「今モダンで一番強いデッキ」と言えば何だろうか。
黒緑ジャンク……いや、それはないだろう。グランプリ神戸の結論は「負け組となった黒緑」だったはずだ。それがたった2か月でトップメタまで復帰するとは思えない。
では出産の殻……これも怪しい。決して弱いデッキではないが、「最強」かと言われると疑問符がつく。
となると親和か……確かにそうかもしれない。Magic Onlineのトップメタは今でも親和だ。しかし数が多いだけという話もある。
ならば4強の最後の1つ、欠片の双子か……安定性では群を抜いている。PTQ『タルキール覇王譚』シーズンで最も多くの予選突破者を出したのはこのアーキタイプだった。
だが、もっと強いデッキがあるのだ。
今モダンで一番強いデッキ。
それは。
バーンだ。
理由は言うまでもないだろう。
モダン神決定戦。そしてグランプリ神戸でも。
この歴史あるアーキタイプは、メタゲームの隙間を縫って優勝をかっさらった。
加えて、『タルキール覇王譚』がやってしまった。
既に強かったバーンを、さらに強化するカード。
毎ターン火力を本体に撃ち続けるこのデッキならば、『果敢』の達成など児戯に等しい。
つまりは、このカードもまた《ゴブリンの先達》に劣らない打点を有しているのだ。
いや、《台所の嫌がらせ屋》を乗り越える可能性があるという意味では、シチュエーションによってはそれよりもっと強いとすら言えるかもしれない。
8 《山》 4 《聖なる鋳造所》 4 《乾燥台地》 4 《戦場の鍛冶場》 -土地(20)- 4 《ゴブリンの先達》 4 《苛立たしい小悪魔》 3 《渋面の溶岩使い》 4 《大歓楽の幻霊》 -クリーチャー(15)- |
4 《溶岩の撃ち込み》 4 《稲妻》 3 《欠片の飛来》 4 《頭蓋割り》 3 《ボロスの魔除け》 3 《灼熱の血》 4 《裂け目の稲妻》 -呪文(25)- |
4 《溶鉄の雨》 4 《石のような静寂》 4 《神聖の力線》 2 《摩耗+損耗》 1 《粉砕の嵐》 -サイドボード(15)- |
4 《山》 4 《聖なる鋳造所》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《乾燥台地》 4 《沸騰する小湖》 -土地(20)- 4 《ゴブリンの先達》 4 《渋面の溶岩使い》 3 《僧院の速槍》 4 《大歓楽の幻霊》 -クリーチャー(15)- |
4 《稲妻》 4 《溶岩の撃ち込み》 3 《欠片の飛来》 4 《ボロスの魔除け》 4 《焼尽の猛火》 2 《頭蓋割り》 4 《裂け目の稲妻》 -呪文(25)- |
4 《コーの火歩き》 3 《溶鉄の雨》 2 《頭蓋割り》 2 《粉々》 2 《灼熱の血》 2 《摩耗+損耗》 -サイドボード(15)- |
この変貌ぶり。
もはや《苛立たしい小悪魔》すらも抜け、7枚に増量された《ゴブリンの先達》による安定したクロックが保証されている。
さらに『タルキール覇王譚』の発売で12枚投入することが可能となった「山フェッチ」により、《渋面の溶岩使い》の種も安定供給。《焼尽の猛火》が「上陸」し損ねることも少ないだろう。
サイドボードにダブルシンボルの《コーの火歩き》が採れるようになったのも地味に大きい。
これほどまでに強化されたバーンというデッキだが。
さらに進化の余地も残されている。
7 《山》 3 《蒸気孔》 4 《乾燥台地》 4 《沸騰する小湖》 1 《樹木茂る山麓》 -土地(19)- 4 《僧院の速槍》 4 《ゴブリンの先達》 4 《大歓楽の幻霊》 -クリーチャー(12)- |
4 《溶岩の撃ち込み》 4 《稲妻》 4 《欠片の飛来》 4 《頭蓋割り》 3 《焼尽の猛火》 2 《マグマの噴流》 4 《裂け目の稲妻》 4 《宝船の巡航》 -呪文(29)- |
4 《灼熱の血》 4 《ドラゴンの爪》 3 《粉々》 2 《血の手の炎》 2 《倦怠の宝珠》 -サイドボード(15)- |
《宝船の巡航》。
『タルキール覇王譚』がもたらしたもう1つの力。
全てのリソースを投げ打って本体を焼き切るバーンというデッキに、《Ancestral Recall》が加わったらどうなるか。
そう、最強だ。
だから今回の『第2期モダン神挑戦者決定戦』でも、既に焦点はたった1つ。
バーンの連覇を、阻むことができるのか?
それだけだ。