今モダンで一番強いデッキは?

晴れる屋

By Atsushi Ito


 「今モダンで一番強いデッキ」と言えば何だろうか。

 黒緑ジャンク……いや、それはないだろう。グランプリ神戸の結論は「負け組となった黒緑」だったはずだ。それがたった2か月でトップメタまで復帰するとは思えない。

 では出産の殻……これも怪しい。決して弱いデッキではないが、「最強」かと言われると疑問符がつく。

 となると親和か……確かにそうかもしれない。Magic Onlineのトップメタは今でも親和だ。しかし数が多いだけという話もある。

 ならば4強の最後の1つ、欠片の双子か……安定性では群を抜いている。PTQ『タルキール覇王譚』シーズンで最も多くの予選突破者を出したのはこのアーキタイプだった。

 だが、もっと強いデッキがあるのだ。

 今モダンで一番強いデッキ。

 それは。






ゴブリンの先達稲妻



 バーンだ。




 理由は言うまでもないだろう。







 モダン神決定戦。そしてグランプリ神戸でも。

 この歴史あるアーキタイプは、メタゲームの隙間を縫って優勝をかっさらった。



 加えて、『タルキール覇王譚』がやってしまった。


僧院の速槍



 既に強かったバーンを、さらに強化するカード。

 毎ターン火力を本体に撃ち続けるこのデッキならば、『果敢』の達成など児戯に等しい。

 つまりは、このカードもまた《ゴブリンの先達》に劣らない打点を有しているのだ。

 いや、《台所の嫌がらせ屋》を乗り越える可能性があるという意味では、シチュエーションによってはそれよりもっと強いとすら言えるかもしれない。



覚前 輝也 「ボロス(赤白)・バーン」 グランプリ神戸14 (優勝)

8 《山》
4 《聖なる鋳造所》
4 《乾燥台地》
4 《戦場の鍛冶場》

-土地(20)-

4 《ゴブリンの先達》
4 《苛立たしい小悪魔》
3 《渋面の溶岩使い》
4 《大歓楽の幻霊》

-クリーチャー(15)-
4 《溶岩の撃ち込み》
4 《稲妻》
3 《欠片の飛来》
4 《頭蓋割り》
3 《ボロスの魔除け》
3 《灼熱の血》
4 《裂け目の稲妻》

-呪文(25)-
4 《溶鉄の雨》
4 《石のような静寂》
4 《神聖の力線》
2 《摩耗+損耗》
1 《粉砕の嵐》

-サイドボード(15)-
hareruya





エンドウ リョウタ The Last Sun2014予選 (2位)

4 《山》
4 《聖なる鋳造所》
4 《血染めのぬかるみ》
4 《乾燥台地》
4 《沸騰する小湖》

-土地(20)-

4 《ゴブリンの先達》
4 《渋面の溶岩使い》
3 《僧院の速槍》
4 《大歓楽の幻霊》

-クリーチャー(15)-
4 《稲妻》
4 《溶岩の撃ち込み》
3 《欠片の飛来》
4 《ボロスの魔除け》
4 《焼尽の猛火》
2 《頭蓋割り》
4 《裂け目の稲妻》

-呪文(25)-
4 《コーの火歩き》
3 《溶鉄の雨》
2 《頭蓋割り》
2 《粉々》
2 《灼熱の血》
2 《摩耗+損耗》

-サイドボード(15)-
hareruya



 この変貌ぶり。

 もはや《苛立たしい小悪魔》すらも抜け、7枚に増量された《ゴブリンの先達》による安定したクロックが保証されている。

 さらに『タルキール覇王譚』の発売で12枚投入することが可能となった「山フェッチ」により、《渋面の溶岩使い》の種も安定供給。《焼尽の猛火》が「上陸」し損ねることも少ないだろう。

 サイドボードにダブルシンボルの《コーの火歩き》が採れるようになったのも地味に大きい。



 これほどまでに強化されたバーンというデッキだが。

 さらに進化の余地も残されている。



「イゼット(青赤)・バーン」

7 《山》
3 《蒸気孔》
4 《乾燥台地》
4 《沸騰する小湖》
1 《樹木茂る山麓》

-土地(19)-

4 《僧院の速槍》
4 《ゴブリンの先達》
4 《大歓楽の幻霊》

-クリーチャー(12)-
4 《溶岩の撃ち込み》
4 《稲妻》
4 《欠片の飛来》
4 《頭蓋割り》
3 《焼尽の猛火》
2 《マグマの噴流》
4 《裂け目の稲妻》
4 《宝船の巡航》

-呪文(29)-
4 《灼熱の血》
4 《ドラゴンの爪》
3 《粉々》
2 《血の手の炎》
2 《倦怠の宝珠》

-サイドボード(15)-
hareruya


宝船の巡航



 《宝船の巡航》

 『タルキール覇王譚』がもたらしたもう1つの力。

 全てのリソースを投げ打って本体を焼き切るバーンというデッキに、《Ancestral Recall》が加わったらどうなるか。

 そう、最強だ。


 だから今回の『第2期モダン神挑戦者決定戦』でも、既に焦点はたった1つ。


大歓楽の幻霊



 バーンの連覇を、阻むことができるのか?

 それだけだ。