USA Legacy Express vol.66 -SCGO Columbus, GP New Jersey, Interview to Rudy Briksza-

Kenta Hiroki

皆さんこんにちは。

先週末はGP New Jerseyがあり、参加者4000人以上という大盛況でした大きめの会場でしたが特に1日目はそれでも窮屈に感じられるほどの大人数で、大会の進行もかなり遅れてしまいDay1最終ラウンドが終了した頃には日付が変わっていました。

筆者も参加し、二日目に残ることはできましたが、残念ながら最終成績は10-5でノーマネーフィニッシュでした。しかし史上最大のレガシーの大会に参加することができて良い経験になりましたし、参加者全員に配られたプレイマットの絵柄も筆者の好きなスペルの1枚である《渦まく知識》と豪華でした。他州に住んでいる友人とも再会することができたのでトータル面では良い週末だったと思います。

さて、今回の記事ではStarCityGames.com Open(SCGO) ColumbusGP New Jerseyの結果を見ていきたいと思います。また、SCGO Columbus優勝者Rudy Brikszaにインタビューを行いましたので、そちらも合わせてどうぞ。



SCGO Columbus トップ8

~優勝はJeskai Stoneblade、サイドにはCommander 2014のあのカードも~


2014年11月09日

Rudy Briksza 


1位 Jeskai Stoneblade/白青石鍛冶
2位 Elves/エルフ
3位 UR Delver/青赤デルバー
4位 UR Delver/青赤デルバー
5位 Sneak and Show/スニーク・ショー
6位 Mono Red Stompy/ゴブリンストンピィ
7位 Miracles/白青奇跡
8位 UR Delver/青赤デルバー

UR Delverがトップ8に3人とアメリカのレガシーの大会らしい結果となりましたが、優勝を果たしたのはJeskai Stonebladeでした。JeskaiというとDelver系のデッキという印象がありますが、今大会の優勝デッキは中速寄りのStoneblade系の構成です。
相変わらず青いデッキが多いトップ8ですが、6位に入賞した数少ない非青デッキであるMono Red Stompyは面白いデッキです。



SCGO Columbus デッキ解説

「Mono Red Stompy」「Sneak and Show」



Marshall Arthurs 「Mono Red Stompy」 SCGO Columbus (6位)

8 《山》
4 《魂の洞窟》
4 《古えの墳墓》
4 《裏切り者の都》

-土地(20)-

4 《帝国の徴募兵》
4 《猿人の指導霊》
4 《月の大魔術師》
1 《ゴブリンの熟練扇動者》
4 《モグ捕り人》
1 《タクタクの潰し屋》
1 《残忍なレッドキャップ》
1 《包囲攻撃の司令官》
1 《鏡割りのキキジキ》

-クリーチャー(21)-
4 《血染めの月》
4 《金属モックス》
4 《虚空の杯》
4 《三なる宝球》
3 《槌のコス》

-呪文(19)-
4 《紅蓮操作》
3 《罠の橋》
2 《宝石の洞窟》
2 《呪文滑り》
2 《棘鞭使い》
1 《特務魔道士ヤヤ・バラード》
1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》

-サイドボード(15)-
hareruya


マナ加速から《虚空の杯》《三なる宝球》《血染めの月》《月の大魔術師》といったカードで相手の行動を制限するプリズンデッキ。 ほとんどのデッキに特殊地形が多数採用されているレガシーでは《血染めの月》《月の大魔術師》1枚で勝負が決まることも珍しくありません。《虚空の杯》《三なる宝球》は、現環境のトップメタの一角であり、軽いスペルを多用するUR Delverに良く効きます。

Marshall Arthursのリストは勝ち手段にゴブリンたちを採用しており、その中ではスタンダードでも猛威を振るっている《ゴブリンの熟練扇動者》の姿も見られます。《モグ捕り人》はゴブリンのリクルーター《包囲攻撃の司令官》《鏡割りのキキジキ》先ほどの《ゴブリンの熟練扇動者》といった強力なゴブリンを探してきます。《残忍なレッドキャップ》《タクタクの潰し屋》といったゴブリンクリーチャーも状況に応じてサーチして来ることも可能で、このデッキのキーとなるクリーチャーです。 《魂の洞窟》の恩恵で打消される心配もありません。

モグ捕り人三なる宝球裏切り者の都






Brad Nelson 「Sneak and Show」 SCGO Columbus (5位)

3 《島》
4 《Volcanic Island》
4 《沸騰する小湖》
3 《霧深い雨林》
3 《古えの墳墓》
2 《裏切り者の都》

-土地(19)-

4 《グリセルブランド》
4 《引き裂かれし永劫、エムラクール》

-クリーチャー(8)-
4 《思案》
4 《渦まく知識》
4 《呪文貫き》
3 《ギタクシア派の調査》
2 《圧服》
4 《実物提示教育》
4 《Force of Will》
4 《騙し討ち》
4 《水蓮の花びら》

-呪文(33)-
4 《神聖の力線》
3 《紅蓮地獄》
3 《防御の光網》
2 《破壊放題》
2 《墓掘りの檻》
1 《血染めの月》

-サイドボード(15)-
hareruya


SCGのプレミアコンテンツのプレイテストビデオでいつも楽しませてくれているBrad Nelsonは、今大会ではSneak and Showを使用し入賞を果たしました。現環境で人気のあるUR Delverは《呪文貫き》などカウンターが少なめなので、コンボデッキにとって比較的有利なメタだと判断したようです。

メインの《圧服》やサイドの《防御の光網》など青いデッキ対策に集中しています。最近は減少傾向にありますが、ハンデス対策に《神聖の力線》が4枚積まれているなど抜かりない構成です。

引き裂かれし永劫、エムラクール実物提示教育圧服





Interview With Rudy Briksza


Rudy Briksza 

見事に優勝を飾ったRudy Brikszaに今回使用していたJeskai Stonebladeについてインタビューすることができました。
IDを除いて今大会無敗を記録しました。






Rudy Briksza 「Jeskai Stoneblade」 SCGO Columbus (1位)

3 《島》
2 《平地》
1 《山》
3 《Tundra》
3 《Volcanic Island》
4 《溢れかえる岸辺》
3 《沸騰する小湖》
2 《乾燥台地》
1 《Karakas》

-土地(22)-

4 《石鍛冶の神秘家》
1 《瞬唱の魔道士》
2 《真の名の宿敵》
2 《ヴェンディリオン三人衆》

-クリーチャー(9)-
4 《渦まく知識》
4 《剣を鍬に》
3 《稲妻》
2 《呪文貫き》
2 《紅蓮破》
2 《対抗呪文》
1 《議会の採決》
4 《Force of Will》
2 《時を越えた探索》
1 《宝船の巡航》
1 《梅澤の十手》
1 《殴打頭蓋》
2 《精神を刻む者、ジェイス》

-呪文(29)-
2 《封じ込める僧侶》
2 《コーの火歩き》
2 《狼狽の嵐》
2 《血染めの月》
1 《悪斬の天使》
1 《紅蓮地獄》
1 《赤霊破》
1 《青霊破》
1 《至高の評決》
1 《墓掘りの檻》
1 《大祖始の遺産》

-サイドボード(15)-
hareruya


■デッキの選択理由

--トップ8進出おめでとう!なぜJeskai Stonebladeを選択したの?

Rudy: :MOで結果を残しているデッキの中で《時を越えた探索》を使ったControlを見つけたんだけど、もっと能動的に勝ちにいける形にしたくなって現在のリストに辿り着いたんだ。

元々《石鍛冶の神秘家》を使ったデッキが好きで、Esper Stoneblade・Deathbladeと色々な形のリストを使ってきて何度か上位に入賞もできた。デッキとしての形を保ちつつも、メタに合わせた細かい調整が効くのもStonebladeが好きな理由の一つだね。今のレガシーは《宝船の巡航》を活かすために軽いキャントリップスペルを多用してて、そのためにメインのカウンターや脅威の絶対数が少なくなってきているから、除去・カウンター・装備品など効果的な妨害要素が豊富なこのデッキにとって良い環境だと思う。相手の脅威を捌いた後に《精神を刻む者、ジェイス》を出せばほぼ勝ちだね。



■3マナクリーチャー、「探査」スペルについて


スレイベンの守護者、サリア真の名の宿敵ヴェンディリオン三人衆


Rudy: :クリーチャーのチョイスだけど、《真の名の宿敵》はフェアデッキに対して最高のクリーチャーで装備品の対象先としても最適。《ヴェンディリオン三人衆》はコンボやフェアなデッキの中でも同系やMiraclesに対しても強いから、それぞれ2枚ずつ採用することに決めた。

--なるほど。以前から人気のあったハンデスの黒の代わりに火力とアンチ青カードの赤がタッチされたStonebladeは、UR Delverのように《宝船の巡航》を使ったデッキに強そうだね。

Rudy: クリーチャーデッキに対して強く直接火力にもなるから無駄カードにならずPWに対する回答にもなる《稲妻》と、青いデッキに対して確定カウンター兼除去の《紅蓮破》がある赤は現在ではベストなタッチカラーだと思う。

――《時を越えた探索》《宝船の巡航》が両方採用されているのは珍しいね。

Rudy: 試験的な意味で《宝船の巡航》も使ってみたんだけど、これは3枚目の《時を越えた探索》の方が良かったと思う。《宝船の巡航》はDelver系のように手数で押すタイプのデッキで強そうだけどStonebladeのように《精神を刻む者、ジェイス》やカウンターといった特定のカードを必要とするデッキには《時を越えた探索》がフィットしている。



■サイドボードや苦手なデッキについて

コーの火歩き封じ込める僧侶


Rudy: 《コーの火歩き》はバーンに対して物凄く強かったね。除去を赤いカードに頼っているUR Delverもこのクリーチャーに触ることができないし、赤いスペルを多用するからライフの回復もすることが出来て中盤以降に火力で削られる心配も無くなる。《封じ込める僧侶》はSneak and Show相手に早速活躍したよ。Dredge、Elves、Reanimatorにも強くて、似た効果であまり枚数を引きたくない《墓掘りの檻》を減らすことが出来た。

――3色だけど基本地形も結構多めに取られているから相手のアンチ特殊地形の《血染めの月》による被害も少なくて済みそうだね。

Rudy: そうだね。逆に《血染めの月》を使って相手をロックすることもできるよ。

――クリーチャーデッキ全般に強そうでコンボに対してもサイド後は特に有利が付きそうだけど、当たりたくないデッキはある?

Rudy: 最近はあまり見かけなくなってきたけどShardless Sultaiのようにハンデスや続唱でアドバンテージを取りながら《ヴェールのリリアナ》《精神を刻む者、ジェイス》といったパワフルなスペルを展開してくるデッキは苦手な部類に入るな。でも《紅蓮破》《精神を刻む者、ジェイス》《祖先の幻視》をたったの1マナでカウンターできるし《稲妻》《死儀礼のシャーマン》を除去するし、ハンデスの被害も《時を越えた探索》で回復することができるから今までのStoneblade系と比べたら有利だと思うよ。《血染めの月》もあるしね。

――今日はインタビューに協力してくれてありがとう。改めてトップ8入賞おめでとう。プレイオフも頑張って!


インタビューを行ったのはRudyがスイスラウンドを7-0-2でトップ8を確定させた直後でした。その後彼はプレイオフで1ゲームも落とさずに勝利を重ね、レガシーオープンでは初の優勝トロフィーを受賞しました。Rudy、優勝おめでとう!

石鍛冶の神秘家真の名の宿敵紅蓮破





GP New Jersey トップ8

~参加者4000人以上のレガシーGPを制したのはJeskai Stoneblade~


2014年11月16日

Brian Braun-Duin 


1位 Jeskai Stoneblade/白青石鍛冶
2位 Infect/感染アグロ
3位 ANT/むかつきストーム
4位 Miracles/白青奇跡
5位 Miracles/白青奇跡
6位 UR Delver/青赤デルバー
7位 MUD/茶単
8位 UR Landstill/青赤コントロール

参加者4000人以上という記録的な規模のGPを制したのは、SCGのプレミアライターBBDの操る独創性の高いJeskai Stonebladeでした。アメリカのレガシーのトップメタであるUR Delverは今大会でも一番の人気で、二日目進出率も20パーセントとその他(ローグ)のデッキを除いて1位でしたがトップ8には辛うじて1人残っているのみです。しかし、UR Delverは1人でしたが、トップ8入賞デッキの半数が 《宝船の巡航》《時を越えた探索》を採用しており、「探査」スペルの強さを象徴付ける大会でした



GP New Jersey デッキ解説

「Jeskai Stoneblade」「Infect」「Miracles」「UR Landstill」



Brian Braun-Duin 「Jeskai Stoneblade」 GP New Jersey (1位)

1 《島》
1 《平地》
3 《Tundra》
3 《Volcanic Island》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《沸騰する小湖》
2 《乾燥台地》

-土地(18)-

4 《石鍛冶の神秘家》
4 《若き紅蓮術士》
2 《真の名の宿敵》

-クリーチャー(10)-
4 《ギタクシア派の調査》
4 《思案》
4 《渦まく知識》
3 《稲妻》
3 《剣を鍬に》
2 《呪文貫き》
2 《紅蓮破》
4 《Force of Will》
4 《宝船の巡航》
1 《梅澤の十手》
1 《殴打頭蓋》

-呪文(32)-
3 《翻弄する魔道士》
2 《封じ込める僧侶》
2 《狼狽の嵐》
1 《ヴェンディリオン三人衆》
1 《水流破》
1 《紅蓮破》
1 《電謀》
1 《摩耗+損耗》
1 《議会の採決》
1 《至高の評決》
1 《墓掘りの檻》

-サイドボード(15)-
hareruya


SCGのプレミアコンテンツでBrad NelsonやTodd Andersonと共に楽しませてくれているBBD。そのBBDが使用したデッキはJeskai DelverとSCGO Columbusで優勝を果たしたJeskai StonebladeとUR Delverをハイブリットした様な構成で、《若き紅蓮術士》《宝船の巡航》を活かすために軽いスペルが多数採用され従来のStonebladeよりもよりアグロ寄りに仕上がっています

クリーチャーの採用数は少なめですがトークンを生み出す《若き紅蓮術士》の存在で装備品の対象には事欠きません。「探査」をしやすくするために能動的なスペルが優先されカウンターのような受動的なスペルは減少傾向にありましたが、BBDはコンボとのマッチアップに備えて《呪文貫き》もしっかり採っています。

サイドにはCommander 2014からの新顔《封じ込める僧侶》が採用されています。SCGO Columbusの優勝インタビューでも挙げられていましたが、Sneak and Show、Dredge, Reanimator、Elves, Death and Taxes、Marverickなど多くのマッチアップにおいて活躍するカードです。

若き紅蓮術士石鍛冶の神秘家封じ込める僧侶






Tom Ross 「Infect」 GP New Jersey (2位)

1 《森》
4 《Tropical Island》
4 《霧深い雨林》
4 《新緑の地下墓地》
1 《樹木茂る山麓》
1 《ペンデルヘイヴン》
4 《墨蛾の生息地》
1 《不毛の大地》

-土地(20)-

4 《貴族の教主》
4 《ぎらつかせのエルフ》
4 《荒廃の工作員》

-クリーチャー(12)-
4 《渦まく知識》
3 《ギタクシア派の調査》
3 《巨森の蔦》
2 《Berserk》
2 《輪作》
2 《呪文貫き》
3 《目くらまし》
4 《激励》
3 《Force of Will》
1 《強大化》
1 《宝船の巡航》

-呪文(28)-
2 《水流破》
2 《クローサの掌握》
1 《屍百足》
1 《呪文滑り》
1 《自然の要求》
1 《呪文貫き》
1 《青霊破》
1 《水没》
1 《Force of Will》
1 《森の知恵》
1 《梅澤の十手》
1 《ボジューカの沼》
1 《不毛の大地》

-サイドボード(15)-
hareruya


Miraclesに相性が良いデッキとしてKTKリリース前まではそれなりの数を見かけましたが、KTKリリース後は環境が《宝船の巡航》を活かせる戦略へシフトしこのデッキが苦手とするDelver系のデッキが多くなったのでしばらく見かけませんでした。しかしそんな逆風にもかかわらずTom RossはInfectで見事に準優勝を果たしました。

KTKから加入した「探査」パンプスペルの《強大化》を予測できたプレイヤーは少なかったと思います。わずか1枚ですが《宝船の巡航》も採用されています。軽いキャントリップスペルを多数採用しているのでInfectも「探査」のメカニックと相性が良いデッキの一つです。

ぎらつかせのエルフ荒廃の工作員強大化






Philipp Schonegger 「Miracles」 GP New Jersey (4位)

4 《島》
2 《平地》
3 《Tundra》
3 《Volcanic Island》
4 《溢れかえる岸辺》
3 《沸騰する小湖》
2 《乾燥台地》

-土地(21)-

3 《瞬唱の魔道士》

-クリーチャー(3)-
4 《剣を鍬に》
4 《思案》
4 《渦まく知識》
1 《紅蓮破》
1 《赤霊破》
1 《対抗呪文》
2 《天使への願い》
4 《Force of Will》
4 《終末》
4 《相殺》
4 《師範の占い独楽》
3 《精神を刻む者、ジェイス》

-呪文(36)-
2 《封じ込める僧侶》
2 《ヴェンディリオン三人衆》
2 《狼狽の嵐》
2 《青霊破》
1 《紅蓮破》
1 《赤霊破》
1 《摩耗+損耗》
1 《対抗呪文》
1 《紅蓮地獄》
1 《議会の採決》
1 《仕組まれた爆薬》

-サイドボード(15)-
hareruya


KTKリリース以降の環境のアメリカのメタでは減少傾向にあったMiraclesですが、今大会では2名の入賞者を輩出しました。入賞したPhilipp SchoneggerはGP Parisでも同デッキでトップ8に入賞していた強豪プレイヤーです。土地が21枚と少なめですが《思案》がメインから4枚採用されており、《師範の占い独楽》を引けなくても安定して回るようになっています。 メインから《瞬唱の魔道士》が3枚採用されている関係で最近のMiraclesで良く見かける《時を越えた探索》は不採用です。

《封じ込める僧侶》はこのデッキでも採用されています。《封じ込める僧侶》で十分と判断されたのか墓地対策がサイドにも一切採用されていません。役割が似ている墓地対策兼《緑の太陽の頂点》《自然の秩序》対策の 《墓掘りの檻》の不採用は、メインから3枚採用されている《瞬唱の魔道士》との相性の悪さからも分かりますが、墓地対策が0枚というのは非常に思い切った判断です。

終末瞬唱の魔道士思案







Lam Phan 「Land Still」 GP New Jersey (8位)

2 《冠雪の島》
1 《冠雪の山》
4 《Volcanic Island》
4 《沸騰する小湖》
1 《溢れかえる岸辺》
1 《霧深い雨林》
1 《樹木茂る山麓》
2 《フェアリーの集会場》
4 《ミシュラの工廠》
4 《不毛の大地》

-土地(24)-

3 《瞬唱の魔道士》

-クリーチャー(3)-
4 《渦まく知識》
4 《稲妻》
4 《もみ消し》
3 《呪文貫き》
3 《呪文嵌め》
3 《突然のショック》
2 《対抗呪文》
4 《Force of Will》
1 《宝船の巡航》
1 《時を越えた探索》
3 《行き詰まり》
1 《精神を刻む者、ジェイス》

-呪文(33)-
4 《大祖始の遺産》
3 《紅蓮地獄》
2 《外科的摘出》
2 《紅蓮破》
2 《仕組まれた爆薬》
1 《赤霊破》
1 《狼狽の嵐》

-サイドボード(15)-
hareruya


最近では珍しいLand Still。 《行き詰まり》を貼って相手にアクションを取りにくくさせ《ミシュラの工廠》《フェアリーの集会場》といったスペルを唱えることを必要としないクロックであるミシュラランドで攻撃していくヘビーコントロールデッキです。ミシュラランドはMiraclesの《師範の占い独楽》《相殺》に強く、Miraclesは今大会では4番目に高い二日目進出率でそこそこの数が存在したのでメタ的にも良チョイスだったと思います。

今回入賞したLam Phanのリストは無駄カードになりにくい火力を除去に採用した、青赤のカウンターバーンのような構成です。その中でも目を引くのは《突然のショック》。「刹那」は《僧院の速槍》《若き紅蓮術士》《死儀礼のシャーマン》《石鍛冶の神秘家》といったクリーチャーを相手にレスポンスする猶予も与えることなく除去します。特に火力が主な除去であるこのデッキでは《僧院の速槍》を確実に除去することが出来る数少ないスペルです。

メインから《瞬唱の魔道士》を3枚採用しているのにも拘らず「探査」スペルの 《時を越えた探索》《宝船の巡航》が1枚ずつ採用されています。ロングゲームを見据えたこのデッキでは自然に墓地にカードも溜まると思うので無理なく「探査」でプレイできるでしょう。
Delver系のデッキに相手のフェッチランドの起動をカウンターし実質1マナの土地破壊として使われていることの多い《もみ消し》ですが、このデッキでは主な勝ち手段であるミシュラランドを相手の《不毛の大地》などから守るのに使われます。このデッキにとってメインでは苦戦しやすいコンボとのマッチアップでも役に立ちます。クロックが遅いのでDelver系のようにはいきませんが、《不毛の大地》と合わせて相手のマナベースに被害を加えることも可能です。

サイドには4枚の《大祖始の遺産》の他にも《外科的摘出》も採用されるなど多めの墓地対策が特徴です。相手の「探査」を妨害しDredgeやReanimator、《壌土からの生命》エンジン、《罰する火》対策になります。

行き詰まり突然のショックミシュラの工廠






総括

GP New Jerseyの結果からも《時を越えた探索》《宝船の巡航》2枚の「探査」ドロースペルの強さは本物であることが証明されました。来月に行われるSCG Invitational Seattleに向けてメタがどのように移行していくのか目が離せません。今後レガシーの大会に出る際は《若き紅蓮術士》対策はしっかりしていきたい所です。《ゴルガリの魔除け》《至高の評決》《紅蓮地獄》《盲信的迫害》 といったカードは今後良く見かけるカードになりそうです。

以上で今回の解説を終わりたいと思います。次回の記事ではSCGO RichmondとSCGO Atlantaの入賞デッキの解説を予定しています。
果たして「探査」ドロースペルを使ったフェアデッキの天下が続くのか。

それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいレガシーを!


※編注:記事内の画像は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『SCGO Columbus event coverage』
http://www.starcitygames.com/events/081114_columbus.html
『GP New Jersey event coverage』
http://www.starcitygames.com/events/141114_edison.html