THE LAST SUN 2023:メタゲームブレイクダウン(パイオニア)

晴れる屋メディアチーム

(※追記12/19:2日目の進出率を追加しました)

THE LAST SUN 2023 パイオニアメタゲームブレイクダウン

12月4日の禁止制限告知から約2週間。《地質鑑定士》《大いなる創造者、カーン》が環境を去り、長らく禁止されていた《密輸人の回転翼機》が4年ぶりにパイオニアの空に帰ってきた。

地質鑑定士大いなる創造者、カーン密輸人の回転翼機

この強力すぎる機体により、「再びパイオニアが支配されてしまうのでは」と不安視する声もあった中で幕を開けた「THE LAST SUN 2023」。全国各地の予選を勝ち抜いた猛者たちはどのような選択をしたのか。ここからは参加者252名が使用したデッキのメタゲームブレイクダウンを見ていこう。

メタゲーム

1日目

デッキ 使用者数 使用率
ラクドスミッドレンジ 55 21.83%
アブザン探検 21 8.33%
ボロス召集 19 7.54%
ロータスコンボ 16 6.35%
イゼットフェニックス 13 5.16%
ラクドスサクリファイス 13 5.16%
異形化コンボ 11 4.37%
グルールアグロ 11 4.37%
パルへリオンシュート 11 4.37%
ディミーアフェニックス 8 3.17%
《灯の分身》コンボ 6 2.38%
白単人間 5 1.98%
独創力コンボ 5 1.98%
アゾリウスコントロール 5 1.98%
アゾリウスロータス 5 1.98%
イゼットエンソウル 5 1.98%
ローナコンボ 4 1.59%
奇怪な具現 4 1.59%
黒単 4 1.59%
青単 3 1.19%
赤単 3 1.19%
スピリット 3 1.19%
《白日の下に》コントロール 3 1.19%
ボロスヒロイック 2 0.79%
マーフォーク 2 0.79%
ゴブリン 2 0.79%
黒単《無駄省き》 2 0.79%
ディミーアオラクル 2 0.79%
その他 9 3.57%
合計 252 100%

2日目

アーキタイプ 1日目 2日目 2日目進出率
ラクドスミッドレンジ 55 23 41.82%
アブザン探検 21 8 38.10%
ボロス召集 19 7 36.84%
ロータスコンボ 16 5 31.25%
イゼットフェニックス 13 6 46.15%
ラクドスサクリファイス 13 4 30.77%
異形化コンボ 11 4 36.36%
グルールアグロ 11 3 27.27%
パルへリオンシュート 11 3 27.27%
ディミーアフェニックス 8 4 50%
《灯の分身》コンボ 6 2 33.33%
独創力コンボ 5 3 60%
アゾリウスロータス 5 2 40%
白単人間 5 1 20%
アゾリウスコントロール 5 1 20%
イゼットエンソウル 5 1 20%
ローナコンボ 4 3 75%
奇怪な具現 4 2 50%
黒単 4 1 25%
青単 3 1 33.33%
赤単 3 1 33.33%
《白日の下に》コントロール 3 1 33.33%
ゴブリン 2 1 50%
ディミーアオラクル 2 1 50%
マルドゥコントロール 1 1 100%
無限ダンジョンコンボ 1 1 100%
ジャンドアドベンチャー 1 1 100%

ラクドスミッドレンジ (21.83%)

鏡割りの寓話黙示録、シェオルドレッド思考囲い

最も使用者が多かったのはラクドスミッドレンジ。《鏡割りの寓話》《黙示録、シェオルドレッド》のようなパワーカードを《思考囲い》《致命的な一押し》等でバックアップしながら戦うデッキで、どんなデッキに対しても微不利~微有利の範囲で戦うことができる。

密輸人の回転翼機

ラクドスミッドレンジ使用者55名の中で《密輸人の回転翼機》をメインボードに3枚以上採用していたのは35名、その内20名は4枚フル採用していた。元々強力だった既存のラクドスミッドレンジのリストから4枚の枠を空けさせるとは、やはりこの機体は強力なようだ。

太陽の執事長、インティ

《太陽の執事長、インティ》は最近じわじわと採用率を上げてきている。《税血の収穫者》の血・トークンや《鏡割りの寓話》の第2章、そしてやはり《密輸人の回転翼機》。手札を捨てる機会の多いラクドスミッドレンジにおいて、《太陽の執事長、インティ》は簡単にアドバンテージをもたらしてくれる。

アブザン探検(8.33%)

使用率2位は『イクサラン:失われし洞窟』から生まれた新星、アブザン探検。《アマリア・べナヴィデス・アギーレ》《野茂み歩き》が戦場にいる状態で、ライフを得るか探検をする。すると2体の能力が交互に誘発していき、最終的にパワー20になった《アマリア・べナヴィデス・アギーレ》が戦場のクリーチャーを薙ぎ払い、そのまま攻撃して勝利、というコンボデッキだ。

月皇の古参兵アマリア・べナヴィデス・アギーレ野茂み歩き

1ターン目に《月皇の古参兵》、続いて《アマリア・べナヴィデス・アギーレ》、そして3ターン目に《野茂み歩き》《野茂み歩き》の着地で《月皇の古参兵》のライフゲインが誘発しループが始動。3ターンキルも可能なのだ。

集合した中隊召喚の調べ

コンボパーツをいち早く揃えるため、緑の強力なサーチ呪文が4枚ずつ採用されている。《集合した中隊》は言わずと知れたパワーカードで、捲り次第ではこれ1枚でコンボパーツをそろえることもできる。

《召喚の調べ》はコンボパーツを揃えるだけでなく、1枚差しのサイドカードを直接戦場に出すシルバーバレット戦略も可能にしている。例えば対戦相手の発見コンボに対応して《ドラニスの判事》を持ってくることもできる。

戦列への復帰

《戦列への復帰》は墓地に落ちているコンボパーツを1枚で戦場に揃えることができるリアニメイト呪文。小粒なクリーチャーが横並びしやすいこのデッキでは召集を持っていることも噛み合いが良く、対戦相手の妨害をくぐり抜けながらコンボを完走させる。

ボロス招集(7.54%)

イモデーンの徴募兵敬慕されるロクソドン上機嫌の解体

使用率第3位にはボロス招集がランクイン。白単人間や赤単が下火になりつつある今、パイオニア随一の攻撃性能を持つボロス招集を選択したプレイヤーは少なくなかった。

内なる空の管理人

《内なる空の管理人》は4枚採用が一般的になってきたようだ。アグロデッキのライブラリー操作が強力なことは言うまでもなく、このデッキにおいては2種の「召集」持ちクリーチャーや《イモデーンの徴募兵》のような必殺カードにアクセスしやすくなる。

《密輸人の回転翼機》はどれくらい使われた?

さて、「本当に解禁して大丈夫?」と心配の声が聞こえてくる《密輸人の回転翼機》だが、今回のトーナメントではどれだけのプレイヤーが使用したのだろうか。

今回のTHE LAST SUN 2023参加者252名のうち、パイオニアで《密輸人の回転翼機》を1枚以上採用していたプレイヤーは78人で全体の約30%だった。

《密輸人の回転翼機》を1枚以上採用していた人数はアーキタイプごとに以下の通り。(使用者/アーキタイプ全体)

・ラクドスミッドレンジ(41/55人)
・ラクドスサクリファイス(12/13人)
・グルールアグロ(10/13人)
・イゼットエンソウル(4/5人)
・パルへリオンシュート(2/11人)
・白単人間(2/5人)
・黒単(2/4人)
・スピリット(1/3人)
・その他(4/9人)

この中で《密輸人の回転翼機》を4枚採用している割合が高かったアーキタイプは以下の通り。

・ラクドスサクリファイス(92%
・グルール機体(90%
・イゼットエンソウル(80%)
・ラクドスミッドレンジ(74%)

墓地から何度でも蘇る《大釜の使い魔》擁するラクドスサクリファイスや、1マナのマナクリーチャーが8枚入ったグルールアグロなどは《密輸人の回転翼機》との相性が良いようだ。

大釜の使い魔ラノワールのエルフエルフの神秘家

注目デッキ 「イゼットエンソウル」

アーティファクトの魂込め

Ensoul Artifact》

《密輸人の回転翼機》の解禁と『イクサラン:失われし洞窟』からの新戦力により、《アーティファクトの魂込め》を中心としたビートダウンデッキが再び環境に現れた。かつては青単や白青で構築されることが多かった《アーティファクトの魂込め》デッキだが、いま注目されている赤い新戦力を見てみよう。

遠眼鏡のセイレーンダイヤのツルハシ

《遠眼鏡のセイレーン》は1マナ1/1飛行として打点を刻みながら《アーティファクトの魂込め》の種となるアーティファクトを供給する。 《ダイヤのツルハシ》は装備品としてまずまずの性能を持ちながら、《アーティファクトの魂込め》5/5破壊不能クリーチャーになることができる。環境トップのラクドスミッドレンジから《致命的な一押し》されないのは良い強化ポイントだろう。

実験の狂乱

デッキのほとんどが2マナ以下のカードで構成されているため、《実験の狂乱》は莫大なアドバンテージをもたらしてくれる。サイドボード後、軽い除去やアーティファクト対策で妨害を試みる対戦相手には劇的に刺さるカードだ。

展望

『イクサラン:失われし洞窟』のリリース、そして2枚の禁止カードと1枚の解禁カードがパイオニア環境を大きく揺るがしている。

禁止改定後初となる大型テーブルトップイベント「THE THE LAST SUN 2023」の頂点に立つのはどんなデッキ、どんなプレイヤーなのだろうか。

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