメだと思います」



石井 泰介



マンモス系GPチャンピオン


石井 「あれは禁止になるわ。さっきまで『意外と3ターンで決まらなかったりするし妨害もできるから禁止はないんじゃね?』と思ってたけど、三原のフィーチャー見てて気が変わった。時間使いすぎるのがやばい」



三原 槙仁



日本人5人目の殿堂入りプレイヤー。


三原 禁止になる可能性は高いと思うね。そもそもデッキが早すぎる。3キルも簡単だし強い。あと時間がかかるのも良くないね」





 というわけで、どちらかというとその強さよりも「時間がかかる」という理由で「禁止になる」との意見が多数を占めた。

 確かに、3キルが可能な上に一旦コンボが始動すると対戦相手そっちのけで複雑な手順の一人回しを同一ターンに延々し続けるという意味では、プロツアー『ラヴニカへの回帰』で渡辺 雄也を屠った《第二の日の出》デッキに通じるものがある。

 セカンドサンライズの禁止理由同様、「健全なトーナメント進行に障害が出る」という理由で禁止になるというのは、なるほどありえそうなシナリオだ。

 次にモダンの禁止改訂が出るのは来年の1月。

 モダン環境に圧倒的に大きな影響をもたらした《ジェスカイの隆盛》は、はたしてその存在を許されるのだろうか。